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ヒメツルソバとは?金平糖のような花が咲く植物の特徴と育て方を解説!

小粒で可愛らしい花がたくさん。金平糖のように可愛いのに雑草のようにたくましい。この植物の名前はヒメツルソバといい、育て方は簡単です。暑さや乾燥に強くグランドカバーにもOK。ヒメツルソバの特徴を踏まえ、植え方や水やりの仕方、環境、増やし方について解説します。
2020年8月27日
おとはねくみこ
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ヒメツルソバとは?育て方を解説!

金平糖のような花のヒメツルソバ

小さくてぽこぽことした突起が集まる球体。何かを連想しませんか。そう、金平糖です。小粒でピンクで可愛らしいこの植物はヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)。通りがかりの住居や公園、河原などでみかけたことがあるのではないでしょうか。お手入れをしていない天然の野原で自生するくらいタフで手間いらず。グランドカバーにもOKです。そんなヒメツルソバの特徴や育て方を解説いたします。

ヒメツルソバの基本情報

【科名】タデ科【属名】イヌタデ属(ペルシカリア属)
【学名】Persicaria capitata(Polygonum capitatum)
【別名】ポリゴナム、カンイタドリ(寒虎杖)
【英名】Victory carpet、Pink-head knotweed
【原産地】ヒマラヤ【耐寒性】普通~やや弱い【耐暑性】強い

ヒメツルソバの特徴や豆知識

ヒメツルソバの特徴

暑さや乾燥に強く、あっという間に増えていきます。労力不要で、初心者でも育てやすいのです。ピンクや白の小さな花の集合体はまるで金平糖。開花の時期は春から秋で、夏には減少するものの、長い期間楽しめます。葉はV字の模様があり、秋には紅葉します。冬は地域によって、元気であったり、朽ちていたりしますが、朽ちているように見えても地中では新芽の準備中です。

グランドカバーにもおすすめ

お庭造りをする上で、地表を覆い隠すグランドカバーとしての役割にもおすすめです。美しく飾る目的以外にも、雑草の成長や土の流出を防いでくれます。茎が横に広がっていく性質で、1株50㎝程の大きさになり、種まきをせずとも、こぼれ種でカーペットのように行き渡ります。金平糖をまき散らしたかのような光景に庭仕事をしながら癒されることでしょう。

ヒメツルソバの豆知識

学名のpolygonum(ポリゴナム)はギリシア語のpolys(多い)gonu(節)からで、茎の節に膨らみがあることに由来しています。近い関係にある種で、暖かい海辺に生育するツルソバに似ていることから和名が付きました。明治時代に、ヒマラヤから国境を越えて日本に降り立ち、当初はロックガーデン用として取り入れられた経緯があります。

ヒメツルソバの花言葉

愛らしい、気が利く、思いがけない出会い。金平糖のようにキュートな姿には的を得た言葉です。労力いらずの性質も、人の手を煩わせないという意味では気が利くと言えるでしょう。河原や公園へと散歩に出かける道中や現地で、その佇まいを見かけた時には、可愛らしい形をした植物との出会いに、これらの言葉を思い出しながら愛でてみてくださいね。

ヒメツルソバの種類

ヒメツルソバ

こちらは既述してまいりましたヒメツルソバの典型種です。学名のポリゴナムやポリゴナムカピタツムと札がついて販売されているパターンも。地植えで面白いように増えていき、グランドカバーにしてもOKです。鉢植えで傘を広げたように成長する姿も素敵ですね。必ず行わなければならない作業もなく、放任できる苦労知らずの多年草となります。


斑入りヒメツルソバ

葉にランダムに入る白やピンクの斑紋が美麗です。典型種と比較すると、育ち方はゆるやかで、広がり方も控えめなので、ガーデニングを楽しむ上で使いやすいタイプだと言えるでしょう。ただ、あまり出回ってはおらず、販売店でも入荷したら即座に品切れしてしまうので、希少な存在となっています。店頭で見かけた時には、迷わず手に入れておくのもおすすめです。

ヒメツルソバの育て方①土と肥料

【植え方】土を用意しよう

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セオリー通りにしなくてはと、神経質になる必要は全くないので安心してください。それでも、初心者でどのような土を用意したらと悩む場合は、水はけと通気性のよい土を選びましょう。適度に保水性があるとベターです。赤玉土小粒6、腐葉土4の割合で配合するとよいでしょう。あらかじめ数種の土と肥料がブレンドされた草花用培養土でもOKです。

【植え方】肥料について

肥料は与えなくても大丈夫です。多すぎる肥料はかえって花の付き具合を損ないます。用土に緩効性化成肥料を少しだけ施してもかまいませんが、追肥は一切不要となります。手をかけなくても、あっという間に雑草のようにのびのび育って、愛らしい金平糖のような粒を次々に咲かせてくれることでしょう。

ヒメツルソバの育て方②植え付け

【植え方】苗の植え付け

植え付けに適しているのは、3月の中頃から5月といった春の季節です。しかしながら、雑草なみにとても強くて丈夫な植物なので、植え付けや植え替えの時期にはこだわりません。いつでもOKなのです。鉢植えの場合、根が詰まって窮屈になってきたら、一回り大きな鉢に植え替えましょう。地植えに関しては、植え替え不要です。

【植え方】種まき

種まきも春に行うとよいですね。暖かくなってきた4~5月が適しています。苗を育てるための播種箱やポットに種まきしたら、薄く3mm程度の土で覆ってください。水を切らさないように与えましょう。7日ぐらい経つと、芽が出てきます。播種箱ではスペースがせせこましくなったら、苗をポットに移植してください。ポットに根が回ってきたら庭や植木鉢に植え付けを行います。

