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アイゴとはどんな魚?その釣り方と美味しい食べ方をご紹介!毒はある?

防波堤釣りなどで外道として扱われているアイゴ。トゲトゲの背びれにマダラのつるんとしたボディー、触ってみると筋肉質でいかにも美味しそうな魚なのに、毒を持っていることから捨てられることの多い魚です。今回は毒針を持つアイゴの釣り方や美味しい食べ方のご紹介を致します。
更新: 2021年11月23日
kuma10
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アイゴってどんなお魚?

日本では本州以南のほとんどの沿岸で見られる「アイゴ」。南洋系の「シモフリアイゴ」と分けて考えられていますが、ほとんど同じものだと思って良いと思います。

さて、アイゴと言えば「毒魚」として有名ですが、味はどうなのでしょうか。関東地方ではあまり食べられていませんが、関西以南では結構調理される、スーパーなどにも並ぶほどの一般的なお魚のようです。

アイゴの毒について

刺されたら一応病院へ

アイゴは発生する時には本当に大量に発生する魚です。関西方面の方でしたらきっと喜ばれることなのでしょうが、関東方面ではもともとあまり食卓に上る魚ではありませんでした。

「臭い」「毒がある」「ヌメヌメしてる」などいろいろな理由がありますが、漁師にとっては「海草を食い荒らす」「網に大漁に掛かって漁をダメにする」などとにかく(特に神奈川の漁師町ではよく話題に上るほど)嫌われ者でした。

刺された方が入院する騒ぎになったこともありますので、「刺されたら一応病院へ」行きましょう。

釣れたらすぐに処理

大量に発生する魚ですので、防波堤釣りなどで「外道」として掛かることがよくあります。もしも調理して食べるのであれば、毒のある「鰭(ヒレ)」の部分を全部切り取って持ち帰りましょう。

内臓を食べないのであれば頭と内臓もその場で落としてしまいましょう。実はこの内臓が臭いのもとになっていますから、それだけでも料理し易くなると思います。

毒魚がもっと気になる方はこちらもチェック!

毒を持っている危険魚はアイゴだけではありません。普段の釣行で出会うことのある危険魚について詳しい記事が「暮らし~の」のサイトの中にありますので併載しておきますね。興味のある方はこちらもチェックして下さい。

アイゴを釣ってみよう!

アイゴの仕掛け

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アイゴはもともと堤防チヌや磯グレなどの外道として釣れ上がって来る魚です。さばき方や調理の仕方さえ覚えてしまえばとても美味しい魚なのに「アイゴ狙い」をする釣り人はあまりいません。

ですから仕掛けもアイゴに特化した仕掛けはあまり一般的ではありません。おすすめは「グレ仕掛け」の流用になります。アイゴ狙いで釣行し、グレやチヌを「外道」として釣る釣り方もアリかも知れませんね。

アイゴの釣り方(コツ)

アイゴの釣り方はオーソドックスな「ウキフカセ釣り」です。5m前後の1号~2号磯竿とリールのセットにグレ仕掛けを付け、潮に馴染ませる(フカセる)ようにエサを落として行きます。

コツは仕掛けの部分になります。まずは「ウキ」。アタリの微妙なアイゴには波風の無い時には「細めの自立ウキ」を使いましょう。次に「オモリ」です。グレよりタナが深いので、グレ仕掛けに「ガン玉」1個か2個プラスして使いましょう。


アイゴのさばき方

毒針の処理をしてから

アイゴの食べ方の前に毒針の処理でもう一つ大切なことがあります。あまり知られていませんが、アイゴには「隠し針」が1本存在します。その場所は目と目の間の上、「おでこ」の部分です。

ここに1本だけ「逆さ針」が付いています。しまわれていると見えにくいので、ハサミの先などで持ち上げて確実に切り落としましょう。釣り上げた現地で頭を落とす場合、この針でやられることが多いので気を付けて下さい。

