木工パテってなに?
パテとは接着や補修に使われる補正剤のことです。一般的には「顔料」「不揮発性展色剤」「揮発性物質」によって構成されている粘土状の材料で、DIYや板金補修などに使われています。木工パテは、その名の通り木工DIY用のパテということです。
木工パテの特徴
木工パテは、他のパテ剤と比べると柔らかいのが特徴です。柔らかいことから隙間に入りやすく、ひび割れやネジ穴などの小さい隙間にも入り込み穴埋めしてくれます。また、乾燥が遅いため、慌てずに作業ができます。手についても洗い落としやすく、総じて初心者でも簡単に使うことができるでしょう。
木工パテの欠点
補修がしやすく使いやすい木工パテではありますが、乾燥すると体積が減るという欠点があります。木材の隙間に使用すると、次の日には体積が減ってくぼみができてしまうのです。
そのため、大きなひび割れや穴埋めには量が必要になりあまり向いていません。また、乾燥が遅いため、待つ必要があります。その日のうちに「DIY作業を終わらせたい」など急いでいるときは、乾燥していないこともありますので注意してください。
木工パテの使い道
主なパテの使い方は、穴埋めや隙間を埋める使い方をします。ネジ穴や節穴といった木材に空いた穴に埋めることで隙間を無くしなだらかにします。また、同様に木材の継ぎ目や木材のヒビ割れなど、DIYや劣化による隙間も埋めることができます。
大雑把な言い方ではありますが、木工パテはチューブ状の木材のようなものです。他にも、古材をリノベーションして使用したりなどもできます。
接着剤の使い方
木工パテは、乾燥させることで木材にしっかり付着することから接着剤の代わりに使用することもあります。木材同士を合わせる際。間に木材パテを塗ることでより粘着性が高まるのです。わずかな隙間も木工パテによって埋まるので、木工パテを使わない時よりも綺麗な仕上がりになります。
ただ、木工パテは正確には接着剤ではありませんので接着の耐久性が高いとはいえません。隙間を埋める目的で使用し、接着の強化はあくまでも補助的と思ったほうがいいでしょう。
セメダイン株式会社のエポキシパテ
木工パテは接着剤にあまり向いてはいませんが、セメダイン株式会社のエポキシパテなら接着剤としても期待できます。接着剤で有名なセメダイン株式会社の補修パテですので、木材だけではなく金属にも使うことができるです。
外装の使い方
パテは乾燥させると固くなることから、パテを外装代わりに使うこともあります。ニスのように塗って、木材などを補強するのです。日本建築で見かける漆喰と同じと思ってもらえればわかりやすいでしょうか?
パテを塗り重ねれば厚みも変えることができ、パテアートもできます。ただ、木工パテをそのような使い方する人は滅多にいません。主に、エポキシパテでフィギュアなどの模型を作る際に使われています。
木工パテとエポキシパテ
木工パテ以外にも、エポキシパテという補修材があります。接着剤で有名なセメダイン株式会社が発売するパテで、木部用を始め、水中用、金属用、プラ用など様々な種類が発売されています。エポキシ樹脂のプレポリマーと硬化剤の2種類を混ぜ合わせることで、木工パテよりも、より強力な接着効果を期待することができます。
エポキシパテの特徴
エポキシパテは、木工パテと比べると接着力が高く乾燥すると頑丈になるのが特徴です。そのため、模型作りによく使用されています。
また、硬く頑丈なため、乾燥しても木工パテのように体積が減ることはなく、大きなヒビ割れや穴埋めなどの大規模な補修DIYに向いています。乾燥も早く、セメダインなどの接着剤と同じような使い方ができるでしょう。
エポキシパテの欠点
エポキシパテは乾燥すると頑丈になるため、木工パテよりも削るのが大変です。また、乾燥する前も硬さがありますので、細かな隙間に浸透せず表面の方だけで固まってしまいます。
細かな隙間に入っていかず、はみ出したパテは削りにくいなど、総じて、小さな修復には向かないパテです。他にも、セメダインなどの接着剤同様に、服や肌に付着してしまうと簡単には落ちませんので、扱う際には注意が必要になります。
エポキシパテは有害?
