ハイビスカスの育て方を解説!
ハワイに行くと空港などで花のレイを首にかけて歓迎してくれますが、そのレイの中にも飾られているハイビスカスは、ハワイを代表する花の一つです。ハワイの花というイメージが強いですが、実はハイビスカスはハワイが原産国なわけではありません。ただ多くの園芸品種がハワイから作出されているの事実です。情熱的で華やかな花色が魅力のハイビスカスは、熱帯地方の代表的な花木。そんなハイビスカスの上手な育て方を解説します。
ハイビスカスという花木のついての基礎知識
ハイビスカスはアオノ科フヨウ属の花木
ハイビスカスはアオノ科フヨウ属の花木です。ハイビスカスの種類は世界で10000種ほども栽培されているといわれており、種類によって低木の種類も栽培されているし、3mほどの高木のものも栽培されています。学名はHibiscus、和名は仏桑花または扶桑花と書いてブッソウゲと読みます。
原産国は不明
ハワイに行くとお馴染みの花ですが、原産国はハワイではありません。諸説は色々ありますが、ハイビスカスの栽培の原産国は不明とされています。ただハワイから作出されたハイビスカスの園芸品種はたくさんあるのは事実です。日本では植木鉢で鑑賞することが多いですが、沖縄や南国のリゾート地では庭木や街路樹として栽培されているものもあります。
ハイビスカスの花の特徴
花のタイプは3タイプ
ハイビスカスはほとんどが原色の鮮やか花色をしています。お馴染みの赤い色、そしてピンクやオレンジ、黄色、白のほかに、青や紫色の花色もあります。園芸品種はたくさんですが、ハイビスカスは花の咲き方や性質などによって大きく3つのタイプに分類して紹介されています。
オールドタイプ
一般的に流通しているタイプはこのオールドタイプのハイビスカスです。育てやすいく花もよく咲くので初心者におすすめのタイプです。花の大きさは中輪や小輪。比較的ハイビスカスの中では暑さに強いタイプですが、気温が30℃以上になると開花数が少なくなります。
コーラルタイプ
花は細く垂れた枝の先に小さめの花が咲きます。形や色がサンゴのように見えることで、サンゴ(珊瑚)の英名であるコーラル(coral)と呼ばれているそうです。ハイビスカスの中でも丈夫で育てやすい種類です。ただ気温が30℃以上になるとやはり花の開花数が減ってしまいます。
ハワイアンタイプ
ハワイで栽培されているハイビスカスがこのタイプです。その名の通りハワイ原産種です。丸みがある大輪で、花も色彩も豪華な見栄えのする花です。多くは観賞用に栽培されているタイプです。
ハイビスカスの開花の時期
ハイビスカスは秋が開花の最盛期
ハイビスカスの開花の時期は5~10月です。開花の最盛期は9~10月。たとえばオールドタイプのハイビスカスは一年中開花を繰り返す種類もあります。ハイビスカスは花木の中でも、長いこと花が楽しめる花木で、たくさん蕾が付いて次から次へと開花していきます。
咲き方はたった1日しか咲かない花
ハイビスカスの咲き方は朝咲いて夕方には枯れてしまう1日花。品種改良されたものには2~3日咲いている種類もあるようです。咲いた花はそのままにしとくと花は閉じ落ちてしまうそんな咲き方をします。咲き終わると花は自然に落ちてしまいますが、咲き終わったガクをきちんとハサミで切るか、つけ根から摘み取ると、次のつぼみが付きやすくなります。咲いた花は1日で枯れてしまいますが、次から次へ蕾を付けて咲くのはハイビスカスの花の咲き方の特徴です。
ハイビスカスの育て方の基本的なポイント
日本では鉢植えで栽培するのが一般的
熱帯帯地方の花木の代表であるハイビスカスは、日本では一般的には鉢植えで栽培して楽しまれています。ただ日本でも年の平均気温で寒い時でも18℃を下回らない沖縄などでは庭木や街路樹として楽しまれている地方もあります。種からでも育たないことはありませんが、苗から栽培するのが一般的です。
日当たりの良い場所で管理
管理は日当たりがよく風通しの良い場所で管理します。ただ南国の花でありながら、暑さには強くないので30℃以上になる真夏は、日陰に鉢を移動させて直射日光が当たらないような場所やよしずをかけた場所で暑さ対策をして管理しましょう。春から秋まで繰り返す開花します。
冬は室内で管理しよう
