槍ヶ岳へ行こう!
北アルプスといえば、槍ヶ岳を外すことはできません。その姿は、遠くから見ていても見分けがつく特徴ある姿をしてます。見ているだけでは我慢できず、必ず登りたいと思う山が槍ヶ岳です。槍ヶ岳へ向かうルートは、上高地から入るルートが人気がありますが、登山シーズンともなると、多くの人で混雑します。そんなときは、登山口を変えて飛騨沢ルートから槍ヶ岳を目指してみましょう。
右俣谷から飛騨沢ルートで槍平小屋へ
登山口から最短で槍ヶ岳まで行けるのが、飛騨沢ルートです。飛騨沢ルートは登山口である新穂高温泉までのアクセスも良く、新穂高温泉まではマイカーでも入れます。登山ルートからの風景という点からすると、上高地からの横尾を通って槍沢へ登るルートに軍配が上がるかもしれませんが、あの混雑は避けたいというのなら、飛騨沢ルートはおすすめです。
登山口は新穂高温泉
槍平小屋にアクセスする登山口は、新穂高温泉になります。新穂高温泉には、新穂高温泉ロープウェイもあり、槍ヶ岳や穂高連峰、笠ヶ岳などへの岐阜県側の登山口になっています。
新穂高温泉へのアクセス
新穂高温泉には、ロープウェイ乗り場付近を中心に駐車場があります。マイカーでのアクセスも便利です。所要時間は、中部縦貫道の高山インターからは約70分、長野道の松本インターからは約80分です。JRの高山駅からバスが出ています。所要時間は約100分です。東京や大阪、名古屋からは直通の高速バスも運行されています。
まずは槍平小屋まで
初日の行動は、夜行バスや夜中のマイカーの運転などで身体も疲れていると思いますし、身体も慣れていない状態です。身体を高度に順化させるためにも、槍平小屋までをひとつの目標にしましょう。
出発前に、新穂高登山指導センターへ
出発の前に、新穂高登山指導センターへ寄りましょう。事前にインターネット等で提出されていない場合は、ここで登山届を提出してください。右俣谷林道入口にも登山届を出すポストがありますが、新穂高登山指導センターならトイレもあり、出発の準備をするには、新穂高登山指導センターのほうが便利です。
新穂高温泉から槍平小屋までのルート
新穂高温泉から右俣谷に入るルートを通ります。新穂高温泉の登山口から槍平小屋までの所要時間は約4時間30分です。新穂高温泉~穂高平~白出沢出合~滝谷出合と進んでいくと、槍平小屋が見えてきます。
3つの沢に注意
槍沢小屋までに3つの沢を渡ります。チビ沢、滝谷出合、南沢です。橋はなく、渡渉になります。特に滝谷の渡渉個所は、雨が降り続くと渡れなくなります。現場の状況をライブカメラで知らせてくれていますので、槍平小屋のホームページから確認してください。過去には、増水のため遭難事故も発生しています。要注意な箇所です。
槍平小屋さらにその先へ
槍平小屋に来たのなら、目指すはひとつ、槍ヶ岳です。槍平小屋からは、飛騨沢を登って槍ヶ岳を目指すルートと、南岳から槍ヶ岳を目指すルートが選択できます。
槍平小屋から槍ヶ岳を目指す
槍平小屋から飛騨沢をルートで槍ヶ岳山頂へ向かいます。まず目指すのは、頂上を眺める場所に建つ槍ヶ岳山荘です。槍ヶ岳山荘までは、約4時間です。槍ヶ岳山荘まで来れば、目の前に槍ヶ岳の穂先が待っています。槍ヶ岳山荘に宿泊して、槍ヶ岳の風景を堪能するのもいいし、槍平小屋をベースにしてのピストンも可能です。
槍ヶ岳山荘の基本情報
【住所】岐阜県高山市槍ヶ岳頂上直下
【連絡先】 090-2641-1911(小屋直通、夏期のみ)
【アクセス】槍平小屋から約4時間
【備考】定員400名(収容人員は多いが、ハイシーズンはかなり混雑)
槍平小屋から南岳を経て槍ヶ岳を目指す
せっかくだからあの大キレットを間近に見てみたいかたはちょっと遠回りをして南岳も目指しょう。槍平小屋から南岳小屋までは約4時間です。大キレットの向こうに連なる穂高連峰の雄姿を楽しんでください。南岳、中岳、大喰岳へと進み、槍ヶ岳山荘まで約2時間40分になります。
槍平小屋を起点に周回ルート
せっかくなので、3,000mの風景を存分に楽しもうというルートです。槍ヶ岳に登頂したあとに、南岳方面へ目指し、大喰岳、中岳、南岳と稜線上の風景を堪能するルートです。工程が少し長くなるので、槍ヶ岳山荘か南岳小屋で1泊されると、雲上の世界をゆっくりと堪能できます。
槍ヶ岳や穂高連峰の眺望を楽したいなら
奥丸山は右俣谷と左俣谷を分ける尾根のピークで標高は2,439mで、槍平小屋から約1時間30分のところにあります。奥丸山からは、槍ヶ岳と槍ヶ岳から延びる西鎌尾根や穂高連峰、笠ヶ岳、双六岳などの北アルプスの名だたる山の眺望を楽しめます。とりわけ、滝谷の姿を間近に見れるのは圧巻です。
槍平小屋について
槍平小屋 は、新穂高温泉から槍ヶ岳方面へ右俣谷ルートを登ります。穂高平小屋、滝谷避難小屋を通り、標高1,990mの地点に辿りつくと、槍平小屋があります。槍平小屋がある位置は、ちょうど南岳、奥丸山、槍ヶ岳への分岐点となっています。
槍平小屋の予約方法
メール、電話、FAXで予約を受け付けています。テント泊以外は、基本的に単独でも予約が必要です。予約のときには、宿泊する日、代表者の氏名、人数(男女別)、食事の有無、当日の出発地、連絡先を伝えてください。
メール | [email protected] |
電話 | 090-8863-3021 (槍平小屋開設中の直通電話) 0578-89-2523(槍平小屋休業中) |
FAX | 0578-89-3303 |
槍平小屋の基本情報
【住所】岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂90(小屋事務所)
【連絡先】 090-8863-3021(小屋直通、夏期のみ)
【アクセス】新穂高温泉から約4時間30分
【備考】定員80名
槍平小屋の様子
槍平小屋に宿泊予約する前に、気になるのは、個室があるのかとか、食事はどんなのだろうとか、混雑しているのかなどどんな雰囲気なのかです。
槍平小屋には個室はある?
