はじめに
都電で唯一残っている荒川線。路面を走る懐かしい姿を見ることができます。その周辺には歴史のある観光地が目白押し。明治の元勲や文豪の邸宅跡もあり、公園や記念館として観光することができます。おしゃれな日帰り温泉や赤レンガ館のカフェなどもあり、デートスポットとしても注目されています。そんな荒川線沿線のおすすめスポットをご紹介してきます。お楽しみください(本記事は2019年6月12日現在の情報をもとにしてています)。
都電荒川線を楽しむ観光スポット1
都電おもいで広場
荒川車庫前電停のすぐそばにある広場。旧型の2台の車両が展示されています。昔の停留場を再現していて車内の見学もできるようになっています。電停前には現在も使われている車庫があり、新旧あわせてたくさんの電車が見られるスポットとしても有名です。
都営の路面電車・荒川線沿線の見どころ
展示の車両内にはギャラリーもあり、昭和の都電の写真や本などを陳列。車文化が進歩するにつれ、だんだんと廃れていった都電の歴史がわかります。また、当時の風景を再現したジオラマもあり、懐かしい気分になれる場所。運転席には往時には最先端だった機器がそのまま残っていて、運転士気分を味わえます。写真撮影もOKで、大人から子供まで楽しめる観光スポットです。
基本情報
【住所】東京都荒川区西尾久8-33-7
【連絡先】03-3816-5700(都営交通お客様センター)
【アクセス】都電荒川車庫前電停から徒歩すぐ
【駐車場】なし
都電荒川線を楽しむ観光スポット2
大隈(おおくま)庭園
早稲田駅の近くにある大隈重信公の邸宅だったところです。大隈公は早稲田大学の創始者としても有名。もともと武家屋敷の庭園だったところを改装して邸宅としたそうです。現在は早稲田大学の所有となり庭園内は自由に散歩することができます。
都営の路面電車・荒川線沿線の見どころ
敷地面積は広大で見どころもたくさんあります。中国政府から寄贈された孔子像や韓国校友会から贈られた鐘楼(しょうろう)があるのも国際性をうかがわせます。上の写真は大隈講堂。受験シーズンになるとたびたび登場する建物ですね。園内には早稲田大学のグッズショップやカフェもあるので、散歩に疲れたらそちらで一休みしてください。
基本情報
【住所】東京都新宿区西早稲田1-6-1
【連絡先】03-3203-4333
【アクセス】都電荒川線・早稲田駅から徒歩で約5分
【駐車場】なし
都電荒川線を楽しむ観光スポット3
雑司が谷(ぞうしがや)旧宣教師館
雑司ケ谷電停の近くにあるレトロな洋館。アメリカ人宣教師のマッケーレブ氏の邸宅だったところです。明治40年の建築。昭和16年に帰国するまで実際に住んでいた場所です。豊島区に残っている最も古い木造洋風建築としても有名です。
都営の路面電車・荒川線沿線の見どころ
館内にも立ち入って見学できます。1階ではマッケーレブ氏の宣教師としての活動や生活を紹介。マントルピースやオルガンなどの生活用品があり、その時代を偲ぶことができます。また天井に竹が使われるなど、日本文化を取り入れた造りになっているのも見所の一つです。
基本情報
【住所】東京都豊島区雑司が谷1-25-5
【連絡先】03-3985-4081(雑司が谷旧宣教師館)
【アクセス】都電荒川線・雑司ケ谷電停から徒歩で約10分
【駐車場】なし
都電荒川線を楽しむ観光スポット4
旧古河庭園
飛鳥山電停からしばらく散歩していくと上の写真のような洋館があります。ここは明治時代の外務大臣・陸奥宗光(むつむねみつ)の邸宅だったところ。その後、旧財閥の古河家に渡り、庭園と洋館が増築されました。建物以外にも、初夏の季節はバラ園が人気で6月いっぱいまで楽しめます。
都営の路面電車・荒川線沿線の見どころ
