はじめに
冬の手編みニットの花形セーターの編み方解説
寒い冬の季節になると編み物の季節です。小物作りをしたことがある人の中には「そろそろ大きなニット作りにもチャレンジしたい。でも編み方が難しそう」という人はいませんか。そう考えているセーター作り初心者の方でも簡単に挑戦しやすいように編み方手順をご紹介します。
パーツの構成とその組み立て方を覚えればいろいろなパターン(編み図)のニット作りに応用可能で、小物と比べると編む部分が多くて時間はかかりますがそれだけ満足感がある手編みですよ!
編み方の前に・冬の手編みセーターに必要な道具
編み物小物①編み針
ニットを作るなら必須なのが編み針です。編み方の種類によって大きく分けて3種類の編み針がありますが、そちらは編み方の種類の項目で詳しくご説明しましょう。選び方は毛糸の太さや自分の編む力加減によって変えるとはじめての方でも編みやすく思ったような仕上がりになります。
編み物小物②定規類
小物であれば型紙との多少の大きさの違いは何とかなりますがセーターはその後着る人の寸法に合わせているのでしっかり大きさをはかりながら編んでいきます。ゲージ・型紙・編んだ寸法を測るのにと定規は何度も使う必須アイテムです。
編み物小物③とじ針などあると良い小物類
この他編む時にパーツごとに分けて編んだりしますので、あとでそれをとじ合わせる必要がでてきます。毛糸用のとじ針も用意しましょう。その他、編み目を数えるのが楽になる目数リングや段数リングなどもあると便利なのでおすすめ。
編み方の前に・セーター用の毛糸の種類と選び方
冬の毛糸の種類①アクリル毛糸
ニットとひとくちに言われるけれど毛糸の種類もさまざま。まずはアクリル毛糸のご説明から。こちらは化学繊維でウールを模して作られた毛糸で縮みが少ないのが特徴ですが、ものによっては編みあがりがゴワゴワしたりということであまりセーターには向きません。
アクリル毛糸でセーターを柔らかく編むには
どうしてもアクリル毛糸で編みたいというときは極細を2本撮りにしたり中細くらいの糸の太さのものを使って編むことでゴワゴワを軽減させることが可能です。
冬の毛糸の種類②ウール
ウールは主に羊毛を使って作られた糸で内部に空気を多く含むことで保温性にすぐれとても温かい糸。近年は特に柔らかいメリノウールに人気が集まっています。
羊毛の他にも毛糸はある
羊毛の他にウサギの毛を使ったアンゴラやラクダの毛からできるキャメルなど他の動物を使った毛糸もそれぞれに特色があり効果的に使うことで素敵な作品ができます。
はじめての冬の毛糸の選び方
セーター編み初心者の方がはじめて使う毛糸には、ウール100%よりも毛とアクリルの混紡の方が使いやすいです。価格もウール100%より安いものが多いので買い求めやすいのもおすすめポイント。アクリルが10-30%くらいのものを選んでください。
太さは並太程度がおすすめ
また太さですが太い毛糸の方が早く編み終わるけれど出来上がりがとても重くて着用するのに肩が凝ることも。並太程度が編み進みも仕上がりの着心地も標準的に。真冬にコート代わりに着るというならば極太毛糸でもこもこに編むのも良いですね。
冬のセーター向け手編みのニット・編み方の種類
編み方の種類①棒針編み
道具のところでも少し触れましたが、ひとくちにニットと言ってもやり方はおよそ3種類。セーターにおすすめなのが棒針編みで、目はすべて針に付いているので数えやすいという利点があります。また既成品のような仕上がりになるのでジャケットの下に着るような薄手のものも糸を細くすることで手編みで作れるでしょう。
編み方の種類②かぎ針編み
この方法はフックのついた1本の針を使って編んでいく技法です。利点は編み針が1本で良いので持ち運びや作業の準備も簡単。棒針編みに比べて編地が厚くなるので温かい反面厚くてゴワゴワすることもあるので、衣類にするときは透かし模様などを入れてできるだけエアリー感を出して軽くすることが必要です。
編み方の種類③アフガン編み
アフガン編みは棒針とかぎ針を足したような針でこちらも1本で編む方法。どちらかというとかぎ針編みの技法に近いものがあるけれど、あまり一般的ではないのは編地が厚くなるのが利用でしょうか。あまりポピュラーではないので針や編み方図が手に入りにくいので注意してください。
