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木の種類とは?日本の建築や家具に使われる代表的な木材の性質を解説!

普段から木に囲まれて暮らすわたしたちですが、家の床やテーブル、棚やおもちゃなどの木の種類を知っていますか?木の特徴は種類によってさまざま。家や家具の購入を検討する人、DIYをする人にも知ってもらいたい木の種類の性質、建築や家具に向く木の種類をご紹介します。
2020年8月27日
しまうま花屋
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木の種類とは?

木の種類と生活

わたしたちの生活に根付いている木材ですが、木の種類によって性質が異なることをご存知ですか?硬さや柔らかさ、艶や色合いなど、わたしたちの暮らしに溶け込む木たちはそれらが持つ特徴によって使い分けられています。木の種類と性質を知って、木のことをよく知ってみましょう。

日本の歴史と木材

日本に自生する木の種類は1500種と言われますが、日本書紀には40種類以上の木の種類について記述があり、それらを性質ごとに用途を分けて使っていた記述が残っています。さまざまな素材が開発される現代においても、木との生活は日本人にとって切り離せません。

木の種類と基礎知識

針葉樹と広葉樹

木は、針のような細い葉っぱをもつ針葉樹と丸っぽい葉の広葉樹に分かれます。針葉樹は真っ直ぐと伸びる常緑樹で、寒さの厳しい場所や標高の高い場所にも生えています。広葉樹は枝分かれするのでこんもりと広がるフォルムになり、暖かい地域を中心に育ちます。実はこのふたつは、木材としても大きく違いがあります。

針葉樹

針葉樹は一般的に成長が早く、木材としては軽いのが特徴です。組織は、根から吸収した水分を葉へ送る仮道管のみで組織されています。また同じ仮道管でも、よく成長する春や夏と成長が鈍くなる冬とでは細胞の成長が異なるため、その大きさの違いが年輪となってくっきりと現れます。

広葉樹

広葉樹は成長がゆっくりしているものが多いため、一般的には針葉樹より重さがあるとされています。また、広葉樹には仮道管とそれより太い管の道管があり、組織の配列にも多様性があります。年輪がはっきりした種類もあれば、配列が規則的ではないために年輪が薄く見える種類もあります。

木材の基礎知識

心材と辺材

木が木材となるときには、木の性質や特徴を生かして加工して使い分けられます。たとえば木の中心部のことを心材といい、色が濃くなっているために赤身とも呼ばれます。対して周辺部は辺材といい、赤身に比べて白いので白太と呼ばれます。辺材のほうがやわらかく、心材のほうが耐朽性があります。

気乾比重

気乾比重とは、木材を乾燥させた時の重さと同じ体積の水とを比べたときの値です。気乾比重の値が大きいと重く、小さいと軽いという基準になります。一般的に、軽い木は空気をよく含んで断熱性に優れ、重い木は繊維の密度が高く強度があります。

代表的な木7種の種類と特徴を紹介

日本原産の木と特徴

日本では古くから植林が行われ、戦後にはさらに拡大造林され植樹が行われてきました。日本の木材は木目が真っ直ぐで年輪が詰まっているのが特徴だと言われます。しかし土地が狭く勾配の多い日本では曲ったり癖が強い木が多く、木材としては加工に手間がかかってしまうのが難点です。

外国原産の木と特徴


現在木材となっている木には北米原産が多くみられますが、北米では林業が整備されており、安定した生産性と品質に特徴があります。そのほか自然豊かな森で育つ東南アジアのチークやアフリカのマホガニーなどは世界的な銘木であり、日本の家具や建築にも使われています。

代表的な木の種類と特徴①

スギ

本州から九州にまで分布する日本を代表する針葉樹です。日本書紀では、スサノオノミコトが船を作るのにスギを使うように言ったという話がありますが、日本では古くから使われてきた木です。また、スギは成長が早く生産性が高いために古くから人工的に植えられ、現在ではほとんどのスギは人間の手で植林されたものです。

