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650ネイキッドバイクを徹底比較!スペックを比較して最速対決!

650ccのネイキッドバイクをスペックシートの数値のみで比較します。車体サイズ、足回り、エンジンなどのスペックを比較し、各項目のランキングからは意外な結果が判明?650ccのネイキッドバイクは楽しい走行性能とカジュアルな雰囲気が魅力です。
2020年8月27日
hosokawa_taka
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650ccネイキッドバイク決定戦:はじめに

650ccのネイキッドバイクは車体サイズとエンジンパワーのバランスが高いので人気があります。スポーティで楽しい走行性能や、カジュアルな雰囲気も魅力です。

ここでは国内メーカーから販売されている650ccのネイキッドバイクを徹底比較し、項目別ランキングを記載します。後半ではモデル別におすすめポイントと課題を抽出し、4モデルから見える650ccネイキッドバイクの傾向を見出します。

650ccのネイキッドバイクの人気

650ccのネイキッドバイクには、これまでも一定のファンがいました。楽しい走行性能を備えたモデルが多かったためです。カワサキのZ650フォア(ザッパー)、ホンダのブロス・プロダクト1などの名車が思い浮かべられます。

2019年3月27日現在で国内販売されているホンダのCB650R、ヤマハのMT-07、スズキのSV650、カワサキのZ650を題材にスペックを比較しながら検証していきますね。

650ccバイクの比較!車体サイズ

楽しいミドルネイキッドがスペックで対決①

【車体サイズのランキング表】

順位 全長
mm
全幅
mm
全高
mm
1 Z650
2,055
MT-07
740
CB650R
1,075
2 MT-07
2,085
SV650
760
Z650
1,080
3 CB650R
2,130
Z650
775
MT-07
1,090
4 SV650
2,140
CB650R
780
SV650
1,090
平均値 2,102.5 765.0 1,083.8

※2019年3月29日現在の数値。
※同じ数値の場合、全長が短いモデルを優位にしました。

650ccのネイキッドバイクは大型バイクにしてはコンパクトな車体サイズです。多くの教習所で用いられているNC750Sの全長は2,215ですので、平均値よりも112.5mm長くなっています。

全長2,080のCB400スーパーフォアとの差は22.5mmしかありませんので、400cc並みの車体サイズといっても過言ではありません。

平均値を基準に検証すると…

650ccのネイキッドバイクを平均値を基準に検証すると、コンパクトなZ650とMT-07、大柄なCB650RとSV650に分けられます。

もっともコンパクトだったのはZ650で、250ccネイキッドの名車バリオス2よりコンパクトです。もっとも大きいSV650でも、250ccとしては大柄なGSR250とほとんど違いがありません。

650ccバイクの比較!足回り

楽しいミドルネイキッドがスペックで対決②

【足回りのスペック】

  フレーム サスペンション
フロント リア
CB650R ダイヤモンド
ツインチューブ
φ41倒立 非リンク式
7段
MT-07 ダイヤモンド φ41正立 リンク式
9段
伸び側調整可
SV650 ダイヤモンド
トラス構造
φ41正立 リンク式
7段
Z650 ダイヤモンド
トレリス構造
φ41正立 リンク式
7段

※2019年3月29日現在のデータ。

足回りはライダーの好みで選ぶべきで、スペックだけでは判断できません。ですので、仕様のみを確認します。

フレーム形式

ダイヤモンドフレームはエンジンとフレームで剛性を確保しています。スポーティで楽しいバイクに用いられることが多いフレームですね。しなやかなフレームと剛性感が高いフレームがあり、エンジンの性格に合わせて設計されます。

フロントサスペンション

フロントの倒立フォークはバネ下荷重を軽量化し、サスペンションの動きをスムーズにできるのがメリットです。正立フォークはオーソドックスでありながらライダーの疲労が少ないといえます。

リアサスペンション

リアのリンク式サスペンションは路面追従性が高く、乗り心地に優れています。非リンク式サスペンションはメンテナンス性に優れていて、アフターパーツへの換装もしやすいですね。

サスペンションの調整機構

650ccのネイキッドバイクを足回りの仕様で比較すると、リアサスペンションの伸び側を調整できるMT-07が優位だといえます。サスペンションの調整機構は多いに越したことはありません。

リアのプリロード調整は全てのモデルで可能ですが、フロントのイニシャルアジャスターを装備しているモデルはありません。

650ccバイクの比較!エンジン

楽しいミドルネイキッドがスペックで対決③


【エンジンスペックのランキング表】

  最高出力
kW(PS)
/rpm
最大トルク
N・m(kgf・m)
/rpm
排気量
cc
1 CB650R
70(95)
/12,000
MT-07
68(6.9)
/6,500
MT-07
688
2 SV650
56(76.1)
/8,500
Z650
65(6.6)
/6,500
Z650
649
3 MT-07
54(73)
/9,000
CB650R
64(6.5)
/8,500
CB650R
648
4 Z650
50(68)
/8,000
SV650
64(6.5)
/8,100
SV650
645
平均値 57.5(78.0)
/9,375
65.3(6.6)
/7,400
657.5

