はじめに
ねぎを食べるとどんな効能があるのか?
鍋物や薬味として身近にある野菜・ねぎ。あなたは普段どのくらいねぎを食べますか?そしてそのねぎを食べるとどんな健康に良い効果があるのかご存知でしょうか。今回はねぎの栄養についてご紹介します。
ねぎについて
ねぎの基本情報
科・属:ヒガンバナ科ネギ属
原産地:中央アジア
学名/英語名:Allium fistulosum/welsh onion
栄養分で考えるなら青と白で分けよう
ねぎとひとくちに言っても白いものから緑が多かったり細い・太いといろいろな種類があります。栄養価で考えるならば白と青の大きく2つに色別に分けて考えるとよいでしょう。緑のねぎは緑黄色野菜で白は淡白食野菜とされているからです。
ねぎで健康!栄養成分①ビタミン
ねぎに多いビタミン成分はカロテン
色によって緑黄色野菜にも分類されるねぎ。色濃い野菜といえば栄養素はカロテンですね。もちろんねぎにも多く含まれている栄養素です。油と一緒に加熱することで消化吸収がよくなり天ぷらなどの調理法がおすすめな栄養素となっています。
ビタミンCやKも多い葉ねぎ
そのほか葉ネギなどの青いねぎにはビタミンCやKもたっぷり含まれています。これらは人の体にとっていろいろな助けとなってくれる重要な栄養素であるのはいうまでもありませんね。
ねぎで健康!栄養成分②アリシン
アリシンの栄養成分が豊富なのは白ねぎ
一方淡白食野菜に分類される白ねぎにはアリシンという栄養が含まれています。硫化アリルとも呼ばれるのがこのアリシンという成分です。
アリシンの働きとは
アリシンには血行を促し体をぽかぽかと温めてくれる働きがあります。冬の鍋物にねぎをたっぷり使って食べるのにはこのアリシン効果を期待しているところも大きいです。その他にもアリシンには健康に良い効果がたくさんありますので、後述でもっと詳しくご紹介します。
ねぎで健康!栄養成分③食物繊維
食物繊維の栄養分は白青両方のねぎに
食物繊維というと野菜の筋と思われている方も多いでしょうが、筋だけではありません。有名なものには野菜が多いのですが、海藻に含まれていたり肉にも存在する食物繊維でたくさんの種類があります。
今回のメインテーマでもあるねぎにもこの食物繊維が豊富に含まれており、これは白でも青でもどちらでも同じくらいの成分があるので種類を選ばず摂取することができるのがポイント!
ねぎの食物繊維は不溶性食物繊維
よく食物繊維の成分で水溶性と不溶性食物繊維のふたつに分けられているのを目にしませんか?ねぎに含まれるのは後者。どちらであるかで効能も違い、不溶性であると便通に対する働きが期待できる成分となっています。
食物繊維の栄養分は毎日摂取しよう
日本食物繊維学会監修「食物繊維 基礎と応用」という本によると日本人の食物繊維摂取量は年々減少気味となっています。食物繊維は取りすぎても過剰摂取にはならないので少し採りすぎるくらいとった方が◎!気づいたときにたくさん食べると良いのではなく毎日少しずつがよい栄養成分の摂り方です。
ねぎの栄養価の効能は?
カロテン(ビタミンA)の健康に良い効能は
カロテンは体内に入ってビタミンAになる栄養成分。ビタミンAは目の健康や活性酸素を抑える働きがあり成人病予防にも良いと言われています。カロテンが不足するとドライアイになったりしやすいともいわれます。
アリシンの健康に良い効能は
アリシン(硫化アリル)の効能はビタミンB1の働きを助けること。B1は代謝を助けるビタミンで炭水化物の吸収・筋肉機能の改善・エネルギー代謝に深い関わりがあります。
食物繊維成分は自然なお通じの味方!
