ワイヤープランツってどんな植物?
ワイヤープランツは、その名の通りワイヤー(針金)のようなプランツ(植物)という意味で、針金のように細くて光沢のある赤茶色の茎のイメージから生まれた名前です。原産地はニュージーランドで、タデ科、ミューレンベキア属の観葉植物です。茎は最高5mほどに延び、茎に茂る丸い可憐な葉は色鮮やかなグリーンですが、20種ほどの品種の中にはマーブルのような模様や淡いクリーム色などもあります。
ワイヤープランツの性質
ワイヤープランツは、ほふく性といって茎が地表面に這うように伸びていきます。それを利用して地植えで、花壇の土が見えているスペースに這わせて、雑草の予防をしたり、またツルは何かに絡ませて伸びていく性質のものではありませんが、身近に寄りかかれる高さのものがあればそれに沿って伸びていく性質がありますので、トレリスや寄せ植え、地植えなどでガーデニングを楽しむことが出来ます。
ワイヤープランツの花や花言葉
ワイヤープランツは7月頃から秋にかけて小さな薄い黄緑色の花を咲かせます。花が終わるとプルンとした透明感のある実が成り、実の中央には黒い種が出来ます。花も実もとても小さくて可愛らしいのですが、育つ環境によっては簡単に花は咲いてくれません。丁寧な水やりや、日当たりに考慮し、肥料をしっかり与え、花が咲きやすい環境を作ることが大切です。花言葉には「憧れ」「純愛」「あなたを思っています」などがあります。
ワイヤープランツを育ててみよう
市販のワイヤープランツを購入
ワイヤープランツは花の後に黒い種が出来ますが、他の植物と違って種からの育て方は普及していませんが、一般的には春先から初夏にかけて出回る鉢植えを購入し、室内で楽しみながら育てることが出来ます。また、ポット苗もありますので、ポット苗を購入する場合は植え替え用の鉢と用土も用意します。用土は小粒の赤玉土を6、腐葉土を3、パーライト1の割合で配合した土に緩効性化成肥料を混ぜたものなどを使いますが、それらがバランスよく配合された市販の培養土も便利なのでこちらもおすすめです。
ポット苗を購入の場合
ポット苗を購入した場合は、用意した植え替え用の鉢の底にネットを敷いて穴を塞ぎ、底石を入れたら培養土を鉢の3分の1までいれます。ワイヤープランツをポットから出し、土をそっと落とし、植え替え用の鉢に入れて、すきまや周りに土を足していきます。最後に鉢底から水が出るまでたっぷり水を与えます。地植えの場合は、深さと直径それぞれ20cmぐらいの穴を掘り、掘った土に腐葉土や堆肥を4割ほどまぜて、約半分戻します。ワイヤープランツの株を入れたら、隙間に土を入れて、最後に水を与えれば地植えの完成です。詳しい育て方は次の章からお話していきましょう。
ワイヤープランツ、育て方のポイントは?
水やりは丁寧に
ワイヤープランツが枯れる原因の第一は水切れと言われるほど、水やりはとても重要です。乾燥には十分に注意してください。しかしだからといって頻繁に水やりをすると常に土が濡れた状態になり、そうなると根腐れを起こしてしまいます。ですから常にタイミングを見極めた水やりを心掛けるようにしてください。またワイヤープランツは葉っぱが小さく、乾燥しやすいので、特に春から夏にかけては霧吹きなどで葉っぱに水分を与えることも水やりの時に併せて行う事をおすすめします。生育が緩やかになる秋から冬にかけては今度は水やりの回数を減らし、土が乾いた時に水を与えるようにします。
肥料の与え方
肥料は生育期である春から秋にかけて、緩効性化成肥料を2か月に1度与えるか、または液体肥料を、2週間に1度の見当で与えます。また真夏の施肥は逆に枯れる恐れがありますので注意が必要です。
日当たりと場所
生育旺盛なワイヤープランツは基本的には場所を選ばず、日向でも日陰でも元気に育ちますが、真夏の直射日光は人間も日焼けをするように、植物も葉焼けをしますし、高温多湿にも弱いので窓辺の風の通る半日蔭での育て方をおすすめします。冬の寒さにも強く、地植えで冬の寒風や霜で葉が冬枯れしても土の中の根が元気なことが多く、春には葉が出てくる可能性が高い植物です。室内での冬の育て方は日当たりのよい窓辺に置くのが良いでしょう。
ワイヤープランツを増やそう!
