9坪ハウスとは
1人の建築家が9坪ハウスの原型を生み出したことが、2002年のグッドデザイン賞の受賞、そして9坪ハウスが世に広まることに繋がっていました。
増沢洵の「増沢邸」が原型
昭和の建築家の増沢洵が、敷地9坪で吹き抜けのある小さな住宅、「最小限住宅」を建築したのは、第二次大戦の終結後まもない1952年のことです。小田急線の東北沢駅前という住宅密集地の立地に、はじめて建てられたこの家が、現在の9坪ハウスの原型となったのです。
9坪ハウスの生みの親・増沢洵
増沢洵(ますざわまこと)は、大正14年に生まれてから、独自の建築を志した人です。日本建築家協会理事や東京大学工学部の講師も務めるほど、一流の建築家として名を馳せた人でした。
ブーフーウーが販売するデザイン住宅
増沢洵の考案した9坪ハウスは、B00-Hoo-Woo(ブーフーウー)のデザイン住宅シリーズとして、設計と販売がされています。今では220名もの多数の住宅デザイナーが在籍、増沢洵の原則に基づきながら、無限に自由な形の家が生み出されています。
9坪ハウス5つの原則
何事も原則が存在しているのが世の常ですが、9坪ハウスにも当初から決まった5つの原則がありました。
平面は正方形(3間四方)
9坪ハウスでは、図面に描くと、正確な正方形となるように設計が行われます。1辺あたりの長さは3間と決まっています。1間は1.81818メートルなので、3間は5.45454メートルです。これは9坪ハウスで狭すぎず広すぎず、最低限のスペースを確保できるサイズです。
3坪の吹き抜け
住宅には3坪分の吹き抜けがあることも、9坪ハウスの特徴です。吹き抜け構造によって、9坪ハウスの空間の狭小さを感じさせません。吹き抜け横には外からの光を取り入れる大きな窓が取り付けることは通常仕様で、開放感が出て洗練されたデザインになります。
14.8尺の切妻屋根
切妻屋根とは横から見たときに三角形となる、左右対称の形状をした屋根のことです。切妻屋根は屋根裏のスペースを設けないことにより、2階部分の空間を広く使うことができます。
円柱を使う
住宅には角柱よりも円柱を取り入れるほうが、角が取れた分だけ、空間を広めに使える効果があります。また、円柱にすると柔らかなデザインになるために、これが採用されています。
メインファサードの開口部
9坪ハウスはメインファサード(住宅の正面)の開口部を作るのが、原則に含まれています。これによって9坪住宅がありきたりなものにならず、デザイン的に優れた見た目になります。
9坪ハウスの魅力①
無駄な空間がない
9坪という限られた狭小な空間だからこそ、図面に描かれる全ての間取りは、自然と無駄が排除されます。狭い場所を無駄なく使えるデザインは、評判の高い生活のしやすさに直結しています。
壁は収納棚にできる
例えば9坪ハウスでよく見られる間取りでは、収納棚の作り付けが特筆されます。壁を作ればそこは単なる壁じゃなく、1面の収納棚となって、物が多い人にとって嬉しい構造になります。また吹き抜け空間のスペースも、棚として無駄なく機能を果たせることもできます。
屋根の下まで空間は一体的
9坪ハウスの5つの原則にある通り、屋根裏をなくしていることで、天井高を出して広々とした印象をもたせています。1階から2階の天井までは吹き抜けで繋がって、全ての間取りが一体的なのです。
9坪ハウスの魅力②
室温の管理が行き届く
大きな家は確かにご立派としか言いようがないですが、そこはかとなく冷暖房が効きにくいことは、いつも実感される問題です。しかし9坪ハウスの場合は、その狭さを活かして室温管理が素早く、まんべんなく行き届くというメリットは大きくなります。
エアコンの空気が隅々に
2階建て9坪ハウスでは、2階にエアコンを付けたとしても、無理がありません。吹き抜けによって2階の涼しい風が、1階に到達するためです。冬の暖房でも同様な効果を生み出します。
吹き抜けで風通しもよい
図面や写真を見れば大きな窓が特徴的な9坪ハウスでは、窓を開ければ上から下へ、風通しが良くなるのも評判の理由です。住宅の風通しは、部屋の湿度を瞬時に下げて家屋を守り、暑い日もエアコンなしで涼しく過ごせる効果を生み出します。
9坪ハウスの魅力③
窓を自在に設置できる
四方が凹凸のない平面の壁になっている9坪ハウスは、窓の取り付け方のデザインが自在となります。住宅地でできるだけ日中の明かりを取り込んで、明るく暖かく過ごしたい人には、うってつけの住宅デザインが完成します。
壁一面の大きな窓
壁の1面が全て窓ガラスといった図面も、珍しくないのが9坪ハウスです。窓が大きいことで明り取りの効果が発揮されるほか、屋外の庭と一体的になるために、狭小さを排除する効果が期待されます。
9坪ハウスの魅力④
庭を広く取れる
狭い日本では、庭を持つことに憧れている人ばかりです。庭があることで緑のきれいなガーデニング空間を作ったり、庭で余暇を過ごせたり、かぼちゃを作れたりと良いことづく目です。庭を広く取れることは、9坪ハウスを購入した人の誰もが喜ぶ、評判なメリットです。
狭い敷地でも庭を作れる
敷地自体が狭いとしても、ある程度、庭を確保できやすいことは、土地面積に制限のある人の評判を高めています。狭いといっても、住宅密集地ならば、実は周囲の家々よりずっと広い庭かもしれません。
ウッドデッキも自在
9坪ハウスでは、リビングの間取りに合わせたウッドデッキも自在に配置できます。図面を元に広く作ったウッドデッキは、テーブルと椅子、それにお肉を並べて、週末の美味しいバーベキューの舞台にもなります。
9坪ハウスの魅力⑤