ぬめりを取って三枚おろし

アイゴの調理をする場合、ウロコの無い魚なので煮たり焼いたりする前にウロコを取る必要はありません。ですが、皮が粘液に包まれているので、よく水洗いし、包丁の背などでヌメリをこそげ落としましょう。

最後にキッチンペーパーなどでぎゅっと拭き取ると臭いも気にならなくなりますから、それから調理に入りましょう。三枚おろしは毒針さえ処理してあれば比較的簡単なお魚の部類に入ります。

アイゴの美味しい食べ方1

お刺身

新鮮なアイゴが手に入ったらまずはお刺身でいただきたいものです。よく「臭い」と言われるアイゴですが、身が臭いわけではありません。それどころか「爽やかな」磯の風味があり、お刺身にぴったりの魚です。

身質は鯛とニザダイの中間のような上品な身質で、きれいな血合いが入り、釣れたてなら弾力が強く、寝かせるともちっとします。

お刺身レシピ(裏ワザ)

アイゴは実は「ニザダイ亜目」の魚で、ニザダイ(サンノジ)の親戚にあたります。身質が似ていると前項でご紹介いたしましたが、皮のさばき方も同じで結構です。

つまり包丁で皮を曳かなくとも、皮をつまんで頭の方から一気に剥けば綺麗に剥けてしまいます。ただしこのさばき方ですと甘皮が残りますので、バーナーで炙りましょう。普通にお刺身するより美味しいですよ。

アイゴの美味しい食べ方2

アイゴの塩焼き

アイゴは塩焼きで美味しい魚です。塩焼き一つとってもいろいろな料理方法があるのですが、アイゴ初心者には三枚におろした身だけの塩焼きをおすすめします。

中には毒針を切っただけのアイゴを、内臓も取らずにそのまま丸焼きにする方法もあるのですが、臭いがダメな場合がありますので、まずは身だけを料理して楽しみましょう。

塩焼きレシピ

アイゴの塩焼きで気を付ける事は「皮の処理」です。一つはヌメリ取りをきちんとすること。もう一つは皮目に火が入ると皮が縮みクルリと曲がってしまうので、できれば串打ちをするか挟んで焼ける焼き網を使って料理しましょう。

あとは炭火で調理しない場合は「遠火の強火」でじっくりと焼きましょう。ほっくりとした甘い塩焼きが楽しめますよ。

アイゴの美味しい食べ方3


アイゴの干物

どんなお魚も美味しくする調理方法が「干物」「一夜干し」です。それはアイゴにも言えますし、それどころかアイゴの一夜干しは本当に美味しい食べ方です。

アイゴは大きい物になると40cmオーバークラスもありえます。1匹をお刺身で半身、一夜干しで半身、などいろいろな料理で楽しみましょう。

干物レシピ

アイゴを干物にする場合、やはり気になるのは毒針と内臓。これをすべて取り去り、背開きにしていきます。画像のように尾頭付きでも良いのですが、頭部のさばき方にコツがいるのと、釣った場所でのすばやい調理になりますので、頭を落とした背開きが簡単で良いと思います。

開いたら海の水に5分ほど漬けて干しておきましょう。家庭でやられる場合は、10%ほどの塩水で5分漬けでOKです。

アイゴの美味しい食べ方4

アイゴの煮付け

アイゴは煮付けるとしっとりとした旨味のある身になる魚です。磯魚特有のにおいもあまり気にならないのですが、さばき方によっては臭いが付くこともあります。たっぷりの生姜と一緒に煮付けましょう。

煮汁のレシピは下に紹介いたしますが、関東風、関西風、どちらも美味しい料理ですので試してみて下さいね。

煮付けレシピ

関西風煮汁レシピ:水100cc、酒100ccに醤油大さじ2、みりん大さじ3、生姜1片を輪切り。これを沸騰させてアイゴを入れたら落し蓋をして15分で完成です。

関東風煮汁レシピ:鍋にアイゴを敷きます。その上に砂糖大さじ2、醤油大さじ2、みりん大さじ2、酒大さじ2、生姜1片の輪切り、水50~100ccを掛け、鍋に火を点けます。