ハイビスカスは暑さも苦手ですが、寒いのも好きではありません。11月後半、気温が下がり始める時期から春までは室内で管理します。室内でもレースのカーテン越しの窓際など、日当たりの良い暖かな場所などに置くのがおすすめです。暖房の風が直接当たるようなところは避けてください。冬の時期でも、暖房が効いている暖かな部屋できちんと手入れをして管理すると、花を咲かせることができる種類もあります。花が少なくなるモノトーンの時期に情熱的な色のハイビスカスの花が咲いてくれると、冬の寒さも暖かく感じますね。
ハイビスカスの育て方のポイント1
鉢植え付け時期は5月前後
ハイビスカスは種でも育てられますが、苗から育てるのが一般的な育て方です。ハイビスカスの苗は、桜の時期が終わった5月頃になると、ホームセンターや園芸店の店先に並び始めます。沖縄などでは地植えも可能ですが、鉢植えで観賞するのが一般的です。鉢植えの植え付け時期は、苗が出始める5月。苗を購入したらすぐにすぐに鉢植えします。
苗より一回り大きな鉢に植え替える
通常ビニールポットなどに植えられた苗が販売されていますが、お店によってはプラスチックの鉢に入った少し成長した苗もあります。そのような鉢はそのまま鉢植えのように飾れる気がしますが、ハイビスカスは生長が早いため、店頭に並ぶ時にはすでに根が成長して、根詰まりしているものも多いので、鉢に入っている苗でも、鉢が苗よりも小さいなと感じたら苗よりも一回り大きな鉢に植え替えるのがおすすめです。
鉢の用土は市販のハイビスカス用の培養土が便利
ガーデニング初心者の方は、鉢植えの用土にはホームセンターや園芸店で市販されているハイビスカス用の培養土を利用すると便利です。市販されている培養土は通気性や排水性、そして保水性に優れた土に作られているほかに、花を楽しむ花木に都合の良い、花付きをよくする栄養素であるリン酸を多く配合した緩効性有機肥料が既に含まれているのでとても便利です。鉢には排水性をよりよくするために、鉢の底に軽石などの鉢底石を引いてから用土を入れます。
赤玉土7と腐葉土3でもOK
ガーデニングを趣味とされている方なら、赤玉土はお馴染みの土ですが、そんな方はハイビスカスの用土に、赤玉土7と腐葉土3で用土を作り利用するのでも構いません。赤玉土同様に園芸用土として知られて鹿沼土をお持ちの場合は赤玉土4、腐葉土3、鹿沼土3くらいの割合で作った用土だと通気性と排水性がよくなり、なおおすすめです。
ハイビスカスの育て方のポイント2
日々の手入れは水やりと花がら摘み
ハイビスカスの日ごろの手入れで水やりは欠かせない大切なお手入れの一つです。植物によっては水やりは用土が乾いたときにたっぷりと水やりすればよいという花もありますが、ハイビスカスは水の吸い上げが早いので、夏場や開花する生育期は朝夕2回、鉢の底から水が出てくるほどたっぷりと水やりします。この時受け皿にたまった水をそのままにしておくと根腐れの原因になりますので、皿の水は破棄してください。冬の時期はそれほどこまめに水やりしなくても大丈夫です。
日頃のお手入れの花がら摘みは花の咲き方をよくする
水やりと同様に忘れてはならないお手入れに、花がらを摘むこと。理由は先にお伝えしたように、ハイビスカスの花の咲き方は1日しか咲かない1日花。だから咲き終わったら、がくから切り取って花がらを摘んでしまいます。そうすることで蕾がたくさん付いて、次々と花を咲かすことができます。花がら摘みは咲き方に影響する重要なお手入れです。
開花の時期はリン酸を多く含有した肥料を施そう
ハツラツとした元気な花色が特徴的はハイビスカスの花を上手に何度も咲かすには、栄養も必要です。苗を植え付けて根付いてきたらゆっくりと効果を発揮する緩効性の固形肥料を置き肥しましょう。苗を植え付けて1~2週間すると葉に張りが出て茎もしっかりしてきます。これが苗が根づいてきた目安です。5月~10月頃の花の咲き時期は、液体の化成肥料を水に薄めて週に1度くらい水やりと一緒に施してください。花にも栄養は必要。開花に必要な栄養であるリン酸の配分が多い化成肥料が効果的です。
ハイビスカスの育て方のポイント3
剪定は花が咲き終わったすぐの時期
