手縫いでジャージの裾上げをしよう!
針と糸があれば裾上げは簡単!
スポーツやカジュアルで人気のジャージですが、はいてみたら長いというアクシデントもよく起こります。
ジーンズや綿パンなどのズボンと違い、比較的薄手で繊細な素材も多く、専門家の方に注文するケースが多いですが、実は自分でも直せてしまいます。そこで今回は、裁縫初心者でも簡単にきれいに仕上げられる縫い方をご紹介します!
手縫いで直してみよう
手縫いと聞くとハードルが上がりそうですが、実はそこまで高度なスキルは必要なく、根気とやる気さえあれば初心者でも簡単にできます。さまざまな縫い方が存在しますが、細かい違いがあるので、違いを理解して好きな縫い方を選んでください。
今回の縫い方は針さえ使えれば他に難しいスキルがいらない簡単な縫い方ばかりなので、初心者の方もぜひ挑戦してみましょう。
ジャージの裾上げをする前に:必要な道具
裾上げの道具:縫い針
ジャージを縫う場合、特に縫い針をこだわる必要はなく、どのような針でもきれいに仕上げられます。きれいに仕上げたい場合は、薄手用の針を用いるのがおすすめで、太さは「7~9号(0.6mm前後)」を選べば問題ありません。
また、太い針でも問題ありませんが、素材によっては縫った穴が目立つ可能性があるので、できるだけ細めの針を選ぶのがおすすめです。
裾上げの道具:糸
糸の番手や素材はさまざまですが、糸を選ぶ時はジャージに使われている色や太さに近い糸を選ぶようにしてください。素材に関しては、ポリエステル糸を選ぶのがおすすめで、伸縮性と強度の両方があるのでジャージ生地に適しています。
また、糸が細すぎると切れる可能性もあるので、ある程度の太さがある糸を選ぶのがおすすめです。
裾上げの道具:まち針
裾上げの準備用の必須アイテムとも呼べるのがまち針で、直しに取り掛かる準備段階の仮留めや縫う時に留める際に必要となります。ズボン1本につきまち針を6本程度用意しておけば問題ないので、必ず持っておくようにしておきましょう。また、まち針の代わりにクリップやピンなどでも代用できますので、無い場合はそちらを使いましょう。
裾上げの道具:アイロン
必ずしも必要ではありませんが、仕上げに直した部分をプレスしてきれいに仕上げましょう。温度調整などが必要ですが、当て布をしながら低~中温でプレスすればきれいにできますので、お家にアイロンがある方はぜひきれいな仕上がりにしてあげてください!
裾上げの道具:裁ちはさみ
ここまでで挙げた道具を揃えていればとりあえず安心ですが、方法によっては必要な道具などが増えることがあります。中には長い裾を切って直す方法もあるので、はさみがあれば無駄に布を余らせることなく簡単に縫えます。
はさみの種類に関しては一般的な裁ちばさみで問題ないので、持っていない時はこの際に購入しておくのもおすすめです。
ジャージの裾上げをする前に:手縫いの種類
手縫いの種類:まつり縫い
仕上がった後に糸を見せたくない人におすすめなのがこの方法で、糸が生地の表側に見えない仕上がりがポイントとなります。少し変わった縫い方であるものの、縫い方自体はシンプルなので、マスターしておいて損はありません。
糸や針の違いに関しても自由に選べますので、どの縫い方をすればいいか分からない方はまつり縫いを選びましょう。
手縫いの種類:なみ縫い
もっともオーソドックスな縫い方であるものの、シンプルな縫い方なので誰でも簡単にできます。なみ縫いはステッチ(縫った糸)を主張できるため、仕上がりの部分で糸をアピールしたい方はこちらの方法を用いてみてください。また、なみ縫いは縫い幅を広くすると強度が落ちますので、狭い幅で縫うことを心掛けてください。
手縫いの種類:返し縫い
返し縫いはその他の縫い方と違い、少々手間と時間が掛かるものの、強度が強いのがメリットです。また、ステッチが直線状に真っ直ぐ見えますので、仕上がりもきれいに見えるのが魅力的です。特におしゃれな裾でこだわりたい人は、丁寧な返し縫いを選んでみてください。
ジャージの裾上げをする前に:ジャージの準備
直す前に長さの調整!
ズボンの長さを調整する時は、仕上がりにしたい長さまでまくり上げて、まち針やクリップで留めておけば準備完了です。また、折った布地があまりに長い場合はカットが必要ですが、余った長さが短い(10cm未満)場合は切らずに直せるということも覚えておいてください。
長い時はカットも視野に入れよう
あまりに裾が長いと、裾をカットしなければ布が余ってしまいます。直したい長さが10cm程度までなら切らずに直せますが、20cmレベルの長さになれば布地を切ることをおすすめします。また、なみ縫いや返し縫いは布地を切る必要性があるため、縫い方や長さに応じてはさみでカットすることを視野に入れておいてください。
ジャージの裾上げをする前に:注意点
カットする時は注意!
1度カットしてしまうと布は元には戻せないので、切る前はチェックしてからはさみを入れてください。カットする時は縫い代が必要になるので、少し長めに切ることを心掛け、やりたい方法に合わせて長さを付け足してあげましょう。
長さの目安ですが、3~6cmの縫い代があれば問題ありませんので、余裕を持たせてカットするようにしましょう。
縫う時は糸を引っ張らない!