沸騰してきたら中弱火で魚に汁を賭けながら15分くらい煮ます。どちらも美味しいですよ。

アイゴの食べ方特別編

スクガラス

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アイゴの稚魚が沖縄方面では夏に回ってきます。それは毎年旧暦の6月1日頃とされ、新暦では大体夏休みの突入時期になります。沖縄では何トンというアイゴの稚魚を1年分塩漬けにして楽しみます。

アイゴの稚魚を「スク」、塩漬けを「ガラス」と呼び、沖縄では「スクガラス」として瓶詰めのものがよく売られています。もちろん獲れたてのものはそのままお刺身(生)でもいただきますが、その量は僅かです。

スク豆腐

スクガラスを使った料理で一番有名なのが「スク豆腐」です。濃厚で硬めの沖縄豆腐を一口大に切ったものにスクガラスを1~2匹のせてそのままいただきます。まるで「日本製アンチョビ」のようですね。

漬け汁はタイやベトナム料理のナンプラーのようにチャンプルーの味付けなどにも使われます。食べる時の注意が一つ。スクは頭からいただきましょう。棘が刺さると痺れますよ。

スクの唐揚げ


新鮮なスク(アイゴの稚魚)はもちろん刺身でもいいですが、「唐揚げ」が絶品です。軽く塩胡椒したスクに薄く小麦粉をはたき160度ほどの油で揚げていきます。きつね色に揚がったら油切りをして、(できれば)シークワサー(レモンでも可)を絞っていただきます。初夏の最強のおつまみです。

アイゴのカラスミ

アイゴには大きな卵巣が入ります。これを塩漬けにして干すと「カラスミ」になります。秘密のレシピを載せておきますので、大漁の時に挑戦してみませんか。卵の血管から血を丁寧に取り除き、たっぷりの塩で5日ほど漬け込みます。

毎日出てきた水分を捨て塩を足します。5日後、5時間ほど水で塩抜きをしたら酒に3日漬け込み、10日ほど天日干しします。夜は冷蔵庫にしまいましょう。約20日間で美味しいカラスミのできあがりです。

アイゴのぜんまい

アイゴのさばき方で難しいのは「内臓の臭みを残さない」ことだと紹介いたしましたが、実はこの内臓を食べる文化が四国や瀬戸内海ではあります。

緑色の部分を掃除して煮付けても焼いても「とても」美味いらしいのですが、申し訳ありませんが筆者は試したことがありません。例えるならば高級なモツのような味わいだそうです。

仕掛けも釣り方も簡単なアイゴです。この食べ方もたくさん釣れた時に試してみましょう。

アイゴ裏話

民間療法など

筆者にとってはアイゴは本当に子供のころから身近な魚でした。地元では「アイゴ」でしたが、関西方面からの転校生が「バリ」と呼んでいました。後で調べるとバリは「シバリ」「イバリ」、つまり「尿」のことだったのです。

あの臭いからの名称なんですね。そして地元では、アイゴに刺されたら「アイゴの目を潰してどろっと出てきた液を塗る」という民間療法が普通に行われていました。

個人的に効果はありましたが、医学的に根拠のある治療法ではありませんので試さず病院に行くことをおすすめします。

アイゴは美味しい魚です!

今回は毒魚アイゴのさばき方や釣り方について紹介して参りましたが、食べる事に関してはずっと昔から食文化に入っていた地域も、アイゴは食べない(食べなかった)文化圏もあります。

しかしどんな釣り方をしても釣れてしまう魚であることも確かです。せっかく釣れた魚ならば、どうせなら美味しくいただきましょう。食べれば目からウロコ。きっとアイゴファンが増えると思います。

アイゴの生態などがもっと気になる方はこちらもチェック!

アイゴのさばき方や釣り方は分かったけれどもっとその生態や地方名などが知りたいと思われる方もおられるでしょう。「暮らし~の」のサイトの中にアイゴの基本情報に詳しい記事がありましたので、併載しておきますね。興味のある方はこちらもチェックして下さいね。