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連作障害のない野菜は?連作障害に強い野菜&弱い野菜もご紹介!

同じ場所でナス科などの同じ種類の野菜ばかりを育てていたら発生してしまう厄介な連作障害は対策をしないと正常に栽培できなくなります。連作障害を起こさない野菜があると育てやすいのですが、連作障害のない野菜というのはあるのでしょうか?その真相に迫ります。
更新: 2024年5月6日
揚げ餅
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目次

連作障害とは

土の状態が極端にかたよって発生する害

Photo byFree-Photos

連作障害とは同じ種類、同じ品種の野菜ばかり育てていると、土壌に含まれているさまざまな成分や要素の状態が極端にかたよって、野菜が正常に栽培できない状態です。プランターなどの容器で栽培している方にはあまり良くわからないかもしれませんね。

容器栽培だと頻繁に土の入れ替えを行ったりと、無意識のうちに防ぐ手立てをおこない、土壌の状態が常に最適になっている可能性があり、連作障害が起こりにくい土壌が保たれていることもあります。

鉢植えなどの容器栽培で発生しにくい理由

わかりやすい例で言うと、植木鉢やプランターなど容器栽培の土を耕して使う人はいませんよね。大抵の場合新しく入れ替えるか、土をリサイクルして減った分継ぎ足すという使い方をする方が多いのではないでしょうか?

土の状態が極端にかたよっているなら、新しい土を入れるだけで対策になり、植物にもいい影響をもたらします。古い土だと固まっていて水はけが悪かったり、根が張りにくかったりと連作障害とはまた違う悪影響を及ぼします。

連作障害を引き起こさない野菜はない

強いか弱いか

Photo by iyoupapa

不思議なことに強い種類と弱い種類の極端なものは、一度育てた土地で同じ野菜を育てるには6年ほどの長い期間を空けないと障害が出る野菜もあれば、毎年同じ場所でもめったに影響が出ない強い野菜があります。

植物によって特性が異なる

Photo by Keiichiro Shikano

前述したように土の状態が極端にかたよることが連作障害が発生するメカニズムです。いろいろな養分をまんべんなく使って育つ植物は障害がすぐにでてきません。

同じように特定のウイルスや害虫に弱い植物ではなく、あまり害虫がつかない植物だと土のバランスを崩さないので、障害が起きにくいと言われています。このように育てる植物の特性が異なることから強い品種、弱い品種が生まれます。

連作障害に弱い野菜

①ナス科

Photo by naotakem

夏野菜のほとんどのものがナス科に分類されます。詳しく見ていくとオレンジやイエローなどのカラフルトマトや、一般的な赤いトマトはナス科です。ピーマン・シシトウガラシ・パプリカ(カラーピーマン)なども連作障害が発生しやすい品種として有名です。

見た目はナスの仲間には全く見えず、サツマイモやサトイモ、ヤマイモのように他の種類に見えるじゃがいもはナスの仲間のため連作障害になります。

連作障害はひとまとめで考える

Photo byRitaE

オレンジや黄色、黒や細長いイタリア系のトマトを植えた場所に、一般的な赤くて丸いトマトを植えるのはNGです。これは分かりやすいと思いますが色や形、品種が違っても同じ野菜を植えていることに違いはありません。

注意すべきはシシトウガラシを植えた後、ほおずきを植えるといった場合、野菜と花だったりそれぞれ種類が違うように思えますが、両方ともナスの仲間なので障害が発生します。連作は科という大きな種類で考えましょう。

例外的に強い品種・トルバムビガー

一般家庭ではあまり栽培しない種類にトルバムビガーというものがあります。連作による病気にかかりにくい植物ですが収穫をするのではなくナス科の野菜の台木になる木(苗)なので、どちらかといえば農家が栽培して使う植物になるため一般的には連作障害に強いナス科はないと紹介しました。

台木とは接ぎ木をしたときに土台となる木(苗)のことでトルバムビガーなら連作障害に強いといえます。


②ウリ科の植物

Photo bythepianotuner

ウリ科の植物も夏野菜に多く、きゅうりやゴーヤ、スイカ、メロン、漬け物用のウリ(ハヤトウリなど)やマクワウリ(ナシウリや銀泉、金太郎など)が該当します。この中でスイカは特に長く、一度作った場所では5~6年ほどあけないと上手く育たないと言われています。

きゅうり、ゴーヤは3年ほどの期間が必要で、メロンが4年となりマクワウリやウリもメロンの品種改良前の種類になるので、4年ほどの期間を開けておいたほうがいいでしょう。

