至仏山(しぶつさん)とはどんな山
至仏山(しぶつさん)の位置としては、群馬県のみなかみ町と片品村の境界にある標高2,228mの高山です。この山は、利根川と只見川の分水嶺となっているので、大きくみると日本海側と太平洋側との分水嶺ともなっています。山全体は、火山活動によって形成された蛇紋岩によって構成されています。
山体自体は尾瀬国立公園に属しており、山頂からの眺めは素晴らしく人気の山となっています。日本百名山に名前を連ねているほどの名山です。
至仏山登山の魅力
以前は、登山道が少なくアクセス困難な山でしたが、道路事情が良くなり難易度も低下し、容易に登山できる山となっています。山頂からの眺めは素晴らしいの一言で、尾瀬ヶ原・会津駒ヶ岳・八海山・谷川岳・赤城山・男体山・富士山などの名山が、360度の大パノラマで見える絶景となっています。
また、麓の尾瀬も花植物で有名ですが、至仏山も花植物の山となっています。それも特殊な蛇紋植物が咲き乱れているのです。時期になると尾瀬からアクセスし、高山植物関連で登山してくる人も多くいます。
至仏山登山の注意
至仏山は麓の尾瀬ヶ原などともに、大人気となっています。大人気の山なので、いろいろ問題も起こり現在では、入山規制やマイカー規制が実施されています。雪が無ければ難易度は高くない山なのですが、注意点があります。
至仏山登山の服装
至仏山は、分水嶺のため日本海側と太平洋側の天候状態により、急劇に不安定になる場合が多く、登山時の服装・装備に注意する必要があります。
雨具などの服装は、すぐに取り出して着用する必要があります。また、高山なので気温自体が低い場合多く、それに対応する服装が必要となります。それ以外の服装・装備として、登山道は崩れやすい蛇紋岩が多いため、ミドルカット以上の登山靴やしっかりとしたストックが必要です。万が一に転倒した場合の服装・装備も考慮してください。
至仏山の山開きについて
至仏山は、7月1日に山開きを行っています。山開きを行ってからが、登山シーズンです。しかし、山開きを行ったからと言っても登山道の雪はなくなっていませんので、軽アイゼンなどの服装・装備は必要となります。
山開きを行ってから1ヵ月ほどは、雪はなくなりません。雪は降らず雨となる事が多い季節ですので、体温などは服装で調節することが重要となります。山開きを行ってからは、登山者が増加し混雑する場合がありますので、焦らず慎重に行動してください。
至仏山の入山規制について
至仏山には、入山規制区間があります。人気の山で混雑はしかたありませんので、登山道の一方通行で入山規制してあります。狭い登山道をスムースに通すための入山規制です。また、この入山規制には、登山道を守るための意味もあります。
至仏山は蛇紋岩でできています。蛇紋岩は崩れやすく、混雑した登山道ですと登山道の傷みが激しくなり、登山者にとって危険な状態となってしまいます。滑落の危険防止のためにも入山規制は必要なのです。この入山規制区間のため、尾瀬側登山口から山頂までのピストンルートは行えません。
至仏山のゴールデンウィークの登山
至仏山の山開き前にも、登山者で混雑する時期がゴールデンウィークです。ゴールデンウィークあたりに登山口に通じる道路が開通するからです。近くの尾瀬などは、ゴールデンウィークで非常に混雑していますが、至仏山周辺もゴールデンウィークで混雑するのです。
初心者の方は、難易度が高くなり十分な雪山対策を取って登山をする必要があります。またゴールデンウィーク近辺より、バックカントリースキーをする人も増加します。入山するための道路は、混雑していたり凍結部もあるため、至仏山のゴールデンウィーク登山を注意して楽しんでください。ゴールデンウィーク後から山開きまで、登山道は完全閉鎖されます。
至仏山の登山口
至仏山には、縦走路を含めると複数の登山口があります。尾瀬周辺のマイカー規制や至仏山の登山規制もあり、制限がある期間があります。登山口へのアクセス時間は、規制時期によって変わりますので、登山計画立案時にコースタイムに組み入れておく必要があります。その中で、代表的な登山口を紹介します。
鳩待峠登山口
