ネメシアの栽培のすべて
ネメシアは、様々な花色をしていて一つの花の中にもグラデーションのように、色合いをつけているかわいらしい花をしています。日当りのよい場所でよく映える、様々な花色も特徴的です。はっきりしたネメシア・淡いトーンのネメシアなどがあるので、使い方次第でどんなシーンにもピッタリですね。開花時期も長いので、寄せ植えで使用することも多いのではないでしょうか?今回は、そんなネメシアの育て方について、詳しくまとめていきたいと思います。
ネメシア詳細情報
ネメシアは寄せ植えにもピッタリで扱いやすいので、ネメシアの詳しい情報を知っておくと栽培しやすいでしょう。
科名属名
ネメシアの科名属名は、ゴマノハグサ科ネメシア属になっています。
学名
ネメシアの学名は、花名と同じ「Nemesia 」です。
和名別名
ネメシアの和名は、ウンランモドキで漢字では「海蘭擬き」と呼ばれています。また、別名では「ネメシア・ストルモサ」と呼ばれています。
原産国
ネメシアの原産国は、南アフリカです。暖かい地域が原産国なので、冬の寒い時期に寄せ植えをする場合は、霜よけや寒さ対策を行っておくとよいでしょう。日当たりのよい場所で管理すると、花付きがよくなりますよ。
分類
ネメシアは、一般的には一年草となっていますが、多年草の「宿根ネメシア」という種類もありますよ。
草丈
ネメシアの草丈は、約15cm程度です。品種によって、約30cmにもなるネメシアもあります。
ネメシア開花情報
ネメシアは、開花時期が長く小さな愛らしい花をまとまって咲かせてくれます。ネメシアの花の色や花言葉・開花時期についてまとめてみました。花言葉を参考に、素敵な寄せ植えを作ってみてもよいでしょう。
開花時期
ネメシアの開花時期は、3月から6月です。肥料と切り戻しを行って栽培することで、長期間花を咲かせてくれますね。夏以外は、日当りがよい場所で栽培するようにしましょう。
花の色
ネメシアの花の色は、赤や青・紫・オレンジ等のビビットカラーや、白や黄・ピンクや淡いトーンのカラーをした花色を持っています。一つの花の中に、黄色とピンクの複色を持っていることもあります。
花の大きさ
ネメシアの花は小さく、花径約1.5cm程度の花を咲かせます。
花言葉
ネメシアの花言葉は、一年草・宿根ネメシア共に同じとなっています。「包容力」・「偽りのない心」・「過去の思い出」・「正直」になっています。
花言葉の由来
「正直」や「偽りのない心」というのは、まっすぐに太陽に向かって茎を伸ばして花を咲かせる姿に由来しているようです。また、小花がたくさん集まり日当りに咲いていることから、「包容力」という花言葉が付けられたといわれていますよ。
ネメシア・宿根ネメシアの違い
ネメシアは、一年草と宿根ネメシアがあります。一年草のほうが花数が多いですが耐寒性も低く、夏の暑さで枯れていきます。宿根ネメシアは、耐寒性・耐暑性も比較的高くなっています。開花時期も一年草よりも長いので、丁寧に栽培することができれば、長くお庭を彩ってくれそうですね。ここでは、一年草ネメシアと宿根ネメシアの違いについてまとめました。
開花時期の違い
一年草の開花時期も三か月にわたって長いですが、宿根ネメシアとの違いは開花時期が年に二回あるということです。3月から6月末と、10月から12月に開花させます。宿根ネメシアは、開花時期が一年を通して長期間続くので、早めに切り戻し等を行って栽培するとよいでしょう。
品種の違い
もともと、ネメシアの原産国は南アフリカの暖かい場所です。日本の夏の高温多湿に、一年草ネメシアは枯れてしまい、これまで一年草扱いとされてきました。しかし新しい品種に、耐暑性と耐寒性を備えたネメシアが渡来してくるようになり、宿根ネメシアとして園芸品種で出回っています。1年草ネメシアとされる品種は、ストルモサ系です。様々な花色をしているのでバラエティーに富んでいます。一方宿根ネメシアは、カエルレア系・デンティキュラータ系の品種です。
ネメシア育て方①種類
ネメシアには、花色や品種などといった種類が多くあります。そんなネメシアの種類について、いくつか紹介して行きます。好みのネメシアを見つけて、お庭を素敵に彩ってみてくださいね。
種類①ネメシア・アレンジ
一年草のネメシアです。園芸品種として長く愛されてきた種類で栽培しやすい種類ですね。また、種も出来やすいので花後に種を取って撒く増やし方も可能です。花の色合いは、青や白、赤・ピンクが多くなっています。
種類②ネメシア・イノセンス
一般的なネメシアの中でも、草丈が低い矮性の種類になっています。花の色は純白で、花言葉の「汚れない心」を表しているかのようなかわいらしい花をしています。
種類③ネメシア・シー・ビュー・ブルー
