オリーブの土
酸度測定液 アースチェック
錠剤肥料シリーズ オリーブ用
住友化学園芸 GFベンレート水和剤
スミチオン乳剤
オリーブには2つの花言葉がある
5月から6月ごろ、小さな白い花を咲かせるオリーブ。ただ、開花時期が非常に短いため、実は見たことがあるもののオリーブの花は見たことがないという人も多いかもしれません。しかし、オリーブには花言葉もありますよ!オリーブには「平和」「知恵」という2つの花言葉があります。いずれも古くから伝わる由来があり、とても興味深い内容です。オリーブを育てている人、これから育てようと考えている人はぜひオリーブの花言葉の由来を知り、愛情を込めてオリーブの手入れをしてあげてくださいね。
オリーブ1つ目の花言葉「平和」
オリーブの美しい枝葉は、見ているだけでも心が落ち着く、美しい形状が特徴的。そんなオリーブの枝葉は国際連合の旗の図柄に使用されています。その理由は、オリーブの花言葉が「平和」だから。しかしなぜオリーブに平和という花言葉がつけられたのか気になりませんか。実は、オリーブの花言葉が「平和」になった理由には諸説ありますが、その中でも有名な2つの由来を解説していきます。
1.古代ギリシャのオリンピックで使用されたオリーブが由来
スポーツの優勝者に贈られるオリーブの冠
オリーブといえば、オリーブの木の枝を編んで作った冠を想像する人もいるかもしれませんね。マラソン大会やF1のレースで優勝した人に贈られる、植物で作られた「あの」冠です。オリーブの冠をスポーツの優勝者に贈られるようになったのは、英雄として知られる「ヘラクレス」がオリンピアにあるゼウス神殿のそばにオリーブを植えたという伝説から始まります。あくまでも伝説なのですが、古代ギリシャの人々にとってオリーブはお守りのような存在になり、崇高な植物として愛されてきました。
オリンピックは平和の祭典
そして、オリンピックの優勝者には、ゼウス神殿のそばに生える神聖なオリーブを贈呈。古代ギリシャでは、たとえ戦争中であってもオリンピック期間中はどの国も戦争をやめるという伝統があったため、優勝者に贈られるオリーブはまさに「平和」の象徴でした。
2.『旧約聖書』に登場するオリーブが由来
『旧約聖書』に登場するオリーブをくわえた鳩
鳩がオリーブをくわえている絵を見たことはありませんか。オリーブの花言葉が「平和」になった由来として、もう1つよく挙げられるのが『旧約聖書』の中の「ノアの方舟(はこぶね)」の話なのですが、そこにオリーブをくわえた鳩が登場します。
大洪水の終わりを伝えたオリーブ
ノアは鳩を利用して大洪水の状況を探っていいました。鳩は大洪水が起きているととどまる場所がないため、再びノアの元に戻ってきます。一度目は鳩は何も持たずに帰ってきましたが、二度目に鳩を放したとき、鳩はオリーブの枝をくわえて帰ってきました。ノアは大洪水が収まったため、鳩がオリーブを持ち帰れたと判断。三度目に鳩を放したら帰ってこなかったため、大洪水が収まり平和を取り戻したとノアは確信しました。そのため、鳩とオリーブは平和の象徴に。オリーブの花言葉が「平和」になった由来とされています。
オリーブ2つ目の花言葉「知恵」
「知恵」はギリシャ神話が由来
オリーブの花言葉としては「平和」が有名ですが、実はオリーブには「知恵」という花言葉もあります。「知恵」というオリーブの花言葉は、ギリシャ神話が由来。オリーブはギリシャ神話の中でどのように扱われているのでしょうか。
アテナとポセイドンの知恵比べ
ギリシャ神話の中で、神アテナと神ポセイドンはある都市の支配権をめぐって争っていました。そこで、全能の神ゼウスは「人々が役に立つものを贈った方に都市を治める権利を与える」と宣言。アテナとポセイドンの知恵比べが始まりました。
人民が選んだのはアテナの「オリーブ」
その際、ポセイドンは「馬」を、アテナは「オリーブ」を贈ります。ポセイドンは「馬」は戦争の役に立つと語り、アテナは「オリーブ」は実を食べることができ、更に実を使って薬も作れるから人々を救えると語りました。人々はアテナの贈り物「オリーブ」を選択。いろいろな使い方ができるオリーブが持つ「知恵」に人々がひかれたことから、オリーブは「知恵」という花言葉を持つようになったと伝わっています。
