太郎平小屋の位置
太郎平小屋は富山市有峰にあります。太郎平小屋へアクセスする登山口は折立です。折立より歩くこと約5時間で到着します。夜行バスや自家用車に揺られて疲れている身体には、初日に身体を慣らす距離として、ちょうど良いくらいの位置にあります。
太郎平小屋について
太郎平小屋は、薬師岳登山や、雲ノ平や黒部五郎岳へのアクセスの拠点になる山小屋です。登山口である折立からは約5時間ぐらいなので、初日の行程を締めくくるにはちょうど良い位置にあります。夏の登山シーズンには結構混雑します。
太郎平小屋グループ
太郎平小屋のオーナーは太郎平小屋のほかに、薬師沢小屋、高天原山荘、スゴ乗越小屋の山小屋と、立山山麓でロッジ太郎という宿泊施設とレストランのレストラン大東を経営しています。
太郎平小屋の基本情報
【住所】富山市有峰
【連絡先】 080-1951-3030
【アクセス】折立登山口より約5時間
【備考】標高2,330m、薬師岳や雲ノ平方面の分岐点
薬師沢小屋の基本情報
【住所】富山市有峰(黒部川と薬師沢が合流する地点)
【連絡先】 080-1951-3030(太郎平小屋)
【アクセス】折立より徒歩約7時間
【備考】標高1,920m 登山客だけでなく渓流釣りのため宿泊も多い
高天原山荘の基本情報
【住所】富山県中新川郡立山町千寿ヶ原
【連絡先】 080-1951-3030(太郎平小屋)
【アクセス】折立より徒歩約13時間
【備考】標高2,130m、秘湯高天原温泉への最寄りの山小屋
スゴ乗越小屋の基本情報
【住所】富山県富山市(薬師岳と立山室堂のほぼ中間)
【連絡先】 080-1951-3030(太郎平小屋)
【アクセス】折立より徒歩約9時間
【備考】標高2,270m、ランプの小屋
太郎平小屋に宿泊してみよう!
太郎平小屋よりその奥の薬師岳や雲ノ平を目指すための出発点として、太郎平小屋に宿泊してみましょう。そこで、太郎平小屋についてもう少し詳しく見ていきます。
太郎平小屋のシーズン(営業時間)
太郎平小屋の営業シーズン(営業時間)はゴールデンウィークの期間と6月初旬~10月下旬です。開設の期間は曜日の並びなどでその年により前後します。夏の登山シーズンの営業時間や秋の紅葉のシーズンの営業時間は登山客でかなり混雑する日があります。
宿泊料金について
【1泊2食】9,500円
【1泊夕食】8,200円
【1泊朝食】7,200円
【素泊】6,000円
宿泊料金は、2019年5月20日時点の情報をもとに記載しています。変更されることがあります。予約時に料金等を確認してください。
太郎平小屋の混雑状況
東京や大阪から折立までの直通バスやJR富山駅からの直通バスが運行される夏の登山シーズンは、折立から太郎平小屋までの道も大渋滞を起こすことがあります。その状況が太郎平小屋までもたらされますので、宿泊者の数も相当になります。
太郎平小屋の個室
山小屋の基本は個室ではなく大部屋です。大きな山小屋では個室を完備しているところもありますが、太郎平小屋は基本的には個室ではなく大部屋です。特に、登山シーズンの営業時間はとても込み合うため個室対応はできません。
太郎平小屋のテントサイト
太郎平小屋がある場所にはテントサイトはありません。テント泊をするときは、太郎平小屋より徒歩約20分のところにある薬師峠のテントサイトを利用します。
薬師峠のテントサイト
薬師峠のテントサイトは、太郎平小屋が管理しています。夏の登山シーズンには太郎平小屋の出張所が開設されます。出張所の営業時間内は、テントサイトの受付はこの出張所でできます。テント泊するときはテントサイトに行く前に、太郎平小屋で確認されることをおすすめします。出張所では、売店も併設されてビールなどを販売してくれています。
薬師峠テントサイトの基本情報
【住所】薬師峠