初心者向けはじめてのニットセーターの編み方①
サイズを測る
お好みの編み方は決まりましたか?どんなもので編む時でも基本のセーターのやり方は一緒です。パーツごとに分けて編み、最後にはぎ合わせて仕立てます。まずはニットを着る人のサイズ(最低でも肩幅・できれば肩幅と着丈・肩から手首までの袖丈)を測りましょう。着丈は袖から下の部分を長く編むことで後からでも調整可能なので、近くにその方がいるときは直接編んだ物を合わせてしまっても良いですよ。
使う毛糸でゲージを取る
作るセーターの大きさが決まったら、用意した糸と針を使った四角く試し編みをしてください。これはゲージといって毛糸の紙ラベルにも目安が書いてあります。実際に編んでみて10センチの四角の中に何目何段入るか数えるのがゲージで、これを元にしてさきほど測った寸法と照らし合わせて体にジャストなセーターを作るのに必要です。
簡単な編み図を作る・用意する
準備の最後になりましたが、セーターの編み図(型紙)も必要です。ネットにあるフリー配布の型紙を使用しても良いですし、寸法とゲージを使って自分で作っても。無料配布を利用する場合は模様がある場合が多いので、同じ糸と針の号数を使ってください。これに沿って編んでいくことになるので、ここでは目数など詳しい説明は避け手順を解説していきましょう。
糸の太さ表示はあまり信用しないこと
無料パターンと同じ糸が手に入らなくてたとえば並太と書かれていたからと並太の糸で編むと大きさが変わることはよくあることです。特にセーターなど大きなものではゲージ上はわずかな差でも出来上がりに響いてしまうことも。
これを防ぐためにできるだけ毛糸玉1個の重さと糸の長さに注目してください(紙ラベルに表示されています)。この両方があっていれば(重さは違っても同比率ならOK)、編み図と違う糸を使用してもほぼ同じ大きさのセーターが編めるでしょう。
型紙を使わずに作る場合のサイズ目安
自分で作る場合は、編み始めは肩幅の目数(ゲージから計算する)プラス4センチ(袖の部分)プラス緩み4センチくらいが標準のジャストサイズ。ゆったりと作るときは肩幅プラス4センチプラス10センチくらいならダボッとしたセーターに仕上がります。
初心者向けはじめてのニットセーターの編み方②
手編みセーターを編む順番
セーターは首周りから下へと編む方法、ぐるりと輪に下から編むやり方とあるけれど一般的な方法は後ろ身頃・前身頃・袖と編んでそれぞれをとじ合わせてゴム編みを編んで仕上げてください。一番大きなパーツから編むのがポピュラーで、だんだんとパーツが早く出来上がるので飽きにくくおすすめです。
後ろ身頃の編み方
それでは早速ボディの作り方解説を行いましょう。ゲージとサイズから割り出した目数の作り目をします。棒針を使って同じ毛糸で作り目するしかたを紹介されているところも多いけれど初心者の方には「編み出し糸」と呼ばれる化繊のすべりの良い糸を使って作る方法がおすすめ。かぎ針で必要な目数だけくさりを作りそこをひろってはじめるのでとっても簡単です。
袖ぐりと襟は減らし目を
胴の太さプラス緩みをつけて脇の下まで編めたら袖のくりの減らし目をします。減らし目は肩幅分まで伏せ目で作る方法で。そのまま襟まで編んで、また減らし目と休み目(別の針や大きなピンを使って別にとっておく方法)で両肩を編むとできあがりです。
前身頃の編み方
前身頃の編み方も基本的には同じで、気を付けるポイントは袖口の減らし目までの段数は後ろと同じにすることだけ守ってください。襟ぐりの減らし目は大きめに作るのがコツ。V字あきは袖の減らし目の少し上くらいから左右対象にふせ目で減らし目をするときれいに仕上がります。
初心者向けはじめてのニットセーターの編み方③
簡単な袖の編み方
袖の作り方は初心者の方が自分で型紙やパターンなしで仕上げるのは大変なので、ここではできるだけ簡単な方法解説です。後ろ身頃と前身頃の肩の部分を先にはいで(中表で裏からかぎ針で目を拾いつつくさりあみ)しまってそこから拾い目をしてまっすぐ編んでいきましょう。
太さも手首に向かって少しずつ細くできると完璧!わからない方はそのままの太さにして袖口のゴムの部分でキュッとしぼってもかわいいデザインに仕上がりますよ。