【植え方】庭植えの注意点

庭に地植えをしていたら、こぼれ種で自然に芽吹いて増えていきます。冬が終わって春になるといっせいに顔を出し、気が付いたら辺りいっぱいに広がっている場合も。他の植物の生育を遮ってしまったり、望まない場所に根付いてしまったりするようなら、切り戻しを行って整えてあげましょう。根が深くないため、手で簡単に引きはがせますので、とても楽ちんです。

ヒメツルソバの育て方③水やり

水やりの仕方

本来、乾燥にひるまない性質を備えており、庭植えの場合は、降雨だけに任せられます。水やりはほとんど必要ありません。夏場など、土がカラカラに乾く日々が続くようであれば、水をあげましょう。鉢植えの場合は、土が乾いたらたっぷりと水やりしてください。


ヒメツルソバの育て方④環境

日当たりのよい場所に

日当たりのよい場所が好ましいです。やや日陰の場所でも育たないということはないですが、暗い日陰はやめておきましょう。猛暑となる夏には花が少なくなりますが、秋になるとまた復活して楽しませてくれます。関東より西の地域では、冬でも状態を保つ姿は珍しくはなく、厳しい環境に屈しないパワーがあります。

冬越しについて

マイナス5度くらいまでは、冬の寒さに耐えられます。地上の部位は朽ちてしまいますが、地中の新芽は春を待っているのです。寒冷地のように、地面が凍結する場合は、地中の芽もだめになってしまいますので、地植えではなく鉢植えの方がよいでしょう。霜が降りるような厳しい冬には、軒下や屋根のある場所に鉢を移動させてあげられるからです。

ヒメツルソバの育て方⑤増やし方

【増やし方】挿し芽

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放置していてもよく増えますが、増やし方としては挿し芽があります。茎を5~10cmに切った穂を水揚げしてから、用土に棒や箸で穴を開け、穂を挿してください。周囲の土を指で押さえて、穂と土を密着させます。明るい場所で水やりをしながら、根が出てきて定着するのを待ちましょう。挿し芽のコツとしては、根に栄養がいくように、花や余分な葉はカットするとベターです。

【増やし方】株分け

ヒメツルソバは匍匐(ほふく)性の植物です。匍匐性とは、横に広がって這うように伸びる植物の性質ですが、広がった茎から根が出ているものを選んでください。それを切り取って庭や鉢に植え付けするとよいでしょう。雑草のような元気パワーがあるので、増やす作業も楽な気持ちで行えます。たくさん増えたら、友達やご近所の方に差し上げるのも喜ばれますね。

【増やし方】種まき

花が終わった後に、種を採れます。乾燥させてから冬の間は冷蔵庫で保管しておき、まくのは春まで待ちましょう。種まきによる植え方は既述した通りになりますが、種まきをせずとも、こぼれ種で自然に新しく生まれていくパワーを持っていますので、総合的に考えると、種まきをするより、挿し芽や株分けの方がやりやすいかもしれません。

ヒメツルソバの育て方⑥病気や害虫

病気や害虫について

病気や害虫に関しては心配無用です。環境に適応できる力を持っており、天敵知らずと言っても過言ではないでしょう。初心者にとっては、害虫駆除の薬を散布したり、土がカビに侵される心配をしたりと悩む必要がないのはうれしい限りです。

ヒメツルソバの楽しみ方

ヒメツルソバの寄せ植え


こちらはヒメツルソバをデージーやニオイスミレ、マーガレット、ローダンセマムと一緒に寄せ植えしています。ヤシの実の繊維で作られたパームマットとワイヤーバスケットを使用した素敵なハンギングに仕上がっています。お手本にしてみてはいかがでしょうか。試行錯誤しながらやってみるのも楽しいものですね。

庭のグランドカバーに

辺り一帯に美しく広がり、葉にはV字。英名がビクトリーカーペットというのも頷けます。天然で素朴な感じを活かしたグランドカバーとなっていて、いつまでも眺めていたくなるような癒される庭の風景ですね。自庭の面積にもよるとは思いますので、一角に取り入れてみるのも素敵です。ぜひ庭やベランダで栽培してみてください。

ヒメツルソバの紅葉

こちらは散歩道で出会ったヒメツルソバとのことですが、全体的に赤く染まって群生している様子は非常に見ごたえがありますね。深緑を残して、葉の一部が赤くなるパターンもあり、四季を通してさまざまな顔を見せてくれるのが醍醐味です。思いがけない出会いに小さな幸せを感じられるでしょう。

雑草魂

石垣やコンクリートブロック、側溝やアスファルトの隙間といったあらゆる場所で自生している姿が見られ、こんなところに!と驚かされます。ご近所から風に吹かれてこぼれ種がやってきたのか、植えていないのに自宅に根付いていることも。強い生命力、繁殖力には感動さえ覚えます。踏まれてもへこたれない雑草に元気をもらい、忍耐を高めながら毎日を歩んでいきたいものですね。

まとめ

ヒメツルソバを育てよう

肥料がなくても雑草のように元気に育ち、暑さや乾燥にも負けない、病気や害虫の心配無用、とにかくしっかりしているということがわかっていただけたかと思います。育て方や増やし方、冬越しも簡単で、あれこれ手数がかからず、グランドカバーにもマッチするなどうれしい特徴だらけ。ぜひ、この愛らしい植物を園芸ライフの一部に組み入れてみてください。

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