鷹取山とはどんな山
鷹取山は地図上でみると神奈川県横須賀市と逗子市の行政境界上にあります。139mの標高の低山です。この低山の鷹取山が人気の山なのです。登山的には難易度は低く、短時間での登山が可能です。ハイキング向きの山でコースも簡単で、地図も鷹取山上では必要としないほどです。山体は緑色疑灰岩で構成されていて、昔より石を切り出していました。栃木県の有名な大谷石と同じような石です。鷹取山には公園もありますので、横須賀市・逗子市の憩い場としての一面もある山です。(この記事は、2019年5月14日現在の情報を元に書かれています。)
鷹取山の山頂とその周辺
鷹取山の山頂には展望台が設置されています。山頂下にある鷹取山公園が望め、その先には横須賀市街地・長浦港からの太平洋・二子山方面相/模湾方面の山々などがパノラマ的に望める素晴らしい景色となっています。石切のため切り立った岩面が多く見られ、群馬の妙義山に似ていることから湘南妙義とも呼ばれています。石を切り出した跡の岩面を利用して、磨崖仏が掘られ、クライミングなどが多く行われています。横須賀の鷹取から逗子の神武寺を結ぶハイキングコースも山頂付近にあります。
鷹取山公園について
横須賀市鷹取から鷹取山を登って行き、山頂手前に公園があります。これが鷹取山公園です。横須賀市の環境学習プログラム「身近な野生生物学習調査」の拠点となっています。石切跡の岩面には、見事な弥勒菩薩の磨崖仏が彫られています。これは昭和40年頃、彫刻家の藤島茂氏が彫ったもので横須賀市の観光名所としても知られています。麓の鷹取の住宅街から公園までの登山道は良く整備されており、登山難易度も高くありません。地図なしでも迷うことはありません。
鷹取山公園の詳細
【住 所】神奈川県横浜市湘南鷹取3-3-520
【連絡先】046-822-8333(横須賀市環境政策部公園管理課)
【施 設】トイレ(車イス対応)・東屋など
【休園日】年中無休
【禁止事項】公園内でのクライミングは禁止されています。
鷹取山の歴史
鷹取山は石切跡の切り立った岩面を持つ山です。どのようにしてこの様な山になったのでしょう。明治10年頃に、民有地となり木材をとるため伐採したところ、石が露出したそうです。疑灰岩のため、加工がしやすく軍の施設に使用されたり、民間の施設の外壁使用したり、家の土台に使用したりと大量に切り出されました。鷹取石として大量に売れたそうです。ところが大正12年の関東大震災で横須賀の街の鷹取石の塀などが倒壊し、石の運搬に利用していた鷹取川も隆起して使えなくなりました。この後、急激に衰退しました。残ったのは、岩面の切り立ったおかしな山形だけになりました。
横須賀市が管理する鷹取山
長らく放置状態の鷹取山でしたが、第二次世界大戦中は戦闘機の迎撃壕など軍に使用されていました。戦後、横須賀市管理となり、昭和30年代ごろから景色が良いことなどで観光客が増え出します。それにともない、切り立った岩壁を利用してのクライミングも行われ出します。市は観光用の開発を進め、ハイキングコースの設置や公園の設置を始めだしました。麓の民間地も開発が進められ、現在の市街地のすぐ上が鷹取山といった形になっています。
鷹取山の登山口
鷹取山の登山口は、海側の横須賀市と反対側の逗子市にあります。横須賀市側は住宅地が鷹取山のすぐそばまで迫っているため、住宅地脇から登山することになります。アクセス的には簡単なようですが、土地勘の無い人には住宅地図などが必要となります。鷹取山の反対側の逗子市側の登山口は、鷹取山の麓に神武寺という観光名所になっている寺院がありその裏からとなります。寺までの案内看板に従えば、地図なしでも登山口まで行けます。登山口の難易度は、逗子市側の方が低いと言えます。
横須賀市・鷹取山登山口(鷹取小学校脇)
横須賀市に湘南鷹取団地という大きい町があります。昭和の時代に造成されて作られたものですが、その中のバス通り沿いに鷹取小学校があります。たかとり小学校バス停がありますので、そのバス停の近くに登山道入口があります。鷹取山に向かって登って行く小道です。案内標が設置されており、そこが登山口となります。整備された登山道ですので、難易度は高くありません。
逗子市・鷹取山登山口(神武寺)
逗子市の観光地でもある神武寺に登山口があります。多くの観光客で賑わう神武寺ですが、その裏山が鷹取山となるのです。神武寺からの登山道は、横須賀市側からの登山道と違い、観光客が簡単に登山できるようになっておらず、クサリ場や急坂などがあり難易度は高くなっています。観光用の服装で登山口に入ると苦労します。神武寺境内にある案内標に従って進んでください。
鷹取山の公共機関でのアクセス
鷹取山の公共機関でのアクセスは、鷹取小学校脇の場合は京急追浜駅が便利です。追浜駅より湘南たかとり団地循環バスが運行していますので、たかとり小学校バス停下車です。追浜駅・田浦駅より徒歩で30分くらいです。逗子市側の神武寺登山口は、JR横須賀線の東逗子駅か京急逗子線の神武寺駅を利用します。東逗子駅前より神武寺表参道が、神武寺駅から神武寺裏参道が通っており、どちらの参道も案内看板が要所に設置されており、地図は必要ありません。
鷹取山の車でのアクセス