花は小さく、花径が約1cm程度です。ネメシア・シー・ビュー・ブルーは、青紫をした花色が特徴的な種類で草丈も低い矮性になっています。さらにどんどん枝分かれをして行って広がりを見せ、フラワーカーペット状に花を咲かせていきます。グランドカバーむきのネメシアですね。
種類④ネメシア・サンシア
一年草の種類とは違い、草丈や花姿の違いがある宿根ネメシアとの交配品種です。この種類の中には、矮性・立ち性の種類があり、矮性品種は這って伸びていくタイプが多くなっています。立ち性の種類は草丈が約30cm程度で、宿根ネメシアに分類されます。
ネメシア育て方②土作り
ネメシアは、良く花を咲かせるためによく根張りさせるように栽培させましょう。根が細かいので、よく根が張るためには土作りが大切です。さっそく、ネメシアの土作りから取り組んでいきましょう。
ネメシアの土作り
ネメシアは、水はけが良い土質を好みます。ネメシアの土は、赤玉土の中粒:腐葉土:ピートモスを、5:3:2で土作りをします。市販の草花用培養土を使用してもよいですが、水はけが悪い場合は川砂をすき込んでもよいでしょう。酸度を調整するために、石灰を1リットルに対して3g程度を巻いて中和しておきましょう。ネメシアの苗を植え付ける1週間前に行うようにしてくださいね。
植え付け時期
植え付け時期は、春か秋に行うようにしましょう。春は朝晩が急激に冷えることがあるので、戸外の土に霜が降りなくなってから植え付けると良いですね。
植え付け方法
植え付ける一週間前に、石灰を使用して土の酸度を中和しておきましょう。元肥は、直接根に触れることがないようによくすき込んでおきます。ネメシアの苗は、軽く揉むようにして根鉢を崩します。植え付け時は、苗の土をぎゅっと押さえつけないようにすると良いですね。
ネメシア育て方③日当たり
ネメシアは、暖かい温度と日差しを必要とします。日当たり条件や温度について、ネメシアの栽培環境についてまとめてご紹介していきます。
日当り
宿根ネメシアは通年、戸外で日当りのよい場所で管理します。春・秋・冬にかけては、直射日光がよく当たる風通しのよい日当たりで栽培しましょう。夏場は、西日・直射日光に当たりすぎてしまうと、葉焼けをおこして枯れてしまうため半日陰で栽培します。日当りが悪いと、徒長して花が咲かなくなってしまうので、植え付け時は日当りを確認しておくと良いでしょう。
気温
苗を購入したら、日当りがよく枝葉が生育しやすくなります。生育温度は、15℃から25℃となっています。種をまいて、発芽温度は10℃から13℃です。
ネメシア育て方④水やり
ネメシアは高温多湿を嫌うので、水やりのやり過ぎには注意が必要です。水やりを行った後は、日当りがよく通気性のよい場所で栽培すると、土がいつまでも湿っていることがなく安心です。
水やりのタイミング
ネメシアは、過湿の環境を嫌う性質があります。そのため、水やりのやり過ぎで根腐れをおこして枯れることもあります。そのため、水やりのタイミングはネメシアの表土が渇いていたらたっぷりと、を基本に水やりを行います。梅雨・秋雨の時期は、根が水没して根腐れが起こりやすくなります。鉢植えの場合は、鉢を雨の当たらない場所へと移動するとよいでしょう。
秋から冬の水やり
また、宿根ネメシアは越冬させるようにしましょう。戸外でも越冬しやすいように、秋から冬にかけて水やりの回数を少しずつ減らしていくと栽培しやすくなります。冬の水やりは、表土が乾燥してから3日ほどたってから水やりするようにします。春になり新しく芽が吹き始めたら、水やりを少しずつ増やしていくようにします。
ネメシア育て方⑤肥料
一年草・宿根ネメシアともに、ネメシアは開花時期が長いのが特徴でしたね。そのため、定期的に肥料を与えることで花数も多くなり、矮性品種はよく枝分かれするようになりますよ。
肥料の時期
ネメシアの肥料は、元肥として腐葉土や化成肥料を掘った穴の底に施しておきましょう。その後の肥料は、9月から10月は月に一度、春・花後にも肥料を与えるようにします。さらに、開花中は株が体力を消耗してしまうので、開花時期は2週間に一度液体肥料を与えるようにするとよいでしょう。
与える肥料
液体肥料は規定濃度に薄め、毎日の水やりの代わりに液体肥料を施しましょう。宿根ネメシアは、夏越しさせて緩効性化成肥料を株もとに円をかくように施します。あまり肥料を与えすぎてしまうと、根が肥料やけしてしまったり、肥料の与えすぎで軟弱に育ち病気になることもあるので、肥料を与えすぎないようにします。またリン酸を多く使用すると、たくさんの花を咲かせるようになりますよ。
ネメシア育て方⑥植え替え
寄せ植えや株を大きくするために、植え替えを定期的に行うとよいでしょう。特に寄せ植えをすると、他の草花の根も絡みやすくなるので、早めに植え替えを行ったほうがよいと思います。ここでは、植え替え時期と植え替え方法について、まとめていきます。