※2019年3月29日現在の数値。
※同じ数値の場合、最高出力が高いモデルを優位にしました。
 


650ccのネイキッドバイクは排気量に見合った最高出力を発生させるエンジンを搭載しています。いずれも水冷4ストロークのDOHC4バルブエンジンですが、直列4気筒のCB650R、直列2気筒のMT-07とZ650、V型2気筒のSV650と、エンジンのタイプはそれぞれで異なります。

エンジンパワーはCB650Rの一人勝ち!

650ccのネイキッドバイクをエンジンの出力で比較すると、CB650Rの一人勝ちだといえます。高回転型でパワフルなエンジンですが、直列4気筒ですので低回転時のギクシャクした扱いにくさはありません。ホンダがCB650Rに尖った性能のエンジンを与えたのは、NC750Sに扱いやすいエンジンを搭載しているためです。

650ccバイクの比較!街乗り性能

楽しいミドルネイキッドがスペックで対決④

【街乗りスペックのランキング】

  車重
kg
最小
回転半径
m
軸距
mm
シート高
mm
1 MT-07
183
Z650
2.6
MT-07
1,400
SV650
785
2 Z650
187
MT-07
2.7
Z650
1,410
Z650
790
3 SV650
197
CB650R
2.8
SV650
1,450
MT-07
805
4 CB650R
202
SV650
3.0
CB650R
1,450
CB650R
810
平均値 192.3 2.8 1427.5 797.5

※2019年3月29日現在の数値。
※同じ数値の場合、車重が軽いモデルを優位にしました。

650ccのネイキッドバイクの車両重量は街乗りでも手ごわさを感じない範囲だといえます。小回りが利く軸間距離も魅力的です。どのモデルも街中で扱いやすいバーハンドル仕様になっています。

比較的に高いシート高が気になります。しかし、足つき性はシート形状やライダーの体格に左右されることが多い項目ですので、実車確認が必要です。

楽しさをとるか?安心感をとるか?

650ccのネイキッドバイクの街乗り性能は、どの項目でも2位以上を獲得したZ650が優れているといえます。

足つき性さえクリアできればMT-07も有利ですね。コンパクトな車体サイズや瞬発力があるエンジンも街乗り性能を高めています。SV650はシート高で健闘していますが、大柄な車体サイズが気になります。

650ccバイクの比較!高速道路

楽しいミドルネイキッドがスペックで対決⑤

【理論上の速度ランキング】

  最高速度
km/h
最大トルク
発生時の速度
km/h
6速100km/h時の
エンジン回転数
rpm
1 CB650R
247.9
CB650R
175.6
MT-07
4,204
2 MT-07
214.2
SV650
174.7
SV650
4,635
3 SV650
183.4
MT-07
154.7
Z650
4,650
4 Z650
172.0
Z650
139.8
CB650R
4,843
平均値 204.3 161.2 4,583

※2019年3月29日現在の数値。

650ccのネイキッドバイクを理論上の速度を計算すると、最高速度にばらつきがあることに気づきます。最大トルクを発生させるエンジン回転数も同様です。しかし、6速100km/hのエンジン回転数は大差ありません。

しかし、最高速度はどのモデルも常識範囲内の速度を超えていますので、高速道路では余裕を感じられるでしょう。最高速度が高いほど余裕があると捉えるか?最高速度が低いほど扱いやすいと捉えるか?それはライダーの判断です。

ミドルネイキッド最速はCB650R!

理論上の最高速度ではCB650Rが最速だと断言できます。4気筒エンジンならではの高回転時の伸びが要因です。MT-07も2気筒モデルながら健闘しました。

Z650の最高速度は低く、400ccに近いといわざるを得ません。この結果についてはモデル別の考察で後述します

650ccバイクの比較!ツーリング

楽しいミドルネイキッドがスペックで対決⑥

【ツーリングスペックに関するランキング】

  燃費WMTC
モード値
km/L
燃料タンク

L
航続距離

km
1 sv650
26.6
Z650
15
SV650
372.4
2 Z650
24.0
CB650R
15
Z650
360.0
3 MT-07
23.9
SV650
14
CB650R
319.5
4 CB650R
21.3
MT-07
13
MT-07
310.7
平均値 23.95 14.25 340.65

※2019年3月29日現在の数値
※同じ数値の場合、燃費性能が高いモデルを優位にしました。

650ccのネイキッドバイクを燃費性能で比較します。ツーリングでは航続距離を重視するライダーが多いからです。

スペックを確認すると、それぞれ数値に違いはあるものの、満タンで300km以上走行できますので、ツーリングでの航続距離に不自由は感じないといえます。

SV650とZ650は優秀!