オリーブの花の特徴と開花時期
オリーブの花の特徴
オリーブは5月下旬~6月頃、白い小さな花を房状に割かせます。少し厚みのある花びらが特徴的ですが、1つ1つの花が3~5mm程度と非常に小さいため、大きく育ったオリーブでは花の形状を確認するのは難しいです。
オリーブの花は雨や風に弱い
オリーブの花は開花しても、雨や風に弱く、あらゆる刺激で落花。開花早々に華が落ちてしまうと受粉はできず実がなる季節を迎えても葉しか茂りません。オリーブの花芽がついて間もなく悪天候の予報が出ていたら、ビニールシートで覆うなど対策を施すと無事受粉し、実がつきます。鉢植えでオリーブを育てている場合は、軒下や屋内に入れて天候がよくなるのを待ちましょう。
オリーブの花・実がつかない2つの原因
オリーブの花言葉や特徴、開花時期をご紹介したものの、オリーブの花芽を見たことがないという人も多いのではないでしょうか。実は、オリーブの葉や花がつくには2つの条件が必要とされています。
原因1.オリーブの木が若すぎる
オリーブの花芽は若い木にはつきません。オリーブの実からとれた種を植えた場合、発芽から15年ほど経てば花芽がつき実がつくように。挿し木から育てた場合でもオリーブが花芽をつけるために5年程度時間が必要と言われています。
原因2.オリーブの木を単独で栽培している
また、オリーブの木を1本だけ植えた場合も、花芽がつきにくく実もつきにくいです。オリーブの木を単独で栽培している場合、実は多くても20~30個程度しかつきません。オリーブの木を2本以上植えた場合は1本の木に50個以上の実がつき、大きな株の場合は運が良ければ数百の実が収穫できることもあります。
原因を排除すればどんどん実がつくようになる
オリーブを植えて5年以上経ち、開花時期を迎えているのに花芽がつかない場合は、今植えているオリーブと異なる品種のオリーブをそばに植えるのがおすすめ。我が家の庭では1本目のオリーブの木を植え付けてから3年後に別の品種のオリーブの木を植えました。そしてその3年後にやっと5個オリーブの実がなり、4年後となる今年、開花時期を迎えた1本目のオリーブにはたくさんの花芽がついています。
オリーブの実はたくさん採れた方が使い道が多い
オリーブの実は数個だけ収穫できても使い道があまりありません。オリーブの塩漬けにするにしてもオリーブオイルを作るにしても、数十個あるほうが効率もいいです。オリーブの木を育てる際はぜひ複数本植えて、収穫量が増えるよう季節に応じた手入れをしてあげてくださいね。
オリーブの特徴
オリーブは生育旺盛
オリーブは主に地中海沿岸地方で育てられる中高木です。オリーブの生長は旺盛で、環境さえ適していれば、地植えの場合植え付けから3年もすると2mを超える木に育つこともよくあります。ただ、オリーブは根をあまり深く伸ばさないので、台風など強風には要注意。オリーブの周りに風をよけるものがない時は、支柱を立てオリーブが風にあおられすぎないよう対策をしましょう。
オリーブは香川県・岡山県の名産に
オリーブは現在、香川県と岡山県でのみ生産しています。オリーブの原産地である地中海と瀬戸内の気候・特徴が合うため栽培が開始されたのですが、どちらの生産地も質の高いオリーブを生産することで有名。特に国内のオリーブ生産量の内95%を占める香川県にある小豆島では、最高品質のオリーブオイルを生産。料理せずそのまま味わえるオリーブオイルとしてとても人気があります。
家庭で採れたオリーブからもオイルが搾れる
完熟したオリーブの実からはしっかりとオリーブオイルを搾れます。家庭で育てたオリーブの実からもオリーブオイルを搾れるので、たくさん実が収穫できたらぜひ試してみてくださいね。オリーブの実の収穫時期は10月下旬頃からですが、オリーブオイルを搾りたいなら11月下旬~12月頃に、実が黒く熟した季節に収穫するのがおすすめ。搾りたてのオリーブオイルは風味豊かでさわやかな香りが特徴的。一度味わうと毎年収穫時期が楽しみになりますよ。
