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安達太良山「くろがね小屋」ってどんな山小屋?その魅力や宿泊情報を解説!

2020年4月に建替えが予定されている安達太良山の「くろがね小屋」。初めて山小屋に泊まる人にも心強い、美味しいカレーと源泉掛け流しの温泉が魅力の山小屋です。今回はそんな「くろがね小屋」の魅力と宿泊情報についてご紹介いたします。
2020年8月27日
cfmilk123
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くろがね小屋とは

安達太良山中腹にある「くろがね小屋」

くろがね小屋のある安達太良山は福島市の南西に位置し、標高は1,700メートル、現在も活発な噴気活動のある活火山です。北には鬼面山(きめんざん)、箕輪山(みのわやま)、鉄山が、南には和尚山(おしょうやま)が連なっています。くろがね小屋は安達太良山山頂から1時間ほど北に下った位置にあります。(この記事の情報は2019年6月8日時点の物です。)
 

福島県観光物産交流協会が管理、運営を行う

くろがね小屋は福島県が所有し、管理、運営を県観光物産交流協会が担っている公営の山小屋です。1963年に設立、64年に現在の木造2階建ての山小屋に建て替えられ、以降半世紀近く営業してきました。山小屋の軒先にはシンボルの“黒い鐘”が吊されています。

くろがね小屋の基本情報

【所在地】福島県二本松市永田字長坂地内
【電話】090-8780-0302(衛星電話)

くろがね小屋へのアクセス

JR・バスでのアクセス

安達太良山の登山口である奥岳登山口までのアクセスです。公共交通機関でのアクセスの場合、JR二本松駅から岳温泉の温泉街までバスが出ており、そこから奥岳登山口まではタクシーでの移動となります。

シャトルバスでのアクセス

JR二本松駅から奥岳登山口までのシャトルバスも出ていますが、朝1便の運行です。岳温泉から奥岳登山口までのバスも出ており、こちらも午前、午後各1便ずつとなっています。4月から9月までは土、日、祝日のみの運行、10月から11月は紅葉シーズンのため毎日運行しています。特に予約は必要ありません。

車でのアクセス

車でアクセスする場合、二本松ICから奥岳登山口までは約15kmの道のりです。登山口に1500台の無料駐車場があります。

安達太良山「くろがね小屋」へのアクセスルート

【JR・バスで】JR東北新幹線→郡山駅→JR東北本線→二本松駅→福島交通バス→岳温泉→タクシー→奥岳登山口
【シャトルバスで】二本松駅→シャトルバス奥岳→奥岳登山口
※2019年4月20日(土)~9月29日(日)土、日、祝日のみ・10月1日(火)~11月4日(月)毎日運行
※1日1便
【車で】東北二本松ICから国道459号経由で奥岳まで約15km

くろがね小屋に宿泊

くろがね小屋に予約をする

くろがね小屋の営業は年中無休です。宿泊する際には予約が必要となります。3日前までに山小屋へ直接電話で予約してください。メール等での予約は受け付けていません。予約受付時間は緊急時をのぞき、午前10時から午後9時までです。くろがね小屋の公式ホームページでも予約状況を確認することができます。またやむなくキャンセルする場合や到着が遅れる場合も必ず山小屋に連絡をしましょう。

くろがね小屋のチェックインとチェックアウト

他の山小屋と同じく午後4時までにチェックインしましょう。山小屋に到着したら受付カードに記入と、料金の支払いを済ませます。チェックアウトは午前7時か8時ですが、宿泊者等の状況によって変わりますので受付で確認します。山小屋を出発するときは特に手続きは必要ありません。

くろがね小屋の宿泊基本情報

【定員】50名
【1階】食堂、厨房、温泉、トイレ
【2階】居室(大部屋のみ、個室なし)
【料金】素泊まり(大人):3,810円、1泊2食付き(大人):6,320円

くろがね小屋の1階

山小屋1階の中央にダルマストーブ

くろがね小屋の1階中央には見た目にもインパクトのあるダルマストーブがあります。寒さの厳しい冬にはこの暖かいダルマストーブが登山客を迎えてくれます。このストーブが小屋全体を温めてくれるので、寝るときも寒さに身を震わせることなく快適に過ごすことができます。

