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シバエビとは?その特徴や簡単で美味しい料理をご紹介!旬の時期は?

もともと東京の芝浜一帯で盛んに獲られていたシバエビ。しかし現在では東京湾での漁獲量はほぼゼロになってしまいました。いまや有名産地は愛知県や佐賀県になりました。今回は江戸前寿司や江戸前天ぷらには欠かせない食材だったシバエビの特徴や美味しい食べ方のご紹介です。
2020年8月27日
kuma10
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シバエビの特徴は?

日本人の大好きなエビ。その中でもシバエビは和食、中華、イタリアンなどさまざまな料理に使われるとても身近なエビです。それは甘みのある小さいエビであることと、漁獲量が多いことで安価であることから使いやすいからでしょう。姿の特徴としては体長は大きい物で15cmほど。一般的には10cm前後のものがよく出回っています。水揚げ後すぐのものは透明感のある白っぽい体に特徴的な細かい黒い斑点が無数に入ります。古くなると斑点は消えますので、買う時の目安にもなりますね。

シバエビの産地

愛知県(三河湾)

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有名なMCの方がその昔「名古屋はエビフリャーばかり食っとる」と発言した通り、実は愛知県はエビの漁獲量の多い一大産地なんです。1990年には愛知県の県魚としてクルマエビが選出されているほどです。また「エビせんべい」の歴史も古く、100年以上以前より愛知県ではエビせんべいが食べられてきました。生産・出荷量は日本中のエビせんの95%以上を締め、中でも西尾市がメイン生産地になっています。シバエビは三河湾の南知多方面の地曳網で獲られています。

佐賀県(有明海)

日本の干潟全体の約4割が有明海にあり、有明海は独特で特徴的な生態系を形成しています。有明海苔やムツゴロウは有名ですよね。エビの漁獲量自体も多くその種類も多岐にわたっています。また佐賀県と書きましたが、たまたま漁獲量が多いのが佐賀県であるだけで、有明海は佐賀・福岡・長崎・熊本の4県にまたがっており漁獲量の多少はありますが、そのどの県でもシバエビの水揚げはあります。漁法は刺し網や船曳網などで、地元では「マエビ」と呼ばれています。

シバエビと近縁種

実はクルマエビ科

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シバエビは生物学上の分類で「十脚目クルマエビ科」に分類されています。「芝海老(シバエビ)」は和名で、東京湾の芝浜一帯で漁獲量が多かったからそう呼ばれるようになりましたが、属は「ヨシエビ属」になります。一般的に呼ばれているヨシエビ属の中では中小型なのですが、やはりクルマエビ科のエビだけあって小さいながら旨味、甘みは抜群です。

メニュー偽装されたバナメイエビ

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2013年頃、日本全国で「食品偽装問題」がたくさん発生しました。その中でエビに関する偽装が関西の大手ホテルチェーンでありましたが、その時偽装されたのが「バナメイエビ」を「シバエビ」として提供していたもの。しかしこれ実は「偽装」ではなく「勘違い」から起こった事。もともと中華では小さいエビはすべて「蝦仁(シャーレン)」と呼ばれ大きさで分ける習慣があります。事実料理の味で「シバエビでは無い」と発覚したものでもありません。逆にバナメイが「安くて美味い」と有名になりましたね。

シバエビの美味しい料理①

簡単おつまみ「シバエビの唐揚げ」


川エビでも海エビでも一番簡単で美味しい食べ方が「唐揚げ」ではないでしょうか。特に小さいものは唐揚げに適しています。シバエビは一部硬いところもありますが、全体的に殻が柔らかいのが特徴のエビです。揚げたてを頭からバリバリと頂いちゃいましょう。

