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キブシ(木五倍子)とは?花や実の特徴や花言葉をご紹介!開花時期っていつ?

日本全国の山里に自生しているキブシ(木五倍子)。花はまるで黄色い藤の花のようにも見えます。秋になると実を結びキブシの実は黒色の染料にも使われます。今回はキブシについての情報をお届けします。キブシを象徴する花言葉も気になるところです。合わせてご覧ください。
更新: 2023年4月5日
ティンカー・ベル
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キブシ(木五倍子)についてご紹介!

https://www.photo-ac.com/main/detail/2334157?title=%E3%82%AD%E3%83%96%E3%82%B7

北海道から九州まで、日本全国の山野に自生している落葉低木のキブシ(木五倍子)。庭木ではあまり見かけませんが、野趣ある庭づくりには素朴な自然の趣きを加えてくれる低木樹です。

春には枝から下がるように、藤の花に似せた薄い黄色い花を咲かす姿が美しいです。今回は桜の花の咲く前に綺麗に山野を飾るキブシ(木五倍子)についての情報をお届けします。

キブシ(木五倍子)とは

キブシの原産国は日本!

Photo by kanegen

キブシ(木五倍子)は北海道から九州まで、日本全国の山野に自生している落葉低木。原産国は日本です。キブシ科キブシ属の樹木で、学名はStachyurus praecoxといいます。学名についているStachyurusとはギリシャ語で「穂」という意味です。

その名の通りキブシの花は、黄色い穂をブドウようにたくさんつけて咲きます。またpraecoxとは「早咲きの」という意味。そんな意味が由来しているからはさなかではありませんが、春を代表する花木である桜の花よりも早く花を咲かせるのがキブシの花です。

キブシは漢字で木五倍子と書く

https://www.photo-ac.com/main/detail/1537835?title=%E3%82%AD%E3%83%96%E3%82%B7

キブシは漢字で「木五倍子」と書きます。ウルシ科の落葉高木のヌルデの若葉に寄生する虫によってその部分がコブのように膨らんだ「五倍子(フシ)」の代用に使われることからこのような字を書くそうです。

キブシの実は五倍子のように、染織やインク製材など黒色の染料に利用されるほか、昔に女性は歯を黒くするお歯黒に用いていました。

キブシは野趣ある趣きがある

キブシの木の樹高は2~3m。キブシは山野に行くとよく見かける花木ですが、キブシは庭木ではあまりみけません。しかし野趣あふれる庭造りを考えている方には、自然の趣きを醸し出すことができる庭木としてキブシはおすすめです。

キブシの性質は耐寒性、耐暑性ともに高いので、キブシは寒さ対策も暑さ対策も必要なく育てやすい樹木です。

キブシは春の桜の時期より前にブドウの形をしたような花をたくさんぶら下げて花を咲かせる姿がとてもきれいです。

キブシ(木五倍子)の花の開花の時期

キブシの花の開花は桜よりも早い時期

https://www.photo-ac.com/main/detail/2361344?title=%E3%82%AD%E3%83%96%E3%82%B7

キブシの花の季節は春。桜が咲くと春の季節を感じますが、キブシの花は桜よりも少し早い時期に開花します。3月中旬~4月中旬ごろが開花の時期です。

キブシの花は薄い黄色でコロンとした穂のような花をずらりと垂らして咲かせます。キブシの花の咲いている様子の表現は様々ですが、ブドウの形をした花とか、藤の花のような花にたとえられます。

葉よりも先に花が咲くキブシは、葉がない時期に花が咲くので、花を遮るものがなく、ダイレクトに鈴なりの壮観な花を姿を楽しめます。

垂れ下がるキブシの花房の長さは約3~5cm

ブドウのように房状に垂れ下がるように花を咲かせるキブシの花。前年の枝の葉腋(葉と葉の間のまたになっている部分)から枝状に花のついた花房が垂れています。キブシの花房の長さは3~5cm。大きいものは10cmのくらいの長さになるものもあります。キブシの花自体の大きさは7~9mmくらいの小花です。

茶花としても利用される


垂れ下がる花茎に一面にキブシの小花が付いて垂れ下がる姿は、春先のまだ花の少ない時期に開花するだけに、よく目立ちますが、キブシの花自体に派手さはなく、自然美の趣きがある花で、そのためキブシの花は茶花として使われることもよくあります。