ワイヤープランツの育て方がわかったところで、次は増やし方をマスターしていきましょう。細く華奢なツルに、つやつやの丸い葉っぱをつけて垂れ下がる姿が魅力的なワイヤープランツ、そんなかわいらしいワイヤープランツですが、とても生育旺盛なのでどんどん伸びていきます。伸びすぎたツルは切り戻し剪定しますが、この切り戻し剪定したツルを使って数を増やしていきます。
どんな増やし方があるの?
増やし方には3つの方法があります。挿し木、水挿し、株分けなどです。挿し木は土に、水挿しは水に挿して根を生えさせ苗を作ります。そして株分けはワイヤープランツの根を分割し苗を育てる方法を取ります。行う時期や方法などはそれぞれ違うので次の章からは1つずつ紹介していきましょう。
ワイヤープランツの増やし方・その1
挿し木で増やす
挿し木の増やし方は、ツルを短く切って土に挿して育てる繁殖方法です。初心者でも簡単に出来、失敗率も少ないので挑戦してみて下さいね。
挿し木の時期は?
ワイヤープランツは切り戻し剪定する事で風通しや茂り具合も良くなるので年に1度は切り戻し剪定を行うことが望ましく、切り戻し剪定の時期は、生育期の5月から6月中旬ごろが適期とされています。挿し木も切り戻し剪定と同じ5月~6月頃に行えば、剪定の時に切り戻した枝を使えるのでベストな時期といえます。
挿し木用の土は?
用土としてはピートモスやバーミキュライトはどちらも水持ちが良いのでこの2つを同じ割合でませたものや、赤玉土(小粒)なども良いでしょう。また市販の苔玉に挿し木をすればお部屋のインテリアにもなり楽しみながら育てられますね。
挿し木の手順は?
剪定の時の切り戻した枝から節が6~7くらいある葉のついた枝を用意します。下側2~3節についている葉を取り除き、枝を土に挿します。その際、切り口をつぶさないように注意しましょう。あとは直射日光を避けた明るい場所で水を切らさないように管理し、芽が出て根が伸びてきたら鉢に植え替えます。
ワイヤーフランツの増やし方・その2
水挿しで増やす
ワイヤープランツ2つ目の増やし方は、水挿しです。水挿しも挿し木と同様に切り戻した枝の中から葉のついた6~7節くらいの長さの枝を用意します。挿し木の時と同様に、下側の2~3節の葉を取り去った枝を水を入れた容器に挿せば水挿しは完成です。大抵は数日で発根しますが、発根するまでは毎日お水を替えて下さい。透明の容器に入れると発根の様子がよくわかり、楽しみながら育てることができ、鉢植えや地植えをせずにそのまま水耕栽培で楽しむ事も出来ます。管理の場所は挿し木同様直射日光を避けた明るい場所に置いてください。
植え替えしたら
鉢への植え替えや、地植えした時の注意として、水差しで発根したものはお水の中で育っていたため、鉢に植え替えたり、地植えをしてしばらくは吸水力が弱いので環境に慣れる1週間くらいの期間は土が乾かないようにたっぷりと水やりをして下さい。
ワイヤープランツの増やし方・その3
株分けで増やす
増やし方の3つ目は、株分けです。ワイヤーフランツは生育旺盛で環境が良いとすごく茂りますので株を切り分けてあげます。株に根がついているので、新しい土にすぐに根付き、またすぐ大きく成長します。
株分けの手順は?