ズッキーニとかぼちゃもウリ科

Photo byGellinger

ウリのようなイメージが無いかもしれませんが、ズッキーニとかぼちゃもウリ科になるので毎年同じ場所で育てていくと、いつかは必ず連作障害が発生します。

ただしかぼちゃは連作障害に強い種類に分類されるので、よほど土壌のバランスが乱れていない限り、何らかの影響が出るということは少ない野菜です。同じようにズッキーニもかぼちゃと同じように、簡単に連作障害が発生するというわけではないので気にしなくても大丈夫です。

③マメ科の植物

Photo byPexels

魚で例えるとボラやブリといった出世魚のように、収穫する時期(育ち具合)で名前が変化する枝豆やえんどう豆、名前が変わらないピーナッツなども連作障害が発生するといわれています。

他の植物と同じように、同じ品種でも種類が違うとあける期間が大きく変わってくるので大変です。例えばえんどう豆(さやえんどう、グリーンピース)は5年が目安と言われていて、いんげん豆は1年と他の品種と比べると短めで作りやすいと言えます。

マメ科は種類も豊富

Photo bywuzefe

目で見て楽しむ和菓子といえば練りきりがあります。白餡と白玉粉などを合わせて作りますが、白餡の原料も実は白いいんげん豆(花豆)です。他にも普通の餡には小豆が使われていますが、小豆もマメ科です。

お酒のつまみなどでお馴染みのフライビーンズもそら豆を使用していたりと種類が豊富ですが、全て連作障害を引き起こすと言われているので育てる場所に注意しましょう。また紹介した種類以外にも、アブラナ科も連作障害が起きやすいです。

葉たばこでの応用が期待される

マメ科もナス科同様に特に強い、おきないという品種はありません。ナス科のトルバムビガーのような特殊な植物もないので今後に期待されています。

現在は全く違う種類(科)とも接げる、異科接ぎ木適性をもつ葉たばこを利用した従来にはない新しい接ぎ木苗の研究が行われています。将来的には全く違う品種同士を接ぎ木にして、いつでも栽培できる植物が販売されるようになるかもしれません。接ぎ木については後述します。

連作障害がおきにくい品種リスト

ウリ科

西洋かぼちゃ

ウリ科には果物のように甘いマクワウリから、果実的野菜に分類されるメロン、スイカなどいろいろな種類があります。その中でも連作障害が起きにくいと言われているのがかぼちゃです。かぼちゃには日本かぼちゃと西洋かぼちゃがあります。

どちらのかぼちゃも連作障害が起きにくいと言われているので、同じ場所で育てやすいですよ。西洋かぼちゃもを紹介したのは甘みが強くホクホクして、どちらかいえば西洋かぼちゃのほうが人気だからです。

ユウガオ(かんぴょう)

古くから食べられてきた食材の1つで、現在でも寿司に使われるかんぴょうはウリ科のユウガオが原料です。ユウガオ自体は農家ではないかぎりあまり栽培しないと思いますが、連作障害に強いとされている植物になります。

ただかぼちゃほど強いというわけではないので過信は禁物です。マクワウリなど他のウリよりは強いということで、一般的には連作障害がない野菜とみなされています。


玉ねぎ

Photo byRobert-Owen-Wahl

ネギ属の中には連作障害を起こす種類いますが、全体としては比較的起こしにくい種類になります。その中でも特に起こしにくいのが玉ねぎといわれています。栽培するのは意外と簡単で、サラダやカレーなどいろいろな料理で使われることから人気の野菜の1つです。

生のままだと独自の辛味成分が含まれていますが、水に漬けておいたり、適当な大きさにカットして放置しておくと辛味がなくなり食べやすくなります。

ネギ

Photo bycongerdesign

ラーメン、そば、うどんなどの薬味に使われるネギも、きゅうりやピーナッツのように連作をあまり気にしなくてもいい野菜です。他にも鍋に入れる事が多い長ネギ(白ネギ)も、毎年同じ場所で作っても正常に育てられるので作りやすいですよ。

トマトを育てた後に植えてもいいので、連作障害がある野菜とも相性のいい野菜です。

にんじん

Photo byjackmac34

きゅうりなどを育てた後に、にんじんを植えてもなんら問題がないことから相性のいい野菜と言えます。高級漢方薬として使われている朝鮮人参と、カレーに入れる西洋にんじん(にんじん)は全く違う種類で、朝鮮人参(オタネニンジン)は連作障害が発生するので1年ほど期間を空けましょう。

