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ガーパイクとは?特徴や飼育方法、特定外来生物の規制について解説!

ガーパイクとはどのような魚かご存知でしょうか?昔から飼育されてきた人気の大型魚ですが、放流された個体が生態系を崩すとして規制がかかってしまった魚でもあります。今回はそんなガーパイクの特徴や飼育方法、釣り、規制について解説していきます!
2020年8月27日
T・S
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ガーパイクとは?

アロワナ等の大型魚が好きな方であれば、ガーパイクも気になりますよね!口先が長く、歯がギザギザとしており、ロマン溢れる大型魚の一つです。そんなガーパイクは特定外来生物として規制がかかってしまいましたので、新規に飼育することが出来なくなりました。今回は新しく育て始める方向けの解説も書きましたが、日本国内ではもう新規に育てられませんのでご注意下さい。他にも、ガーの特徴や種類、釣りについてなどを解説していきます!

ガーパイクの特徴①

ガーパイクとは?

ガーパイクはガー目ガー科に分類される魚です。学名は「Lepisosteiformes」で、これは「鱗」、「骨」の二つの言葉がくっついています。鱗骨魚と呼ばれることもあり、非常に頑丈な鱗が特徴的。生息地はアメリカがメインで、最大種であるアリゲーターガーは体長3mまで成長することもあります。アリゲーターガーはかなり迫力がありますね。

自然環境でのガーパイク

ガーは淡水魚ですが、汽水域で見られることもあり、一部の種類は海域に出ることもあります。基本的には湿地帯や水草が生い茂る、流れの緩い川に生息していますね。肉食性で、小さな魚や甲殻類などを食べて大きくなっていきます。最終的に大きな魚になりますので、生態系の中では上位捕食者ですね。アリゲータークラスになると、ほぼ襲われなくなります。

ガーパイクの特徴②

ガーパイクは古代魚

ガーはアロワナ等と同じく、古代魚に分類されます。約1憶1000万年前から存在しており、今でも変わらない姿を見られる生きた化石の一つですね。ガーが現れてから現在までに3回の大量絶滅期がありましたが、その3回を乗り越えて生き抜いてきた魚であり、非常に生命力が高い種類です。

空気呼吸が出来る魚

面白い特徴が、空気呼吸です。ガーが生息している場所は酸素が少ない場所が多いのですが、そんな所でも、空気呼吸もするので生存出来ます。ただし、その分エラ呼吸の能力が低めとなっているので、空気呼吸が一切できない場所では生きていけません。飼育する際は空気呼吸が出来る隙間を空けてあげるのが大切になります。

ガーパイクの口は吻(ふん)

ガーパイクと言えば、ワニのような口先が最大の特徴ですよね。この口先は「吻(ふん)」と言います。ワニなどの爬虫類は魚類が進化したものとされているので、ガーはワニと近い生き物だったのかもしれませんよね。もし進化の仕方が違っていたら、ガーは陸に上がれるようになっていて、ワニのような生き方をしていた可能性もあります。

ガーパイクの種類

種類①スポッテッドガー

最も一般的に飼育されてきたのがスポッテッドガーです。名前の通りスポット状に模様が入っており、キレイな種類ですね。サイズも飼育下では60㎝程度におさまることが多く、120㎝水槽でも飼育出来る種類です。また、かつては安価に販売されていたのも人気の理由でした。野生のものは1mを超えることがあり、アメリカやメキシコの河川で見られます。

種類②ロングノーズガー

名前の通り、吻の長い種類です。野生個体は1.4~2mくらいまで成長するので、非常に大きな種類ですが、水槽飼育では1mくらいで止まります。分布は広く、アメリカ、カナダ、メキシコの広い範囲に生息しています。

種類③ショートノーズガー

こちらは吻が短い種類で、通常は50~60㎝程度、野生環境でも最大80㎝くらいにしかならない小型の種類です。ガーと言えば吻が魅力的ですが、小さめの水槽で育てたい方にとっては向いている種類です。稚魚の頃は最大種であるアリゲーターガーに似ています。

種類④フロリダガー

こちらはスポッテッドガーに非常に似ている種類で、パッと見ただけでは区別が付きません。骨盤に違いがありますが、色々な部分において変わらないので、亜種とされています。

種類⑤アリゲーターガー

ガーの中で一番大きな種類がアリゲーターガーです。アリゲーターはなんと最大3mにも成長し、通常でも2メートルまで大きくなります。飼育環境では1m~1.5m程度におさまることも多いのですが、それでも大きいですよね。アリゲーターの重さは100㎏になることもあり、飼育するのは非常に大変です。アリゲーターの稚魚は、かつて安価で販売されていたので、気軽に育てる方が多かったのですが、育てきれずに放流する方も多く、問題となりました。