建物はニコライ堂や鹿鳴館などの設計で有名なジョサイア・コンドルの作。美しいフォルムはインスタ映えで人気です。事前に予約すれば洋館内の見学も可能。詳細は公式ホームページをご覧ください。また、凹凸のある地形を生かした庭園も見事で、広大ではありませんが池や滝などの景観が趣を加えています。紅葉の時期は特に美しく、例年「錦秋染まる旧古河庭園」と題してもみじ祭りを開催。三味線や琵琶の演奏会などで紅葉に色を添えます。
基本情報
【住所】東京都北区西ヶ原一丁目
【連絡先】03-3910-0394(旧古河庭園サービスセンター)
【アクセス】都電荒川線・飛鳥山から徒歩で約18分
【駐車場】なし
都電荒川線を楽しむ観光スポット5
とげぬき地蔵
庚申塚駅の近くにあるお寺で、正式には高岩寺(こうがんじ)という名前です。その昔、針を誤飲した人にご本尊の「御影」を飲ませたところ、ご利益で針が抜けたとのこと。他にも、自分の体の悪い部分に水をかけると治るという「洗い観音」が人気で、休日になると行列ができます。
都営の路面電車・荒川線沿線の見どころ
とげぬき地蔵のある巣鴨商店街もパワーあふれる場所。最近ではデートコースとしても人気です。商店街の入口には「すがもんのおしり」があり、触れると縁結びがかなうとあって、老若男女問わず賑わうスペース。人気の塩大福などを食べ歩きしながら散歩をすると「マルジ赤パンツ館」などの赤パンツのお店に行き当たります。こちらのパンツは色が赤いだけでなく、股上が深めで体をあたためる効果もあるそうです。柄もさまざまなので選びがいがあります。
基本情報
【住所】東京都豊島区巣鴨3-35-2
【連絡先】03-3917-8221
【アクセス】都電荒川線・庚申塚駅から徒歩で約2分
【駐車場】なし
都電荒川線を楽しむ観光スポット6
旧三河島汚水処分場ポンプ場
荒川ニ丁目電停の近くにある下水ポンプ場です。大正時代から平成11年まで77年も稼働していたもの。このエリアの雨水や汚水の処理を行っていました。歴史的な価値があり下水施設としては初めて国の重要文化財になったとのこと。事前予約すれば1名からでも見学が可能です。
都営の路面電車・荒川線沿線の見どころ
こちらでは、汚水の土砂や浮遊物を処理してポンプで汲み上げ、次の水処理施設に引き継ぐ工程を行っていました。見学ツアーは90分が予定されていて、内部を詳しく説明してもらえます。レンガ造りの建物も立派ですが、内部はポンプ場となっていてその規模には圧倒されます。ヘルメットを着用し地下通路なども紹介してもらえるので、探検家気分で散歩を楽しむことができます。見学すると下水道のありがたさが分かるとの口コミも多数。子連れでも楽しめる場所です。
基本情報
【住所】東京都荒川区荒川8-25-1
【連絡先】03-6458-3940
【アクセス】都電淡川線・荒川ニ丁目電停から徒歩で約3分
【駐車場】なし
都電荒川線を楽しむ観光スポット7
鬼子母神(きしもじん)
鬼子母神前電停から近い「法明寺」内のお堂です。1664年に建立された歴史あるもの。ご本尊の鬼子母神尊像は室町時代に発見された更に古いものだそうです。安産や子育ての神として、節句などのイベント時期には子連れの参拝客でにぎわいます。
都営の路面電車・荒川線沿線の見どころ
周辺の散歩も楽しいエリア。境内のお店ではお守りを売っているのかと思いきや、なんと駄菓子屋さんです。上川口屋は江戸時代から続くことでも有名。子供が喜ぶお菓子がたくさんあります。また境内の大黒堂では毎週日曜日と8の付く日に「おせんだんご」という醤油味とあんこのだんごを販売。こちらも名物となっています。
基本情報
【住所】東京都豊島区雑司が谷3-15-20
【連絡先】03-3982-8347
【アクセス】都電荒川線・鬼子母神前電停から徒歩で約3分
【駐車場】なし
都電荒川線を楽しむ観光スポット8
護国寺
江戸時代、五代将軍徳川綱吉公が生母桂昌院(けいしょういん)の願いを受けて創建したお寺です。仁王門では怖い顔をした木造がお出迎え。進んでいくと今度は大仏様がほほ笑みかけてくれます。寺内には美しい仏像やかっこいい仏像が目白押し。仏教美術的にも評価が高いお寺です。