袖のへらし目のコツ
肩から拾い目ではじめる作り方で、はじめに測った長さまで編んだら袖は一応完成になります。少しずつ細くなり袖口まで編みたい方は、たとえば10センチ編むごとに両脇で1目ずつ伏せ目の減らし方で外側1目めは避けて2目めと3目めでおこなってください。一番外側はまっすぐ目が立った方が、後ではぐときにやりやすいです。
初心者向けはじめてのニットセーターの編み方④
手編みセーターの仕上げ①はぎあわせ方
パーツが全てできたらはぎあわせて形にします。はぎ方はどんな編み方でも横に渡っている糸をとり同じ段どうしがつながるように針でジグザグに縫うようにおこなってください。
手編みセーターの仕上げ②ゴム編みを編む
はぎ合わせたら最初に使った編み出し糸をほどきながら針に目をひろってから表目・裏目と交互に編むゴム編みを行います。輪になっているので4本針か輪針が便利。見ごろを編んだ針よりも2号程度細い針で編むのがコツです。
手編みセーターの仕上げ③糸はしの始末
袖口や裾のゴム部分が編めたら最後に糸を足したところなどの糸はしをきれいに始末しましょう。毛糸とじ針を使って表に響かないようにするのがコツ。やり方もいろいろあるけれど、はじめての方なら渡っている糸にからめていく方法が楽でわかりやすく早く仕上げも終わります。これでセーターの完成です。お疲れ様でした!
無料編み図でいろいろな手編みセーターを編もう
編み図を変えておしゃれなセーターに挑戦
基本ということでメリヤスなど模様を考慮しない前提でお話を続けてまいりましたが、ひとつ作って自信が持てたらパターンを見ながらすてきなデザインや凝った編地模様にも挑戦してみましょう。無料でパターン配布しているサイトを紹介します。
ハマナカ手芸のあむゆーず
ハマナカ手芸といえば編み物だけでなくいろいろな手芸材料がそろう大手メーカーです。公式サイトではハマナカの毛糸を使ったニットの作り方を無料で配布してくれています。
毛糸のぴえろのあみもこびより
毛糸のぴえろとはダイソーにも商品をおろしている"ごうしょう"という会社のネット通販のお店です。独自の毛糸を作って販売することで安く質のよいおしゃれな糸を提供しているのが特徴。下記のサイトでも自社の糸を使ったニット編みの手順やパターンが無料でダウンロードできます。
手芸通販のHOBBYRA HOBBYRE
ぴえろとはまた違って、少し高級で他にはないようなおしゃれでかわいいデザインのキットを中心に販売しているのがホビーラホビーレです。こちらでも無料の編み図が公開されています。
海外の編み物SNSも編み図探しにおすすめ
日本ではあまりないですが、海外では自分で考えたパターン販売も盛んに行われており、そんなニット好きの方が集まるSNSがラベリー。登録が必要ですが利用は無料。型紙も無料のものもたくさんありますのでのぞいてみてはいかがですか?
まとめ
ニットセーターも編み方を選べば初心者でも簡単
通常のセーターの作り方ではなかなか語られないような、簡単に作るコツを交えて編み方をご紹介してきました。セーターといえば大きいというだけでやり方は他の小物と変わりありません。お気に入りの糸を見つけたら、それが形になるのを楽しみにして編み物をはじめてみてはいかがでしょうか。初心者の方は無理せず少しずつという気持ちで進められるとよいですね。
セーターや編み方が気になる方はこちらもチェック
その他編み方の基本的な解説記事もご用意しています。こちらもぜひ見てくださいね。
棒針編みの基本の編み方!記号の見方と編み方の基本を詳しくご紹介!
手編みのマフラーやセーターを編むために必要な、基本の棒針編みの編み方を詳しくご紹介します。記号の見方はもちろん糸のかけ方まで詳しくご紹介。棒...
かぎ針編みの基本の編み方!記号の見方と編み方の基本を詳しくご紹介!
かぎ針編みの基本の編み方を丁寧に解説します。編み図や本で避けて通れない記号の見方も併せてご紹介していますので、安心して進められます。かぎ針の...
セーターやニットの収納術!かさばる洋服も綺麗にしまえる収納テクを解説!
セーターやニットはかさばる洋服のため、クローゼットなどへの収納が難しいものです。厚手ならなおさらでしょう。でもたたみ方やしまい方しだいで、上...