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アオキはどんな植物?アオキの葉や実の特徴、庭木としての育て方などをご紹介!

アオキという植物の名前は知らなくても写真を見て、特徴を聞くと見たことがあるかもと感じる人も多いでしょう。それくらい庭木や垣根として人気の高い植物です。アオキにはどんな種類があるのか。その樹木としての特徴と育て方を解説していきます。
2020年8月27日
佐藤3
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はじめに

庭木に人気のアオキの植物図鑑と育て方

垣根や日陰を飾る庭木としてよく用いられるアオキという植物。樹姿は印象的で、写真や説明を見れば見たことがある、この木だったのか!という人も多いでしょう。昔から人家を彩る庭の低木として多くの人に愛されて使われています。なぜアオキはずっと長い期間庭木として愛され続けているのか、その特徴や育て方から愛されている理由を解説していきます。

洋風な庭にも使える品種もご紹介!

この木には面白い葉の形や色をしたものも作られているので、いくつもの品種の中からおすすめも紹介します。自宅に植える簡単に育てられる素敵な庭木を探しているという人必見です。

アオキの植物図鑑①アオキについて

アオキの基本情報

科・属:ミズキ科アオキ属
原産地:日本特産種(北海道から沖縄まで分布)
学名/英語名:Aucuba japonica

名前の由来

学名のアウクバとは日本語の青木葉(あおきば)由来の言葉。アオキという名前も常緑低木でいつも青い葉(緑の葉という意味)がついているからという説と、枝も青い(緑)からという説があります。

古くから品種改良されてきた低木樹木

斑入りなどの品種改良が昔から盛んに行われていたのが、アオキを始めとする低木庭木です。19世紀に珍しい植物採取しに日本にきた海外の植物ハンターは言いました。「世界中にこれほど売り物の植物の栽培を大規模にしている国はない」と。そんな昔から熱心に美しい姿の低木庭木が作られてきています。

アオキの植物図鑑②特徴

特徴①樹木の姿

背の高さは1mから3m程度の低木。常緑樹なので1年中濃い緑の葉を保ってくれるので、緑が少ない冬にも庭が寂しくなることがありません。そんな理由で垣根などに使われることも多い植物です。

特徴②葉

樹姿の核となるのがその特徴的な葉です。一般的には①厚く固い。②葉のまわりにトゲのようなトンガリ部分がある。この2点が葉の特徴になります。中には斑入りのものもあり、こちらも庭木としても人気。葉の周りのとがった部分はほとんど無い品種もあります。形は長いもの、丸みを帯びた形もあります。

特徴③雌雄異株

雄株と雌株に分かれている木のひとつです。枝や葉の見た目だけではわかりにくく、花が咲いたり実がつくことで誰でも確認しやすくなります。雌株だけ雄株だけでは結実しないので赤い実も楽しみたいという人は両方の株を植え付けましょう。

アオキの植物図鑑③別名

アオキの別名は「ダルマノキ」


さきほどアオキの名前の由来を説明しましたが、このほかにダルマノキとも呼ばれます。この名称には実の付き方に深い関係が。だるまと呼ばれるのは、次のような理由がありました。

なぜダルマノキと呼ばれる?

ダルマノキとは、実は虫に侵されている株のこと。虫が実の中にいることで赤い実がだるまのような奇形になります。よくよく注意していないと見落としがちですが、普通は実が落ちてなくなっている時期にも赤い実がついているのをきっかけにして発見されることもあります。ダルマノキの実の中にいるのはタマバエの幼虫です。

アオキの植物図鑑④花

目立たないアオキの花

真っ赤な目立つ派手な実と比べて、対照的にひっそりと目立たないのがアオキの花です。花の時期は3、4月ころ。その大きさは直径10ミリとごくごく小さなものです。花びらは4枚で色は薄紫色をしています。よく見るとこの花、2種類あることに気づくでしょう。

雌株の花

1本の木では結実しない樹木であるアオキ。イチョウのように雄株と雌株がある植物です。イチョウは葉の形の違いで小さな子供でも見分けることが可能ですが、アオキの雌雄の株は花や実が付かないとなかなかわかりません。雌花はおしべが退化してありません。その変わりとして真ん中が緑に盛りあがっている形なのが特徴です。

雄株の花

雌花と比べて雄花には、花粉をたくさんつけたおしべが4本ついているのがわかります。花の時期も雄花と雌花で多少ズレがあるのも見分ける方法のひとつ。雄花が開いたのを確認したかのように、少し遅れて雌花が咲く形になります。花が遅く咲く木が雌株と覚えておくと、実のなる確立が高い木を手に入れやすくなりますよ。

アオキの植物図鑑⑤実

固くて赤いアオキの実

庭木として愛されている理由のひとつに、2cmほどの真っ赤な実も大きな要素です。赤い実の鑑賞時期は冬。12月から翌年の春まで長く楽しめます。果肉はほぼ表面に見える赤い部分のみ。その内側に固い殻があって、さらに殻の中に種子が入っている3重となっています。

鳥に実を食べられたいアオキ

実の赤い部分だけのごくごく薄い果肉。冬の間に動物の餌が不足する時期に結実することから、この赤い実はヒヨドリなどの格好の食料となります。鳥やネズミに食べてもらうことで、固い殻の中の種子を遠くに運び子孫を増やしていきます。

アオキの植物図鑑⑥薬効

民間療法で使われるアオキの葉

実はこの葉は昔から患部に貼るしっぷ薬として、家でできる簡単な手当に使われています。切られたアオキの葉は黒っぽく色が変わるのですが、その変色する成分はアウクビンと呼ばれここに薬効成分があります。