オリーブの木を植える時期・場所
オリーブの木を植える時期
オリーブは、苗木を購入して植え付けるのが一般的。植え付ける季節は晩冬~初春がおすすめです。ただ、オリーブの苗木は季節を問わず販売されていることが多いのが現状。オリーブの苗木を購入した季節が夏~真冬の場合は苗木の植え付けは控え、オリーブの植え付けに適した季節になるまで苗木の状態で管理しておくのが安心です。
オリーブの木を植える場所
寒い季節に-10℃以下になるような寒冷地では、オリーブは鉢植えで育てましょう。それ以外の地域は地植えでもオリーブは十分育ちます。オリーブは地中海沿岸が原産地。日当たりがよく水はけがよい場所に植え付けましょう。ただ、オリーブは極度の乾燥も苦手。日本の土壌自体実はオリーブには適していないので、植え付け場所の土をオリーブ専用の培養土に入れ替えると育ちがよいです。
オリーブの土
オリーブを植える際はpHに注意
オリーブが好む土壌は、pH6.5~7.0。元ある土を使用する場合は、苦土石灰を用いて酸度を調整しましょう。pHを1上昇させるためには、1平方メートルあたり苦土石灰を300~400g混ぜ込む必要があります。オリーブの苗木を植え付ける1週間前ごろまでに市販の酸度測定液等を使いながら、オリーブが育ちやすい土づくりをしておきましょう。
酸度測定液 アースチェック
オリーブの基本の育て方
オリーブの木を植える場所が決まったら、基本的な育て方を確認し、少しでもオリーブの木が大きく育つようサポートしてあげましょう。オリーブは基本的に手がかからない木です。オリーブを早々に枯らしてしまわないよう、普段から成長の様子はしっかり気にかけてあげてくださいね。
オリーブの水やり
オリーブの育て方で一番慎重になるべきなのは水やりです。先述の通り、オリーブは乾燥した土が好きですが、乾燥しすぎるのは苦手。鉢植えでオリーブを栽培している場合、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげましょう。地植えでオリーブを栽培している場合は、基本的に雨のみでも育ちます。ただ、植え付け直後など、明らかにオリーブの元気がなく土が乾燥気味の場合は、必要に応じて水をあげましょう。
オリーブの追肥
オリーブの育て方で二番目に大切なのが追肥。オリーブは追肥をしなくてもそれなりに育ちますが、間延びして葉がスカスカになるなど、追肥を怠ると見栄えよく育たないという特徴があります。鉢植えでオリーブを栽培している場合は2月・6月・10月の年に3回、地植えでオリーブを栽培している場合は2月・10月の年に2回追肥を行いましょう。
オリーブの肥料
オリーブに与える肥料は、油粕や速効性のある化学肥料がおすすめ。オリーブ専用の肥料も販売されているので、育て方に自信がない方やたくさんの実を収穫したい方はぜひ利用してみてください。
錠剤肥料シリーズ オリーブ用
オリーブ栽培中注意したい病気
オリーブがかかりやすい病気
オリーブは炭疽病(たんそびょう)がよく発生します。炭疽病になったオリーブは、実や新芽がしおれ枯れてしまう病気です。湿度が高くなる季節に発生しやすいので、オリーブの葉が茂っている場合は剪定して風通しをよくし、既に発病した枝がある場合は早めに切り落としゴミとして処分しましょう。
オリーブの病気対策
炭疽病の被害がオリーブ全体に広がりつつある場合は、「GFベンレート水和剤」を散布し、病気の拡大を防ぎましょう。「GFベンレート水和剤」には炭疽病の予防効果もあるので、梅雨など湿度が高くなる時期の前に散布してもいいですね。
住友化学園芸 GFベンレート水和剤
オリーブ栽培中注意したい害虫
オリーブにつく害虫
オリーブには「オリーブアナアキゾウムシ」という害虫が発生しやすいです。その名の通りオリーブにのみ発生する害虫ですが、オリーブの根元に卵を産み付けると、あっという間に幼虫がオリーブを食害。食欲が旺盛で、最悪オリーブの木が丸ごと枯れてしまいます。
