徹底比較!CB125RとGSX-S125:はじめに
いくつものコーナーをクリアしてたどり着いた絶景ワインディングロードほど、ライダーの心を揺さぶるものはありません。にやけ顔はヘルメットで隠し、そこに漂うにおいを独り占めする、その相棒に相応しいのはCB125R?それともGSX-S125?ここではバイクを操る楽しさに満ちたホンダのCB125RとGSX-S125を徹底比較します。
125ccネイキッドスポーツの楽しさ
125ccネイキッドスポーツであるホンダのCB125RとスズキのGSX-S125が、ツーリングでどんな楽しさをあなたにもたらすかを検証します。街乗りで重視したい足つき性も比較し、ユーザーのインプレやレビューを交えながら、それぞれの欠点も突いていきましょう。欠点がないバイクは面白みが少ないもの。バイクの欠点はツーリングのスパイスになります。
CB125RとGSX-S125を比較:車体サイズ
【車体サイズのスペック比較】
CB125R | GSX-S125 | |
全長(mm) | 2,040 | 2,000 |
全幅(mm) | 820 | 745 |
全高(mm) | 1,055 | 1,035 |
※2019年9月15日現在
ホンダのCB125RとスズキのGSX-S125の車体サイズを比較すると、CB125Rは大柄でハンドル幅が広く、GSX-S125はコンパクトでハンドル幅が狭いといえます。車体サイズはどちらも250ccクラスの大きさで、125ccミニバイクの平均値よりも大きいですね。
車体サイズに関するインプレやレビュー
CB125RとGSX-S125の車体サイズに関するユーザーのインプレやレビューを比較すると、大きな車格に満足するコメントが多いですね。しかし「CB125Rは立派な車格」「GSX-S125はコンパクト」と表現される傾向にあります。125ccのバイクは街乗り性も重要なので、車体サイズの微妙な差は重要なチェックポイントです。
【CB125R】外観はCB250Rに似た感じで、どう見ても250としか思えないデザイン、見た目もカッコよく保有していて大満足です。
【GSX-S125】車格が大きく125ccなんだ…という引け目もあまり感じません。
CB125RとGSX-S125を比較:エンジン
【エンジンスペック比較】
CB125R | GSX-S125 | |
エンジン | 水冷SOHC 2バルブ単気筒 |
水冷DOHC 4バルブ単気筒 |
最高出力 (ps/rpm) |
13/10,000 | 15/10,000 |
最大トルク (kgf・m/rpm) |
1.0/8,000 | 1.1/8,000 |
最高速度1 (km/h) |
119.0 | 118.4 |
最高速度2 (km/h) |
95.2 | 94.7 |
※最高速度1:6速で最高出力を発生させるエンジン回転数での理論値
※最高速度2:6速で最大トルクを発生させるエンジン回転数での理論値
※2019年9月15日現在
CB125RとGSX-S125のエンジンのスペックを比較すると、最高出力や最大トルクを発生させるエンジン回転数での速度理論値はほぼ互角だといえます。125ccのバイクは高速道路を走行できませんので、最高速度はどちらも必要以上に速く、欠点らしいところは見当たりません。
エンジンに関するインプレやレビュー
CB125RとGSX-S125のエンジンに関するユーザーのインプレやレビューを比較すると「CBR125は扱いやすい」「GSX-S125は刺激的」だというコメントが多いですね。CB125Rは低中速域でのトルクを重視したSOHC、GSX-S125はスポーティなふけ上がりを実現するDOHC。実用面ではCB125R、楽しさではGSX-S125に軍配が上がります。
【CB125R】中低速域のパワーが扱いやすく 回転もスムーズで使いきれる程よいパワー感が良いと思います。
【GSX-S125】本領を発揮できるのは間違いなく高回転域。10,000rpmを超えてもまだ伸びる!