くろがね小屋の売店

くろがね小屋の売店には県産品のジュースやポカリスエット、ホットコーヒー、地酒、ビールがあります。くろがね小屋のオリジナル商品もあり、「くろがね小屋手ぬぐい」は温泉でも使えますね。食べ物はカップラーメンが置いてあり、お菓子は少ないので甘いものが欲しい方は持参した方がいいでしょう。午後8時までの営業です。

くろがね小屋のトイレ

くろがね小屋のトイレは和式のくみ取り式で、女性は個室が4つ、男性は個室2つ、小4つがあります。扉は2重扉になっており、スリッパに履き替えて利用します。個室のトイレ手前には洗面スペースがあり、アルコールスプレーも置いてあります。

くろがね小屋の2階

個室はなく大部屋のみ

くろがね小屋の2階は居室のみです。くろがね小屋には個室がなく全て大部屋です。10人ほどが寝ることの出来る大きな部屋が一つと、その他は上段、下段に分かれた部屋になっています。個室はありませんが定員が決まっているので、隣の人と密着して眠るようなことはありません。

寝具

くろがね小屋で用意されている寝具は敷き布団1枚、毛布2枚、枕が1個です。気になる人はシーツを持参し、枕にはタオルを敷くといいでしょう。個室のようにとまではいきませんが、各部屋はカーテンで廊下と仕切ることが出来ます。また各寝室で掘り下げ式の床の中に登山靴を入れて保管します。大きな部屋では木箱の中に入れます。

くろがね小屋の温泉

岳温泉の源泉掛け流し

くろがね小屋の魅力の一つが源泉掛け流しの温泉です。源泉は山小屋のすぐ上の岳温泉です。ここから約8km離れた温泉街にも引湯管を使ってお湯が引かれています。岳温泉は硫黄成分が多く湯花が詰まることのないよう、湯守と呼ばれる人達が週に1度湯元の掃除をしています。山小屋の温泉は源泉に一番近い温泉です。
 

くろがね小屋温泉の泉質

くろがね小屋の温泉は酸性泉で、冷え性、疲労回復などに効果があります。湯は乳白色で、少しぬめりがあります。温度は平均して42℃と熱めです。「肌がスベスベになる」と評判で、くろがね小屋に宿泊する人だけでなく、休憩で山小屋に立ち寄る人も大人410円、子供210円で利用出来ます。宿泊者の利用時間はチェックインから午後8時半までになります。

青ヒバの浴槽

くろがね小屋の温泉は男女別の内湯になっています。浴槽は4,5人は入れるほどの大きさで、ヒノキの一種である青ヒバで作られています。その香りにはリラクゼーション効果があると言われています。洗い場は水の出るカランはありますが、石けんなどの使用はできませんので、湯で軽く汗を流して温泉につかります。

くろがね小屋の食事

名物!くろがね小屋で仕込んだ「カレー」

温泉と並ぶくろがね小屋の魅力の一つが、山小屋で食べられるカレーです。くろがね小屋に宿泊する人のための夕食に出てきます。小屋に代々受け継がれているもので、お肉も野菜もごろごろ入っています。甘めでこくのある味わいです。サラダなどの副菜は付きませんがらっきょうと福神漬けがあり、おかわりは自由です。

くろがね小屋の朝食

くろがね小屋の朝食は、ご飯、味噌汁、温泉卵、漬け物、牛すじとこんにゃくの煮込みの固定メニューです。温泉卵はもちろん、くろがね小屋の温泉で作っています。ご飯はおかわり自由です。ちなみにくろがね小屋での昼食の提供はありません。

くろがね小屋で自炊

くろがね小屋で自炊をしたい時にはコンロと土鍋をレンタルすることもできます。料金は1,000円程度で、事前に予約が必要です。材料をあらかじめ切っておき、スープも市販の鍋キューブなどを使えば、食材を持って行くだけで山小屋でお鍋を作ることが出来ますね。朝まで借りることが出来るので夜はお鍋、朝は残りで雑炊にするのもおすすめです。