あまり見かけませんが、キブシの花で赤紫色の花を咲かせる品種もあります。

キブシ(木五倍子)は雌雄異株の落葉低木

木にも雌と雄がある

植物にも動物のように雄と雌があるのをご存じでしたか。たとえば雌しべと雄しべがあるのは誰もが知っていることと思います。

百合の花や野菜のイチゴの花のように一つの花に雌しべと雄しべがある花を両性花といいますが、雌しべだけをもつ雌花、そして雄しべだけを持つ雄花をそれぞれ違う株に持つ植物のことを、両性花に対して雌雄異株の植物といいます。

犬や猫など多くの動物が雌と雄に分かれているように雌の植物と雄の植物に分かれている植物(木や花)のことです。

キブシはイチョウと同じ雌雄異株

Photo byMarzena7

たとえば雌雄異株で有名な木でイチョウや山椒がこの種類です。イチョウの実のギンナンが路上に落ちると臭くて汚いということで、街路樹にイチョウを植樹する際は実を付けない雄花の株を選んで植えるそうです。このキブシも雌花のキブシと雄花のキブシの別々の株がある雌雄異株の低木です。

植物の豆知識:雌雄異花とは

Photo by iyoupapa

植物図鑑などを見ていると雌雄異株と似たような言葉で雌雄異花という言葉があります。これは一つの株(木や花の個体)に雌しべだけの雌花と雄しべだけの雄花を咲かせる植物のことをこう呼びます。

雌雄異株は雌花を咲かす株と雄花を咲かす株、それぞれ違う株ですが、雌雄異花は一つの株に雌花と雄花を付けます。たとえば野菜のきゅうりやカボチャ、スイカなどは雌雄異花の植物です。植物の豆知識として覚えておくと便利ですね。

キブシ(木五倍子)の雌花と雄花の見分け方

キブシの花房の長さで見分ける

https://www.photo-ac.com/main/detail/2074771?title=%E3%82%AD%E3%83%96%E3%82%B7

春の季節に山野でかけ、キブシを見かけても、キブシの雌花とキブシの雄花を見分けるのは素人の目ではかなかな難しいです。

大雑把にみるのなら、キブシの雌花よりもキブシの雄花の方が花房が長く垂れているといわれます。ただし一概に花房が長いからこれはキブシの雄花だとは言えません。

キブシの花の色はキブシの雄花の方が薄い黄色で、キブシの雌花は薄黄緑色をしていますが、それも歴然としているものもあれば、中には微妙な色をしているものもあります。

キブシの小花を分析すると違いが判る

キブシの花房についている小花を分析するとキブシの花の雄花は雄しべが8個、雌しべはとても短いです。それに対してキブシの雌花は雌しべが花の外へ少しつきでて付いており、雄しべは退化してほとんどありません。

キブシの雄花もキブシの雌花もどちらも花弁は4枚。萼片は4枚、外側の2枚は小さく、内側の2個は大きくキブシの花を包んでいます。

キブシ(木五倍子)の葉が伸びる季節は...

キブシの葉は開花後に伸びる


キブシの葉は卵型の先がとんがった緑色の葉です。花の季節が過ぎた5月ごろになると、キブシの木から葉が出てきます。キブシの葉は1~3cmほどの長さの茎柄があり、キブシの葉の長さは6~12cm、幅は3~4cmくらいの大きさです。

キブシの葉は互生して付いている

キブシの葉は茎に1枚ずつ交互に葉を付けます(植物の用語で「互生」という)。キブシの葉の縁にはぎざぎざの細かい切れ込みがあります。キブシの葉は季節が秋になると黄色く紅葉します。キブシは落葉樹なので冬の時期は枯れ落ちてしまいます。

キブシ(木五倍子)の実

キブシの実のなる季節は夏から秋

キブシは花が咲き終わると葉がでてきます。そのあと雌花は実を付けます。6月頃に緑色の実が付き、7~10月には黄褐色に熟します。そしてしばらくすると、真っ黒になり開裂して、中から小さなキブシの種がたくさん顔を出します。

一般のガーデニングでビオラなどの草花では、種を採って翌年の苗を育てますが、低木のキブシの種を採っても、素人では育てることができないので、庭木には実にならない雄花が咲くキブシが好まれます。

キブシの実は黒色の染料に代用される

キブシの実に含まれている成分は、ウルシ科のヌルデにできる五倍子(フシ)の黒色の染料の代用に利用されます。キブシは花が終わると花と同じように花房状に緑色の実がたくさん実ります。

キブシの実の大きさは7~12mmくらいの大きさです。キブシの実は楕円状の球形をしています。

キブシの実は堅いですが肉質は柔らかい液果です。6月頃にキブシは実を付け7~10月に黄褐色に熟します。さらにキブシの実が熟すと中に小さなキブシの種がたくさんできています。

