イカに潜む寄生虫の正体は!?
生イカによくいる寄生虫を探れ!
イカは煮ても焼いてもおいしいですが、中でも生で食べる刺身は絶品です。しかし、中には寄生虫がいる可能性もあり、中には激痛を引き起こす種類のものがいるケースもあります。そこで今回は、イカによくいる寄生虫の種類と、調理する時の対策方法の他、もし当たってしまった時の対策方法なども同時に解説していきます!
イカには恐ろしい寄生虫も?
寄生虫と聞くといいイメージがありませんが、中には無害なものもたくさんいます。しかし、危険な寄生虫も存在しており、万が一食べてしまった時には激しい腹痛や嘔吐感に襲われるというケースもあります。当たってしまうと病院に行くほかに手段がありませんが、調理段階で対策方法がありますので、しっかりと知識を身に付けて処理をしましょう。
イカによくいる寄生虫とは?
イカによくいる寄生虫:ニベリニア
寄生虫には気持ち悪い見た目のものや危険な個体が多いと思われがちですが、中には食べても無害のものがたくさんいます。寄生虫の中には「ニベリニア」と呼ばれるものもおり、刺身や生イカの中で目撃されています。生で食べても特に問題はありませんが、少々気持ち悪い風貌な上に、「寄生虫」ということから嫌われている存在でもあります。
イカによくいる寄生虫:アニサキス
大勢の方々が被害に逢った有名な寄生虫が「アニサキス」で、口にしてしまったが最後、激しい腹痛に悩まされる厄介者です。彼らは人々に被害を与える寄生虫の代表例ともいえるもので、お刺身などにも潜んでいる寄生虫です。食べると厄介ですが、処理や対策次第で安全に食べられるので、対策方法を身に付けておきましょう。
イカによくいる寄生虫の種類①:ニベリニア
気持ち悪い寄生虫
鈍い光沢感のある白い見た目が特徴のニベリニアですが、イカの表面でうごめいているという目撃情報もあります。サイズは約5ミリ程度ですが、生イカを捌いたときに10数匹潜んでいたということもあり、寄生虫の中では比較的シンプルな風貌ですが、気持ち悪いイメージが強い寄生虫です。白い見た目なので気付かず食べるというケースもあるので、もしかしたら一度は口にしたことがある人もいるかもしれません…。
実は安全な寄生虫
危険なことで有名なアニサキスに反してニベリニアは生きたまま食しても全く問題ありません。また、ニベリニアは高温に弱いため、煮物や焼物にしてしまえば簡単に処理ができます。無害であるとはいえ、さすがに生で食べるのは抵抗がありますので、調理段階でチェックをしてから食べるのをおすすめします。
イカによくいる寄生虫の種類②:アニサキス
食中毒で有名
2017年前後に多くの人を苦しめたことで有名な寄生虫で、一般の方々だけでなく芸能人までもアニサキスに当たったという報道がされました。イカ以外には特に青魚などに多いといわれており、生食の際は特に注意が必要だといわれています。
食べるな危険!
特徴的な風貌のものがたくさん存在していますが、見た目に反して無害なものも多いです。しかし、アニサキスは比較的外見に特徴がないものの、食べたら強烈な腹痛に悩まされる厄介者です。危険なアニサキスですが、いとも簡単に処理できる方法もありますので、食べる際は調理方法に合った対策を覚えて処理してください。
アニサキスの生態
アニサキスについて
アニサキスのサイズは約1mmで、通常はイカや魚類の内臓に寄生するといわれています。彼らは宿主が死ぬと胃から身に移動する習性があり、お刺身などに潜伏しています。また、食品に潜んでいるアニサキスの多くは幼虫で、成虫になるとクジラなどの胃に寄生する生態を持っています。特徴の薄い見た目ですが、イカの場合はブラックライトなどを当てて判別するという方法もあります。
痛みの原因はアレルギー反応から
アニサキスを食べると強烈な痛みに悩まされることで有名ですが、その原因はアニサキスが胃壁や腸壁に噛みつくことで起こるアレルギー反応が原因です。その他の食中毒などは毒素やウィルスなどが原因となりますが、アニサキスの場合は「噛みつき」が原因なので、彼らを殺してしまえば症状を抑えることが簡単です。
アニサキスの危険性
アニサキスを食べたらどうなる?
アニサキスを食べると急激に胃腸が痛むのは周知の事実ですが、痛む部位と潜伏期間は大きく分けて2つ存在します。多くの痛みは胃壁にアニサキスが噛みつくことで生じる痛みで、摂食後数時間で症状が現れ、痛みは数日まで続くということもあります。もう一つは、腸壁に噛みつくというもので、症状が出る時間は胃の痛みよりも遅く、数時間後~一日後に痛みを感じるというケースがあります。
イカのお刺身は要注意!
