どんぐりの樹木をお庭で育ててみませんか?
ご自宅にお庭があって、木を植えるスペースが確保できそうだという方。 秋になるとどんぐりがなって、コロコロと落ちる風情が楽しめるどんぐりの木はいかがでしょうか。 どんぐりの木の中でも「アカガシ」という木があります。 実は、庭など植えるスペースがあればご自宅でも「どんぐりの木」として育てられるんですよ。
アカガシってどんな木?
アラカシは本来、野生で生育している樹木の一つで山地に多く生えています。生育環境としては、比較的温暖な地域で多く育ちます。 日本国内では雨量が多く、雲霧が多発する地域とも重なって多く生息しています。 また樹木の中でも寒さに強く、耐凍性が高いのも特徴で、冬芽や葉が凍結しにくいという強さも持っています。 公園や神社やお寺などでよく見かけられますし、防風目的の高生垣や屋敷林にされていることもあります。 カシというどんぐりの種類の中でも常緑性なのが特徴で、葉の長さが8~20cmぐらいです。 5~6月に開花し、2年目の秋にどんぐりの実がなります。 アカガシの樹皮は、幼木では緑灰黒色をしていますが、老木になってくるとウロコのように樹皮がはがれて橙色や茶色のまだら模様に変化してきます。
秋の里山は実がいっぱい#アカガシ
— tac' (@tac_h) October 13, 2017
なかなか平地では見られない。
どんぐりがなる木で、葉柄が長く葉が大きい。
どんぐりの座布団は、フカフカで少し柔らかい pic.twitter.com/s74bjQUlRL
アカガシの木や葉の特徴
アカガシ。Quercus acuta. ブナ科コナラ属の常緑高木。葉は長さ8〜18cm、中央部で葉幅が最大になり葉先は長く伸びる。コナラ属で唯一全縁の葉で葉柄が長い。どんぐりは翌年の秋に熟す2年成で、殻斗は毛に覆われビロードのような手触り。材が赤みを帯びるのが名の由来。#一日一葉 pic.twitter.com/kziUOeOark
— ポニョ熊嵐 (@kohei141) August 29, 2017
アカガシの木はよく枝分かれしており、枝が四方に張り大きく茂るのが特徴です。 葉は厚みがあり、葉の側面がギザギザとした鋸歯がありません。 また先端が細く伸びた長楕円形をしており、長さは7~15cm、濃い緑色をしており表面につやがあるのが特徴です。 ドングリの実は2~2.5cmの卵型をしており、初年度は小さめですが、2年目の夏頃に急速に生長し、その秋に茶褐色に熟します。
温暖地でも比較的育ちやすい
アカガシは関西や九州の温暖地に向いていますが、関東地方でも育てられます。 庭で育てる場合は、生垣などでは葉や樹形が幅広くなりますが、実用性は高いです。主木や寄せ植えなどで植える場合は、株立ちのものを使用するとよいでしょう。 株立ちとは、生えている木を根元から切ることによって、元々一本だった切った木の茎の部分から数本の茎が生えてくる状態をいいますが、数本の細めの茎が地面から立ち上がっている様は、一本の太い樹木が立ち上がっているのとはまた違った風情があります。
赤みのある材木に、樹皮は胃薬にも
田園調布南で回収予定の伐採木、その1:赤樫(アカガシ)、カンナの台やノミの柄などの大工道具や農機具の柄になるなど、国産木で随一の堅さを持つ銘木。白樫に比べると赤樫は圧倒的に珍しく希少。鱗状にはがれた樹皮は老木の証。なかなかの太さです。 pic.twitter.com/bhn7OwAmDO
— Yoshi (@YYoshiu) January 13, 2015
材木加工されたアカガシは、材自体の赤みが強いことから「アカガシ」と呼ばれたといわれています。アカガシ材の特徴には日本産の材木でも堅さで有名な「イスノキ」などに次いでトップクラスに堅いことが知られています。また重さもあり、水にも強いなどの特徴があります。材が緻密なので、木刀やカンナの台、船の材料や山車の車輪など、建築材や器具材として幅広い用途で使われています。 またアカガシの樹皮は、胃薬に用いられたという例もあります。
同じカシ科のアラカシとの違いは?
同じカシ科の樹木に「アラカシ」があります。こちらも同じカシ科のどんぐりの木なのですが、アラカシは常緑高木で葉が鋸歯で波状になり、下面側脈がはっきりしているのに対して、アカガシは落葉高木で、葉に鋸歯がないのが特徴です。 葉や実の大きさも違います。アラカシの葉が全長8cmなのに対して、アカガシの葉は10cm。 実はアラカシが2cmほどなのに対して、アカガシの実はそれよりも少し大きく2.5cmほどになります。 実の皿には横縞が入るのはどちらも同様です。
アカガシは自宅でも育てられる?
アカガシの生長に適した場所
アカガシを植え付ける場所としては日当たりが良く、水はけのよい砂質土壌がおすすめです。 暖地向けで、寒冷地には不向きとされますが、植栽適地は本州~九州の広い地域で育てることができます。 アカガシは本来、自生している樹木なので特別に手入れしたり配慮する必要はありません。 基本は日当たりのよい屋外で育てますが、新芽が出てきたばかりの状態の時は、真夏の直射日光が1日中当たるところや、冬の霜があたるような場所は避けたほうがいいでしょう。
水やりは特に必要なし
水やりも特に必要ありませんが、土の表面が乾いてきたら水やりをし、1か月に1回~2回、緩効性肥料を与えるようにします。冬の間は、樹木の生長の休息期になるので、肥料を与えなくても構いません。
アカガシの樹木の剪定は必要?
剪定をすると樹勢を整えられる
アカガシの木は太い枝を切り落としてもすぐに芽吹くので、枝が広がって乱れていたり、伸びすぎていたら、剪定をし樹勢を整えることができます。
アカガシの木を増やす方法
アカガシの木を増やしたいという場合は、木になって落ちたどんぐりから自然に芽が出て木になるのを待つのが、費用も掛からず一番楽な方法です。木になってほしい場所にどんぐりを蒔き、2~3cmほど土を被せておきます。 ドングリが発芽するまでは土を乾燥させないように気を付けると意外と簡単に発芽させることができます。 逆にドングリから発芽して根付いてほしくない場合は、落ちているどんぐりを掃いて集めるなどして乾燥させておきます。
ネット通販でも買えるアカガシの木
アカガシにつく病気や害虫は特にないとされていますが、うどんこ病の発生が稀に見られるので注意しましょう。 アカガシの木はネット通販でも購入できます。30~50cmぐらいの株が売られていますので、これを機会に庭に植えてみるというのもいかがでしょうか。