くろがね小屋経由の登山ルート

奥岳登山口~山頂駅~安達太良山山頂

くろがね小屋を経由する代表的なルートです。奥岳登山口からゴンドラ山頂駅までは約10分間、ロープウェイに揺られて空中散歩です。山頂駅から5分ほど歩くと薬師岳山頂に着き、そこから安達太良山を望むことが出来ます。ここには『智恵子抄』の名文句、「この上の空がほんとの空です」が刻まれた標本が立っています。ここから安達太良山山頂までは約1時間です。

安達太良山山頂~くろがね小屋

安達太良山山頂からは西に磐梯山、北には沼ノ平噴火口が大きく口を開け、その先に鉄山、吾妻連峰が見渡せます。南には那須火山群が遠くかすんで見え、東には阿武隈の山々が連なっており、360度遮るもののない展望です。山頂から山小屋を目指して、左手に沼ノ平噴火口を見ながら牛ノ背を北上するルートを通ります。やがて馬ノ背分岐点に出るので、そこから尾根を離れて峰の辻へ。峰ノ辻からガレ場を下ればくろがね小屋が見えてきます。

くろがね小屋~勢至平(せいしだいら)

くろがね小屋から先のルートは東に向かう広い林道上の道をたどり、やがて溶岩台地の広々とした勢至平に入ります。勢至平は安達太良山で花を楽しむことができるポイントで、初夏にはレンゲツツジが一面に咲きます。

勢至平~奥岳登山口

勢至平から奥岳登山口までは林道か、林道をショートカットできる樹林帯のルートもあります。途中に流れる烏川を渡れば出発点の奥岳登山口に到着です。

くろがね小屋と沼ノ平噴火口

近年の火山活動

安達太良山からくろがね小屋へ向かう登山ルートにある沼ノ平噴火口は、尾根の牛ノ背から見下ろすことができます。直径500mの噴火口は今は砂原ですが、江戸時代の初めまでは火口湖でした。近年では噴火口の中央部分で泥水の噴出が確認され、1998年から2003年にかけて地熱活動が活発化しました。

火山ガスによる死亡事故

1997年、登山中に悪天候で道を見失った登山会会員が立ち入り禁止区域に侵入、火山ガスを吸い込み4名の方が亡くなるという死亡事故が発生しました。現在も火口へのルートは閉鎖されています。濃霧や悪天候の時には間違って踏み込むことのないよう注意しなければいけません。

くろがね小屋の四季

春から初夏

安達太良山は「花の百名山」として、春から初夏にかけてはさまざまな山に咲く花を楽しむことができます。初夏のくろがね小屋付近ではショウジョウバカマやミズバショウがみられます。安達太良山を代表するベニサラサドウタンは6月中旬から赤い花を咲かせ、峰ノ辻や勢至平分岐点でみることができます。

秋の安達太良山も見応えがあります。山の花は少なくなりますが、夏の終わり、秋の初め頃はリンドウが咲いています。『智恵子抄』でも有名な「ほんとうの空」である澄み切った青空が広がり、赤、黄色、オレンジに染まった山腹がとてもきれいです。紅葉シーズンはくろがね小屋も宿泊者で混み合います。

10月中旬から雪が降り始め、本格的に積もるのは11月下旬頃から。12月下旬にはスキー場がオープンします。くろがね小屋が通年営業のため冬山登山を楽しむ人も多いです。
 

くろがね小屋とテント

山小屋付近にテント場はない

くろがね小屋付近にテントを張る場所はありません、テントでの山中泊を楽しみたい人は、あだたら高原野営場を利用しましょう。

あだたら高原野営場でテント泊

あだたら高原野営場は安達太良登山口から車で15分ほどの距離にあります。安達太良山でのテント泊の際にはここを利用しましょう。12のテントを張れる広さがあります。テントの貸し出しはありません。

あだたら高原野営場基本情報

【住所】福島県二本松市上葉木坂3-2
【電話】0243-23-1111
【開設期間】4月から11月まで(冬期間閉鎖)
 

安達太良山「くろがね小屋」のまとめ

くろがね小屋の建て替え

約半世紀にわたり営業してきたくろがね小屋は山小屋の老朽化に伴い、福島県が建て替え計画を進めており、2020年3月までの営業を予定しています。2020年4月からの営業はくろがね小屋の公式ホームページで案内されるとのことです。立て替えの前に歴史ある山小屋を一度は見ておきたいですね。

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