特徴

スギは有名な秋田杉をはじめとした名産地がいくつかあり、それぞれ品質に違いがあります。スギは柔らかくて軽く、加工がしやすいのが特徴です。また、防水性や調湿性能も高いために造船にも使われてきました。芳香があって防虫性もあり、柱や床材のほか、家具や樽に使われたり、下駄にも使われます。

代表的な木の種類と特徴②

ヒノキ

福島県以南から四国、本州、九州にまで生育するヒノキは、スギと並ぶ日本の代表的な針葉樹です。こちらも日本書紀によると、スサノオノミコトはヒノキを宮殿を作るのに使うように言いました。古代から、建築材として、また宮殿に使うほど価値の高いものとして扱われてきたことがうかがえます。

特徴

特にヒノキの心材の耐朽性は非常に高く、法隆寺や伊勢神宮にも使われてきました。防虫性も高く、水や湿気にも強いため、建築材としてとても良質な材質を持っています。建築材だけでなく、家具やまな板、電柱やお風呂などにも広く使われてきました。

代表的な木の種類と特徴③

ケヤキ

北海道以外の日本全土に生育するスギ・ヒノキに次いで日本の代表的な木であり、並木などでも植えられている広葉樹です。寿命が長い上に大きくなるので、全国で巨木がみられ、県や市区町村のシンボルとなったり、寺社仏閣の御神木になっていたりします。樹木のフォルムが美しく、秋には紅葉します。

特徴

ケヤキは広葉樹ですが、道管と仮道管の配列に規則性があり、はっきりとした年輪ができます。そのため、美しい木目が生まれます。しかし、巨木となりこぶなどができるとこの配列が乱れ、杢(もく)と言われる模様ができます。日本人はこの杢を好み、玉杢、泡杢など名称をつけて楽しみました。

代表的な木の種類と特徴④

オーク

オークは木材として世界で古くから使われてきた木材で、種類が3つあります。まず日本でナラ、ミズナラと呼ばれるもので、いわゆるどんぐりの木です。次にホワイトオークと呼ばれる北米原産のオーク材です。欧米ではウィスキーやワインの樽として使われていました。もうひとつはレッドオークで、こちらも北米産。ホワイトオークより赤身があるのが特徴です。

特徴


3つに違いはありますが、オーク材はどれも目が詰まって重く、硬いのが特徴です。ホワイトオークが一番硬く、次にナラ、レッドオークの順です。使うごとに味わい深い表情になるのが人気で、フローリング材や長く使う大きい家具などに使用されてきました。また、タンニンを含むため防虫性に優れます。

代表的な木の種類と特徴⑤

ウォールナット

ウォールナット、ウォルナット、またはブラックウォールナットと呼ばれる木はアメリカ原産クルミ科の広葉樹です。ウォールナットは世界三大銘木のうちのひとつで、非常に材質が良い木だとされています。17世紀後半から世界で人気を博し、ロココ調の家具などに使用されました。現在でも人気のある高級材です。

特徴

強度は強く硬いですが、割れにくく加工しやすいのが特徴です。艶がある美しい見た目と加工しやすい材質から、高級家具などに使用されてきました。伐採するときには薄い褐色ですが、時間が経つと濃い茶褐色になります。また、日に当たると色が薄くなる性質もあります。

代表的な木の種類と特徴⑥

チーク

タイやインドネシアなどの東南アジアなどの熱帯に生育する木で、世界の銘木の中でも特に一番美しいとされる木材です。宮殿や寺院などにも使われてきた高級木材で、19世紀末にその美しさが世界で賞賛されるようになりました。雨季と乾季がはっきりしている熱帯で育った天然のチークが特に高品質だとされています。

特徴

水に強く腐りにくいうえ、耐朽性に優れています。硬いですが加工がしやすく、さまざまな用途に利用されます。また、チークには天然の油が含まれており、ワックスをかけたような艶と肌触りが良い材質が特徴です。この油によって使い込むと風合いが増し、美しい材面が生まれます。