群馬県片品村にある峠で、尾瀬に抜ける県道260号尾瀬ヶ原土出線にある鳩待峠があります。そこに鳩待峠があり、登山口もあります。尾瀬へのマイカー規制があり、時期によっては鳩待峠まで行けない場合もあります。その場合、戸倉駐車場からバスやタクシー利用で鳩待峠に来る事ができます。この事を登山時期によってコースタイムにいれて置く必要があります。
山ノ鼻登山口
尾瀬ヶ原の西の端に山ノ鼻登山口はあります。登山口には、山ノ鼻ビジターセンターがあり、周辺の情報を手に入れる事ができます。トイレやキャンプ場、山小屋も3軒あり尾瀬周辺の登山の中心となっており、尾瀬の登山時期になれば混雑する場所となります。
ここの登山口から至仏山までは、入山規制により登り専用の登山道となり、下って来る事はできません。ゴールデンウィーク後から山開きまでは、使用できません。
至仏山の登山口・公共交通機関でのアクセス
鳩待峠までの公共交通機関でのアクセスは、JR上越線の沼田駅を利用します。駅前より戸倉・鳩待峠行きの路線バスが運行しています。
御池駐車場のアクセスは、東武鉄道の会津高原尾瀬口を利用し、駅前会で会津バスに檜枝岐温泉・御池方面に向かってください。
至仏山の登山口・車でのアクセス
鳩待峠までのアクセスは、関越自動車道の沼田ICを利用し、ICより国道120号線を姥神温泉方面に進み、姥神温泉を過ぎ鎌田より国道401号線を戸倉に向かって進みます。戸倉には尾瀬第一・第二駐車場があり規制期間は、ここからバスかタクシーで鳩待峠に向かいます。規制期間外は、戸倉より津奈木経由で鳩待峠に行けます。
山ノ鼻登山口のアクセスは、那須塩原市から檜枝岐村を通る国道352号線を使用します。檜枝岐村を走ると御池駐車場が出てきますので、駐車場に駐車し山ノ鼻登山口に徒歩で向います。
尾瀬周辺のマイカー規制について
片品村側のマイカー規制は、5月中旬より10月初旬までの間に116日規制されます。規制期間の間は、土日祝日は規制対象となり、鳩待峠登山口まではマイカー行く事はできず、手前の戸倉までしか行けません。戸倉から鳩待峠までは、バスかタクシー利用となります。
同じように山ノ鼻登山口もマイカーでは行けず、尾瀬御池の駐車場より尾瀬ヶ原を抜けて徒歩で行くことになります。この区間は通年マイカーは入れません。
至仏山登山口周辺の駐車場状況
鳩待峠駐車場
マイカー規制により、来場が制限される駐車場です。例年の使用期間は、ゴールデンウィーク・8月の土日を除いた平日は使用できます。10月中旬より11月上旬も使用できます。マイカー規制期間中は、戸倉より乗り合いバス・乗り合いタクシーで来場します。11月中旬より4月上旬までは、道路が完全閉鎖されるので来場できません。
鳩待峠駐車場の詳細
【駐車台数】120台
【駐車料金】1日2,500円
【備考】鳩待峠休憩所・トイレ・売店・お食事処があります。
この記事は2019年3月12日現在の情報をもとに書かれています。
御池駐車場
尾瀬ヶ原などの入口となる駐車場です。国道350号線の脇にあり、尾瀬ヶ原方面に行くにはマイカー規制により、全面通行止めとなります。山ノ鼻登山口までは、ここより徒歩となります。山ノ鼻登山口までのおおまかな最短コースタイムは5時間ほどとなります。周辺には観光施設などがあります。
御池駐車の詳細
【駐車台数】400台駐車可能
【駐車料金】1回1,000円(有料期間は、5月1日より10月31日まで)
【備考】売店・休憩所・トイレがあります。周辺には観光施設も多数あります。
この記事は2019年3月12日現在の情報をもとに書かれています。
至仏山の登山ルート1
鳩待峠登山口~至仏山ループルート
鳩待峠登山口から至仏山への登山ルートが、コースタイム的に見て一番の日帰りルートです。鳩待峠登山口から尾瀬ヶ原を通り、山ノ鼻登山口から至仏山に登ります。そして尾根沿いに小至仏山・原見岩を通り鳩待峠登山口に戻ってくるループ状のルートです。
おおまかコースタイムは、5時間ほどとなります。難易度は、それほど高くありませんが、雪がある場合の難易度は高くなります。軽アイゼン程度は必要です。雪がある場合コースタイムは2割増しで考えたほうが良いでしょう。
鳩待峠登山口~至仏山ループルートの詳細
