屋上庭園の魅力とは
屋上庭園(屋上緑化)と言えば、かつては高層ビルや鉄筋コンクリート造のマンションなど限られた住宅でしか見ることはできませんでした。しかし、2008年以降から国が定める屋上庭園での排水勾配規定が緩和されたため、一般的な木造住宅でも屋上庭園を設置するハードルが低くなりました。建設費用も年々安くなってきているので、現在では多くの方が屋上庭園で素敵なライフスタイルを実現しています。
屋上庭園のメリット・デメリット
屋上庭園には大きな夢があります、今までできなかったことが色々な形で実現可能であり、屋上に新たなプライベートエリアを作ることのメリットは無限大にあるでしょう。とはいえ、屋上庭園の文化はまだ浅いのも事実です。わくわくすることばかりに目を向けてしまうと、肝心な注意点を見逃してしまいます。ここでは、屋上庭園のメリットとデメリットについて詳しく解説したいと思います。
屋上庭園のメリット①心身リフレッシュ
春夏は柔らかい風の温もりを感じることができて、秋冬になれば爽やかな空気を肌からとりいれることができます。屋上は風通しがよいので、普通の庭と違い四季折々の新鮮な気候を細かく気づくことができるでしょう。一戸建て住宅の土地がまるまる1面庭園になっているので、広々とした空間にペットを放して自由に遊ばせたり、子供はもちろん大人まで誰にも迷惑をかけずにはしゃぐことができてしまいます。
見晴らしの良さ
一戸建て住宅の屋根の上に登った景色を想像してみて下さい。おそらくほとんどの方が、家のうえに上がる経験なんてしたことないはずです。住宅街なら周囲に特別大きな建物も無いので、家の屋上が360°見渡せる素晴らしい展望デッキにもなります。現代人(特に都心部の人々)は、日常生活で遠くを見る習慣が減ってきています。仕事から帰宅したらすぐに屋上庭園へ上がり、目のリフレッシュが出来るなんて素敵です。
屋上庭園のメリット②安全な遊び場
屋上庭園では、広いスペースを活かしてBBQやガーデニング、映画鑑賞などさまざまな遊びが待っています。これらレジャーは普通の庭や特定の公園でも行うことは可能ですが、子供を見守る親としては周囲の環境をしっかり気にしていなければなりません。車が多い道路沿いなら、子供が道路に行かないように注意しますし、迷惑行為をされたり子供自らが他人にしてしまったり、安心を作り出すには大人の努力が必要不可欠でしょう。
屋上庭園なら心配不要
屋上庭園は、ほぼ完全なプライベートエリアなので、周囲の環境にそこまで意識的に注意を配る必要はありません。大声で叫んだり、あまりにも行き過ぎた行動はさすがにNGですが、公共の施設で遊ぶより遥かに心配要素が減ることは間違いないでしょう。いわば箱庭のような空間なので、常に子供や視野の中におけるので、子育て世代の親としては負担が少なくなる嬉しいポイントです。
屋上庭園のメリット③周囲の視線が減る
日本の主要都市近郊は土地代が高いので、最近では一戸建てを建てるさいに、庭を作らない又は極小サイズの庭を設置する家庭が増えています。すぐ目の先には隣人が生活しており、家前の道路には通行人も歩いています。そんな中でBBQをしたり、チェアーを置いてくつろぐこともできますが、やはり周りの視線が気になるものです。屋上庭園の最大のメリットとも言えるのが、プライベートの確保です。
家の中にいるような感覚で過ごせる
ペットを走らせたり、子供を自由に遊ばせたりすることだけが屋上庭園の魅力ではありません。大切な友人を招いてホームパーティーをしたり、カフェバーのような演出を作って夫婦水入らずのひと時を満喫したり。誰にも見られたくない時を、清々しい外の空気をすいながら過ごすことができるのです。これは屋上を有効活用しなければ手に入れることはできないでしょう。
屋上庭園のメリット④緑化
緑化に力を注ぐことも、屋上庭園の醍醐味でしょう。天然芝や人工芝、観葉植物に季節の花など、好みに合わせた自分だけの空中庭園を作れば、住宅の屋上が癒しの場所に変わります。緑化を行うメリットとしては、ただ気分が良くなるだけなど精神面に働く効果だけでなく、涼しさを手に入れる効果もあるのです。風が吹き抜ける屋上が涼しいのはもちろんですが、芝を敷くことで住宅に蓄積される太陽熱を軽減する役割もあります。
屋内の気温が1~4℃下がる
住宅の屋上に天然植物を植え込むことで、土壌や芝が断熱材の代わりとなって、直下の部屋の気温が下がるという研究データが公開されています。曇りの日で1~2℃、天気の良い日で2~4℃も部屋が涼しくなると言われています。夏場のエアコン代は節約することができ、なおかつ環境にも優しいので、今後屋上庭園がさらに普及すれば温暖化対策にもなりえる期待がもてるでしょう。
屋上庭園のメリット⑤仕事のやる気アップ
帰宅が楽しみになる家というのは、仕事をはかどらせる重要な役目を果たします。仕事で成功している人の多くは、遊ぶことや休むことを大事にします。仕事終わりに屋上庭園で家族とのんびり夜の時間を過ごしたり、夜空を眺めながら晩酌セットに舌鼓するなど、ストレスを上手に発散することで明日のエネルギーを保つことに繋がるでしょう。
屋上庭園のデメリット①季節と気候
次に屋上庭園のデメリットをいくつか紹介いたします。まず1つ目は季節と地域によって異なる気候です。真冬の風が強い日など、想像しただけでも屋上の寒さが伝わってきます。また雪が多くふるエリアでは、木造住宅では屋上庭園を設置することすら出来ないケースも考えられます。冬場使っていない時期でも、掃除や防水素材の定期メンテナンスなども欠かせないので、割と面倒がかかることも覚えておきましょう。