最後のねぎの主な栄養成分・食物繊維ですがこれは何といっても腸の働きを助け自然なお通じを促してくれる働きがあります。お腹の中に不要な老廃物がたまることで毒素が発生、吹き出物などの原因になったりもするので食物繊維は健康だけでなく美容にも必要な栄養素です。
ねぎの栄養はどう食べるといいのか
風邪をひいたら焼いた白ねぎ
古くからの民間療法でねぎを食べるとのどに良いと言われています。これには根拠があって白ねぎに多い硫化アリルの強力な殺菌作用と鎮静の効能で楽になるというわけです。
首にまけば揮発性の高い成分なので鼻から入り鼻づまりを楽にしてくれたり、荒れた喉の痛みを和らげてくれるというもの。もちろんビタミンCを含む白ねぎは焼いて食べると風邪の熱で失われた栄養成分を補給する効能が期待できます!
生のねぎを食べるとアリシンの効能アップ
体内でビタミンB1へと変化するねぎの栄養分・アリシン。この成分は加熱するよりも生で食べると効能がより期待できます。ビタミンB1は口内炎の治りを早くしたりという新陳代謝や疲労回復にも役立つ栄養成分。白ねぎを生で刻んで薬味にしたりして食べることで疲れを取り体の傷ついた部分の補修の効能を実感しましょう。
アリシンは切って15分後の栄養価が高い
生で食べるのも効能アップですがさらに効果的にアリシンの栄養分を摂取したいなら切ってすぐではなく15分くらい置いてから食べるのがおすすめ!空気にふれることでアリシンが変化して、そのくらいの時間が一番成分が多くなっているからです。
ねぎの栄養価をいただくおすすめレシピ①
血圧を抑える効能ならねぎまにして鶏肉と食べよう
鶏むね肉400g ねぎ1.5本 塩胡椒しゃって振れるくらい ポッカレモン汁
ビタミンだけでなくタンパク質も健康な体づくりには大切な栄養素。ねぎといっしょに鶏肉のタンパク質がたべられるねぎまはおすすめのレシピです。
ねぎまの詳しいレシピはこちらから
こちらのレシピは塩でいただくさっぱり系の焼き鳥の作り方。レモンの香りと酸味でさらに食欲がわかない時でも食べやすい工夫がされています。
ねぎまはタレ派の人にはこちらのレシピを!
鶏もも肉2枚 長ねぎ1〜2本 ★万能たれ100cc ★砂糖大さじ1
焼き鳥は塩も良いけれどタレも好き!という方にはこちらのレシピもおすすめ。串に刺さずに焼く作り方ですが、もちろん串に挿してベーシックな焼き鳥スタイルでも楽しめます。
ねぎの栄養価をいただくおすすめレシピ②
毎日手軽に食べられるねぎ味噌もおすすめ
ねぎ1本 赤味噌 大さじ1 ごま油 小さじ1 豆板醤 小さじ1 みりん 大さじ1 料理酒 大さじ1
青ねぎを生でいただくのも薬味ばかりでは飽きてしまうこともあるでしょう。そんなときの食べ方としておすすめなのがねぎ味噌。作っておくと数日は保存が効くので冷奴に乗せたり、おにぎりの味付けなどにも使えます。
ねぎ味噌の詳しいレシピはこちらから
こちらは火を通さず生でねぎをいただくねぎ味噌レシピ。ねぎのピリっとした辛みがお好みの方向けとなっています。また火を通すと壊れやすいビタミンやアリシンを逃さず食べることができる調理方法です。
匂いが気になるなら加熱するねぎ味噌レシピを
長ネギ1本 ★ 味噌大さじ3 ★ みりん 大さじ2 ★ 酒大さじ2 ★ 砂糖大さじ1 ★ 醤油小さじ2 ★ すりおろし生姜小さじ1 かつお節2g ゴマ油 大さじ1
生のねぎは辛みや匂いが気になるという方は加熱してつくるねぎ味噌レシピを試してみてはいかがでしょうか。使い方は生のものと同様にいろいろな料理にちょっと乗せて楽しんでください。
ねぎの栄養価をいただくおすすめレシピ③
体があたたまるねぎスープレシピ
ねぎ1本 ☆水600ml ☆顆粒鶏ガラスープ小さじ4 ★生姜(チューブ) 小さじ1 ★ごま油 小さじ1 ★白ごま適量 ★塩適量 ★黒コショウ適量
ねぎのアリシンは胃腸の弱い人には強すぎることもあります。また消化を良くするためには加熱調理したものがおすすめ。そんなときはたっぷりねぎが食べられる簡単に作れるスープをお試しください。
ねぎスープの詳しいレシピはこちらから