植え替え時期
植え替えは、植え付けと同じ時期に行うとよいでしょう。また、花後や6月、宿根ネメシアの場合は9月から10月にも植え替えを行うことができます。
植え替え方法
植え替えするときは、根をあまり切らないように掘り上げましょう。花が咲いていたら花を切り戻しておくと、植え替えた後も他の根や株を傷めることが少なくなりますよ。植え替えは、新しい土を作っておきます。石灰で中和しておき、元肥をすき込んでおきます。植え替えするときは、今の鉢よりも一回り大きな鉢へと植え替えて、日当りのよい場所で栽培します。
ネメシア育て方⑦切り戻し
長期間にわたって花を咲かせるネメシアは、花をそのままつけておくと種をつけてしまうので花がなかなか上がらなくなってしまいます。そのためには、バッサリ剪定したり咲き終わった花を切り戻すことが必要になってきます。剪定時期や剪定方法を、まとめてみました。
切り戻し時期
花がらは、10月から6月に切り戻しを行うとよいでしょう。
切り戻し方法
開花時期は、花が咲き終わってきたら種をつける前に花がらを切り戻していきます。花の草丈の半分を清潔なはさみで切り戻します。切り戻すとそこから新たに新芽が出てきて、分岐します。花は咲き終わると、すぐに倒れてしまうので早めに切り戻すとよいでしょう。
ネメシア育て方⑧害虫病
害虫や病気は、栽培環境や管理方法で極端に減らすこともできます。日当たりや水やり・肥料の与え方などを見直すことで、薬剤を使用せずに栽培することも可能です。ネメシアは、多湿環境を嫌う性質がありましたね。日当たりのよい場所で、なるべく風通しの良い場所へと鉢を移動させるとよいかもしれません。
病気
ネメシアは、日当りのよい場所を好みます。逆に日当たりが悪い環境だと、株が軟弱に育ってしまったり徒長をおこして病気にかかりやすくなってしまいます。また、日当りが悪いと灰色カビ病にもかかってしまいます。灰色カビ病は、10月・11月もしくは3月から7月に発生しやすくなります。風通しを良くしておくことも重要ですよ。病気になった場合は、薬剤を散布して対策します。
害虫
ネメシアには、ハダニやアブラムシがつきやすい草花です。ハダニは葉の裏に住み着き、葉っぱの汁を吸って枯らしてしまいます。水を勢いよく吹き付けて、対策するようにしましょう。また、アブラムシが飛来してくると、群生して葉を枯れしてしまいます。害虫は早めに見つけて捕殺するか、薬剤で対策するようにします。
ネメシア育て方⑨増やし方
ネメシアは、這い性のネメシアや立ち性のネメシアもありますが、どちらも簡単な増やし方で株を増やしていくこともできますよ。株分けでの増やし方・さし芽での増やし方をご紹介していきます。
増やし方①株分け
ネメシアの増やし方は、掘り起こした株を二つに分けて株分けをすることでもできます。枝分かれを促すために、枝をはさみでカットしましょう。切った部分が新たに分岐して、大きく広がっていきます。十分に株が広がったら、株分けをして増やすようにします。
増やし方②さし芽
ネメシアはさし芽での増やし方もできます。挿し木の増やし方の時期は、3月から6月に行うとよいでしょう。宿根ネメシアは、夏越しした後の9月から10月にもさし芽での増やし方ができるでしょう。枝先をカットして、挿し木専用培養土やピートモスに挿して日陰で管理します。発根したら日当たりのよい場所へ移して、大きく栽培するようにします。
ネメシア育て方⑩花後の採種
ネメシアの花が終わると、種をつけます。種をつけると他の花が上がらないため、開花時期の間には切り戻しを繰り返して花を咲かせ続けます。しかし、種をつけさせて採種をするという増やし方もありますよ。開花時期の後半には、種を取るために切り戻さずにいても良いのではないでしょうか?
採種時期
ネメシアは種をつけるので、花後に種を取っておくことで翌春にまくことも可能です。種まきの時期は、9月から10月です。花後に種ができますが、そのまますぐに種まきを行っても、高温環境では発芽せずに腐ってしまいます。種をとったら乾燥させて保管し、涼しくなってからまくようにします。
ネメシア栽培してみよう
ネメシアの育て方について、いかがだったでしょうか?ネメシア栽培しやすく、日当たりや水やり、定期的な肥料を与えて長く花を楽しめるようにできたらよいですね。花色の種類も多く、寄せ植えにもピッタリなので、植え替え方法もよくチェックしておくとよいでしょう。また、少しずつ増やし方を実践して、様々な場所でネメシアを楽しめるといいですね。
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