パセリ

Photo by naitokz

西洋にんじん(にんじん)を含むセリ科は連作してもいいものが多くパセリも大丈夫です。パセリは香りの強い野菜で、西洋料理ではどちらかいえばハーブのように使うことが多く、栽培も簡単です。

全てのセリ科の植物が同じ土地で栽培できるというわけではなく、身近なセリ科の野菜で影響しやすいのはセロリになります。同じ場所でセロリを栽培するには、1~2年ほどあけたほうがいいと言われています。

アスパラガス

Photo byPezibear

アスパラガスは大きな根を張り一度植えると何年も収穫でき、植えてから10年ほどは栽培できるので連作障害がない野菜と言えます。

しかし小さな花壇で長い年数を植えているとアレロパシーという成長阻害要素により、段々正常に成長しにくくなる恐れがあります。アレロパシーはアスパラガス自ら発生させている成分なので小さな花壇だと対策が必要です。

トウモロコシ

Photo byCouleur

夏に人気の野菜の1つで、甘みの強い品種、ポップコーンの原料となる爆ぜる品種、いろいろな家畜の餌となる品種などさまざまなものがります。

食用に向くのは甘いスイートコーンとポップコーンに使う爆裂種です。トウモロコシも連作に強いため、じゃがいもの後にトウモロコシを植えるといいと言われています。どちらも北海道が名産で有名ですね。

大根

Photo by mdid

キャベツのようにアブラナ科は連作不可と軽く紹介しましたが、アブラナ科でもまったく問題ない品種もあります。それがおでんで人気の大根です。大根もアブラナ科ですが連作に強く、同じ場所で育てやすい特性があります。

砂地でも育てやすいため、同じく連作に強いサツマイモと大根を交互に育てているという地域もあります。アブラナ科の植物は基本的には同じ場所で育てないほうがいいとされているので、大根以外は気をつけましょう。

小松菜


アブラナ科の葉物野菜は比較的連作に強い種類が多いので、育てやすいと言われいます。小松菜も大根と同じようにアブラナ科の中では連作の影響が少なく、対策を取らなくても比較的栽培しやすいです。連作はどんな植物でもあるので、確実に防ぐにはいろいろな対策が必要になります。

連作障害を防ぐ3つの対策方法

防ぐ方法1:順番に育てる

相性のいい野菜を交互に育てて連作障害を防ぐ対策です。例えばメロンを育て終えると次に、大根やにんじんなどの連作に強い野菜を育てて、一定期間超えたらまた違う野菜を育てるようにすることで耕作放棄地ができずいつでも作物が育てれます。

土を入れ替える必要もないので大きな畑と相性のいいやり方です。土壌にいろいろな植物を順に植えることで、土壌の状態が極端にならないように防ぐことができます。

防ぐ方法2:相性のいい植物を植える

コンパニオンプランツという言葉を聞いたことがある方は花や野菜を育てるのが好きな方でしょうか?あまり聞かない言葉ですが、植えている野菜と一緒に植えることで病害虫を防ぐことができる相性のいい植物のことです。

土壌の状態が極端にならないようにすることもできるので、野菜を育てる時はコンパニオンプランツを活用してみましょう。ネギはコンパニオンプランツとしても育てられる野菜で、きゅうりやほうれん草と相性がいいです。

防ぐ方法3:接ぎ木で対策

接ぎ木とは同じ種類の特性が違う木同士を組み合わせた特殊な苗で、連作がダメな野菜が強くなったり病害虫に強くなったり、収穫量が増えるというメリットがあります。

やり方は土台となる苗と育てたい苗に切れ込みをいれ、それぞれの断面を合わせてテープで固定します。接ぐことでスイカなどを育てるときに土台にかぼちゃを使うと連作障害を起こさないスイカが作れます。葉たばこは種類に関係なく接げるので、応用に期待されています。

土壌の状態と育てる期間が大切

Photo bycongerdesign

連作障害とは土壌の状態が極端にかたよる状態なので、まずはバランスを整えることと、連作障害に弱い植物を育てる時は一定の期間を空けて育てるようにしましょう。整えるには土を入れ替えたり違う種類の植物を育てることが一番です。

コンパニオンプランツなど相性のいい植物で被害を軽減する事もできるので試してみましょう。なおプランターでは発生しにくいと紹介しましたが、土を入れ替えないと用土が少ないので発生しやすいです。

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