木工DIYだけではなく、様々なことに使えるエポキシパテですが、実は人体にとって有害な成分も含まれています。とはいっても微量ですので、中毒症状が出ることは滅多にありません。
ですが、肌が弱い人などは素手で扱ってしまうと肌荒れになることもありますので、使用する際にはビニール手袋などを使うことをおすすめします。また、物によっては臭いもあります。人によっては気持ち悪くなることもありますので、換気をしっかりしてから作業を行いましょう。
木工パテの使い方1「パテを埋める」
木工パテの使い方は、「隙間に塗って埋める」だけです。木材の節穴やネジ穴などの穴埋めも、上から木工パテを塗るだけで完了します。しっかり隙間に浸透させるため、木工パテを塗った後は刷毛やヘラで延ばしながら穴埋めをするといいでしょう。
木工パテを盛る
木工パテの特徴で説明しましたが、木工パテは乾燥させると体積が減ってくぼみができてしまいます。そのため、くぼみができてもいいように、事前に少し盛っておく方法もあります。
ただ、木工パテを盛りすぎると後で削る羽目になることもあります。乾燥した後に再度木工パテを塗ってくぼみをなくす「二度塗り」をすればすむ話ですので、無理に木工パテを盛る必要はないでしょう。
マスキングテープを使用する
もし、木工パテを付着すると困るようなら、マスキングテープを使うようにしましょう。ペンキなどと同じで、補修後テープを剥がせば綺麗になります。木工パテは落としやすいため不要かもしれませんが、エポキシパテを使用する際など、覚えておくといいでしょう。
木工パテの使い方2「乾燥させる」
木工パテで穴埋めしたら乾燥させます。木工パテの種類にもよりますが、数時間ほどで乾燥します。ただ、乾燥の遅いエポキシパテの場合は、木工パテよりも長く半日~1日必要です。直射日光の当たらない、風通しの良い場所に干しておきましょう。
木工パテの二度塗り
木工パテは、乾燥すると体積が減って凹むことがあります。そのため、凹んだ分を補修するため、木工パテを二度塗りしましょう。そして乾燥させて、凹みが無くなるまで続けます。
ただ、一度目の穴埋めでしっかり木工パテを盛っておけば凹まず、二度塗りが必要ない時もあります。「多少の凹みくらい気にしない」など、必要ないようなら二度塗りはいりません。
木工パテの使い方3「パテを削る」
木工パテが乾燥したら、はみ出した木工パテを削り取ります。はみ出した木工パテが多ければカンナやノミなどで削り、細かい部分は紙やすりで削っていきます。
だんだんと紙やすりの目を細かくしていくことで、滑らかな仕上がりとなり、木材と判断できない手触りとなるでしょう。調子に乗って削ってしまうと木材の方まで削ってしまいますので丁寧に行ってください。
木工パテの使い方4「木材を塗装する」
木工パテを塗ったら塗装を行います。木工パテは乾燥することで木材のようになりますが、よく見ると補修した部分がわかってしまいます。なので、色を塗ることで違いを分からなくするのです。
方法は、ペンキやアクリルラッカーなど木材用の塗料で塗装をします。木工パテが多少色をはじくこともありますが、気にせず塗装して問題ありません。家具補修の着色マーカーなどもありますので、上手く色がつかなければ直接色を付けるといいでしょう。塗料が乾燥すれば違いが判らなくなります。
木工パテのニス塗り
木工パテにニスを塗装する際も、ペンキなどと同様にそのまま塗装してしまいます。木工パテ関係なく、木材に合わせてニス塗りを行いましょう。ただ、同様にニスをはじいてしまうこともあります。
特に「ワコトオイル」などの木材に浸透して塗装するオイルステインは、はじいてしまうと色が付きません。色をはじいてしまう可能性を考慮して、家具補修の着色マーカーを用意しておくようにしましょう。
木工パテの代用品
木工パテは別のもので代用することもできます。パテを大ざぱに言ってしまえば「穴埋めできる材料」ですので、木材にしっかり付着し、穴が埋められればなんでもいいのです。
紙粘土で穴埋め
安く済ませるなら紙粘土がおすすめです。100均で購入可能なだけではなく、軽くて柔らかい紙粘土は穴埋めも簡単にDIYできます。紙粘土特有の白い色も、乾燥させた後に塗装をしたり、紙粘土に塗料を混ぜて使用すれば問題ありません。
ただ、紙粘土は耐久力があまり高くはありません。そのため、経年劣化しやすいです。また、水にも弱いため、水気がある場所で使用するとすぐにドロドロになってしまいます。耐久性や水気をはじくためにも、ニス塗やペンキなどで塗装する必要があるでしょう。
接着剤で隙間を埋める
「パテは接着剤代わりにもなる」ともいいましたが、逆にいえば「接着剤はパテの代わりになる」ともいえます。ですので、セメダインや木工用ボンドなどを隙間に入れて補修することも可能です。セメダインなどは強度も強く長持ちします。
木くずなども一緒に詰めれば、見た目も木材っぽくなり木工パテの代わりになるでしょう。ただ、接着剤で穴埋めしようとすると量が必要になります。また、素早く作業しないとすぐに乾いて固まってしまいますので、ある程度の慣れが必要になります。
まとめ
木工パテはDIYに必ず必要なわけではありません。市販されている木材はひび割れや節穴などはありませんし、自作DIYができるなら、木材ごと取り換えてしまえばいいのです。
ですが、木工パテを使えれば自作DIYをより綺麗に作ることができます。古材の補修すれば家具のリノベーションもできるなど、ワンランク上の自作DIYができるでしょう。隙間や穴が気になったら、ぜひ木工パテをお使いください。
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木工パテの使い方がわかったら実際に使ってみるのもおすすめ。下記URLでは、ベッドボードやテーブルなどの自作DIYを紹介しています。当記事と合わせて、素敵な木工家具を作成しましょう。
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