チゴユリ(稚児百合)とは?
チゴユリ(稚児百合)は学名がdisporum smilaciumでチゴユリ属の多年草です。チゴユリの生態系の分布は日本全国にみられ、海外では東アジアから中国・朝鮮半島に分布しています。和名のチゴユリの由来は漢字の「稚児百合」からもわかるように、小さくて可愛らしい花を咲かせることに由来しています。一般的な花色は白色が多く、先が細くなる花弁を6枚つけます。他にもピンク色の種類もあるようで、黄緑色の葉と色合いが可愛らしい山野草です。
チゴユリの原産地
チゴユリの原産地は日本各地でも分布していることからわかるように、日本で生まれました。始めの分布は千島列島の南部、サハリン南部に始まり、そこから日本列島、朝鮮半島、中国に広がっています。日本では、絶滅寸前の絶滅危惧種として佐賀県や鹿児島県では保全を広めています。また、長崎県では危急種として定められており、九州地方では中々目にかかることのできない植物です。
チゴユリの特徴
次にご紹介するのはチゴユリの特徴です。草丈などを含めた植物体の特徴や、成長に必要な植物の機能面の特徴、開花時期ををご紹介します。また、チゴユリは有毒ですが、よく似たアマドコロは山菜として、食用でも知られています。アマドコロを中々食用として用いられることが少なくなっていますが、ぜひ豆知識としてチェックしてみてください!
チゴユリの植物体の特徴
始めにご紹介するのはチゴユリの植物体の特徴です。チゴユリは落葉樹林の木陰に生えていることが多く、草木の高さは15~30cmほどの低木です。球根をもち、種子以外の繁殖方法も取ることができます。この球根は、白くてやや太めの大きさをしていることが特徴です。チゴユリは種子で繁殖しますが、その種子は黒色の液体を含む実で、液果とも言われます。
チゴユリの植物機能の特徴
チゴユリの植物機能の特徴として、その繁殖方法をご紹介します。繁殖方法は種子繁殖するほか、地下茎を使って無性繁殖を行います。無性繁殖というのは、親の地上部が枯れてしまっても、その地下茎の先端部分から地上に新しい茎を伸ばし、それが子になります。一般的に、冬に親が枯れ、子どもが新たに生まれるので、常に地下茎は独立した状態になります。
チゴユリの開花時期
次にご紹介するのはチゴユリの開花時期です。チゴユリの開花時期は5月で、色は白色の花を咲かせます。たまに、開花すると赤みの入ったピンク色のチゴユリもあり、マニアの間では人気の珍しい種類です。また、園芸品種として人気のチゴユリの中には、開花した時の花が班入りや縞入りの種類もあります。開花期は短いですので、ぜひベストのタイミングでチゴユリの花を楽しんでくださいね!
チゴユリの豆知識
チゴユリは一見可愛い名前ですが、実は有毒です。しかし、よく似たアマドコロというユリ科の植物は山菜として食用で知られています。このチゴユリとアマドコロの見分け方は最初に発芽した時はわかりません、プロでも見分けが付かないほど、芽はとても似ています。花が咲くことによって食用になるアマドコロか有毒のチゴユリかがわかるので気を早めずに注意して観察してみてくださいね。
チゴユリの花言葉
花には全て花言葉がつけられていることをご存知でしょうか?もちろん、このチゴユリにも花言葉が付いています。稚児百合の花言葉は、「恥ずかしがりや、私の小さな手をいつも握って」といった可愛らしい花言葉です。小さな可愛い白い花を開花させるチゴユリの様子をよく表した花言葉です。開花時期になると小さな先の尖った花びらを6枚つけて、広葉樹の影に咲くチゴユリをぜひ探してみてください。
花言葉とは
ここで、簡単に花言葉に付いてご説明します。花言葉は花に象徴的な意味を持たせるためにつけたもので、バラは愛情のようにイメージが膨らむ言葉が選ばれています。また、花につけるだけと思われがちですが、植物にも付いていて、花詞とも別の呼び名を持っています。初めはフランスで流行り、花言葉辞典として世に広まりました。初めはその特徴や香り、色を参考にしていたようで現代とは少し異なります。
チゴユリの育て方を解説!