650ccのネイキッドバイクの航続距離を比較すると、SV650とZ650が優秀であることが分かりました。SV650は燃費のよさが功を奏し、航続距離は1位です。シリンダーごとに2本のスパークプラグを用いたことが燃費性能に貢献していると考えられます。

650ccバイクの比較!価格

楽しいミドルネイキッドがスペックで対決⑦

【価格ランキング】

  価格 円(税別)
1 SV650
684,000
2 MT-07
720,000
3 Z650
728,000
4 CB650R
890,000
平均値 755,500

※2019年3月29日現在の価格

650ccのネイキッドバイクの価格は排気量とクオリティに見合っているといえます。当然ですが、400ccよりは高いのですが、750ccや900ccよりは安いですね。

しかし、605ccのネイキッドバイクは装備を含めて考えると割高感があります。最新の電子制御やトラクションコントロールをそなえていませんので、装備は400ccに近いからです。そんなシンプルさが650ccネイキッドのメリットだと捉えましょう。


コスパはSV650がナンバーワン

650ccのネイキッドバイクを価格で比較すると、SV650の安さが目立ちます。MT-07とZ650は同じくらいの価格ですが、CB650Rは飛びぬけて高いですね。

クオリティに比例して価格が高くなるのは仕方りません。しかし、「高価=楽しい」といえないのが650ccのネイキッドバイクの特徴。性能よりもフィーリングを重視した選び方がおすすめです。

中古車はどう?

SV650やMT-07は一度マイナーチェンジしていますので、旧モデルの中古車は比較的に安いといえます。現行モデルの中古車が市場に多く出回るにはもう少し時間が必要です。CB650Rは2019年の3月に販売が開始されたばかりですので、しばらく中古車は出回らないと考えられます。

650ccバイクの比較!CB650Rの考察

楽しいミドルネイキッドがスペックで対決⑧

出典: https://www.goobike.com/catalog/HONDA/CB650R/index.html

ホンダのCB650Rはもっともスポーツ性が高いといえます。4気筒エンジンならではの高回転の伸びや、中回転域でのレスポンスなど、楽しいエンジンを搭載したミドルネイキッドです。

CB650FをフルモデルチェンジしてCB650Rが開発されましたので、信頼性にも期待できます。アップライトなライディングポジションや、幅広なハンドルはコントロール性が高いですね。

価格以上の価値がある?CB650R

CB650Rは質感が高いので、価格以上の価値を感じられます。しかし、価格は高いといわざるを得ません。この価格であれば、フロントサスペンションにイニシャルアジャスターを装備してほしいですね。

足回りの装備や実用性を考えると、CB650RよりもCB400スーパーフォアのほうがお買い得に感じます。同じ価格帯なら、トラクションコントロールを装備しているスズキのGSX-S750も魅力的です。

650ccバイクの比較!MT-07の考察

楽しいミドルネイキッドがスペックで対決⑨

出典: https://www.goobike.com/catalog/YAMAHA/MT_07/index.html

ヤマハのMT-07は270度クランクのトルキーなエンジンや、伸び側を調整できるリアサスペンションがおすすめポイント。軽量でコンパクトな車体も魅力的です。

スペック比較ランキングでは多くの項目で中以上の結果を残していますので、汎用性が高いミドルネイキッドだといえます。楽しい走行性能をそなえていますので、ツーリングで活躍すること間違いありません。

ツーリングで扱いやすいMT-07

MT-07はツッコミどころがないという印象です。初心者からベテランまでを納得させられる懐の深さがあります。ツーリングに適したスペックをそなえていますので、荷物の積載性を高めてほしいところです。

カタログスペックだけで比較したり、実用性や経済性を重視したりすると、下位モデルであるMT-03やMT-25と競合しかねません。

650ccバイクの比較!SV650の考察

楽しいミドルネイキッドがスペックで対決⑩

出典: https://www.goobike.com/catalog/SUZUKI/SV650/index.html

スズキのSV650はスズキらしさにあふれた独自性がおすすめポイントです。価格以上に楽しい走行性能をそなえていますので、コストパフォーマンスの高さが光ります。ホットカスタムはS2コンセプトのTANTO(短刀)TOP FAIRING KIT!