【連絡先】 太郎平小屋に同じ
【アクセス】太郎平小屋より薬師岳方面へ徒歩約20分
【備考】水場あり、トイレあり、テント可能数約100張可
太郎平小屋の評判
折立からアクセスする登山ルートにあるということで、登山シーズンには多くの人が利用します。宿泊したときの状況により感じることが変わってきますが、評判は概ね良好です。
太郎平小屋の食事
70人ほどが入れる食堂があります。宿泊者が多いとき、食事は何回かに分かれます。メニューとしては、夕食や朝食は山小屋としては王道といった食事内容がメインです。山小屋を利用すると、自分で食事を作らなくて済むということを考えるとありがたいという評判になります。
太郎平小屋の売店
ラーメンやカレーなど昼の食事メニューは結構豊富で、通過地点として利用される方にも評判が良いです。生ビールがあります。下界に比べると料金が高いのは山小屋ゆえに仕方ないですが、薬師岳を望む絶好のロケーションで、今日の疲労を癒しながらの一杯は最高との評判です。
太郎平小屋へのアクセス
太郎平小屋へのアクセスの拠点は、折立の登山口になります。折立を出発して薬師岳方向へ約5時間歩けば、太郎平小屋へ到着します。
折立へのアクセス
夏の登山シーズンには、JR富山駅または富山地方鉄道の有峰口駅から直通バスが運行されます。料金や運行時刻は富山地方鉄道のホームページで確認してください。それ以外のシーズンは、タクシー利用か自家用車になります。自家用車で行くときは、折立へ通じる有峰林道は料金がかかります。夜間通行止めになります。
黒部川源流域について
太郎平小屋は黒部川源流域へアクセスするための起点になる小屋です。黒部川源流域はアクセスするのに時間がかかるため、最後の秘境と呼ばれ、登山客も比較的少ないエリアです。
黒部川源流域の代表スポット
黒部川源流域には、雲ノ平や鷲羽岳、三俣蓮華などの山々がそびえ、遠くには、槍ヶ岳の雄姿が望めます。
雲ノ平
登山者なら一度は行ってみたい残された地です。日本庭園やスイス庭園などなだらかな台地状の地形が広がっています。360度に亘って名山と呼ばれる山々の景色を満喫しながらのルートは最高です。
鷲羽岳
標高は2,924mあります。最寄りの山小屋は三俣山荘で、三俣山荘からは徒歩約1時間30分です。西の斜面が黒部川の源流で、ここからあの渓谷へと繋がっていきます。
水晶岳
標高は2,986mあります。最寄りの山小屋は水晶小屋で、水晶小屋からは徒歩約40分です。山の上部では岩のなかに水晶の結晶が見られます。
三俣蓮華岳
標高は2,841mあります。富山県、岐阜県、長野県の3県にまたがる山で、最寄りの山小屋は三俣山荘です。三俣山荘からは徒歩約1時間です。
高天原
日本一遠いところといわれる高天原温泉があります。高天原温泉は、高天原山荘からさらに徒歩約30分のところにあります。はるばるとやってきた露天風呂を存分に楽しんでください。
黒部川源流域の主な山小屋
黒部川源流域にある主な山小屋です。太郎平小屋の次の宿泊先として利用できます。
三俣山荘
鷲羽岳と三俣蓮華岳の鞍部にあり、遠くに槍穂高連峰を望める山小屋です。
【営業時間】7/1~10/15(2019年の場合)
【宿泊料金】1泊2食:10,000円
【定員】80名
【個室】なし
【テントサイト】山小屋すぐのところに約70張可能
【食事】ジビエシチューが評判
宿泊料金は、2019年5月20日時点の情報をもとに記載しています。変更されることがあります。予約時に料金等を確認してください。
水晶小屋
水晶岳の南側、赤岳にあります。小さな山小屋ですので混雑します。
【営業時間】7/10~9/30
【宿泊料金】1泊2食:10,200円
【定員】30名
【個室】なし
【テントサイト】なし
【食事】昼食には評判の力汁を