キブシ(木五倍子)の葉の紅葉

季節が秋になると葉は紅葉する

花が咲き終わると葉が出てきますが、その葉も季節が秋を迎えるころには黄色く紅葉します。落葉樹なので冬に葉は枯れててしまいますが、冬になる前は、黄色く紅葉します。山間エリアのキブシは気温差があるので、赤く紅葉するキブシも見かけることがあります。

桜の葉にも似ているといわれるキブシの葉。キブシの葉は緑から黄色にそして場所によっては赤く紅葉して、季節を楽しませてくれます。

キブシ(木五倍子)の冬芽

冬芽とは

https://www.photo-ac.com/main/detail/18291?title=%E6%9E%AF%E3%82%8C%E6%9C%A8%E3%81%AE%E5%86%AC%E8%8A%BD1

冬芽(「ふゆめ」もしくは「とうが」という)とは晩夏から秋にかけて芽をだし、冬越えして春になったときに生長し、葉や花を咲かせる芽のことを言います。葉を落として枝についています。冬芽の中を解剖してみると小さく折りたたまれた葉や花のつぼみが入っています。

冬芽というのは、冬を越そうとしても寒さで生長が妨げられてしまったり、鳥や虫などに食べられてしまうリスクを減らすために、樹木が知恵を絞って葉やつぼみを守る方法であり、その方法である冬芽は樹木によって様々なのです。

キブシの冬芽

キブシの冬芽は茎の外側に付き、先がとがり長さが1.5〜3mmの広卵形をしています。その芽は2〜4個の花になる芽を覆って保護するうろこ状の芽鱗に包まれており、芽鱗はつるんとした赤褐色もしくは暗褐色をしています。

茎の先端にある頂芽は大きいです。葉が付いていたあとは枝には半円形の跡が残っており、それは水分や養分が通る管で、葉や枝や幹や根とつながっている部分でもあります。この部分がキブシの冬芽には3つあるのが特徴です。

一年目の枝は赤褐色で光沢があり、春の季節に花芽になる準備をする冬芽をキブシは形成します。見た目は地味な芽ですが、枯れ木にも見えるキブシの木の枝も、春の開花に向けてこうして準備をしているのです。


キブシ(木五倍子)の花言葉

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植物にはその植物の象徴的な意味を持つ花言葉が付けられています。ヨーロッパではギリシャ神話の伝説にたとえられ、その植物を象徴する言葉がよくつけられますが、それだけではなく各地の伝説や風習にちなんだ言葉であったり、花そのもののイメージになぞられて花言葉が付けられています。

時にはマイナスイメージになるような花言葉を持っている植物もありますが、元気づけられる言葉を持ている花もあり、そんな花言葉を利用して、花を贈るときに、花言葉に気持ちを託して花束を贈るシーンもたくさんです。

キブシを象徴する花言葉

https://www.photo-ac.com/main/detail/2439931?title=%E3%82%AD%E3%83%96%E3%82%B7

キブシの花言葉は「待ち合わせ」「出会い」です。連なって房状に花を咲かせる姿からイメージして付けられたそうです。疎遠になっていた人や、離ればなれになっていた人ともつながっているというイメージなのでしょうか。そんな意味合いからこのような花言葉が付けられています。

キブシの花言葉を茶道の心得に託し茶花に利用!?

茶席では「一期一会」という言葉がよくつかわれますが、「一期一会」とは人との出会いは一生に一度だけの機会である。生涯一回しかないということを心得て主客を誠意を込めてもてなすという茶道の心得の言葉です。

キブシの花言葉「出会い」に、茶道の心得をキブシの花言葉を託し、キブシは茶花に用いられているのかもしれませんね。

キブシ(木五倍子)を育ててみませんか

https://www.photo-ac.com/main/detail/1352148?title=%E3%82%AD%E3%83%96%E3%82%B7%E3%80%81%E3%81%8B%E3%82%93%E3%81%96%E3%81%97%E8%8A%B1

春の季節、山野にはキブシの花が咲き誇る景色は壮観な眺めです。自然の情緒あふれるその姿が好まれ、野趣あふれる庭木にはおすすめの落葉低木。雌雄異株であるキブシを庭木にするなら雄花の木がおすすめです。

冬は落葉していますが、葉のついていない様子も趣きがあり季節感を感じます。暑さも寒さ対策の必要のない育てやすい木。あなたの庭にもキブシを育ててみませんか。

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