唐揚げレシピ

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とても簡単で美味しいシバエビの唐揚げですが、ちょっとしたコツで更に美味しく食べられます。まずたっぷりの水でジャブジャブと洗います。つまようじで背ワタを抜いたら少し面倒ですが、キッチンバサミで目と目の間の角(ツノ)と尻尾の真ん中の角を切り落とします。もう一度3%ほどの塩水で洗ったら、水切りをして軽く塩胡椒し、薄く片栗粉をはたいたら低めの温度(160度まで)の油で3~4分じっくり揚げましょう。サクサク柔らかの唐揚げのできあがりです。

シバエビの美味しい料理②

江戸前「シバエビ天ぷら」

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東京湾で漁獲量の多かったシバエビが江戸前天ぷらのタネとして使われるのは当然の事です。現在は愛知県や佐賀県が産地になっていますが、かき揚げやつまみ天ぷら、天丼などに現在でも重宝されています。サクサクの甘い天ぷらは濃いめの天丼ダレをたっぷりかけた天丼にぴったりなのですが、エビ自体が小さいため揚げ方がちょっと難しいのでかき揚げに使われることが多いようです。

天ぷらレシピ

myturn1215さん(@myturn1215)がシェアした投稿 -

一本のまま揚げるのであれば唐揚げと同じように角を切る下処理をほどこしてからあげますが、江戸前のつまみ天ぷらには「ちょぼ揚げ」というテクニックがあります。殻をきれいに剥いて尻尾の先をちょんと落としたら3~4本のシバエビを尻尾でまとめてつまみ上げ、天ぷら粉にくぐたせたらそっと油に降ろして行きます。小さいエビですので、一まとめにして揚げていきます。

シバエビの美味しい料理③

シバエビの煮付け

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エビを煮付けるという料理はあまりピンと来ないかもしれませんが、シバエビの煮付けは本当に美味しくてご飯やお酒のお供に最適です。甘めに煮付けてもあっさりめに煮付けてもどちらも美味しいのですが、おすすめは少し甘めです。頭部の固い角をカットする下処理は同じ。あとは殻ごとむしゃむしゃと食べましょう。

煮付けレシピ

杉俣美江子さん(@inaka.osugi)がシェアした投稿 -

50ccの水に大さじ1の酒、大さじ1の醤油、大さじ2のみりんを加えて煮立たせます。下処理をしたシバエビを200g入れたら水分を飛ばすように煮ていきます。味が滲みたら粉黒糖(なければ砂糖)を大さじ2分の1ふりかけ、ざっと混ぜ合わせてできあがりです。レシピらしいレシピではありませんが、粉黒糖を使うとコクがぐんと上がりますよ。

シバエビの美味しい料理④

江戸前寿司「芝玉」


Takashi Watanabeさん(@takashi6533)がシェアした投稿 -

「芝玉」に関しては本当の名称は分かりません。私がアルバイトで行っていたお寿司屋さん(40年前)の店員がこう呼んでいたのでそのまま使わせていただきます。いわゆる寿司屋の卵焼きです。とにかく仕込みが大変で、家庭ではなかなか簡単にはいきませんのであまりおすすめできませんが、その旨さは折り紙つきです。しっとりと甘い海老風味の卵焼きはお寿司の締めでは定番ですよね。

芝玉レシピ

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芝玉は山芋を「あたり鉢」であたるところから始まります。山芋一片(30g位)をすり鉢であたります。よく擦ったら剥いたシバエビ一掴み(50gほど)と塩一つまみ入れ、またよく擦ります。卵5個にみりん大さじ1、砂糖大さじ1、醤油大さじ2分の1をよく混ぜ、すり鉢に少しづつ入れながらまたよくあたります。すべてがまんべんなく混ざったら「弱火」のフライパンで約30分焼きます。まな板などを使ってひっくり返しさらに10分ほど焼けばできあがりです。

シバエビの美味しい料理⑤

中華の王道「エビチリ」

関西の有名ホテルの食品偽装で一番やり玉に挙げられたのが「エビチリ」でした。小さいエビならばあまり気にせずに使う中華料理の手法ならば、はっきり申し上げてシバエビでなくとも美味しいのですが、春の旬の時期にはぜひ本物のシバエビでエビチリを堪能していただきたいと思います。プリプリ感がたまりませんよ。

