鷲羽岳とは
鷲羽岳は、長野県大町市と富山市の境にある標高2,924mの山です。黒部川の源流域にあり、ここからあの黒部川が始まります。地図で確認すると、槍ヶ岳の北北西、燕岳の東になります。ちょうど、北アルプスの真ん中あたりの奥深い位置にあります。南側には火山の噴火口が池になったは鷲羽池があります。
鷲羽岳へのルートについて
鷲羽岳へのアクセスルートはいずれの登山口からも行程の長い縦走路になります。一番短い新穂高温泉を登山口とするコースでも10時間ほどの行程になります。そのため、技術的な難易度よりも体力的な難易度が高いコースになっています。ここでは、歩行距離等を考慮して難易度1から難易度4の4つのコースを紹介します。
鷲羽岳へのルート(難易度1)
新穂高温泉を登山口とするコースです。新穂高温泉を出発して、中崎橋⇒笠新道登山口⇒わさび平小屋⇒小池新道登山口⇒秩父沢出合⇒シシウドヶ原⇒鏡平⇒弓折分岐⇒双六小屋⇒巻道分岐⇒三俣山荘、そして、鷲羽岳となります。コースタイムは、新穂高温泉~わさび平小屋:約80分、わさび平小屋~双六小屋:約360分、双六小屋~三俣山荘:約140分、三俣山荘~鷲羽岳:約90分となります。(コースタイムには個人差がありますので、あくまでも参考タイムです。)
鷲羽岳へのルート(難易度2)
裏銀座と呼ばれるコースで、高瀬ダムが登山口になります。1日目に急登を登ることもあり、鷲羽岳までは2日かけて縦走します。1日目は、高瀬ダムを出発して、北アルプスの急登のひとつブナ立尾根を登り、烏帽子小屋を目指します。コースタイムは高瀬ダムから烏帽子小屋まで約360分です。2日目は、烏帽子小屋を出発して、三ッ岳⇒野口五郎岳⇒真砂分岐⇒東沢乗越⇒水晶小屋と縦走し、鷲羽岳を目指します。コースタイムは烏帽子小屋~三ッ岳:約90分、三ッ岳~野口五郎岳:約120分、野口五郎岳~水晶小屋:約150分、水晶小屋~鷲羽岳:約120分になります。(コースタイムには個人差がありますので、あくまでも参考タイムです。)
鷲羽岳へのルート(難易度3)
折立を登山口にして、雲ノ平を経由して鷲羽岳まで縦走するコースです。鷲羽岳まで辿り着くまでに、3日を想定しています。1日目は、折立を出発して、太郎平小屋を目指します。コースタイムは折立から太郎平小屋まで、約300分です。2日目は、太郎平小屋を出発し、薬師沢出合を経由して雲ノ平山荘を目指します。コースタイムは太郎平小屋から薬師沢出合までが、約140分、そこから雲ノ平山荘までが、約220分です。3日目に、いよいよ鷲羽岳を目指します。雲ノ平山荘を出発して、祖父岳を経由して鷲羽岳まで縦走します。コースタイムは雲ノ平山荘から祖父岳までが、約100分、祖父岳から鷲羽岳までが、約120分です。(コースタイムには個人差がありますので、あくまでも参考タイムです。)
鷲羽岳へのルート(難易度4)
扇沢を登山口として、黒部ダムへ入り、アルペンルートを離れて黒部ダムを遡上していくコースです。奥黒部ヒュッテにまでのコースに梯子があったり、読売新道の行程は長く、途中に水場がないなど、難易度はアップします。そのため、健脚向きの難易度になります。1日目は、黒部ダムを出発して、平ノ小屋を目指します。平ノ小屋から渡し船で黒部湖を渡り、対岸の平ノ渡へ行きます。そこからは黒部川を遡り奥黒部ヒュッテへ行きます。コースタイムは、黒部ダムをから平ノ小屋までが、約210分、平ノ渡から奥黒部ヒュッテまでが、約180分です。2日目は、奥黒部ヒュッテから読売新道を通って、赤牛岳⇒水晶岳を経て水晶小屋を目指します。奥黒部ヒュッテから水晶小屋までのコースタイムは約600分です。3日目は、水晶小屋から、いよいよ鷲羽岳です。鷲羽岳までのコースタイムは約120分です。(コースタイムには個人差がありますので、あくまでも参考タイムです。)