ジャージは伸縮性が強いので、縫っている最中に糸を強く引きすぎるとギャザー(縮み)になる可能性があります。したがって、縫う時はできる限り引っ張らず、布にヒダができないように心掛けてください。
糸を引っぱりすぎると糸が切れやすくなるうえに、裾が細くなってしまうので、きれいに仕上がらない可能性があるのでくれぐれも注意してください。
ジャージの裾上げ方法:まつり縫い①
必要な道具
・縫い針
・縫い糸
・まち針(クリップ)
・はさみ(必要に応じて)
ジャージの下準備
あらかじめ縫う前に仕上がりになる場所を決めておくのが大切で、裾を仕上がりにしたい部分まで折って、元に戻らないようにまち針で仮止めすれば準備完了です。また、直すときは布地を裏返しにして直すことになるので、裏返しの状態で仮止めをするまでが下準備です。
ジャージの裾上げ方法:まつり縫い②
まつり縫いのやり方の動画はこちら!
慣れれば簡単ですが、最初の内は「布地の糸を数本すくう」というコツを掴む練習をしましょう。また、動画内では「布の織目を1つすくう」と説明されていますが、ジャージの糸は非常に細いため、2・3本の糸をすくう要領で行う方が頑丈に仕上がります。
裾をカットする場合
あまりに長い時(20cm長い時など)などはカットするのがおすすめで、カットすることではき心地が若干軽く感じられます。カットする時は、仕上がり部分から5cm~10cm程度長い部分で切るのが好ましく、直したい長さに合わせて長さをチェンジするのがおすすめです。
※画像訂正:カット線と仕上がり線の位置が逆になっているのでご注意ください。
裾を内側に入れてまつり縫いをしよう
カットをしていない時はそのまま"まつり縫い"をすればいいですが、カットする場合はカットした部分が隠れるように内側へ畳んでおきましょう。まち針などを用いて留めておけば折り幅などが安定して縫えるので、慣れない内は数か所留めてから縫うようにしてください。
ジャージの裾上げ方法:なみ縫い①
ジャージをカットしてみよう
裾の長さ合わせまでの過程は全ての縫い方で共通ですが、なみ縫いと返し縫いはカットの必要性があるので、縫い始める前に一手間加えましょう。カットする時は、仕上がりの部分から5cm程度離した部分でカットするのがおすすめで、2回折り畳める長さを残しておくのがコツです。
2回畳んで縫うのが基本
裾上げするときに切り離した部分を直接縫ってしまうと、糸が外れてしまうリスクがあるので注意してください。まつり縫いと同じく内側に折りたたむのがポイントで、なみ縫いの場合は「2回」内側に折ってから縫い始めるようにしてください。
ジャージの裾上げ方法:なみ縫い②
なみ縫いのやり方の動画はこちら!
最も簡単な縫い方の一つですが、面倒になって手を抜いてしまうと残念な仕上がりになってしまいます。簡単でも丁寧にやれば非常にきれいに仕上がるので、終始丁寧に縫うように心掛けてください。
なみ縫いのコツ
なみ縫いはシンプルな縫い方ですが、縫う間隔を広げすぎると強度が弱まってしまいます。したがって、できるだけ細かく縫うのがコツで、大体5mm以下で縫い進めていくのがおすすめです。また、縫う間隔が崩れるときれいに見えないので、できるだけ等間隔に縫い進めるように心掛けてください。
ジャージの裾上げ方法:返し縫い
なみ縫いと方法は同じ
返し縫いの縫い方はなみ縫いと似ており、ズボンの準備なども同じ要領で行えば問題ありません。返し縫いはなみ縫いに1手間加えた縫い方で、その他の縫い方よりも頑丈に仕上げられます。
まつり縫いの場合は縫った糸が表面で見えなくなる縫い方ですが、返し縫いとの違いは縫った糸が見えますので、ステッチも見せたい人はぜひマスターしてみましょう。
頑丈な仕上がりが魅力的!
まつり縫いやなみ縫いの場合は糸が切れたりほどけてしまう可能性がありますが、返し縫いはそれらと違い、頑丈な仕上がりになります。裾の糸が切れるというアクシデントは頻繁に起こりませんが、スポーツなどでハードに動く方などは返し縫いで直すのもおすすめです。
また、返し縫いはその他の裁縫にも応用ができる方法なので、マスターしておいて損はありません。
返し縫いのやり方の動画はこちら!
返し縫いは少々時間が掛かるものの、ミシンにも負けない強度を誇っています。ズボンの種類によってはステッチが見えているものもあるため、仕上がりの風合いを直す前と同じにしたい人は返し縫いまたはなみ縫いを用いてみてください。
その他の裾直し
ミシンはちょっと難しい?
裾上げといえばミシンのイメージがあるかもしれませんが、手で縫う場合と違い難しくなります。ジャージの素材は薄手な上によく伸びるので、扱いに慣れていないときれいに縫えない可能性があるのです。
扱いに慣れている人は簡単に縫えますが、自宅にない人や慣れていない人は手で直すようにしましょう。
修復テープでもOK!
その他の方法として、裾上げテープと呼ばれるものがあり、アイロン一つで簡単に直せます。ジャージの素材は温度に弱いですが、ポリエステル素材などにも適したテープがあるので、針を使うのが心配な人などはテープを用いた修復も視野に入れてください。
まとめ
手縫いは意外に簡単!
手縫いは面倒くさいイメージがあるかもしれませんが、慣れてしまえばいとも簡単にズボンの裾を直せてしまいます。
その他のズボンに関しては生地が厚手なので針や糸をこだわる必要がありますが、ジャージは薄手のものが多いので、誰でも簡単に直せてしまいます。
専門家の方に頼むと数百円かかるケースもありますが、手縫いはコストが掛からないので、手縫いをマスターして節約するのもおすすめです。
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