都営の路面電車・荒川線沿線の見どころ
お寺の散策が終わったら街中を散歩するのも護国寺周辺の楽しみ。周辺に女子大が点在することもあり、おしゃれなカフェが多いことでも有名です。写真は「トモリcafe」の店内。ロールケーキが美味しいお店として人気です。看板が控えめなので場所が分かりにくいですが、隠れ家的な空間でゆったりとできるリピーターが多いお店となっています。
基本情報
【住所】東京都文京区大塚5-40-1
【連絡先】03-3941-0764
【アクセス】都電荒川線・雑司ヶ谷電停から徒歩で約13分
【駐車場】なし
都電荒川線を楽しむ観光スポット9
飛鳥山(あすかやま)公園
江戸時代に八代将軍・徳川吉宗公が庶民のために桜を植えたのが始まり。花見が庶民に広がるきっかけになりました。遊具も充実していて通常は子供たちの遊び場としても人気。3月下旬から4月上旬にかけては桜まつりが開催され、夜桜も楽しむことができます。初夏はあじさいでも有名。こちらも見逃せません。
都営の路面電車・荒川線沿線の見どころ
飛鳥山は約25mの低山ですが、ここを登っているのが斜行モノレール「アスカルゴ」です。走行距離約50m、2分間の短い旅ですが、高齢者や子連れなどにはうれしい乗り物。都心の景色を眺めながら山頂まで到着できます。あとはゆっくりと下りで楽々散歩をお楽しみください。
基本情報
【住所】東京都北区王子1-1-3
【連絡先】03-3908-9275(北区道路公園課)
【アクセス】都電荒川線・飛鳥山停留場から徒歩すぐ
【駐車場】あり(有料)
都電荒川線を楽しむ観光スポット10
渋沢史料館
飛鳥山電停の近く、次の1万円札で話題との渋沢栄一翁を顕彰する史料館です。上で取り上げた飛鳥山公園内にあり、周辺の飛鳥山博物館と紙の博物館を合わせて巡れる「三館共通券」でたっぷりと散歩を楽しむこともできます。
都営の路面電車・荒川線沿線の見どころ
渋沢翁は江戸末期に埼玉県深谷市の農家に生まれた人。東京ガスや帝国ホテル、みずほ銀行などの創建に関わり、日本の近代化に貢献しました。史料館のエリアは、渋沢翁の家があったところ。隣接する庭園とともに貴重な資料を見学することができます。
基本情報
【住所】東京都北区西ケ原2-16-1
【連絡先】03-3910-0005
【アクセス】都電荒川線・飛鳥山電停から徒歩で約4分
【駐車場】なし
都電荒川線を楽しむ観光スポット11
漱石山房記念館
早稲田駅の近くにある文豪・夏目漱石の記念館です。この地は漱石の別邸があり「三四郎」や「それから」、「こころ」などの名作が執筆されたところ。展示室には書斎やベランダ式の回廊などが再現され、在りし日の夏目家を想像できるようになっています。
都営の路面電車・荒川線沿線の見どころ
展示物は多彩で「夏目漱石と新宿」や「漱石の生涯」、「作品の世界」などが続き、飽きることがありません。弟子たちと交流の資料もあり、温かい気分になれます。インクの付いた長襦袢や妻・鏡子宛の手紙など、貴重な品々が見られるのもここならでは。「カフェ・ソウセキ」では漱石作品にでてくる昔ながらの高級菓子をご堪能ください。またミュージアムショップでは、かわいいネコグッズを購入できます。漱石ファンでなくても楽しめる観光地です。
基本情報
【住所】東京都新宿区早稲田南町7
【連絡先】03-3205-0209
【アクセス】都電荒川線・早稲田駅から徒歩で約11分
【駐車場】なし
都電荒川線を楽しむ観光スポット12
平塚亭
梶原駅から散歩をして約10分。このエリアで昔から愛されてきた甘味処です。故内田康夫氏の「浅見光彦シリーズ」にも頻繁に登場し、テレビのロケ地にもなっているところ。今でも内田ファンの聖地として有名です。名物は焼き団子。みたらしやあんこの味付けは懐かしい味と評判です。
