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【パセリ栽培】種まきから収穫までのポイントや育て方のコツをご紹介!

香味野菜の代表的な存在であるパセリ。自分でパセリを栽培すると便利で美味しくて、いいことづくめです。パセリの豆知識から、簡単にできる栽培のポイント、収穫での注意点、種まきから挑戦できる育て方などをご紹介します。今日からパセリを育ててみませんか。
2020年8月27日
koro
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はじめに

パセリは、料理の仕上げや付け合せによく使われ、身近な香味野菜です。でも、生のパセリを改めて買う機会は意外に少ないですよね。乾燥のパセリに比べると、生のパセリは香りも味も格段上で料理のアクセントになる名わき役です。自家栽培すると、いつでも生のフレッシュなパセリが手に入るのでとても便利ですよね。パセリ栽培を始めて、毎日の料理に彩を添えてみませんか。

パセリとは

分類

パセリは、セリ科のオランダセリ属に分類される植物です。英語では、Parsleyと表記し、和名ではオランダセリ(和蘭芹)などとよばれています。
 

パセリの歴史など

洋風の雰囲気があるパセリ。その出身はヨーロッパ、地中海地方になります。古代のエジプトやギリシャでは、食用だけでなく、薬として、また歯磨き粉など、いろいろな目的で栽培されてきました。日本では、和名の「オランダ芹」にも由来するように、オランダから伝わり、明治から大正時代に栽培が始まったとされています。

パセリの種類

縮葉・カーリーパセリ(一般的なパセリ)

私たち日本人にとって、パセリといえば葉が縮れて丸みのある濃い緑をしたこちらの種類です。味、香りも濃いです。グランド、パラマウントなどの品種があり、広く栽培されています。縮んだ葉の形から、カーリーパセリと呼ばれることもあります。

平葉・イタリアンパセリ

一般的にいうパセリとは違って、広がった細い葉、明るく淡い緑色をしているのは、イタリアンパセリです。味も苦みが少ないのが特徴。イタリア地方で栽培されているパセリといえば、こちらが主流です。

パセリの栄養

ビタミン類

栽培するならぜひ知っておきたいのがパセリの栄養です。パセリはビタミン類がとても豊富です。なかでも多いビタミンCは、皮膚や粘膜を健やかに保つ、免疫力の向上、鉄分の吸収を促すなどの働きをします。ビタミンCは水溶性ビタミンですが、料理の仕上げに生で使うことの多いパセリなら、調理によって栄養素を壊すことなく、そのまま摂取できるのでありがたいですね。

鉄分

パセリには鉄分も豊富に含まれています。パセリに含まれている鉄分は、植物性の鉄分である非ヘム鉄です。体に吸収されにくい鉄分ですが、ビタミンCと合わせることによって吸収が促進されます。ビタミンCも多く含むパセリなら効率的に吸収できそうですね。自家栽培で収穫量が多いからこそできるパセリたっぷりのメニューもおすすめです。

パセリ栽培・育て方のコツ①土づくり

地植えの場合

パセリ栽培の最初の段階が土づくりで、約2週間前に行います。日本は気候的に雨が多く、土壌が酸性に傾きやすいのですが、パセリは酸性の土に弱いです。園芸店などで販売されている石灰を土に蒔いて、よく耕しておきましょう。1平方メートルあたり100gが目安の量です。たい肥や油粕などの肥料分も混ぜ込みましょう。

プランターや鉢植えの場合

もちろん、プランターでもパセリは栽培できます。プランターや鉢の深さが15㎝以上はあるものを選びましょう。石灰などで土づくりしたものか、販売されている野菜・ハーブ栽培用の培養土を使ってもよいです。鉢底石を敷いたあと土を入れていきます。水やりを考慮して、土はプランター満杯にせず、上から3cmくらい空けて入れるようにしましょう。


パセリ栽培・育て方のコツ②栽培環境

栽培に適した温度

パセリの生育には、15~25℃が適しています。しかし、耐暑性・耐寒性がある植物なので、夏越し・冬越しができます。どちらかといえば、寒さより暑さのほうが苦手で、暑すぎても生育が止まってしまいます。夏の暑い時期は、地面にワラなどを敷くと温度の上昇が抑えられます。

栽培に必要な日当たり

日光が好きなので、外の日なた~半日陰が適しています。ただ、夏の時期の強い直射日光に長く当たると、葉がチリチリになったり、固くなったりします。プランターなどに植え付けているのであれば、季節に応じて、プランターを半日陰の場所に移動させましょう。移動ができない場合は、遮光ネットなどで調節して、対策を行います。

栽培の場所(連作障害)

