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アスナロとは?木材でも有名な樹木アスナロの特徴や育て方をご紹介!

日本三大美林にも選ばれているアスナロ(ヒバ)。檜のような香りと丈夫さから、様々な物に利用され人気を示しています。「ツガルヒノキ」「アテ」「クマサキ」と様々な名称を持つアスナロはどのような植物なのか?また、どのように育てるのか?をわかりやすく紹介します。
更新: 2021年7月15日
haduki0
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アスナロとはどんな植物?

アスナロとは、ヒノキ科アスナロ属の常緑針葉樹の植物です。 普段目にするアスナロの大きさは大体5m前後が一般的で、手入れをせず自然のままに生長させると約10m程にもなる大きな樹になります。

アスナロはヒノキ科ではありますが、檜よりも材質は低いとされてきました。その為、「明日には檜になろう」と言う決意と侮蔑を含めた呼び方をされ、「明日檜」「翌檜」のような書き方をされてきました。しかし、近年では檜に含まれる「ヒノキチオール」がアスナロの方が豊富に含まれていると証明され、檜と共にアスナロも需要が出てきています。

他にもあるアスナロの名称

他にもアスナロの名称には「葉の厚い檜」「気高い檜」と言う意味もあるそうです。 ちなみに、「明日には檜になろう」という名称は俗説であるという話もあります。檜よりもヒノキチオールが多く需要の差別化が出来るアスナロは、無理に檜になる必要はないと考えると、俗説であってもいいかもしれませんね。 アスナロは一般的な学名で、地方によっては呼び名が変わってきます。青森県では「ヒバ」。秋田県では「ツルガヒノキ」。岩手県・山形県では「クマサキ」。石川県・富山県では「アテ」。新潟県佐渡島では「アテビ」など、地方によって様々な呼ばれ方をしています。

アスナロの葉っぱと花

アスナロの葉は、鱗片状の小さい葉が密集して生えており、左右前後の十字対生で生えています。表面は緑色の光沢があり、裏側は白色の模様があるのが特徴です。 アスナロは、雌雄同株で区別がありません。その為、すべてのアスナロから花粉が出ます。花は小さく葉先に1つ付け、色は暗茶色または褐色の暗い色をしています。大体5月頃に開花し花粉を飛ばし始めます。そして10月頃に実を付けます。 ヒノキ科な為、檜に似ていますが、檜とは違い数年間枝についている為、枝や葉が幅広くなります。また、別種である為、鞠果の構造が多少異なります。

アスナロの花言葉


アスナロの花言葉は「永遠の憧れ」「変わらない友情」「不滅、不死」の三つあります。 どれも未来を見据えた希望の言葉ばかりです。 そのままの花言葉も十分立派ですが、アスナロの名前の由来の「明日には檜になろう」と言う決意と合わさることで一層強い意志が伺えます。 「未来を信じて生長するだけではなく、変わることのない良さも無くさない」そんな、言葉になるような気がします。 まぁ、見方を変えれば「停滞」の様な気もしますが、それは野暮なことでしょう。

アスナロの利用法

アスナロの一番の特徴は「ヒノキチオール」が檜よりも豊富に含んでいることです。 ヒノキチオールは、殺菌力と耐湿性が極めて優れています。その為、アスナロの樹は枯死しても芯まで腐ることはない耐久力を持っています。 蚊やシロアリ、ゴキブリなどの害虫はアスナロを嫌って近寄ってきません。また、ダニなども数日のうちに殺虫するそうです。殺菌作用だけではなく、殺虫作用も含まれています。 アスナロは他にも消臭・脱臭作用があります。アスナロだけではありませんが、植物は少なからず消臭・脱臭作用を持ちます。その中でもアスナロは、豊富に含まれているヒノキチオールの殺菌作用により、臭いの原因となる菌を分解する為、強い消臭・脱臭作用を持ちます。 消臭・脱臭された後のほんのりと香る檜のような香りにより、血圧の低下や疲労の減少をもたらすリラックス効果を得ることが出来ます。 丈夫で腐りにくく、カビや害虫にも強い為、御堂や寺などの大切な建築物や文化遺産に使用されることが多いです。

アスナロは様々な商品になっている?

身近の物では風呂桶やまな板などにも使用されています。どちらも水場で使用する為、腐りやすく菌の発生が気になりますが、殺菌効果で安心して使用できます。他のまな板だと菌の心配もありますが、アスナロまな板だったら金の心配もなく安心して料理が出来るでしょう。 また、アスナロから搾り取った精油は生活用品にも使われます。殺菌力強い洗剤、いい香りのする芳香剤、防虫効果の強い塗料など、幅広い活躍を見せます。 建材、観賞用だけではなく、商品開発にも利用される素晴らしい樹です。

日本三大美林 青森県の「青森ヒバ(ヒノキアスナロ)」

日本の面積の約2/3は森林で覆われていると言われているほど、日本には森林が多く存在しています。その中でも「長野県の木曽檜」「秋田県の秋田杉」「青森県の青森ヒバ」は最も美しいとされ、日本三大美林に指定されています。 青森ヒバは、和名で「ヒノキアスナロ」と呼ばれるアスナロの一種です。青森ヒバは日本原産の固有種で日本にしか生息していません。また、分布図の約80%が青森という、まさに、青森の特産的な植物と言えます。

ヒノキアスナロの特徴とは?