CB125RとGSX-S125を比較:加速性能
【加速性能に関するスペック比較】
CB125R | GSX-S125 | |
パワーウエイトレシオ (kg/ps) |
9.8 | 8.9 |
トルクウエイトレシオ (kg/kgf・m) |
120.9 | 127.0 |
※数値が小さいほど、軽い車体にパワフルなエンジンを搭載していることを表しています。
※2019年9月15日現在
CB125RとGSX-S125の加速性能に関するスペックを比較すると、CB125RよりもGSX-S125のほうが有利だといえます。加速性能を推し量る上で重視すべきなのは、車両重量を引っ張る力を表すトルクウエイトレシオ。大柄な車体サイズはCB125Rの欠点だといえます。しかし、どちらも車両重量が軽量ですので、ライダーの体重で逆転するレベルの違いです。
加速性能に関するインプレやレビュー
CB125RとGSX-S125の加速性能に関するユーザーのインプレやレビューを比較すると、CB125Rには不満を漏らすコメントが多いものの、GSX-S125には楽しいと評価されることが多いですね。どちらも125cc4ストローク単気筒の非力なエンジンであることは確かなのですが、パワーバンドを意識して楽しく走れるGSX-S125に軍配が上がります。CB125Rも高回転の伸びは良好とのことですが、エンジン回転数でトルク感を稼ぐエンジンではありません。
【CB125】高回転で引っ張ると直ぐに頭打ちになる。
レスポンスはいい感じで、やっぱり回して走りたいエンジンですね。
CB125RとGSX-S125を比較:足回り
【足回りに関するスペック比較】
CB125R | GSX-S125 | |
フロント | Φ41mm 倒立フォーク |
Φ31mm 正立フォーク |
リヤ | リンクレス モノサス プリロード調整不可 |
リンク式 モノサス プリロード調整不可 |
※2019年9月15日現在
CB125RとGSX-S125の足回りのスペックを比較すると、CB125Rのフロントサスペンションの豪華さが目立ちます。半面、GSX-S125は排気量に見合った仕様ながら、足回りで手抜きをしないスズキらしい仕様ですね。この違いはハンドリングのフィーリングが反映されたスペックで、優劣をつけにくい違い。しかし、どちらもスポーティな125ccバイクであるにもかかわらず、プリロード調整できないのは致命的な欠点だといえます。
足回りに関するインプレやレビュー
CB125RとGSX-S125の足回りに関するユーザーのインプレやレビューを比較すると、CB125Rは剛性感が高く、GSX-S125はハンドリングが素直だと評価される傾向にあります。CB125Rはフロント荷重でクイックに曲がり、GSX-S125はサスペンションの挙動を意識しなくても軽快にコーナーをクリアできる足回り。残念ながら、プリロード調整できるカスタムサスペンションは比較的に少ないですね。
【CB125R】車体がカッチリと剛性がある為か安定しているので、ワインディングがかなり楽しいです。
【GSX-S125】曲がる時も素直!乗りにくさは全く感じません。
CB125RとGSX-S125を比較:街乗り
【街乗りに関するスペック比較】
CB125R | GSX-S125 | |
車両重量(kg) | 133 | 127 |
シート高(mm) | 815 | 785 |
3速40km/h時の エンジン回転数(rpm ) |
5,281 (66.0%)※ |
5,390 (67.4%)※ |
※()内は最大トルクを発生するエンジン回転数との割合
※2019年9月15日現在
CB125RとGSX-S125の街乗りに関するスペックを比較すると、シート高の違いが大きいですね。CB125Rのシート高は高く、足つき性は街乗りで欠点となります。小柄なライダーは足つき性を実車で確認をしましょう。一方、GSX-S125は不安を感じない程度のシート高が足つき性を助けています。車両重量はややCB125Rが重いものの、気にするほどの違いはありません。エンジン特性は互角です。
街乗り性に関するインプレやレビュー
CB125RとGSX-S125の街乗りに関するユーザーのレビューを比較すると、CB125Rの足つき性に不満を訴えるユーザーが多いのは想定内でしたが、GSX-S125のユーザーも足つき性はそれほど良くないとコメントしています。どちらもサスペンションが硬めで、初期の沈み込み量が少ないためです。CB125Rにはローダウンキットがあるものの、GSX-S125にはありません。GSX-S125のユーザーは足つき性よりも高回転型エンジンに消化不良を起こしがちです。
足つきは悪いですが、軽量化のおかげで信号待ちでも両手をハンドルから離して、足ブレーキのみで停車して体を休めることができ(以下省略)
街乗りであれば、自分は7,000rpmも回せば十分足りると思います。
余談:CB125Rをローダウンするときの注意点