代表的な木の種類と特徴⑦

マホガニー

ウォルナット、チークと並ぶ三大銘木のひとつで、古くから高級木材として世界中で重用されてきました。黄金という意味のマホガニーはもともとキューバやホンジュラス、ペルーなどの中南米原産ですが、植民地時代にはヨーロッパ諸国で競って伐採されたため、現在は厳しい制限があります。高級家具だけでなく、楽器の素材としても使用されてきました。

特徴

硬いですが加工しやすく繊細な装飾なども可能な材質のため、ロココ調やバロック調の家具にも使用されました。濃い赤っぽい色が美しく、磨けば磨くほど艶が出て美しくなるといいます。現在手に入るマホガニーとして売られている木材のほとんどはアフリカや東南アジアで植林されたもので、本来の中南米産マホガニー材にはアンティーク家具などでしか出会うことができません。

木の種類と材質の比較

材質の比較

  木材の色 木目 気乾比重 原産地 価格
スギ 白っぽい はっきり 0.38(軽・軟) 日本
ヒノキ やや濃い やわらか 0.41(軽・軟) 日本
ケヤキ 濃い はっきり 0.47-0.69(やや重・硬) 日本
ウォールナット 濃い やわらか 0.64(重・硬) 北米 やや高
ナラ 淡い はっきり 0.67(重・硬) 日本
ホワイトオーク 淡い はっきり 0.72(重・硬) 北米
レッドオーク やや濃い はっきり 0.70(重・硬) 北米
チーク 濃い はっきり 0.62(重・硬) 東南アジア
マホガニー 濃い 目立たない 0.65(重・硬) 中南米・東南アジア

気乾比重の違い

今回紹介した木の材質を比較してみます。まず気乾比重を見てみると、ほかの代表的な木材に比べてスギやヒノキがとても軽いのがわかります。木材として利用されている木の種類で一番値が小さく軽いのは0.30以下のキリとバルサです。一番大きいものでは1.20程度のブラジルウッドやリグナムバイタという種類があります。


色の違い

熱帯地方で生育する木は色の濃いものが多く、世界三大銘木と言われるチーク・ウォールナット・マホガニーは濃い色味が特徴です。またスギやウォールナットは心材と辺材の色の差が激しく、木材によって風合いが変わります。

建築や家具に向く木の種類

フローリングに向く木の種類

フローリングに木を選ぶ場合、材質によって雰囲気が異なります。硬い材質を選ぶと傷つきにくい上、密度が高いのでずっしりとした重厚感が出ます。価格が比較的手頃で防虫効果もあるオーク材などが人気があります。柔らかい材質の場合は衝撃を吸収してくれ、肌触りがよいのが特徴です。スギやヒノキが人気です。

家具の代表的な木材

キャビネットやタンス、テーブルなどの家具にはさまざまな種類の木が使われてきましたが、チーク・ウォールナット・マホガニーは世界でも高級家具に使われてきた木材です。家具は形状だけでなく素材にも時代の流行があり、流行しては過剰に伐採し、代わりにまた違う種類の木材が流行する、という歴史を繰り返してきました。

テーブルに適した素材は?

家具の中でも身近なテーブルは、天板の素材で印象ががらりと変わります。無垢材のテーブルはとても趣がよいですが、テーブルにするには大きさが必要なために高価でもあります。細い木材を継いで作られた集成材は手頃な価格で強度があり、テーブルに向いています。また、無垢材ほどではないですが木の風合いが残されているためテーブルとして人気があります。

木の種類を知ってみよう

建築や家具選びの楽しさが倍に

木にはそれぞれさまざまな性質があり、人間の暮らしには欠かせません。さまざまな素材が生まれる現代においても、やはり木のもつ美しさは唯一無二です。好きな木の特徴や傾向を知って、インテリアの参考にしてみてくださいね。

木材について気になる方はこちらをチェック!

今回は木の種類についてご紹介しましたが、木材と一口で言っても無垢材や集成材、合板やMDFなど、木を加工した素材がたくさんあります。近年はDIYをする人も増え、どの素材を使えばよいのか悩むシーンも多いはず。DIYでも扱いやすい木材の選び方などを取り上げていますので、気になる方はぜひこちらも合わせてチェックしてみてください。