セイヨウニンジンボク プルプレア 3.5号苗(h23)
プロトリーフ 果樹・花木の土
はじめに
鉢植えや庭木でセイヨウニンジンボクを育てよう
あまり剪定の必要もなくこんもりとした形に整い、青みがかった紫色の小さな花をたくさん咲かせてくれるキレイな木。それがセイヨウニンジンボクです。鉢植えとして、庭のシンボルツリーとして利用している人も多い植物です。緑葉だけでなくプルプレアのような銅葉もおすすめ。特徴から育て方、挿し木での増やし方まで解説します。
セイヨウニンジンボクについて
セイヨウニンジンボクの基本情報
科・属:クマツヅラ科ハマゴウ属
原産地:地中海
学名/英語名:Vitex agunus-castus/chaste tree
別名としてイタリアニンジンボクとも呼ばれます。ニンジンボクには2種類あって中国原産のものと地中海原産のもの。頭に西洋が付くかつかないかで判断できます。
セイヨウニンジンボクの名前の由来
漢字で書くと西洋人参木となります。東洋ではなく"西洋の"ニンジンボクという意味です。先ほど中国産のものがあるといいましたが、それとの差別化としてセイヨウニンジンボクと呼ばれています。この人参とはスーパーで見かけるそれではなく、漢方で用いられる高麗人参のこと。植物の姿が似ているのが、名前が付けられた由来です。
セイヨウニンジンボクの特徴
特徴①大きさ
2m近く大きくなってしまうと剪定もしづらくなりますが、特徴である育ち方がゆっくりなこの木であれば横に広がるように整え大きさ調整が可能です。剪定を無理にせずとも、必要以上に樹姿が荒れることもなくこんもりとした形に自然になるのもセイヨウニンジンボクの特徴です。
特徴②花の時期は圧巻
樹姿だけでなく開花時期のみごとさもセイヨウニンジンボクが好まれる特徴のひとつです。小さな花が房のようにたくさん咲くので非常に見栄えがよく、誰もが目を引かれます。
特徴③管理難易度
剪定をするのが苦手という人もいるでしょう。どこを切ったらいいのかわからない。ヘタに切ってしまって一度樹姿が乱れるとなかなか直しにくいので、初心者にとって悩ましいですね。そんな人はほとんど剪定をしなくても元気に育って花をたくさん咲かせてくれるのがこのセイヨウニンジンボク。手をかけることもできるし、放置でもそれなりに自力できれいに咲いて茂ってくれる手間がかからない木です。
セイヨウニンジンボクの育て方①日常管理
セイヨウニンジンボクの日当たりや水やり
いくら手間をかけずに何とかなる木でも、日当たりや水やりの基本的なことは知っておいても損はありません。とは言っても何も難しいことはありまん。午前中の日なたが好き、乾いたらあげる。ただこれだけです。
鉢植えと庭植え水やりの違い
鉢植えの場合は、全て放置というわけにはいきませんので水切れに注意するようにしましょう。鉢植えを手で持ち上げてみて軽いようなら水をたっぷりあげてください。庭植えであれば植え付け時に注意するだけであとは雨に頼っても大丈夫です。
葉色がキレイなプルプレア
セイヨウニンジンボク プルプレア 3.5号苗(h23)
動画の中で使われている木。緑だけでなく銅葉が入ってとてもシックな色合いですね。プルプレアという品種です。プルプレアもカラーリーフ好きな人には人気があって注目されています。
プルプレアはいろんな植物にある
プルプレアというのはセイヨウニンジンボクに限った名前ではありません。いうなれば紫色の葉色になる品種に付けられる名前です。この葉色は欲しいけれど、セイヨウニンジンボクのイメージではないという人は他のプルプレアも見てみるとよいでしょう。
セイヨウニンジンボクの育て方②置き場所
庭木としてのセイヨウニンジンボク
庭木の場合は鉢植えと違って移動が簡単にできませんので、置き場所(植え付け場所)には気を使いましょう。理想とするのは、午前中に特に日当たりがよいあまり風がない日なたです。風は植物にとっては成長ホルモンを分泌させる要因にもなるのですが、この木に関しては乾燥に少し弱いので避けた方が無難です。また、大きくこんもりとした姿に成長するので周りのスペースを広く取ってください。
鉢植えのセイヨウニンジンボク
鉢植えにする場合は、持ち歩きができるのでそれほど置き場所にはこだわらずに良いでしょう。その代り鉢選びに気をつけてあげてください。鉢は大きめのものでないと倒れてしまうこともあります。玄関ポーチなど冬でも朝から日当たりのよい場所に置いてあげるのがおすすめです。
セイヨウニンジンボクの育て方③土と植え方
セイヨウニンジンボクの土作り
プロトリーフ 果樹・花木の土
鉢の選び方が出たところで土づくりについても解説します。セイヨウニンジンボク用の土は市販の花木の培養土でかまいません。花木のような大鉢に入れる土は持ち帰りが大変なので、通販を利用するのもひとつの手です。重い土を玄関先まで配達してくれます。
セイヨウニンジンボクの植え付け時期
購入したセイヨウニンジンボクを庭に植え付けるなら、春か秋のおだやかな時期が適しています。
植え付け方法
鉢の大きさよりも倍ほどの大きさの穴を掘り、腐葉土や緩効性肥料を元肥として混ぜ込んだ土を入れて植え付けます。移植を嫌う植物なので大きくなることを考慮して、移動させなくてもよい場所を選んでください。
セイヨウニンジンボクの育て方④挿し木
セイヨウニンジンボクの挿し木