CB125Rの足つき性を改善できるローダウンキットを組み込むならば、フロントフォークをトップブリッジから突き出して、前後のバランスを取りましょう。フロント荷重気味のCB125Rは前後のバランスが崩れると、ハンドリングが大きく変わる可能性があるからです。また、倒立フォークはクランプの締め付けトルクに注意。規定トルクで締め付けないと、サスペンションの動作が悪くなります。
CB125RとGSX-S125を比較:燃費
【燃費に関するスペック比較】
CB125R | GSX-S125 | |
WMTCモード値 (km/L) |
47.2 | 44.7 |
燃料タンク容量 (L) |
10 | 11 |
航続距離 | 472 | 491.7 |
※2019年9月15日現在
CB125RとGSX-S125のWMTCモード燃費値を比較すると、燃費はCB125Rに軍配が上がるものの、航続距離はGSX-S125のほうが長いですね。燃費はユーザーの走り方や道路の状況に影響されやすいので、一概には言えません。ユーザーレビューをもとにした実燃費のほうがリアルです。
燃費に関するインプレやレビュー
【実燃費の比較】
CB125R | GSX-S125 | |
実燃費 (km/L) |
46.30 | 39.39 |
燃料タンク容量 (L) |
10 | 11 |
航続距離 | 463 | 439.3 |
※みんカラの数値を引用
※2019年9月15日現在
CB125RとGSX-S125の実燃費を比較すると、CB125Rのカタログスペックに迫る燃費性能良さに驚きます。GSX-S125の実燃費もまずまずですが、燃費性能はCB125Rに軍配が上がりますね。これは、CB125Rは低中速域を重視したSOHCエンジン、GSX-S125は回転数でトルクを稼ぐ高回転型のDOHCエンジンを搭載しているためです。航続距離を見ると、CB125Rより先にライダーが腹ペコになってしまうでしょう。
CB125Rはどんなツーリングが似合う?
CB125Rユーザーのインプレやレビューでは「質感の高い車体」や「エンジンパワーに勝る車体剛性」というコメントが目立ちます。よくも悪くもアンダーパワーで、CB125Rは面白みに欠けるエンジンが欠点です。しかしそれはホンダの狙い通り。回転数によるトルクのムラが少ないエンジンが、ツーリングでの疲労を軽減してくれると解釈しましょう。
【CB125R】総じて言えるのは、小型二輪の枠にありながら、250cc並みの質感を持つ、カッチリしたバイクです。
【CB125R】エンジンよりもフレームやブレーキが勝っていることに価値がある。(中略)そもそもローパワーのため速度域が低いから、マージンも大きい分、たくさんバイクの挙動が学べる。
ホンダらしさが溢れたクレバーなバイク
CB125Rはホンダらしさ溢れるクレバーなバイクだといえます。のんびり走りたいときからワインディングロードでのファンライドまで、ライダーの要求に合わせてくれるバイクですね。ツーリングでは状況が目まぐるしく変化しますので、CB125Rのように柔軟なバイクは頼もしい相棒になること間違いありません。初心者からベテランまで満足させられるバイクは貴重な存在です。
GSX-S125はどんなツーリングが似合う?
GSX-S125ユーザーのインプレやレビューでは「パワーバンドをキープしながらのファンライドが楽しい」「7,000回転以上の加速感が楽しい」など、バイクを操る楽しさが高く評価されています。思いのほか多いのは「外観は薄いのにお尻が痛くならないシート」というコメント。小排気量バイクでのツーリングは時間で距離を稼ぐことになりますので、スズキはシートの素材やデザインで手を抜かなかったのだと考えられます。
【GSX-S125】高回転型4st125がこれほど面白いとは思いませんでした。 まさにライトウェイトスポーツです。
【GSX-S125】シートが薄っペラのになんでケツが痛くならないのか不思議です。
スズキらしい目的に特化したバイク
高速域を必要としない125ccバイクで楽しいツーリングをするためには?スズキの回答は、高速域の楽しさよりもスポーティな味わいを持つエンジンのほうが楽しい!でした。バイクに実用性が求められたり、趣味のツールとして扱われたりする昨今「ツーリングはスポーツ性を伴ってこそ上質なものになる」ということをスズキは訴えたかったのでしょう。GSX-S125は高速域まで速度を出さなくても、血が沸騰するような瞬間へと誘ってくれます。
徹底比較!CB125RとGSX-S125:まとめ
125ccスポーツネイキッドの両雄といえるホンダのCB125RとスズキのGSX-S125を、スペックやユーザーのインプレ・レビューで比較しました。どちらも甲乙つけがたいバイクなのですが、方向性は真逆です。守備範囲が広いクレバーなCB125Rでツーリングをするか?ワインディングロードでピーキーなエンジンを楽しめるGSX-S125でツーリングをするか?あなたはどちらを選びますか?
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ホンダ CB125R