ねぎや材料を切って柔らかくなるまで煮込んで調味料を入れスープに仕立てるだけの簡単レシピです。アレンジ方法やその他のねぎレシピが気になる方は下記もご参照されてはいかがでしょうか。
物足りない人は卵をプラスしたねぎスープレシピ
レタス2枚 ねぎ10cm 卵2個 ★水600ml ★顆粒鶏がらスープ小さじ4 ☆ごま油 小さじ1 ☆塩コショウ少々
ねぎと生姜は体に良いのはわかるけれど、もう少したべごたえが欲しいという方は卵をプラスした中華風なねぎスープはいかがですか。
ねぎは栄養価が高い分食べ過ぎには注意
ねぎの食べ過ぎは胃腸が荒れる
消化吸収を良くする栄養分である硫化アリルですが胃腸が弱い方が食べ過ぎると効果が強すぎて荒れてしまいお腹が痛いということもおこります。
少量なら痛くならない方もいますし、少しでもダメという方もいてこれには個人差がありますし、その時の体調にもよるでしょう。普段からあまり胃腸には自信がないという方は、ねぎを加熱していただくことで硫化アリルの胃腸への刺激(消化促進)は抑えられるのでお試しください。
ねぎの匂いが口臭や体臭になる
ねぎといえばあの独特の辛み成分とともにその匂いも気になる方が多いでしょう。たくさん食べすぎてしまうと消化されるまでの間口臭や体臭となって周りの人にも迷惑をかけてしまうことになる場合も。
ねぎをたくさん食べるときにはみんなで食べる、食べたあとは口臭ケアを忘れないなどすることで防ぐことができます。食べすぎず適量を毎日少しずつが良いのはいうまでもありませんが、食べ過ぎた後のケアとして覚えておくと良いですね。
ねぎは消化があまりよくない野菜
ねぎは不溶性食物繊維をたっぷり含む野菜とご紹介しましたね。この食物繊維の中で水溶性は水に溶ける性質から消化がよく、もうひとつの種類は消化が悪いとされています。それでも細かく刻んだりコトコトとじっくり煮込むことで消化を良くすることができます。
お腹の調子が悪いときにはできるだけ細かく刻んだり煮込んだ野菜スープや鍋類などをよく噛んでゆっくり食べることで消化効率をアップさせましょう。
ねぎの種類
最後になりましたがここまでご紹介してきたねぎの栄養分の効果を含めたねぎの種類の紹介をします。どんな種類のねぎにどんな栄養分が多く含まれているのか知ることができます。自分がいま欲しい栄養を効率よく食べるためにお役立てください。
青ねぎ
青ネギは主に関西地方で作られるねぎで白い部分がほとんどなく緑の葉も柔らかく過食可能なねぎ。この色からも予想できるとおり、緑黄色野菜に分類されており主な栄養素はカロテンなどのビタミン類。ビタミンKやCも豊富です。
ビタミンを上手に摂取するならできるだけ熱を加えず、水にも長時間さらさないで食べると良いでしょう。
白ねぎ
深谷ねぎなどに代表される関東ではポピュラーなねぎの種類。白い部分を主に過食部としており、主な栄養成分はアリシンや食物繊維。胃腸に良い消化や吸収を促進する働きにすぐれたねぎです。
こちらも生食が良いのですが、食べ過ぎると腹痛を起こす方もいますし消化しづらい野菜ですので自分の体調と相談しつつ加熱調理もおすすめ。
細ねぎ・万能ねぎ
細ねぎや万能ねぎは青ネギのくくりで考えられています。主な栄養素はビタミン。食べ方も薬味などで生食となります。細かくみじん切りにして味噌汁に浮かべて毎日少しずついただくのもおすすめの食べ方です。
まとめ
ねぎの健康をいただこう!
ねぎには主にビタミンや食物繊維・アリシンという栄養が含まれており、体のためにも毎日少しずつでも食べていきたい野菜です。その食べ方例なども含めてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
旬の季節もありますがスーパーでは通年扱われている基本的な野菜・ねぎ。意識してできるだけ献立に組み込んでいくとよいでしょう。
野菜と健康が気になる方はこちらもチェック
暮らし~のでは野菜の栄養価や食べ方などの解説もしています。健康のために野菜食が気になるという方はこちらもぜひ見てくださいね。
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