都営の路面電車・荒川線沿線の見どころ
平塚亭の名前のもとになっているのが裏に鎮座する平塚神社。平安時代の武将・源義家が奥州から帰る途中、ここに立ち寄り歓待を受けたことから、後に鎧などを寄進、塚を作って埋めさせたとのこと。勝ち運などのご利益があるパワースポットとしても人気です。
基本情報
【住所】東京都北区上中里1-47-2
【連絡先】03-3915-0277
【アクセス】都電荒川線・梶原駅から徒歩で約10分
【駐車場】なし
都電荒川線を楽しむ観光スポット13
東京染井温泉SAKURA
庚申塚が最寄りの電停。巣鴨の商店街も徒歩圏内の散歩に便利なところです。ソメイヨシノ発祥の地としても知られ、春になると綺麗な桜を見ることができます。弱アルカリ性のぬる湯は長めに入ることができて、疲れがとれると評判。上の写真のシルク風呂は肌がすべすべになりますよ。
都営の路面電車・荒川線沿線の見どころ
お風呂を出たあとのサービスも充実しています。レストランは温泉旅館のような落ち着いた雰囲気。メニューも種類豊富で、夏のランチには10食限定の「うなたま丼」がおすすめです。食事の後は、サロンでゆったりと読書やテレビを楽しめます。JR巣鴨駅までの送迎バスも定期的にあるので、お帰りにはそちらもご利用ください。
基本情報
【住所】東京都豊島区駒込5-4-24
【連絡先】03-5907-5566
【アクセス】都電荒川線・庚申塚駅から徒歩で約13分
【駐車場】あり
都電荒川線を楽しむ観光スポット14
いっぷく亭
都電荒川線の庚申塚停留所のホームにある喫茶店。改札はないのでこちらに入店するのは無料です。店内から様々な都電を見ることができるのが利点の一つ。他にも、都電の模型やパネルが展示されていて、レトロな雰囲気に浸ることがもできます。散歩の開始時や終了時に立ち寄るのに最適なお店です。
都営の路面電車・荒川線沿線の見どころ
喫茶店とあってスイーツのメニューが多く、夏になるとかき氷、冬はおしるこなどが人気となります。昔からの一番人気は「こだわりセット」なる「おはぎ」と焼きそばのセット。おはぎは注文を受けてからの手作りで、優しい甘さと柔らかさを感じることができます。焼きそばは薄目の味付けで、自分でソースを加えて味を調整するスタイルです。
基本情報
【住所】東京都豊島区西巣鴨2-32-10
【連絡先】03-3949-4574
【アクセス】都電荒川線。庚申塚停留所ホーム内
【駐車場】なし
都電荒川線を楽しむ観光スポット15
アトリエ・ド・リーブ赤煉瓦Cafe
王子駅前駅の近くにあるおしゃれなカフェ。大正時代の兵器工場をリノベーションした赤レンガの建物の中にあります。この建物は北区の中央図書館としても使われていて、内部は最新の設計技術を駆使した快適な空間になっています。図書館で借りた本をゆったりと読むのにおすすめの場所です。
都営の路面電車・荒川線沿線の見どころ
このカフェはおしゃれなだけでなく味にも定評があります。軽食にはチーズケーキやサンドイッチなど。ランチではオムライスやパスタなどが人気。図書館の利用客が多いので、静かな雰囲気になっています。上の写真のような緑の風景も素敵ですね。
基本情報
【住所】東京都北区十条台1-2-5北区立中央図書館内
【連絡先】03-3907-3184
【アクセス】都電荒川線・王子駅前駅から徒歩で約13分
【駐車場】あり(有料)
まとめ
都電荒川線沿線の観光地をご紹介してきました。「平塚亭」や「上川口屋」のような昔ながらのお菓子屋や「旧古河庭園」のような古い洋館など、懐かしい雰囲気を味わえるところがたくさんありました。一方で北区中央図書館のように、昔の赤レンガ館をリノベーションしてカフェを作ってしまうような新しい試みもされています。そんな荒川線沿線で魅力的な観光をお楽しみください。
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