冬は緑化も難しい
日本芝は夏芝とも呼ばれており、冬の寒い時期は茶色く変色して一時的に枯れてしまいます。暖かくなると再び美しいグリーンを取り戻しますが、冬の屋上庭園は見た目的に少し見劣ることが想定されます。芝生以外の植物たちも種類によっては成長が止まったり、葉がなくなるなど変化をしますので注意が必要です。海外種の冬芝を導入したり、冬でも元気な植物を置くなどの対策をしておきましょう。
屋上庭園のデメリット②雨漏りのリスク
屋上の屋根を取りのぞいて、人間が活用できる場所にするということは、それなりの防水加工が大事です。屋上庭園に使う防水シートは、樹脂を塗装するだけのFRP防水や、防水シートを張りめぐらせる工事があります。これらの方法で雨漏りを防ぐことは可能ですが、100%とは言い切れないのが懸念すべき点です。木造住宅の屋上庭園では、防水力は確実に通常の屋根より劣ってしまうことを覚えておきましょう。
おすすめは金属防水
防水シート工事やFRP加工では、雨漏りのリスクがあるだけでなく、寿命がきたら交換するなどメンテナンス費用も発生してしまうのでおすすめできません。木造住宅で屋上庭園を設置するさいの、防水工事のおすすめは金属防水です。銅板を用いた防水方法で、強度が高く雨風はもちろん地震や家事にも強いのが特徴です。また、金属防水の大きなメリットはメンテナンス不要という点です。
屋上庭園のデメリット③部屋が暑くなる
メリットでは屋内が涼しくなると伝えましたが、それは緑化による効果です。つまり、屋内に空間を作ったとしても、全体的に芝を敷き詰めなければ断熱効果は得られません。それどころか屋根を失ったことで、本来防げていたた直射日光のエネルギーも、屋上で吸収してしまうため真下の部屋が暑くなることがあります。
緑化も併せて工事を計画しよう
屋根の役割は雨風を防ぐだけではなく暑さからも家を守ってくれているので、取り除くことは快適空間を手に入れることと引き換えに、室内の温度を高めてしまうリスクがあることを知っておきましょう。対処法として、屋上庭園をつくるときは、芝を育てるなど緑化もセットで行っていく必要がありそうです。
屋上庭園を設置する費用
ひと昔前では、一戸建ての一般家庭に屋上があるなんて、お金持ちしか実現できない夢のようなイメージがありました。しかし、現在は設置にかかる費用はかなり安くなりました。新しく家を購入する場合の費用と、今所持している家に屋上を増築する(リフォーム)費用の相場を紹介します。
屋上庭園を新規注文する費用相場
新規注文で一戸建てを建てるときの、屋上庭園の一般的な費用は100万円~200万円といわれています。最近では技術の成長から格安で工事が進められるようになったので、普通の屋根ありの住居とほぼ変わらない費用で注文を依頼することができてしまいます。
リフォームによる費用相場
魅力が深まるばかりの屋上庭園ですが、現在すでに一戸建ての住宅をお持ちの方でも、リフォームによって作り出すことは可能です。次に、リフォームにかかる費用を確認してみましょう。
屋根の取り壊し費用を確認
屋上を設置するには、まずは現在の屋根を取り壊す工事から始めなければなりません。費用は屋根の種類や平米によって大きく異なりますが、普及率の高いスレート屋根の解体費用は、だいたい30万円から50万円程度です。解体料金+屋上リフォーム代金をトータルすると、後付け屋上庭園のリフォーム費用は、150万円~300万円が相場だと予測が立ちます。
屋上庭園を有効活用しよう
屋上の活用方法は幅広く、人それぞれ抱いている夢は異なるでしょう。それでも、屋上庭園を設置した多くの人が共通して実践していることがあります、それは家庭栽培です。野菜を作って楽しむだけじゃなく、実際に食卓に並べたりして、子供も大人も楽しめる家庭栽培という活用方法は人気です。
屋上で野菜・植物の作り方
屋上での野菜や植物の作り方として、まず必要なものは「枠」「耐根シート」「保水、排水マット」「透水シート」「土」の5点です。次に作り方の手順を解説します。
枠の作り方と注意点
地上で野菜を作るときは、枠はどんなタイプを選んでも構いませんが、屋上で使う枠は必ず軽量化された素材を選ぶようにしましょう。枠の作り方は、育てる品種にあわせて広さを設計して、四角形になるように作って下さい。
耐根シートを張る
枠が完成したら、植物の根っこから建物を保護する目的で、耐根シートを枠内全面に張っていきましょう。
保水、排水マットを敷く
植物が成長するのに必要な水分を効率よく吸い込ませてあげることと、不要な水分を排出しやすくするために、保水、排水マットを敷きましょう。
透水シートを敷く
作り方のコツとして、土を流し込む前に透水シートを敷きます。これは土が各マットやシートへ入り込むのを避けるためです。
土を入れる
枠内に土をまんべんなく入れたら、野菜や植物を作るための環境は完成します。注意したいのは、屋上庭園には1平方メートルにおけるものの重量が180㎏と定められています。なので、枠もですが土自体も軽量化された商品を選ぶように工夫することが、作り方のポイントになります。
まとめ
屋上庭園には人々の夢がたくさん詰まっています。有効活用して自分だけの快適空間を作っていきたいですね。ただし、忘れてはいけないのがデメリットです。屋上庭園の作り方や特性、リフォームの注意点など正しく理解して、納得の一戸建て屋上庭園を完成させたいですね。
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