駐車スペースを確保できる
庭が十分に確保できるなら、駐車スペースを作ることもできます。都会では家は建てられても駐車場はムリで、高い駐車場料金に泣く人も、後を絶たない状況です。しかし9坪ハウスなら、家も庭も、駐車場までも全部欲張りになって図面に悠々と描き加えられます。
土地面積によっては2台以上も
庭がかなり広めなお宅ならば、駐車台数は2台以上も可能です。自転車ガレージを設置できたりと、庭の全体が窮屈になりにくいことも、高い評判を得られる理由です。
9坪ハウスの魅力⑥
建築の価格が安い
一般的な2階建て住宅に比べて、建築価格をかなり低減できることは、9坪ハウスの2階建ての金銭的な魅力の一つです。柱や梁から、壁材、屋根材に至るまで、用いる部材が小さめ・少なめなことで、全体の価格が抑えられているのです。
建設の価格帯
9坪ハウスの建築では、800万円から1,000万円程度の価格に抑えることができます。これが金銭面からも9坪ハウスの評判が高い理由です。土地代や外構工事などを含めても、平均的な一戸建てより遥かに安い価格で実現できます。
9坪ハウスの魅力⑦
光熱費を低下できる
光熱費を低下させられるという、利点も大きくなるのが9坪ハウスです。一般的な住宅に比べて光熱費が低くなるのは、面積の狭小さが効果的に作用するためです。
冷えやすく温まりやすいから
部屋数が少なく面積が狭いことに加え、吹き抜け構造の図面を見ても、夏はクーラーで冷えやすく、冬はヒーターで温まりやすい構造なのは理解できます。エアコンが効いたらこまめに消すことにより、光熱費が下がるのも当然です。
9坪ハウスの魅力⑧
固定資産税を低額化できる
各自治体では、一戸建て住宅や土地の所有者から、毎年のように固定資産税を徴収しています。持ち家で暮らすなら、絶対に忘れてはならない要素です。賃貸物件以外は、どんな住宅でも例外ではないですが、9坪ハウスは固定資産税を低額化できる方法としても評判です。
固定資産税の算出
固定資産税には、個人が所有している土地や住宅の面積、購入した時の住宅の価格、経年劣化などの情報を元にして算出されています。計算方式は基本的に「課税標準額×税率ー軽減額=固定資産税」という形になります。
固定資産税対策に
9坪ハウスの場合、住宅面積が小さいということ、新築でも価格が低く抑えられていること、この条件によって、固定資産税を低減される効果が出やすいのです。固定資産税は多額の支払いは御免こうむるという人なら、一般的な住宅よりは断然9坪ハウスです。
9坪ハウスのデメリットは
といった風にメリットが色々で評判の良さが目立つ9坪ハウスですが、気になるデメリットも存在していました。このへんは9坪ハウスを建築する前に、予め頭に入れておいたほうが良さそうです。
地下を作るとコスト拡大
面積が狭く感じる9坪ハウスでは、どうしても地下室または3階を作る家主も、珍しくはありません。しかしこれによって、建築コストがかなり高めに伸し掛かってしまいます。2階建てだけで十分という人に、9坪ハウスが向いている理由がこれです。
多くの家具を搬入できない
家財道具を増やしたいとなってもスペースが足りず、家具を入れることで一層窮屈さを実感してしまうのが、9坪ハウスの運命です。必要な家具を入れられないデメリットは、人により大きな悩みになります。しかし克服するアイデアも存在しています。
日陰になりやすい
一般の住宅よりもコンパクトで、軒高も低い2階建ての9坪ハウスは、住宅密集地では日陰になりがちなのが実情です。周囲は背の高い住宅ばかりな環境となれば、ますます日陰に陥って、暗い家になってしまう可能性があるでしょう。
9坪住宅のアイデア
9坪ハウスを建設する時にはこんなアイデアにより、間取りや部屋につきまとう悩みを解消することができます。
折りたたみベッド
ベッドは必要とは言え、部屋の中を専有して狭くする原因にもなります。9坪ハウスではなおさらそんな傾向にぶち当たりますが、これを解決するのが折りたたみベッドです。普段はベッドを折りたためば、部屋の空間を広々と使えるようになります。
家具はできるだけ折りたたみに
ベッドに限らず、テーブルや作業台などの家具も、9坪ハウスでは折りたたみをおすすめします。普段使わないときは端っこに収納して、間取りの狭小さを感じさせません。
間取りの仕切りは可動式に
部屋の仕切りには壁を設けて、きっちり間取りを分けるのが従来の家造りでした。しかし9坪ハウスの場合、狭小という特徴があるために、壁で仕切ると狭さが色濃くなります。逆に部屋の間仕切の壁を付けない、あるいは仕切りは可動式にすることで、区間を広く使えるようになります。
天窓をつける
日陰が多くて日中の明かりが足りない家なら、天窓を付ける対策があります。2階の屋根に取り付けることで、吹き抜けを通じて1階までも日光を取り入れることができます。
ウッドデッキを生活スペースに
もし庭にウッドデッキを作った場合、そこはリビングと繋がった部屋の一部となります。勿論ウッドデッキに、固定資産税は関係ありません。多くの9坪ハウスの在住者がウッドデッキを好んで図面に描き加えたいのは、より自宅を広く使えるがためです。
9坪住宅住んでみる?
1952年に誕生して以来、いくつもの魅力的な家が作られてきた9坪ハウスは、昭和のアイデアながら、新しい時代にマッチする住宅形態です。狭さを感じさせないデザインとメリットに溢れた家なので、これから家を建てたい全ての人におすすめします。
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