宿泊料金は、2019年5月20日時点の情報をもとに記載しています。変更されることがあります。予約時に料金等を確認してください。
雲ノ平山荘
その名のとおり、雲ノ平にあります。2010年新築のきれいな山小屋です。
【営業時間】7/10~10/10
【宿泊料金】1泊2食:10,000円
【定員】70名
【個室】なし
【テントサイト】山小屋より約25分の場所にあり、約50張可能
【食事】夕食のオリジナル石狩鍋が評判
宿泊料金は、2019年5月20日時点の情報をもとに記載しています。変更されることがあります。予約時に料金等を確認してください。
太郎平小屋をベースにした登山ルート
太郎平小屋から最もアクセスしやすい山は薬師岳です。北ノ俣岳、雲ノ平へアクセスするときの分岐点になっています。
薬師岳へ
薬師岳へは、太郎平山荘から薬師岳山荘を経由して片道約3時間です。岩場や鎖場もなく初心者向きの登山コースです。薬師岳は天然記念物にも指定されているカールを抱える山で、標高は2,926mです。薬師岳の名が示す通り山頂には祠があって薬師如来が祀られています。
薬師岳から立山方面へ
薬師岳を登って、スゴ乗越を越え、立山へ至るルートもあります。かなりのロングコースになるため、夏の最盛期の週末でもない限り人も少なく静かなルートです。人混みを避けてゆっくりと山を楽し見たい方にはおすすめのコースです。
黒部川源流域へ
黒部川源流域への登山ルートは、雲ノ平へ入るルートと北ノ俣岳から黒部五郎岳方面へ向かうルートがあります。その先は、裏銀座へ向かうルートや槍ヶ岳方面に向かうルートなど体力と日程に応じたルートが設定できます。
休憩ポイントとしての太郎平小屋
太郎平小屋は各方面の分岐点にあたるため、休憩ポイントとして食事を取ったり、飲料水を補給する場所として利用できます。水は無料で提供されています。飲料水の補給は忘れずに行って、次へ向かいましょう。
太郎平小屋着はちょうど昼どき
折立を朝出発すると、太郎平小屋にはちょうど昼どきに到着します。太郎平小屋の周りは広場になっていて、ベンチもあります。お昼の食事を取るにはちょうど良い場所です。太郎平小屋には外にも売店があり、昼食メニューとして、カレーライスや太郎ラーメンなどを注文できます。
ライチョウと太郎平小屋
北アルプスで巡り合いたいもののひとつがライチョウです。富山県では、立山周辺に次いでライチョウの生息数が多いのが薬師岳一帯です。太郎平小屋付近でも運が良ければ遭遇できるかもしれません。
夏の登山シーズンとライチョウ
特に夏の登山シーズンにはヒナを連れたライチョウの姿も見れます。このときに見られるライチョウの多くはメスとヒナです。オヤドリのあとを着いて回るヒナの姿はとてもかわいいものです。ライチョウに出くわす確立が高いのは、どちらかといえば天気の良くない日です。天気が良い日は天敵から逃れるため、ハイマツの中に潜んでいることが多いです。
ライチョウに出会ったら
ライチョウは人間を怖がりません。ライチョウが近くに来たときは、そっと見守ってあげてください。撮るのは写真だけです。捕まえたりするのは絶対にやめましょう。
まとめ
薬師岳、黒部川源流地域や雲の平を目指す登山客が集まる太郎平小屋では、これからの気合いとやり終えたという達成感が入り交じった山小屋独特の雰囲気が味わえます。今年の登山シーズンの候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
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太郎平小屋からも雄大な姿を見せてくれる薬師岳や、黒部川源流域にある鷲羽岳については、次の記事もご覧ください。

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