ここからはチゴユリの育て方を手順にしたがって解説していきます。比較的栽培は簡単だと言われていますので、手順をしっかり把握して栽培に挑戦してみてください。繁殖させるための植え替えや増やし方、その時期や肥料を与える時期などを紹介します。球根や地下茎について、栽培でも必要な知識です。増やし方が上手にいっても、食用のアマドコロとは違いますので、謝って食べないように注意してくださいね。園芸作業をするときはなるべく園芸用手袋を使いましょう。
チゴユリの育て方の手順①
チゴユリの育て方で最初にご紹介するのは土作りです。土作りは植物を繁殖させたり、植え替えたりするときにはいつでも重要になります。また、植え替えの時期も適期に行うことが基本とされています。詳しくチゴユリの土作りについて解説していきますので、参考にしてくださいね。
土作り
土作りを始める前にまず、チゴユリが好む土の状態ですが、排水性、保水性、通気性、保肥能力が高いものが好まれます。これを園芸の専門用語でいうと「団粒構造」と言います。このような良い土を作るためには、園芸用の培養土を用いたり、微生物の多い土を使います。チゴユリを始め、ほとんどの植物がこの団粒構造を持った土を好み、その割合は、赤玉土が7〜6割、腐葉土が3〜4割のバランスの良い土です。植え替えや、球根が元気に育つのにこのバランスの良い土が必要ですので、まずはこれを準備しましょう。
チゴユリの育て方の手順②
次に解説するチゴユリの育て方の手順は植え替えです。植え替えは基本、株が大きくなったらする作業です。チゴユリの場合も同様ですが、植え替えのタイミングはよく見計らって行いましょう。気温によっては、植え替えた後に球根によく似た地下茎がうまく馴染まず、枯れてしまう危険があります。
植え替え
植え替えの時期ですが、鉢土が劣化したタイミングで行いますので、通常は開花して花が散った後に行います。チゴユリの開花は5月ですので、6月ごろがいいでしょう。地植えのの場合は数年植え替えをする必要はありません。鉢植えの場合のみ、球根を掘り起こし、植え替えをしてあげます。そうすることで、球根も新たに根や芽をだし、元気に育つことができ、翌年も開花させることができますよ。
チゴユリの育て方の手順③
次にご紹介するのは、チゴユリの増やし方です。チゴユリの増やし方には、株分けという方法をとります。また、栽培環境も適さないと株分けがいくらうまくいっても、上手な増やし方にはなりません。そのため、株分けと、栽培環境の両方でチゴユリの増やし方を解説します。また、注意点として、チゴユリによく似たアマドコロは食用ですが、こちらのチゴユリは食用ではないので気をつけてくださいね。
増やし方
まず始めに、株分けの方法ですが、基本、チゴユリの株は、親が細い地下茎を3〜5個の芽を出して増やします。この地下茎は地中で、冬になると枯れてしまいます。そのため、植え替えが自然と株分けという流れになります。栽培環境に関しては、なるべく日当たりが良いところで育てます。日差しがあまり強いと弱ってしまいますので、夏の間は寒冷紗で50〜60%日差しをカットしてください。球根を使った増やし方にぜひ挑戦してみてください!
チゴユリの育て方の手順④
次に解説するチゴユリの育て方の手順は、追肥です。追肥は植物の栽培において、栄養を切らさないために重要な手順です。チゴユリも最初の植え替えの時とは別に追肥が必要になります。追肥にもタイミングと量がありますので、解説していきますね!
追肥
チゴユリの栽培で必要な追肥は、開花時期を挟んで年に2〜3回必要になります。通常、草花用の液体肥料を利用します。規定量よりも薄めて水やりと同じタイミングであげましょう。また、開花期になるとより一層栄養が必要になります。そのため、5月ごろには窒素主体の液体肥料を与え、6月以降にはリン酸とカリウムが主体の液体肥料を与えましょう。
チゴユリの育て方の手順⑤
最後に解説するのは、チゴユリを栽培している時の管理方法です。追肥や植え替え、増やし方は別途で解説しましたが、他にも水やりや害虫防除などの必要な栽培管理があります。詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。チゴユリを含め、ユリ科の植物はマニアの間でも人気の植物です。上手に育てて、ぜひチゴユリの可愛い花を楽しんでくださいね!
栽培管理
最後に解説する栽培管理は、水やりと病害虫対策です。水やりですが、チゴユリは常にある程度の湿り気が必要です。乾燥から保護するためにこまめに水やりを行います。また、鉢を二重にすると乾燥を防ぐことができますので、工夫してみてください。また、病気に関しては、ほとんどないと言われています。しかし、害虫は、アブラムシやダニが発生しますので、新芽出た時や開花直前には防除をするように心がけてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?これまでチゴユリの原産地から特徴や花言葉などの紹介をしてきました。チゴユリの花言葉は、「恥ずかしがり屋」ですが、稚児百合の花の名前とも関係しているように可愛らしい白い花を咲かせます。開花時期は5月の1ヶ月間だけですので、ぜひベストなタイミングを逃さないように気をつけてください。また、栽培手順をチゴユリの増やし方や植え替え、水やり、追肥などに分けて詳しく解説してきました。これらの手順を踏まえると、チゴユリは比較的栽培が簡単ですので、上手に育てることができますよ。ぜひチャレンジしてみてくださいね!
ユリ科の植物が気になる方はこちらもチェック!
そのほかのユリ科の植物がきになる方はこちらの記事も併せてチェックしてみてください!ユリ科の植物の中には食用で知られているものから、絶滅危惧種で保護されている種類もあります。花びらにも色の種類がたくさんありますので、好みの品種や色を探してみてくださいね!

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