鷲羽岳周辺の山小屋
いずれも、山奥の大自然の中に佇む山小屋です。
三俣山荘
鷲羽岳と三俣蓮華岳との鞍部にあります。標高は2,550mです。収容人数は80人で、テントサイトは山小屋の近くにあり、約70張のテントが張れます。目前に鷲羽岳、槍や穂高連峰が眺められる展望食堂があります。鹿肉を使ったジビエシチューも人気です。利用料金や営業期間は山小屋のホームページで確認してください。
水晶小屋
裏銀座縦走路、風の難所である水晶岳の南の肩に建ち、標高は2,900mです。収容人数は30人の小さな山小屋です。テントサイトはありません。雨水利用のため、水の供給に制限があります。水の販売量や利用料金、営業期間は山小屋のホームページで確認してください。
雲ノ平山荘
標高2,600mの雲ノ平の中に建ち、収容人数は70人です。2010年に新築されたばかりの新しい山小屋です。テントサイトは、山小屋から約25分離れたところに有ります。約50張のテントが張れます。
鷲羽岳への日帰りは?
鷲羽岳は地図で確認すればわかるように、どの登山口からも遠い位置にあります。そのため鷲羽岳への日帰りは、一番近い新穂高温泉の登山口からでも18時間ほどかかります。日帰りに挑戦するにはかなりの体力を必要とします。
新穂高温泉の登山口を1:00ごろに出発したとして、わさび平小屋~鏡平~双六小屋~三俣山荘を経て、鷲羽岳に到達するのが、10:30ごろになります。そこから来たっ道を引き返すと、新穂高温泉に戻ってこれるのは、19:00ぐらいです。往路も復路も暗い中を縦走することになります。日帰りに挑戦するなら、そのあたりのリスクも考慮して挑戦してください。
鷲羽岳登山口へのアクセス
ここで紹介した4つのルートの登山口へのアクセス方法です。
新穂高温泉へのアクセス
公共交通機関を利用する場合は、新穂高温泉へは、JR高山駅かJR富山駅からバスまたはタクシーに乗り換えます。マイカーの場合は、新穂高ロープウェイ乗り場付近に、新穂高温泉駐車場があります。約230台駐車できます。鍋平高原にも駐車場があります。約790台駐車できます。駐車料金等は新穂高ロープウェイのホームページで確認してください。
折立へのアクセス
公共交通機関を利用する場合は、折立へは、JR富山駅、または、富山地方鉄道の有峰口駅からバスに乗り換えます。マイカーの場合は、折立に駐車場があります。駐車料金は無料で、約100台駐車できます。
高瀬ダムへのアクセス
高瀬ダムへは特定の車両しか乗り入れができません。路線バスも運行されていません。公共交通機関を利用する場合は、JR信濃大町駅からタクシーの利用になります。マイカーの場合、七倉山荘にマイカーを置いてタクシーに乗り換えます。七倉山荘前に駐車場があり、約50台駐車できます。無料です。
黒部ダムへのアクセス
黒部ダムへは扇沢駅からバスに乗ります。扇沢までは、JR信濃大町駅からバスで約16分です。マイカーの場合、黒部ダムへ直接乗り入れることはできません。扇沢駅前に駐車場があります。駅前駐車場は有料で約350台駐車できます。少し離れたところに市営の無料駐車場もあります。駐車場について詳しくは、信濃大町なびで確認してください。
まとめ
鷲羽岳は、どの登山口からも遠いため、気軽に行ける山ではありませんが、そのため静かな山行を楽しめます。裏銀座や雲ノ平と絡めてぜひ訪れてみてください。
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