セイヨウニンジンボクが気に入ったら、挿し木で自分でも増やすことが可能です。挿し木のお約束はできるだけ新しい枝を使うこと。9月に挿し木するなら今年の新枝。春3月頃に行うなら去年生えたできるだけ活き活きとした枝を使います。
挿し木のやり方①
剪定で切り取ったものも、もちろん使えます。葉を1セット(5枚ついているもの1つ)だけ残し、さらに1/3ほどにカットします。
挿し木のやり方②
挿し穂の切り口は鋭角にカットし直して、コップなどに刺して1時間ほど水あげしてから使います。挿し木の土は、菌などの心配のない新しい赤玉土を使います。(画像はペチュニアの挿し穂)
挿し木のやり方③
挿し木後、たっぷりと水をあげて日かげで発根するまで乾燥に注意して管理します。新しく葉が出てくるなど成長してもまだまだ発根が不十分なことがあります。変化があったらもう大丈夫と植え付けせず、ポットの中である程度大きくなる(しっかり根が安定する)まで見守ってから庭植えや鉢植えにしましょう。
セイヨウニンジンボクの育て方⑤剪定
セイヨウニンジンボクの剪定
剪定時期
セイヨウニンジンボクを剪定するのに向いている時期は年に2度あります。ひとつは春も近い2月頃。これは樹姿を整えるための剪定。もうひとつが秋口で、これは花をもう一度咲かせるための剪定です。気温が23度にくらいになるとグンと成長する樹木。その前が剪定する時期として適期と覚えておくと良いでしょう。
剪定のやり方
剪定時期以外でも小枝を切るのはいつでもすることができます。夏の前など枝が込み入っているようであれば軽く剪定してもかまいません。花後の枝を剪定することで、次にも花がつき開花時期が長く楽しめます。やり方は枝分かれの部分でどの枝を残すか決めて、他は切ってしまうだけ。途中ではなく分岐している部分で剪定することがポイントです。
剪定の注意点
あまり強い剪定はおすすめしませんし、伸びすぎて困る品種でもありませんのでむやみにする必要も不要です。地植えにしても鉢植えでも、内側へと伸びてくる乱れやすい枝や花後の枝を選んで切る程度のわかりやすい剪定にとどめましょう。
セイヨウニンジンボク以外も!庭木向け品種
庭木向け品種①シマトネリコ
1年中美しい緑を見せてくれるのが常緑樹の庭木たち。その中でもポピュラーで人気が高いのがシマトネリコです。冬場も休眠せず緑であるということで、お世話や手入れが必要になることもありますが庭がボウズになってしまうよりはずっと良いですね。常緑樹だから冬の寒さに強いはずという考えはご法度。弱いものもあります。壁際や周りの植物が風よけになってくれるような植え方をして映える樹木です。
庭木向け品種②ヤマボウシ
落葉樹のシンボルツリーとして多くの庭に施工されているのがヤマボウシ。枝の美しさが素晴らしい植物です。葉が落ちることを利用して、チラチラと木漏れ日を地面や壁、フェンスなどに投影して楽しむというおしゃれな効果が期待できます。夏や冬など季節の変化も楽しめます。
庭木向け品種③ヤマモミジ
庭木のお悩みといえば夏場の葉焼けという方もいるでしょう。直射日光に強い葉を持っているのがヤマモミジです。葉が密生するよりも隙間からの風景を楽しむのも、このような和の雰囲気があるシンボルツリー。のびのびと育ててあげることでこの木の良さがさらに引き出されます。
庭木向け品種④ソヨゴ
こちらは少し高木になる品種ですが、成長がとても穏やかでゆっくりなので剪定などでカバーすることもできますし、気になりません。何よりもとても日かげに強い木として人気があるのでおすすめです。このようにどこへでも植え付けることができる庭木を1~2本選んでおくと、ガーデンデザインに困らず捗ります。
庭木向け品種⑤キンシバイ
シンボルツリーの中に欲しい木といえば、美しい花がつく品種をあげる人も多いです。緑だけの庭も趣がありますが、別の色が加わるとパッと華やいだ雰囲気になりますね。低木で黄色いかわいらしい花が楽しめるキンシバイは、洋風にも和風の庭にも使えるので庭木に迷ったときに役にたってくれるでしょう。
セイヨウニンジンボクの冬の管理
庭木の冬管理
マイナス5度を下回る場所では、セイヨウニンジンボクが枯れてしまいます。庭木として植え付けている場合は株元に敷き藁をしてあげると温度が下がるの防げるのでおすすめ。また北風も直接当たらないように、植え付け時には置き場所に気を使ってあげると元気に育ってくれるでしょう。
鉢植えの冬管理
鉢植えの場合も冬でも外の日光に当ててあげてください。室内に移動させるほどではありませんが、暖かいベランダや玄関ポーチなど、直接風が吹き付けないであろう置き場所を選べば安心です。
まとめ
花もかわいいセイヨウニンジンボクを育てよう
セイヨウニンジンボクは地中海原産の低木落葉樹です。小さな花がたくさんさく開花時期の美しさがよく語られますが、緑の葉の季節も美しい木です。庭木以外にも鉢植えでも楽しむことができます。風と乾燥に少し弱いところがありますが、置き場所さえしっかりポイントを押さえれば暑さにも冬にも強いので初心者にも管理しやすくおすすめ。挿し木で増やせる植物なので、自分で新しい株を育てる楽しみもぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
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