ハエ対策は卵の駆除からはじめよう
目の前を行ったり来たり、耳障りな羽の音を立てながら室内を飛び回るハエ。仕事や勉強の邪魔になるハエは、できる限り大量発生を防ぎたいところです。室内に表れるハエ対策では、成虫そののもを駆除するのではなく、ハエが産まれる前の卵のタイミングから対策することが効果的でしょう。卵の産み付けを回避したり、卵からハエが孵化するのを阻止することが重要です。
ハエの卵の特徴や対策を紹介
飛んでいるハエを捕まえたり駆除してもキリがありません。大切なポイントは、ハエの発生を防いだり卵を産ませないようにする環境作りです。そのためにはまず、ハエの卵の特徴や生態を知って、ハエが家屋内に卵を産まないよう先回りして対策すべきでしょう。この記事では、衛生害虫であるハエの発生を防ぐための、ハエの卵の駆除・対策方法ガイドを大公開しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ハエの卵の特徴を紹介
ハエの卵の大きさについて
これは波に乗ったくさいですね…
— さっちゃん:bug::scorpion::spider: (@9OsLo0Zk5kpYkyD) 2019年4月24日
こいつらの卵管理してると謎のハエとウジ出てくるのがマジで殺意湧きます… pic.twitter.com/BHE9ve6WDC
日本の家屋に浸入して繁殖を繰り返すハエには、イエバエ、クロバエ、ニクバエなど、いくつかの種類に分けられますが、いずれのハエも卵の大きさは1㎜~2㎜ほど小さなサイズになります。クロバエの卵の大きさは、1㎜以上とやや目立つ大きさになりますが、それでも肉眼で見つけられる大きさとは言い難いです。コバエの種になると、卵の大きさは1㎜以下にまで小さくなってしまうので、発生が疑われる場所にはよく目を凝らして確認する必要があります。
ハエの卵の色や形について
日本の家屋に潜むハエの卵の特徴は、見た目は白ゴマのような縦に長い円形をしています。色は白ゴマよりも真っ白で、大きさも小さいのが特徴。生ゴミに産み付けられていた場合は、すぐにハエの卵だと気付けない人も少ないくないでしょう。ハエの卵に気づいたタイミングには、もうハエの赤ちゃんが孵化しているなんてことも珍しくありません。
孵化までの時間について
ハエの卵は産み付けられてから半日~24時間以内には孵化すると言われています。ハエの卵を発見したあと、わずか数時間で孵化してしまうなんて、大量発生してしまうのもうなずけますね。孵化までの時間に差がある理由は、室内の気温に関係しています。ハエの卵が孵化に必要な時間は、気温20度前後で24時間以上、30度前後で半日程となり気温によって変化するのです。30度を超えると、逆に孵化までの時間は遅くなる生態もあります。
孵化してから成虫になるまでの時間について
24時間前後で孵化したあとは、全長1cm程の大きさのウジ虫となって4日から10日程生きます。その後はサナギになって4日から9日で成虫(ハエ)となり、ちょうどそのタイミングで家の中を飛ぶようになるのです。卵のときと同様に、ウジやサナギの状態でも、温度環境によって成虫になるまでの時間やタイミングが変化します。
ハエが卵を産む場所を紹介
一度ハエに卵を産み付けられてしまうと、ハエの卵は驚くほどの速さで成虫になることが分かりました。そこで考えられる対策としては、ハエが卵を産む場所を知っておき、特定の場所に卵を産ませないようにすることでしょう。産まれる前のタイミングで駆除することが賢明です。
ハエが卵を産む場所【屋内のケース】
ハエはある程度の栄養と水分が確保できるスポットを、卵を産む場所として選びます。家の中では、キッチンやバスルームの排水口、トイレ、ゴミ箱の中、などが代表的な卵を産む場所になるでしょう。キノコバエという種類では、観葉植物に卵を産むこともあります。
ハエが卵を産む場所【屋外のケース】
自然界でハエが卵を産む場所では、動物の糞の中に産むことが多くあります。水分と栄養を含み、冷たい外気に触れない糞の中は、ハエの卵が孵化するために快適な環境です。ほかには、地域指定のゴミ置き場でも大量発生しがちです。ゴミ収集日を守らない人がいると、腐敗した生ごみの臭いにつられてハエがたくさん寄ってきてしまいます。また、コンポスト(生ゴミを肥料に変える装置)の管理が出来ていない場合も、ハエが卵を産みやすい環境と言えるでしょう。
ハエが大量発生してしまう原因とは
暖かい季節になると、一斉にタイミングよく大量発生してしまうハエですが、気を付けていてもハエが増えてしまう原因はなぜでしょう。ゴミ置き場など人が頻繁に近づくことがない場所では、とくに大量発生しがちです。その理由は、ハエの生態が大きく関係しています。
ハエは一生涯に約500個の卵を産む
ハエの寿命は成虫になってから1ヶ月から2ヶ月ほどで、メスのハエはその間に3回から5回に卵を産みます。1回あたり150個の卵を産み、一生涯のうち500個以上もの卵を産む個体も存在します。卵から生まれたウジ虫が2週間程度で成虫になり、再び数百個の卵を産むと考えると、物凄い繫殖力になります。放っておけば大量発生してしまうのも無理ないでしょう。
成虫になってから数日で卵が産める
もう1点、ハエが大量発生してしまう原因は、成長のスピードにあります。卵、ウジ虫、サナギ、成虫までの過程は、早くて10日遅くても2週間です。そして成虫になってからは、わずか3日から5日で卵を産めるようになるのです。この成長のスピード感こそが、大量発生の仕組みと言えるでしょう。
ハエの卵の駆除・対策方法を紹介