ワンプッシュでエンジン始動できるスズキイージースタートシステムや、極低速でエンジン回転数が落ち込まないよう制御するローRPMアシストは、地味ながらも便利な装備です。

SV650は競合モデルが多い

出典: https://www.webike.net/sd/23910008/

SV650Xへの装着例

SV650はMT-07と比較されることが多いですね。独自性が強いSV650か?トータルバランスが高いMT-07か?対極する2モデルを比較するのは、650ccのネイキッドバイクに楽しい走行性能を求めるユーザーが多いためだと考えられます。

予算があればGSX-S750のほうがホットな走りを楽しめます。ツーリングをメインに使うならVストローム650も検討しましょう。グラディウス650の中古車もおすすめです。

650ccバイクの比較!Z650の考察

楽しいミドルネイキッドがスペックで対決⑪

出典: https://www.goobike.com/catalog/KAWASAKI/Z650/index.html

カワサキのZ650はフレンドリーなキャラクターが際立っており、街乗りからツーリングまで楽しめるオールマイティさがおすすめポイントです。

Z650は尖ったスペックをそなえていませんので、少し地味な印象を受けます。しかし、エンジンスペック以外では上位に入る項目が多いですね。ザッパーやゼファー750で培ったノウハウを活かしたコンセプトに、カワサキ車らしさを感じます。

Z650をZシリーズの下位モデルと比較


カワサキのZシリーズは理論上の最高速度を一定にして、排気量が上がるほど扱いやすくなります。6速100km/hのエンジン回転数は排気量が大きくなるほど低くなりますので、高速道路ではZ650が有利です。

しかし、実用性や経済性を重視すると、Z650よりもZ250やZ400のほうが魅力を増します。ちなみに、理論上の最高速度は、Z250が175.7km/h、Z400は171.2km/h、Z650は172.0km/hです。

650ccバイクの比較!結果発表

楽しいミドルネイキッドがスペックで対決⑫

【総合ランキング】

  1位
獲得個数
2位
獲得個数
総合得点
1位×2点
2位×1点
1 6
MT-07
8
Z650
16点
MT-07
2 4
SV650
4
MT-07
14点
Z650
3 4
CB650R
4
SV650
12点
SV650
4 3
Z650
1
CB650R
9点
CB250R

※同数の場合、1位もしくは2位の個数が多いモデルを優位としました。

650ccのネイキッドバイクのスペックを比較し、1位と2位の獲得個数を総合ランキングとしました。1位はトータルバランスが優れたMT-07でした。

2位は2位の獲得個数が多かったZ650、3位は車体サイズ以外で健闘したSV650、4位のCB650Rはエンジンスペックで健闘しました。

650ccのネイキッドバイクは楽しい

650ccのネイキッドバイクのスペックを比較すると、キャラクターの違いが明らかになりました。特に印象的だったのはZ650の理論上の最高速度。低い最高速度に戸惑いましたが、Zシリーズのコンセプトが明らかになりました。

スペックシートに記載されている数値のすべてを検証していませんので、参考程度のランキングだと捉えましょう。スペックシートには表れない性能を加味すると、もっと楽しいランキングになると考えられます。

650ccバイクの比較!ネイキッドの傾向

650ccのネイキッドバイクは楽しい走行性能を重視して開発されているため、上位モデルと比較すると装備がシンプルです。バイク本来の楽しさを味わうためだといっていいですね。

しかし、足回りの装備までシンプルになっています。トラクションコントロールは上位機種の特権であっていいでしょうが、バイク本来の楽しさを追求するモデルにしては、サスペンションの仕様が寂しいいですね。

敢えて苦言!サスペンションの仕様

650ccのネイキッドバイクのサスペンションは仕様が250ccのネイキッドバイク並みです。650ccのネイキッドバイクに楽しい走行性能を期待するライダーは多いので、サスペンションの調整機構は標準装備して欲しいですね。

フルアジャスタブルだと最高ですが、せめてフロントのイニシャルアジャスターは欲しいところ。初期設定のまま乗り続けるライダーが多いためか、コストダウンの対象になっています。

650ccネイキッドバイク決定戦:まとめ

ミドルネイキッドをスペックシートの数値をもとに徹底比較しました。CB650Rのひとり勝ちかと思われましたが、2気筒モデルが検討しましたね。

性能とイメージがかけ離れているバイクを所有すると、ダメージが大きくなります。スペックシートに隠されたメッセージを読み解く作業も楽しいですよ。そんな泥沼に足を入れるとバイク選びも楽しいのですが、もっとも大切なのは、バイクは性能よりも相性です。

ミドルクラスが気になる人はこちらをチェック!

ミドルクラスのバイクの概要を紹介した記事もチェックしてください。ここで比較した4モデル以外にも、楽しい650ccネイキッドバイクはたくさんあります。

また、大型バイクの免許を取得したいと考えている人は、二輪免許の取り方を案内した記事をチェックしてください。大型二輪免許を取得すれば、安全運転の見直しもできますよ。