オリーブアナアキズムシを見つけたら捕獲しよう
オリーブアナアキゾウムシが発生する季節は春から秋までと長いです。オリーブの木の根元に穴が開いていたら要注意。幹をはがすと中にオリーブアナアキゾウムシの幼虫がいることが多いです。オリーブアナアキゾウムシの幼虫を見つけたら捕殺しましょう。
オリーブアナアキズムシは予防もできる
オリーブアナアキゾウムシの発生を予防するには、「スミチオン乳剤」が効果的。オリーブアナアキゾウムシが発生する季節の少し前から散布を開始しましょう。ただ、オリーブの実を食用として収穫したい方は、スミチオン乳剤の使用は年3回までに抑え、収穫前1ヶ月は使用しないようにしましょう。
スミチオン乳剤
オリーブアナアキズムシ以外の害虫にも注意
その他、オリーブには葉を食い荒らす「スズメガ」の幼虫や、オリーブの葉や実を食べる「ハマキムシ」、幹を食べる「カミキリムシ」「ネキリムシ」等の害虫が発生することがあります。いずれも見つけたら即捕殺。卵が産みつけられている枝葉があれば、速やかに選定しゴミとして処分しましょう。
オリーブの手入れ方法
オリーブの剪定
オリーブは生育が旺盛。特にオリーブが邪魔にならない場合は、剪定をせずとも比較的バランスよく育つので剪定は控えめにしましょう。剪定のしすぎは、どれだけ育て方に気を遣っていても花や実がつかない原因になります。管理場所の都合から剪定をしなければならない場合は、3月頃か9月頃に邪魔になっている枝のみ剪定。オリーブの木は細かく剪定しすぎないよう注意しましょう。
オリーブの植え替え
オリーブを鉢植えで育てている場合に限り、植え替えが必要になります。オリーブの植え替え時期の目安は3年に1回程度。根詰まりを起こすとオリーブの生長が阻害されるので、ひと回り~ふた回り大きめの鉢に植え替えます。オリーブの植え替えは3月頃に行うのがベスト。オリーブの根についた土を少し落としてから、新しい土に植え付けましょう。
オリーブのふやし方
オリーブは「挿し芽」「接ぎ木」でふやすことができます。ただ、一般家庭の場合は挿し芽による増やし方が一般的。5月頃気温が高くなってきたころがオリーブの挿し木のベストシーズンです。
1.オリーブの枝をカットし水に挿す
勢いのあるオリーブの枝を10cm程度カットし、さらに切り口を斜めに切ります。切り口を整えたオリーブはすぐに水に挿し、乾燥しないよう管理しましょう。
2.鹿沼土(小粒)にオリーブを挿す
オリーブの挿し芽を行う鉢に鉢底石を入れ、鹿沼土(小粒)を入れます。鹿沼土を水で湿らせたら、水に挿しておいたオリーブの枝を鹿沼土に挿します。
3.明るい日陰で管理
オリーブの挿し芽を行った鉢は明るめの日陰に置き発根を待ちます。オリーブにも個性があるので一概には言えませんが、だいたい3ヶ月ほどで発根。ただ、オリーブの植え付けに適した季節は晩冬~初春なので、翌年の2月頃まではそのまま管理するのがおすすめ。
オリーブはたくさん開花しても受粉率は低め
オリーブの花芽が開花時期に木の枝全体についていても、受粉がうまくいかなかった花には実がつきません。オリーブの受粉率は10%~20%とも言われていて、一般的な果樹等と比較して低確率。オリーブの花芽は房状につきますが、1つの房に1つ実がつけば正しい育て方ができている証です。正しい育て方ができていれば、オリーブの実の収穫量は年々増加することがほとんど。あまり神経質になりすぎず、オリーブの木を育てることを楽しみましょう。
オリーブの花言葉を活かす庭づくり
オリーブの花言葉「平和」「知恵」はとてもポジティブな言葉。そのため、オリーブをシンボルツリーとして植える家庭も多いです。温かい家庭を築きたい、知恵を出し合って高めあう家族でいたい。そんな思いを込めてオリーブを育てると、大きく育った時の喜びもひとしおです。オリーブは葉の色が淡く、庭をパッと明るくㇲ効果もあります。オリーブを庭の主役にして、明るくあたたかい空間をつくり出してみてはいかがですか。
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