ハエの卵の特徴や、卵から孵化して成虫になるまでの生態は理解できましたか。ここからは、ハエの卵の具体的な対策や駆除方法について紹介していきます。対策を実行して、今年の夏は家の中でハエとご対面を阻止しましょう。
ハエの卵の駆除・対策方法1
生ごみを溜めない
ハエの卵対策の基本中の基本となる行いが、生ゴミを溜めておかないことになります。卵の主な発生源は水分と栄養のあるスポットなので、湿気と食べ物という2つの条件のが揃った生ゴミの中は、ハエが卵を産みつける恰好のポイントです。三角コーナーの生ゴミは、その日のうちに袋へ入れてしっかり口を縛り処分すること。燃えるゴミの日が指定されている地域では、見逃すことなく所定日に捨てるなどして、家の中に生ゴミがある時間を減らしてましょう。
ゴミ箱は蓋つきタイプを選ぼう
ハエは非常に嗅覚の優れた虫なので、腐敗した食べ物の臭いを取りこぼすことなく察知して、屋内外のあらゆる食品へと近寄ってきます。室内で、とくに臭いが立ち込める場所と言えばゴミ箱の中です。口が空いていると、ハエの大好きな腐った物のニオイが部屋に充満してしまうので、蓋つきのゴミ箱を使用しましょう。
ハエの卵の駆除・対策方法2
水回りの清掃をマメに行う
家の中の水回りは、掃除を怠って放置してしまうと、嫌な臭いが発生してしまいます。この臭いの原因は、食べカスだったり、人の皮脂や髪の毛が溶けた不純物だったりします。この臭いこそが、ハエを呼び寄せて中に卵を産ませてしまう引き金になってしまうのです。生ごみを扱う台所のシンクばかり気を使ってしまいがちですが、洗面所や風呂場の排水口にも溶けた髪の毛や皮脂が臭いを出しているので、水回り全体をよく掃除してください。
夏は3日に1回水回りを掃除しよう
一緒に暮らしている家族の人数によって、多少の差はありますが、気温28度を超えてきたら水回りの掃除を少なくても3日に1回は行いましょう。できれば毎日の掃除が理想ですが、生ごみをシンクに捨てたり10人以上の大人数で家をシェアしていたりしなければ、72時間ていどなら悪臭の発生に耐えられるでしょう。
ハエの卵の駆除・対策方法3
屋外の衛生管理を徹底する
ハエの卵の駆除・対策で見落としがちなのは、家の外の衛生管理です。ペットを外で飼育している方は、袋に回収した糞はしっかり口を結んでおくことが重要になります。近辺にノラ猫や野鳥などの動物が多い場合は、卵の発生源となる糞尿被害にあわないように対策することも必要です。家の中はもちろん、ベランダや庭などの衛星管理もしっかり行って、卵を産ませないようにしましょう。
ゴミ置き場が近い場合は要注意
地域指定のゴミ置き場が、窓のすぐ向こうになど近くに置かれている場合は、戸や窓の開け閉めに注意が必要です。夏場はゴミが腐りやすいので、ゴミ置き場があっという間にハエの発生源になってしまうことがあります。ただし、蓋つきのゴミ回収ボックスがあり、時間通りにゴミを捨てるなど地域住民のモラルが保たれていれば問題ないでしょう。
ハエの卵の駆除・対策方法4
発見した場合は熱湯をかけよう
ここまでの対策を心がけていれば、家の中でハエに卵を産みつけられてしまうことはまずないでしょう。それでも万が一卵を発見した場合は、素早い駆除が求められます。基本的にハエの卵には殺虫剤が効かないので、薬品をかけても効果は低いでしょう。そこで役立つのが熱湯です。ハエの卵は60度以上のお湯で死滅するので、発見次第お湯をかけて駆除してください。
お湯を使えない場合は袋で密閉させる
ゴミ箱の中など、お湯をかけられないところに関しては、卵を袋に入れて口を縛って密封させます。これで孵化したとしても、外へとびだすことはなくなるでしょう。そのまま燃えるゴミの日に捨てたらOKです。掃除機で吸い込む方法もありますが、その場合は掃除機のゴミ受けから卵を取り出すのを忘れないようにして下さい。
ハエや卵の駆除・対策は暖かくなる前に行う
最後にハエを退治する適切なタイミングを紹介します。ハエの卵の大量発生を阻止するためには、対策を始めるタイミングが重要になります。気温が高くなってきて数匹のハエが室内を飛ぶようになってからでは、対応が少し遅いです。ハエが活発になるのは気温が20度を越えてきてからなので、関東なら梅雨入り前のタイムングから、こまめに衛生管理に努めましょう。また8月は暑すぎてハエの発生も落ち着きますが、9月から再発しますので晩夏も油断大敵です。
完璧にハエを撲滅するのは難しい
ここまで、いろいろとハエやハエの卵の対策について紹介してきましたが、繫殖力と生命力の強いハエは地域・環境によっては完全に駆除することが難しいのが現実です。飲食店が連なる商業地域では、ゴミ置き場に大量の生ゴミが常時置かれている環境なので、近隣に住んでいると防ぎようがありません。また沖縄など温かい地域では、ハエが繁殖するには好条件な気候なので、どんなに家や庭を清潔にしていてもハエを見ないことは出来ないでしょう。
まとめ
ハエを大量発生を防ぐには、まずハエの好む臭いやハエが住みやすい環境など、ハエにとっての好条件を取り払うことが先決です。ハエを退治することよりも、卵を産ませないことが繁殖を防ぐ近道です。対策で大事なことは、やはり生ごみの処理方法です。ゴミは頻繁に捨てて、家に置いている時間は、袋で密封するなどして臭いを出さないことがポイントになります。完全に撲滅させることは難しいですが、できる限りの対策をして、ハエの発生を抑えていきましょう。
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