ワイヤープランツを鉢から抜き出し、根の土をもみ落とします。この時に枯れたり傷んだ葉も取り除き、黒ずんでいる根があればこれも切り取ります。株を剪定ばさみなどで2つか3つに切り分け、個々に新しい土を入れた鉢に植え替えます。水を十分に与え、直射日光を避けた明るい場所で1週間から2週間管理します。元気になってきたら通常どおりに育てます。
株分けの時期は?
冬の時期や湿気で弱る梅雨期と根が傷みやすい真夏の時期を避けた4月~5月と猛暑が過ぎた9月頃が適しています。
ワイヤープランツの楽しみ方・寄せ植え
ワイヤープランツは生育旺盛で、室内はもちろん、屋外でも冬の寒さに耐えることが出来る観葉植物です。またほふく性なのでハンギングやリース、高いところに飾って垂らすなど、いろいろな楽しみ方が出来ますし、他の植物とも相性がよく、寄せ植えにもぴったりで、いろんな組合せを楽しむことが出来ます。
寄せ植えの組み合わせ
上に向かって成長する花との組み合わせ
パンジーや花かんざしなどの花と一緒に鉢植えにする事で色彩豊かで可愛らしい寄せ植えになります。
上に向かって成長する植物との組み合わせ
てまり草やユーカリグーニーなどと組み合わせることによって根元を覆ってより素敵な観葉植物に変身します。
下に向かって伸びる植物との組み合わせ
グリーンネックレスや、アイビーなどとの組み合わせることによって華やかなイメージを楽しめます。
水差しで発根させた植物どうしの組み合わせ
アイビーやポトスなど水挿しで発根させたものと一緒にガラスの容器で水栽培として育てるのもなかなか素敵です。
ワイヤープランツのトラブル対処法
水不足や水のやり過ぎに注意!
ワイヤープランツは育て方も増やし方も比較的簡単なのにうっかりしていると葉っぱが枯れてきたりします。ワイヤープランツは水が好きな植物ですから水切れに注意して育てましょう。しかし逆にあげすぎると今度は根腐れ状態になりますので、土が乾いたらたっぷり上げることでどちらも解消されます。
直射日光に当て過ぎない!
ワイヤープランツは明るい場所が好きですが、長い時間直射日光に当たると葉が焼けて枯れる原因になります。場所的には半日蔭での管理がベストです。
ハダニに注意
ハダニはどんな植物の葉にも寄生しますので、特定の条件の元で発生する病害虫よりも発生率が高く、被害が拡大しやすく、大量に増殖しますので見つけ次第駆除しましょう。しかしハダニは水に弱いので葉を霧吹きで湿らせたり、薬剤などで簡単に駆除することが出来ますので対処法さえ知っていればそれほど恐れることはありません。
葉が落ちたり、チリチリになったら?
風通しが悪かったり、水の過不足や根詰まりで起きる場合がありますが、このような状態になるともう元には戻らないので切ってしまいます。そうすることでまた新しく芽が出て蘇ります。
まとめ
小さな葉を細い枝に沢山茂らせたかわいい観葉植物、ワイヤープランツの育て方や増やし方などをご紹介してきましたがいかがでしたか?半日蔭で水不足と水のやりすぎに気をつければ冬は0度まで耐えることが出来、霜で枯れても根が死んでなければ春には復活するという、かわいいのにとても頼もしい植物です。他の植物とも大変相性が良く、寄せ植えにすれば相手の植物との相乗効果でより一層素敵な観葉植物に仕立てあげることが出来ます。また3通りほどの増やし方もどれも簡単でしたね。手始めにワイヤープランツの小さな鉢植えを購入して、ワイヤープランツの増やし方や寄せ植えに挑戦してみてはいかがでしょうか。ぜひ、グリーンのある生活を楽しんでみて下さい。
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ワイヤープランツと一緒に水栽培や寄せ植えが出来る植物もありますよ、ぜひ参考にしてみて下さいね。
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