エビチリレシピ

フライパンでにんにく一片と生姜一片のみじん切りを油で炒め、そこに下ごしらえしたシバエビを投入します。中火でしっかり火を通したら一旦上げておきます。調味料を全部混ぜたものをフライパン(洗わずに)に投入し、強火で沸騰させます。そこに上げておいたシバエビを再投入し、水溶き片栗粉でとろみを付け、みじん切りにした長ネギを入れてざっと混ぜたら出来あがりです。

下ごしらえ(調味液など)

殻を剥いて尻尾まですべて外したシバエビ100gの背中に軽く切れ目を入れて背ワタを取ります。塩一つまみと片栗粉を振ってもみ洗いします。よく水洗いし汚れを落としたら水分を拭き取ってから塩胡椒し、片栗粉を振っておきます。調味料は水100ccに鶏ガラスープの素小さじ1、豆板醤小さじ1、砂糖小さじ1、ケチャップ大さじ1、あればオイスターソース小さじ1、を合わせておきます。長ネギ半本をみじん切りにしておきます。

シバエビの美味しい料理⑥

シバエビはニンニクとの相性ばっちり!

シバエビのコクと甘みはニンニクとの相性がとても良く、アヒージョやパスタなどイタリア料理に良く使われます。和食では素材の持ち味を殺さないよう味付けは薄め、ないしはそのものの味を引き立てるように味付けますが、シバエビは香りの強いニンニクや酸味の強いトマトなどに合わせても風味が損なわれることはありません。ハーブなどをふんだんに使った料理にもぜひシバエビを使ってみてください。

簡単美味しい「ガーリックシュリンプ」


シバエビとニンニクを一番堪能できる料理は「ガーリックシュリンプ」でしょう。ハワイ料理の定番ですが、ハワイの場合は「カフク」という産地のエビが有名ですね。オリーブオイルにニンニクのみじん切り、塩胡椒を混ぜたものをビニール袋に入れ、下処理をしたシバエビを一晩漬け込みます。後はフライパンで焼くだけです。簡単なのに美味い。手と口が止まりませんよ。

シバエビの旬は?

旬は冬から春

シバエビの旬は一般的に「寒い時期」と言われていますが、旬は冬場の小さいシバエビを使うレシピと春の大きめのシバエビを使うレシピで旬が変わります。唐揚げや卵焼きに使うのならば冬場の小さいものが旬、エビチリなどに使うのならば春が旬と言えるでしょうね。

シバエビの寿命は1年

シバエビは夏の繁殖期を過ぎるとオスもメスも死んでしまうという特徴があります。つまり1年限りの寿命なんです。そして西日本が産地で冬の漁が最盛期となるエビは実はシバエビだけなんです。ですから小ぶりの冬のシバエビがスーパーなどで安く出回り「旬は冬」と思われる事が多いのですが、産卵前の大きめのものが出回る春も味は変わりません。シバエビの旬は使う料理の種類で変わります。

美味しいシバエビを堪能しましょう!

魚処なかたさん(@nakata1928)がシェアした投稿 -

名前の由来になった江戸前のシバエビは現在漁獲はありませんが、美味しい食べ方は生きています。網で大量に獲れるために出回る時期にはそうお高くなく手に入ります。産地以外でもそれは同じです。まだまだ美味しいシバエビはこれから出回りますから、ぜひプリプリで甘いシバエビを堪能して下さい!

エビの事がもっと気になる方はこちらもチェック!

今回は「シバエビ」に特化して食べ方などをご紹介させていただきましたが、エビは食用のものや釣りエサ用のものなどさまざまあり、簡単に説明しきれません。「暮らし~の」のサイトの中から食用のエビについて詳しい記事と、釣りエサ用のエビについて詳しい記事を選んで載せておきますので、用途に応じて覗いてみてくださいね。