パセリは連作障害のある植物です。連作障害は、同じ場所で同じ科の仲間の植物を続けて栽培することで、土壌の成分や栄養、生物などのバランスが崩れて、植物が病気になりやすくなったり育ちにくくなったりすることをいいます。パセリの場合は1~2年間隔をあける必要があります。プランター栽培の場合も、土を入れ替え、土づくりや肥料のリフレッシュを行いましょう。

パセリ栽培・育て方のコツ③種まき

種まきの時期

パセリの種まきは、春と秋に行えます。発芽には20℃前後が必要なので、気温が十分暖かくなり安定してきた春がおすすめです。発芽するまでには種まきから10日以上はかかります。

種まきの方法

種まきの前に、まず土に水をたっぷりかけておきます。パセリの種の発芽率は70%くらいはあるので、6~7cmくらいの間隔をとって、1か所に4~5粒くらい種まきします。ポリポットなどに種まきする場合は、多めにバラ蒔きをします。光をさえぎらないよう、ごく薄く土をかけます。種が流れないように気を付けてたっぷり水やりをし、乾かないように管理します。

パセリ栽培・育て方のコツ④増やし方

種からの増やし方

挿し木や株分けなど、植物にはいろいろな増やし方がありますが、パセリの場合の基本的な増やし方は、種を分けて育てる方法です。挿し木や水挿しでは、根が新たに出てこないので、植え付けて増やすことはできません。同じ株からパセリを増やしたいならば、花が咲いた後に種を採取して、それを育てていくことになります。

植え付け・間引きの増やし方

植物を植え替える際に、生長した株を小分けにする株分けという増やし方があります。しかし、基本的にパセリは移植を嫌う植物のため、植え替えは必要なく、株分けの機会がありません。苗を買ってきたときにしよく生育している苗であれば、一部株をとっておき、植え付けるのも増やし方の一つです。また、種まき後、たくさん芽が出て間引いた小さな苗から育てる増やし方もあります。

パセリ栽培・育て方のコツ⑤植え付け

畝づくり

プランター栽培や鉢栽培でなく、畑などに地植えして栽培する場合は、植え付け前に畝づくりをしましょう。畝を作ることは水はけを良くしたり、根を張りやすくしたりする効果があります。草丈は20~30cmでそれほど高くはなく、小さめの栽培スペースでも大丈夫ですが、地植えの場合、大きくなるとボリュームが出やすいので、植え付ける場所をあらかじめ計画しておきましょう。

種まきから間引いていく

種まきのあと、複数芽が出てきますので、そこから間引いて苗を減らし、最終的に1本にするやり方です。改めて植え付けせずに、そのまま大きく育てられます。まず、本葉が2~3枚出てきたころに、そして本葉が5~6枚に増えてきたころに間引きをし、1本立ちにします。間引き苗も食べられますが、間引きした小さな苗を植え付けて増やし方の一つとして利用することもできます。

苗の植え付け


苗を買ってきての植え付けは簡単で、収穫までの栽培期間を縮められます。園芸店では3月ごろから、パセリの苗が出回ってきます。ポリポットなどの容器から取り出すとき、苗の根鉢(根が張って土とかたまりになっているところ)は、崩さずに出します。根鉢をほぐして植える植物が多いのですが、パセリの場合はそのままほぐさずに穴に植え付けます。土を寄せて押さえたらたっぷり水やりしましょう。

パセリ栽培・育て方のコツ⑥水やり

春・夏の時期

春の気温が暖かくなってきたころから夏の間は、パセリの生育旺盛な時期で、次々に葉を出すため、その分水やりの頻度も多めです。パセリは乾燥すると、葉がチリチリになってしまいます。土の表面が乾ききるまえには、たっぷり水やりしてください。小さめのプランターや素焼きの鉢では水切れを起こしやすいので要注意です。ただし、土がずっと湿って停滞するのは良くないので、水はけのよい土に調整しましょう。

秋・冬の時期

気温が下がり、寒い持期に入るとパセリは生育がゆるやかになります。この時期は水やりを控えて少な目にしましょう。特に地植えでは鉢植えやプランター栽培に比べると、水やりの頻度が少なくなります。生育はゆっくりになるものの葉を摘み取ってしまわず残すことで、冬も枯れずに持続させることができます。季節問わずですが、鉢植えで水受け皿などを使用している場合は、水やりや雨の後に皿の水をきちんと捨てることを忘れないでください。

パセリ栽培・育て方のコツ⑦肥料

パセリに適した肥料

パセリに使うのは、家庭菜園用などの一般的な肥料でOKです。液体肥料は水に薄めて使うことが多く、化成肥料などの固形肥料より、使う頻度が多めです。苗を植え付ける際に、ゆるやかに効果が出る緩効性肥料を混ぜ込んでおくと、効果が持続するので手軽です。