庭に樹木を植えられていらっしゃる方は、定期的に枝を切り戻して樹形を整える「剪定」を行いますが、ハイビスカスも小枝をカットして剪定を行います。ただ、ハイビスカスは花を楽しむ花木であるので、翌年に花をたくさん咲かせることが大切!樹形を整えるよりも次の年にたくさん花を咲かせるために剪定を行います。そのためハイビスカスの剪定は花が咲き終わってすぐに剪定します。時期は10~11月が最適な時期です。目安は室内に入れる冬前の時期です。花が咲き終わってすぐの時期は、新しい花芽ができる前なので、花芽に間違って切り落としてしまう心配をすることなく剪定できます。
株の大きさを維持するのなら全体をバッサリカットする
ハイビスカスの剪定の仕方は、小枝を選んで数ミリカットするか、株を大きくしたくないのであれば全体を1/2~1/3の大きさに思い切って枝をカットしてしまいます。たとえば冬も室内で花を咲かせて楽しみたいという場合は、剪定しなくても構いませんが、大きさを保ちたいのであるなら、伸びてきた小枝はこまめにカットしたり、間引いて樹形を維持します。
ハイビスカスの育て方のポイント4
植え替えは1年ごとに行うのがおすすめ
日本ではほとんど鉢植えで観賞するハイビスカスは、成長が早い花木なので、そのままでは鉢の中で根が伸びすぎてしまい根詰まりしてしまいます。そのため一年に一度は鉢の植え替えをするのが望ましいです。鉢の植え替えに関しては2通りの目的によって鉢の大きさを選びます。どちらにせよ植え替え時期は花が咲きだす直前の5~6月が最適の時期です。
今よりも大きく育てたい場合
現状の大きさよりもさらに大きなハイビスカスの木にしたい場合は、現状のハイビスカスの大きさよりも一回り大きな鉢を用意し、植え付けした時のように用土入れて植え付けます。古い鉢から抜いたハイビスカスの株の根に、今までの土をそのままつけたまま新しい鉢に植え替えます。植え替えが済んだらよく水を与えて日当たりよい場所で管理します。
そのままの大きさを維持したい場合
そのままの大きさで株を維持したい場合も、鉢の中では根が成長しているので、植え替えが必要です。大きさを変えたくない場合は、まず鉢から取り出した株についている土を取り除きます。根が伸びすぎて固く巻いているときは根をほくしてください。ほぐれないほど固い場合は1/3くらいまで根をハサミで切り取っても構いません。そして新しく用意した用土に植え付けます。そして植え付けた後に、枝を1/2~1/3くらいにバッサリと切り戻します。そのあとは水をたっぷりと施して日当たりの良い場所で管理すれば大きさを変えず、また根詰まりも解消できて上手にそのままの大きさで育てることができます。
ハイビスカスの育て方のポイント5
病気や害虫に注意せよ
どんな植物にもつきものである病気や害虫の問題。ハイビスカスも病気にかかったり、季節によって害虫が付きます。ハイビスカスで注意しなければならない病気は、葉や枝にすすが付いたように黒くなってしまう「すす病」です。カビの一種が葉などに繁殖して起こる病気です。4~10月に発生しやすい病気です。そのままにしておくとどんどん葉が黒ずみ、株が枯れてしまいます。病気にかかっている葉を見つけたら取り除いて拡大するのを防ぎましょう。そのほかすす病に効果のある市販の殺菌剤を株にスプレーすることもおすすめします。込み合った葉などは間引きして風通しを良くすることも予防になります。
ハイビスカスにはこんな害虫が付く
ハイビスカスにはアブラムシ、ハダニ、ハマキムシなどの害虫がよく付きます。特に暑くなり始める5月下旬頃から秋にかけて害虫が付きやすくなります。害虫は病気の原因にもなるし、葉を食い荒らしてしまうので見つけたら取り除くか、市販の殺虫剤で駆除してください。害虫はいやでも寄ってくるものです。取り除いても、害虫が残していった排泄物などが原因で病気にかかってしまうことがあります。害虫被害を少なくするためには、春に粒上の浸透性の殺虫剤を株元に置いておくのも一つの予防の手段です。そうでなく害虫を見つけた時には即効性のスプレーで早々に駆除してください。
ハイビスカスを上手に育てて楽しもう
情熱的な色が特徴的なハイビスカスの花がたった1日しか咲かない花だと知ると、なんだかとても惜しいように感じますが、花木の中では長い期間次々と花を開花させる花木です。しぼんだ花は翌日にはもう咲きませんので花がらはさっさと摘んでしまいましょう。冬は室内で上手に管理すると冬でも鮮やかなハイビスカスの花を観賞できる種類もあります。上手に育ててぜひ南国の花を楽しんでください。
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