アオキの葉の薬効成分

このアウクビンにはとても強い薬効成分が。その効能は抗炎症作用で、体に入ったばい菌などを除去し腫れ赤みを抑えます。昔からその葉は凍傷や火傷、腫れ物に民間療法として使われています。この葉の薬としての使い方は、軽く炙るのが大事。すぐ黒っぽく変わるので、それを冷まして患部に貼り用います。


アオキの植物図鑑⑦種類

庭木として植えるなら、たくさんあるアオキの品種の中から好みのものを探しましょう。原種に近いアオキは和風なテイストがありますが、斑入りのものは洋風な庭木にも多く使われます。

種類①ヒメアオキ

積雪の深い地域に生息するのがこの種類です。アオキの代表的品種ともなっています。雪にとても丈夫で周りが真っ白な世界になっても青々とした葉をたたえている美しい姿は、日本画などにも描かれています。雪に耐えるためか他の種類よりも背は低めで1mほどの低木。そのせいか花や実も他よりも小さいのが特徴です。

種類②ホソバアオキ

葉の形が他とは違った種類のひとつです。名前のとおりの見た目が特徴。アオキといえば草笛の材料としても使われる、丸みを帯びた形をイメージする人も多いですね。そのイメージの形とは違った「本当にアオキの仲間?」と感じる細さです。その葉のスリムさから涼しげな印象を受けるでしょう。葉が若いうちは周りのトゲトゲも目立たずつるんとした葉をしていますが、大きくなるほど葉が厚く、まわりのトンガリも目立ってきます。

種類③亀甲葉アオキ

この植物は低木であることともうひとつ、その葉が特徴的な植物です。ホソバアオキが葉が細いのに対してこちらは葉の模様が変わっている種類になります。葉全体が黄色で、葉脈だけ青々としているような見た目となっています。

アオキの育て方①日当たりと水やり

アオキの日当たり

アオキの細かい特徴を見てきたところで、その育て方もご紹介していきます。日本の住宅事情では、日を遮られた場所でも丈夫で育てやすい緑の庭木が欲しいという人も多いでしょう。そんな方にはアオキはおすすめです。日なた、日陰関係なく育ってくれます。

アオキの水やり

小さな鉢植えで育てるなら、表面が乾燥していたらすぐに水をたっぷり与えます。庭植えの場合は、神経質になることはなく、真夏など特に乾く季節にホースで水をかけてあげる程度で大丈夫です。夏以外は特に注意してあげなくてもほとんど枯れたりすることはないので、葉が元気でみずみずしいのが確認できれば水やりの心配は必要ありません。

アオキの育て方②植え付け・植え替え

アオキの植え付け・植え替え時期は

苗で買ってきたアオキを植え付けるのには3、4月が適期です。盛夏や真冬でなければいつでも移すことが可能ですが、適期におこなうことで移植後の成長もよく失敗の確立が飛躍的に低くなります。庭へ植え付ける場合には、株の周りに土を高めに盛り土するのが根腐れを防ぐコツです。日陰には強い植物で塀や建物の影、大きな木の陰に植えることも多いので水はけに留意した植え方をします。

アオキ用の土

アオキ用の土を作るなら赤玉土2に腐葉土を1の割り合いで配合した、有機肥料を含む水はけの良い土にします。土の作り方的には難しい配合ではありませんし、ホームセンターなどでも手に入りやすい土でできるので手軽です。

初心者におすすめの土

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一般的な土の配合なので花、または野菜用の培養土とされているものなら何でも使えます。土を買って家まで運ぶのが重くて大変。種類がたくさんありすぎて何を使ったらよいのかわからないという人は、通販を利用するのもひとつの手です。配合要らずで使える培養土は初心者におすすめ。

アオキの育て方③剪定と増やし方


アオキの剪定

アオキの良い点は少しくらい剪定を忘れてしまっていても、あまり木姿が荒れないこと。とはいえ垣根などにするには、時々剪定してあげることできれいな姿が保てます。刈り込みはせずに、清潔なハサミで節の部分を切ります。

アオキの増やし方

剪定で切った枝がもったいないという人は、挿し木でアオキを増やしてみてはいかがでしょうか。いくつかの簡単な要点を抑えることで、簡単に根が出て増やせます。挿し木以外の増やし方も試してみましょう。

挿し木

まずは剪定で切った枝でもできる挿し木の方法です。コルク化(枝が茶色くなっている)していない枝を選んで行います。葉も半分くらいに切ると水分が無駄に蒸発するのを避けられます。挿し木をする時期は1年中どこでもできますが、6、7月か9月頃が適期です。より発根しやすいでしょう。赤玉土を入れたポットなどに差して、たっぷり水を与え乾かないように日陰で管理します。

種まき

赤い実の中の種を取り出して蒔くことができます。蒔く時期は春ですので、実の収穫もそのころが望ましいです。種採りが秋や冬になってしまった時は湿らせた砂に埋めておいて春にまきます。種を乾燥させないように気をつけてください。

とり木

もうひとつの増やし方にとり木という方法がありますが、少し上級者向けになってしまいます。やり方は木質部まで皮を切り取って、水苔で多いビニールなどで巻いて発根させてください。2ヶ月ほどたって十分な根が見られたら、親株から切り離して鉢などに植え付けましょう。

まとめ

緑の葉と赤い実が美しい樹木アオキを育てよう

Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

原種に近い濃い緑の和風なものから、最近のモダンでシックな家や庭にも合うカラフルで変わった色や形をした品種改良種までアオキの魅力をご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。日陰でも問題なく育ち管理も楽な常緑樹。こんな木が一本あると冬の庭を眺めるのも楽しくなります。多くの花木センターやホームセンターで簡単に手に入りやすい植物なので、木になった方はぜひお気に入りの品種を手に入れ育ててみてはいかがでしょうか。

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