車を利用して鷹取山へアクセスする人も多い事でしょう。鷹取山に限ったことではありませんが、電車・バスの時間を気にしないで登山ができるのが利点です。横須賀市側からと、逗子市側からのアクセスができます。鷹取山は市街地から直接アクセスするので、鷹取山専用の登山口駐車場というものはありません。横須賀市側・逗子市側の両登山口周辺の駐車場情報も合わせて紹介します。
横須賀市側登山口のアクセス
横須賀市側の登山口にアクセスするには、横須賀市内を通る国道16号線を利用します。国道16号線を田浦方面から追浜方面に進む途中に、湘南鷹取入口の信号があります。そこを左折してください。左折したらそのまま直進して住宅街に入ってください。トンネルがありますので、そこを抜けると鷹取小学校です。この付近は大きな駐車場というものがありません。小台数駐車のコインパーキングが点在しています。最新の住宅地図で探すのが効果的です。
逗子市側登山口のアクセス
横須賀市内の国道16号線を田浦方面から追浜方面に走ると京急田浦駅手前に船越町交差点があり、左折して県道24号線に入ります。県道24号線を逗子市に向けて進み、逗子市内に入ると東逗子駅入口の交差点がありますので右折すると神武寺方面に行く事ができます。また、県道24号線を直進して行くと逗子駅前の信号があります。右折して行くと県道204号線に突き当たりますので、右折してください。神武寺駅前信号を過ぎると池子駐在所前信号がありますので、右折して神武寺に進んでください。どちらのルートも池子の森自然公園に行け、公園の駐車場が使用できます。
鷹取山の登山コース
鷹取山は横須賀市側と逗子市側にハイキングコースが設けられています。それぞれ単独でのコース使用もできますが、横須賀市側から入山し、逗子市側へ下山することもできます。山頂の公園などで、ゆっくりと過ごしても短時間登山ですの余裕を持った登山ができます。公共機関でのアクセスの人は問題ありませんが、車でのアクセスの人は、各登山口間の移動の計画をする必要があります。
鷹取コース
鷹取小学校脇の登山口を使用して鷹取山山頂を目指すコースです。一般市民でも鷹取山を訪れることができるように登山道が整備されています。階段の登山道もありますが、全体的な難易度を低めになっています。ゆっくり登っても30分ほど山頂に到着できます。展望台・鷹取山公園などで観光をして、下山をする観光客も多くいます。下山はゆっくり下って15分ほどです。
神武寺コース
神武寺の入口から石段を登り、神武寺境内に入り鷹取山を目指すコースです。神武寺境内に案内標が設置されていますので、鷹取山方面に進めば問題ありません。最初は石段の登山道ですが、しだいに岩が主体の登山道になります。途中にはクサリ場などがあり、鷹取コースより難易度は高いです。しかし、登山初心者でも歩けるコースです。神武寺からゆっくり歩き、30分もあれば鷹取山山頂に到着することができます。下りの場合は、20分ほどで神武寺境内に戻ることができます。
鷹取山はクライミングが出来る山
鷹取山は、ハイキングコースだけではなく、クライミングができる山としてファンの間では有名な山です。鷹取山公園の近くに小さい穴がたくさん開いた岩面を多く見ることができます。この周辺がクライミングができる場所となります。観光地図に掲載されている場所で、一般の登山者には難易度の高い岩壁ですが、アクセスも簡単なので多くのクライミングファンが訪れます。ハイキングコースが近くを通るので、クライミングを目にすることもできます。近くの鷹取山公園の敷地内では、クライミングが禁止されています。
鷹取山でクライミングをするには
昭和30年代になり、クライミングに訪れる人が増え出します。昭和60年代に入ると、管理する横須賀市はハーケンを打込みカラピナ・ロープでサポートするクライミングを禁止しました。あまりにハーケン抜けの事故が多かったからです。岩が脆いために起る事故です。それと共に、横須賀市は鷹取山安全登山協議会の登録者のみクライミングを許可しています。誰でも簡単にクライミングをできるわけではありません。鷹取山安全登山協議会に所属する必要があります。
大磯町の鷹取山
横須賀市の近くにある大磯町にも鷹取山があります。こちらも低山でハイキングコースが設置されています。鷹取山の名前だけでチェックをして、大磯の鷹取山に向かってしまう人も稀にいるそうです。切り立った岩の横須賀の鷹取山と違い、神社仏閣が山頂や山周辺に点在し、樹木が多い落ち着いた雰囲気のする山です。こちらものんびりとしたハイキングができる山です。横須賀の鷹取山を登山終了し時間がありましたら、少しだけ足を延ばして、大磯の鷹取山を訪れてはいかがでしょう。一日で二山の鷹取山の登山は可能です。
鷹取山登山のまとめ
クライミングの聖地と言われる鷹取山ですが、クライミングをしなくとも楽しいハイキングができる山となっています。横須賀側からの登山は気楽に、逗子側からの登山は山登りの雰囲気が楽しめます。登山の初心者でも問題なく登山できる山で,子供たちの登山デビューにちょうど良い山かとも思います。四季を通して快適に登山出来るのが鷹取山です。鷹取山に興味を持った方は、この記事を参考に訪れてはいかがでしょう。
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