鳩待峠登山口~至仏山ループルートのおおまかコースタイムを紹介します。鳩待峠登山口から山ノ鼻登山口まで50分、山ノ鼻登山口から至仏山まで120分、至仏山から小至仏山まで30分、小至仏山からオヤマ沢田代まで30分、オヤマ沢田代から原見岩まで30分、原見岩から鳩待峠登山口まで30分となります。
このコース中で難易度が比較的高いのは山ノ鼻登山口から至仏山までですが、初心者でも十分登山可能です。その他は、木道があったり案内標識が整備され、歩きやすくなっています。
至仏山の登山ルート2
山ノ鼻~至仏山~鳩待峠ルート
山ノ鼻登山口までは直接行けませんので、御池駐車場より尾瀬ヶ原を通り山ノ鼻登山口に向かうルートです。
御池駐車場から山ノ鼻登山口までのコースタイムはおおまかで5時間ほどかかりますので、山ノ鼻登山口でキャンプ泊か山小屋泊をすると、余裕を持って初心者でも登山できるルートです。山ノ鼻登山口から至仏山に登り、小仏山経由で鳩待峠に到着します。
山ノ鼻~至仏山~鳩待峠ルートの詳細
御池駐車場より山ノ鼻登山口から至仏山を通り鳩待峠登山口に抜けるルートのおおまかなコースタイムを紹介します。
御池駐車場から温泉小屋・三条ノ滝・御池方面分岐まで150分、温泉小屋・三条ノ滝・御池方面分岐から中田代三又路まで90分、中田代三又路から山ノ花鼻登山口まで40分、山ノ鼻登山口から至仏山まで120分、至仏山から小至仏山まで30分、小至仏山からオヤマ沢田代まで30分、オヤマ沢田代から原見岩まで30分、原見岩から鳩待峠登山口まで30分、となります。
至仏山の年間天気状況
至仏山に登山をするとき、気になるのは天気状況です。一年の天気状況を統計調査しました。冬は雨の代わりに積雪を調査してあります。
至仏山の春の天気状況
3月から5月を至仏山の春として統計調査しました。3月は、一日あたりの降雨量平均4,6mm、平均気温-8,8℃、最深積雪220cmとなります。4月は、一日あたりの降雨量平均3,1mm、平均気温-2,2℃、となります。5月は、一日あたりの降雨量平均3,8mm、平均気温3,6℃、となります。
登山者の少ない3月は、雪は降ります。やはり、本格化するのはゴールデンウィーク近辺です。
至仏山の夏の天気状況
6月から8月を至仏山の夏として、統計調査しました。6月は、一日あたりの降雨量平均5,1mm、平均気温8,3℃となります。7月は、一日あたりの降雨量平均7,0mm、平均気温12,5℃となります。8月は、一日あたりの降雨量平均6,0mm、平均気温13,0℃となります。
夏は高山植物も咲き、一番の人数が訪れる季節です。
至仏山の秋の天気状況
9月から11月を至仏山の秋として統計調査しました。9月は、一日あたりの降雨量平均6,5mm、平均気温8.8℃となります。10月は、一日あたりの降雨量平均4,5mm、平均気温2,5℃となります。11月は、一日あたりの降雨量平均3,6mm、平均気温-3,5℃となります。
秋は急激に寒くなり、11月には雪がちらつきます。
至仏山の冬の天気状況
12月~2月を至仏山の冬として統計調査しました。12月は、平均気温-8,7℃、最深積雪113cmとなります。1月は、平均気温-12,0度、最深積雪145cmとなります。2月は、平均気温-11,6℃、最深積雪218cmとなりました。
至仏山の冬は、かなり雪深くなっています。
至仏山登山のまとめ
日本百名山に名前を連ねる人気の至仏山ですが、マイカー規制により行きずらい感じがする方もいるでしょうが、比較的簡単に行ける山です。難易度は高くなく(雪がある場合難易度上がります)、楽しく登山ができる山なのです。尾瀬ヶ原から山頂にかけては、貴重な高山植物もたくさんあり、景色も素晴らしい山なのです。この記事を参考に、至仏山登山をしてみませんか。
至仏山が気になる方はこちらもチェック!
至仏山が気になる方は、麓に広がる尾瀬・尾瀬ヶ原もチェックすることをおすすめします。広大な尾瀬・尾瀬ヶ原なだけに、なかなか奥が深い観光地となっています。トレッキングにも最適です。
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