アニサキスに当たる人の多くは刺身を食べたことによるもので、特に刺身を食べる時は要注意です。市販のイカなどは冷凍で処理しているため安全ですが、釣ったものや生きているイカを捌く際はアニサキスが潜んでいる可能性が高いので、後述の対策を参考にして安全に処理をしてください。
デマや噂に惑わされないで
アニサキスに関する対策で「酢で殺せる」「よく噛めば大丈夫」という情報がありますが、この情報に関しては要注意です。実はアニサキスを酢で殺すことはできず、"しめさば"などでアニサキスに当たったという事例も少なからずあります。もう一つの「よく噛む」という対策ですが、こちらも科学的根拠がなく、よく噛んでも当たってしまうという危険性があるようです。
アニサキスの対処法①:調理段階
アニサキスは高熱に弱い
非常に恐ろしい寄生虫ですが、実は弱点がたくさんあります。特に高熱にはめっぽう弱く、60度の場合は1分、70度以上の場合は瞬時に死滅してしまいます。刺身の場合は火を通すわけにはいきませんが、煮物などの場合はアニサキスが生きている可能性が限りなく低いので、安心して食べられます。特に釣ったイカなどは生食が怖いので、不安な方は火を通して食べるようにしてください。
アニサキスは冷凍に弱い
高熱に弱いと説明しましたが、彼らは冷凍にも弱いです。アニサキスを殺すには「-20℃で24時間」の冷凍が必要で、市販のイカなどは冷凍のものが多いので、入荷した時点で既に死んでしまっているといわれています。しかし、中には冷凍が甘い場合や冷凍時間が短い場合もあり、解凍した際に活動を始めてしまったという事例もあるので、冷凍だからといって油断しないようにしてください。
傷にも弱い!
高熱と冷凍の他に、彼らは傷などにも弱いといわれています。身体の一部を切断されると間もなく死んでしまうようで、イカそうめんなどの場合は細かく切られる際に死んでしまいます。しかし、完全に死滅できないパターンもあるため、調理段階で発見次第除去するのが最大の対策だともいえます。また、「よく噛む」対策はアニサキスが傷に弱いという話から浮上した噂だともいわれています。
新鮮なものを食べよう
アニサキスは宿主が死亡した後に内蔵から身に移動する特徴があるので、移動する前に処理してしまうことをおすすめします。市販のものは収穫後何時間経っているか分かりませんが、釣ったイカは長時間放置したりしないように心掛けてください。新鮮な素材は味も良いので、アニサキスや魚の種類など関係なく新鮮な魚類を食べるようにしましょう!
アニサキスの対処法②:食べてしまったら?
まずは病院へ!
最初に説明しておきますが、アニサキスの痛みが出てしまった場合は病院に行く以外対策はほぼありません。当たった後に薬や食べ物などで何とかなるものではないので、痛みを感じた場合は迅速に病院へ行くようにしてください。先ほど説明したように、アニサキスの痛みの原因は噛みつきによるアレルギー反応なので、胃カメラなどでアニサキスさえ除去してしまえば、痛みがサッパリと取れてしまうようです。
数日で痛みが取れる
アニサキスが胃腸内で生存できる期間は長く見ても4日程度なので、その時間さえ過ぎれば死んでしまうため、痛みは数日で去るといえます。しかし、数日間も耐えられるような痛みではないので、やはり病院に行ってお医者さんに見て頂くか、除去してもらう以外対策方法はないといえます。当たった後は「最低でも一日」は痛み続けるので、我慢せず行動しましょう。
食べてしまったら:結論
もしアニサキスを食べてしまった時の対策ですが、病院に行くのが最大の対策です。しかし、当たった時点では手遅れなので、症状を未然に防ぐのが最大の対策です。イカのお刺身などはとてもおいしいですが、そもそも食べないというのが対策でもあるので、どうしても怖いという人は必ず加熱調理してから食べることを心掛けてください。
刺身によくいるその他の寄生虫
イカの寄生虫はほんの一部に過ぎない
イカには主に2種類の寄生虫がいますが、その種類は寄生虫の中の一部にしかすぎません。その他にもたくさんの種類の寄生虫が魚類には潜んでおり、気持ち悪いものや気付かずに食べてしまうものなどさまざまです。イカの寄生虫以外にも興味が湧いた人はその他の魚の寄生虫を調査してみてください。
テンタクラリア
テンタクラリアは主にカツオなどの身に付着していることが多く、カツオを捌く際には数匹見かけられます。今回ご紹介したニベリニアにも似た風貌や特徴をしており、彼らと同じく無害の存在です。冷凍で死滅させられますが、捌く際などに生きている場合もあるので、気になる時は素手で摘出するようにしてください。
ディディモゾイド
タイやカツオ、サバなどに寄生する寄生虫で、市販のもので見かけることは稀ですが、捌く際などに時折見かけられます。彼らがいる部位は判別がしやすく、身などが黄色く変色するという特徴があります。黄色く変色しても害があるわけではないのですが、商品価値が大きく下がるので、魚屋さんからすると厄介な存在として扱われています。
まとめ
症状を未然に防ごう!
特徴的な寄生虫がたくさん存在しますが、中には無害なものも多く、知らず知らずのうちに口にしてしまうというケースも多々あります。しかし、油断は禁物なので、怪しいと思ったものは全て摘出してしまうことをおすすめします。プロや玄人でない限り目視で何の寄生虫であるかを判別するのは難しいので、火を通したり冷凍をして寄生虫の被害を未然に防ぎましょう!
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