総面積は約61,000ha、木曽檜の約3倍、秋田杉の約7倍を誇る広大な森林地帯です。江戸時代から続き今もなお大切にされています。 樹高約10~30m、直径90cm。他の樹の約3倍の年月をゆっくり過ごした樹々は、色や木目の美しさだけではなく、丈夫できめ細やかな良質で高級な材木として扱われています。 ちなみに、青森ヒバや自生しているしているアスナロは、雪が降り積もる厳冬期に開花するそうです。零下の吹雪の中、雪と一緒に花粉が飛ぶらしいです。下手に花粉が飛び散らない為、花粉症の人にはいいかもしれませんが、アスナロの力強い繁殖能力が頭が下がります。

アスナロの育て方 「植える場所」

アスナロは北日本に多く生息している植物な為、寒さと湿気に強い植物です。その為、日陰でも十分育ちます。 逆く日光が強い場所や乾燥地帯では育ちにくい植物です。全く育たないわけではありませんが、ただでさえ遅い成長がさらに遅くなってしまいます。 建物によって日光が遮られた場所や、日光が当たりにくい北側に植えてあげるといいでしょう。

アスナロの育て方 「水やりと肥料」

アスナロは湿潤な土壌を好みます。その為、根が張るまでは土壌が乾燥しない様に水やりをしてください。ただし、根付いてしまえば水やりの必要はなくなります。 植え替え直後の根付く前までが水やりを行う主な期間です。 肥料は2月頃に化成肥料を根元に与えてあげれば十分です。ただし、土壌の栄養が豊富なら肥料はほとんど必要ありません。 水やりも肥料も初めの世話を少ししますが、その後は必要なくなってきます。殆ど、放置しているとも言える育て方と言えます。

アスナロの育て方 「病気と害虫」


アスナロは殺菌作用を持つ為、病気や害虫の被害は滅多にありません。農薬などを使用しなくてもいい、安全で環境にもいい植物です。 ただし、その滅菌効果も絶対ではありません。稀に「サビ病」や「ハダニ」と言った被害は出てしまうことがあります。その場合は薬剤や殺虫剤などを使用し駆除してください。 サビ病は「ナシ」「ボケ」「カイドウ」などの植物に発生しやすいと言われています。そこから感染しない様に近くには植えない様にしましょう。

アスナロの育て方 「剪定と手入れ」

アスナロは生長が遅い為、剪定の必要はほとんどありません。葉が密集して育ちますが、アスナロ自体が耐陰性が強く、生長の妨げになりません。むしろ剪定に弱いと言える為、頻繁に剪定することは逆効果になります。 大体年1~2回程度を目安に、成長した分だけ剪定をするといいでしょう。 年2回の剪定なら5月と9月。年1回なら秋頃が剪定時期です。 耐陰性を持っていると言っても、葉が密集していたら風通しも悪くなり、何より見た目が悪いです。余分な葉を切り落とし、内部が透けて見える様にしましょう。 もし、生け垣などにする場合は円柱状などにするといいです。アスナロは自然に生長させると円錐型に育ちます。剪定時期に形を整え見栄えを良くしておきましょう。

アスナロの育て方 「増やし方」

アスナロを増やすには挿し木をします。季節は生長期の初夏に行いましょう。 生長が良い枝を10cm程切り取り、樹陰下の土壌に挿しておきます。約2~3年ほどすれば定植し、新たなアスナロとして育っていきます。 定植するまでは特に世話をする必要はありません。あえて言えば、土壌が乾燥しない様に水やりを行う程度で大丈夫です。植え替え時と同じような育て方をしていれば大丈夫です。

まとめ

アスナロは、手入れの必要がほとんどない楽な植物です。言ってしまえば、庭に植えておくだけで勝手に育ちます。その為、庭が寂しく何か植えようとしている初心者にとてもお勧めすることが出来ます。 庭を緑に彩るだけではなく、ほのかに香る檜の香りが、心を癒してくれるでしょう。 「庭に何か植えたいけど手ごろな植物が無い」そんな、庭を持て余している人におすすめできる植物です。 ただ、アスナロもヒノキ科な為、「檜の花粉アレルギー」の人は注意してください。考えなしに植えると、花粉が舞う時期に悲惨な目に合う為、注意しましょう。