宿泊する部屋の種類としては、大部屋と個室があります。個室がありますが、個室として利用できるのは、閑散期のみです。個室として利用するときでも、個室の追加料金は不要です。個室がいつ利用できるのかは、槍平小屋のホームページから「槍平小屋ニュース」でチェックしてください。
槍平小屋の食事
山小屋の楽しみのひとつが食事です。槍平小屋の食事は、山小屋としては良いとの評判です。食事のなかでもご飯が美味しいとのことです。沢の良質な水で炊き上げるご飯が食事を引き立たせてくれているようです。
昼食はテラスで
槍平小屋の前には、木製のテラスがあります。昼食はテラスにあるベンチでのんびりとコーヒーでも飲みながら過ごしてみませんか。明日からのエネルギー補給のためにものんびりしましょう。軽食を提供している時間は、10:00~13:30です。夏には、かき氷もあります。火照った身体をクールダウンさせてくれます。
槍平小屋の混雑状況
お盆や秋の連休などに予約を入れようとするとさすがに混雑しています。しかし、多くの人が上高地を目指すために、混雑度は上高地に比べると断然低くなります。ただし、槍平小屋へアクセスする登山口となる新穂高温泉の駐車場はシーズン中はかなり混雑します。槍平小屋の宿泊予約は取れているけど、駐車場が混雑していてマイカーを停められないというようなことがないように、注意しましょう。
登山口の駐車場の混雑に注意
槍平小屋へアクセスする登山口となる新穂高温泉は、槍ヶ岳だけでなく、穂高岳や笠ヶ岳などへの登山口でもあります。そのため、新穂高温泉の駐車場はシーズン中にはかなり混雑します。槍平小屋の宿泊予約は取れているけど、駐車場が混雑していてマイカーを停められないというようなことがないように、注意しましょう。
駐車場について
駐車場へのアクセスは、奥飛騨温泉郷観光協会のホームページをご覧ください。登山者用の無料駐車場が用意されています。
槍平小屋でテント泊をしたいなら
槍平小屋のテントサイトは小屋のすぐそばにあります。テント泊の場合、基本的に予約は要りません。ただし、大人数(15名以上)で利用したい場合は、問い合わせてくださいとのことです。
槍平小屋のテントサイト
まずは、槍平小屋でテント設営の受付をしてください。テントは約50張ほど張れます。テントサイトは小屋からほど近い場所にあります。テントサイトは、沢沿いで、水場もあり無料で水の補給ができます。沢沿いのため、石が多い場所です。
槍ヶ岳を目指すなら
槍の穂先は、狭いエリアです。この穂先を目指してたくさんの人が訪れます。混雑のため、槍の穂先を目前にして時間を取られることもありますので、時間には余裕を持って行動してください。
ヘルメットを持って行こう!
槍ヶ岳エリアに入るときは、ヘルメットの着用が奨励されています。混雑がゆえに人が誘発する落石もあります。落石から身を守るためにもヘルメットを携帯してください。
槍ヶ岳も穂高連峰も攻めてみる
難易度の上がるルートですが、新穂高温泉から槍ヶ岳、大キレットを通って北穂高岳、奥穂高岳と穂高連峰を攻めて、ジャンダルムに入り、再び新穂高温泉に戻ってくるというルートもあります。落石と滑落が頻繁に起こっている場所です。入念な計画と慎重な行動で挑んでください。
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飛騨沢は天候に注意
槍平小屋を経由するルートは、沢を登って槍ヶ岳にアクセスするルートです。晴天が続いているときは問題ないのですが、雨が降ると川は増水します。渡渉する個所もあります。特に滝谷の渡渉個所は渡れない場合もあります。現場の最新の状況を見て判断してください。
沢沿いのテントサイトも注意
槍平小屋のテントサイトは沢沿いにあります。大雨で増水すると、テントサイトも水没することもあります。雨が降ると、沢は急に水かさが増すことがあります。注意してください。
まとめ
上高地もいいけれど、槍平小屋から飛騨沢を登ってみませんか。初日に槍平小屋まで入っておけば、槍ヶ岳へピストンもでき、週末を使って槍ヶ岳登山も可能です。
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