肥料のあげ方

パセリは冬以外の春夏の生育時期に、次々に葉を出して増えていきます。この時期は、1週間に1度の液体肥料か、1か月に1度の化成肥料をあげましょう。また、次々に葉を増やしていく中で、パセリの株が疲弊し、葉が少し黄色っぽくなることがあります。このようなときも肥料で栄養を与えてあげる目安です。

パセリ栽培・育て方のコツ⑧収穫

収穫の方法

パセリの本葉が12~13枚くらいに増えると、見た目もしっかりしてきます。このくらいの時期が収穫の始め時。外側、下側についている葉から摘み取っていきます。パセリは、1度に収穫するのではなく、必要な分だけ少しずつというのがポイントです。葉を一気に摘むと弱ってしまうので、栽培中はいつも本葉を8枚以上、残しておきましょう。そうすると、長い期間収穫できるので便利です。

花が咲いた場合

パセリは本来1・2年草です。多年草ではないので、花が咲きそのまま種子を作ったら、その役目を終えて枯れてしまうということです。パセリの開花時期は夏です。花が咲くと、葉が固く筋っぽくなり美味しくなくなってしまいます。長く収穫するためにも花の茎は元からはさみで摘み取るようにしましょう。

種を採取する場合

パセリの花を残しておくと、種を取ることはできます。しかし、種ができてしまうと株が消耗することもあるので注意が必要です。長期間収穫することを考えると、花の茎は摘んでしまうのが良いのですが、採取した種の種まきからの増やし方を実行する場合は、残す花の茎を2~3本程度にとどめておくようにしましょう。

パセリ栽培・育て方のコツ⑨害虫

キアゲハの幼虫

アゲハチョウの幼虫は、パセリのようなセリ科の植物を好みます。葉に産み付けられた卵が孵化すると、幼虫となり、食害がすすみます。一見固そうなパセリの葉ですが、葉も茎もおかまいなしに食べまくり、ひどいと株全体食べきって枯らしてしまうこともあるほどです。

ヨトウムシ

ヨトウムシは、ヨトウガの幼虫です。いろいろな植物につくので、野菜や花の栽培をするにあたっては、よく悩まされる害虫での一つです。ヨトウムシは夜盗虫とも書くように、昼は土の中に潜み、夜に出てきて植物を食べます。キアゲハの幼虫同様、とても食欲旺盛で手ごわい虫です。


対策

屋外で栽培している以上は、害虫を防ぎきることが難しいです。日々の水やりの機会などでこまめにチェックし、卵や幼虫が葉についているのを見つけたら、すぐに取り除きましょう。ヨトウムシのように土に隠れている場合もあるので、被害にあっていたら、根元の土を軽く掘って幼虫がいないかチェックしましょう。私たちも収穫したパセリの葉を食べるので、あまり防虫剤を使えません。人体に害のない木酢液などを検討してみるのも手です。

パセリ栽培・育て方のコツ⑩水耕栽培

パセリの水耕栽培

プランターでも簡単に栽培可能のパセリなのですが、もっと身近に室内で栽培してみたい、土を使わず栽培がしてみたいという場合には、水耕栽培というやり方もあります。室内で温度もある程度保たれているので、時期問わず栽培が始められます。キッチンで使う、他のハーブ類と一緒に育ててみるのもいいですね。

水耕栽培に必要なもの

パセリの苗、または種、栽培用容器(コップやペットボトルでも可)、スポンジなどの苗床になるものを準備すれば、始められます。

パセリの苗を使って

買ってきた苗や間引きした苗を使用するのが、簡単です。苗の根をそっとほぐし、付着している土をやさしく洗い流します。根が長めの場合は1/3程度の長さを残して、はさみでカットします。スポンジにはさみで切り込みを入れ、根を挟み込みます。容器に入れて水を注ぎます。水やりのかわりに、水は毎日交換をします。明るい場所に置きます。

種まきから

時間がかかるのですが、最初から挑戦したい方は、種まきから水耕栽培できます。準備するものは同じです。スポンジにたっぷりと水を含ませてから容器に入れます。スポンジの上に種をバラバラと置くようにして、種をまきます。発芽したら、水耕栽培用の肥料をあげながら、本葉が出てくるように育成します。少し大きくなったら、苗からの手順と同じようにして、容器で育てます。

水耕栽培での増やし方

水耕栽培でパセリの苗を増やしたい場合、増やし方の項でもご紹介したように、苗の植え付けや種まき後の間引きの際に株をとることができます。ただ、水耕栽培は、土壌での栽培に比べると、苗は小さくなることがほとんどですので、一つの株が弱り過ぎないように注意しましょう。

まとめ

いかがでしたか?育て方も簡単で、お庭でもプランターでも、室内でも栽培可能なパセリ。水やりや肥料の手間も少ないので、ぜひ一株から、育ててみてくださいね。パセリでお料理の彩りと栄養をプラスしましょう。

パセリの栽培方法やイタリアンパセリが気になる方はこちらもチェック!

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