種類⑥キューバンガー

キューバ島などに生息しているのが、キューバンガーで、別名はマンファリと言います。こちらも最大2mになる大きな種類ですね。吻が広いことと、緑色の体色が特徴です。個体数が少なかったのでレアな扱いをされていましたが、一時期は安定的に輸入されていました。


種類⑦トロピカルガー

トロピカルガーはいくつかの亜種があります。最も知られているのがトロピカルジャイアントガーで、吻が幅広く、ヒレも大きく、最大で2.5mになる大きな種類です。ガーパイクの中でも最も原始的な種類として知られていますね。

ガーパイクの寿命

アロワナ等の大型魚は寿命が長い傾向にあり、ガーパイクも10年以上生きます。中型種は25年、アリゲーター等の大型種は50年以上生きることもあり、なんと70年生きる個体もいるとされていますね。現在は規制がありますので新しく育てることは出来ませんが、海外で育てる、もしくは既に育てている方は、長期的な計画を立てて育てていきましょう。

ガーパイクの規制について

ガーパイクが放流されて問題に

ガーパイクは特定外来生物に指定され、現在は規制されてしまいました。飼育しきれなくなったことにより放流する方が沢山出て、生態系が崩れる可能性があるとして規制されたのです。ガーは10度程度の低い水温にも耐えることが出来る為、日本の冬を越して生き残る場合があり、繫殖する可能性もあるとして警戒されています。現在のところ繫殖は確認されていませんが、もし繫殖してしまったら危険ですよね。

ガーパイクは規制されたので通販でも買えない

ガーパイクを通販で購入したい方も多いかもしれませんが、現在はお店でも通販でも販売されていません。通販も含め、販売することが禁止されています。かつては、1000円程度で稚魚が通販されていたこともありましたが、現在は安い個体ですら購入出来ないのです。販売だけじゃなく、輸入することや繫殖させること、許可が無い方に渡すことも禁止です。

ガーパイク飼育の申請期間は終了

規制は2018年の4月に実施されたのですが、それまでに飼育されていた方は、申請を出すことで飼育許可証をもらうことが出来ましたので、今でも飼育されている方はいます。この申請は6カ月以内、つまり10月までに出す必要がありましたので、現在はもう申請出来ません。

規制違反者には刑罰がある

もし規制を違反すると、懲役3年以下・罰金300万円以下の刑罰となる可能性があります。また、法人が違反をすると1億円以下の罰金となりますので、かなり重い刑罰ですよね。現在は通販ショップなどを見ても販売されていません。また、オークションサイト等にも出ていませんので、新たに入手するのは不可能となっています。今回は飼育方法なども解説していますが、既に飼育されている、海外で飼育する、知識だけ知りたいといった方に向けて解説しています。

ガーパイクの混泳

ガーパイクは混泳向きの魚

ガーパイクは混泳させやすい大人しい性格をしています。アロワナやポリプテルスといった古代魚とよく混泳させられている魚ですね。ガーパイクの方から攻撃するようなことはほとんどなく、ガーとの混泳はよく見る光景でした。今でも許可証を持たれている方は混泳させて育てている方がほとんどです。ガー同士の混泳も出来ますので、複数の、色々なガーを通販で集めて混泳させている方も沢山いました。

混泳に向かない魚は?

大人しい性格ですので基本的にはどの魚とも混泳出来ますが、肉食性の魚ですので、小さい魚を混泳させると食べてしまいます。ガーのサイズの半分以上の体格のある魚と混泳させた方が良いでしょう。食べられなくても、ヒレがかじられる可能性があります。アロワナ等もサイズが小さいと危険ですので、入れる時のサイズにはご注意下さい。

ガーパイクの飼育方法①用意

用意するもの①水槽と蓋

小型のガーなら横幅120センチの水槽で飼育出来ます。大きいほど伸び伸び泳げてストレスが溜まりにくいので、スペースに余裕がある場合は150や180センチの水槽を用意すると良いでしょう。また、アロワナやポリプテルスなどの大型魚と沢山混泳させたい場合も大きな水槽が必要となります。また、水槽と一緒に必要なのが蓋です。飛び出してしまうことがありますので、必ず蓋をしましょう。蓋の上には重しを乗せて、蓋が飛んでしまわないようにして下さい。

用意するもの②照明

照明は特にこだわる必要はありません。水槽サイズに合ったものを使います。アロワナの中には照明が強すぎると色が飛んでしまうものもいますので、混泳魚に合わせて選ぶと良いですね。

用意するもの③ヒーターとフィルター

ガーパイクの適温は25度程度ですが、低い水温にも耐えることができ、高い水温にすると成長が早くなる傾向があります。アロワナは高い水温を好みますので、アロワナと一緒に育てる場合はアロワナに合わせると良いでしょう。水槽サイズが大きいほど強力なヒーターを用意して下さい。おすすめのヒーターは下記記事で紹介しています。

用意するもの④カルキ抜き

水道水には塩素が入っており、塩素はガーにとって危険ですので、カルキ抜きを使いましょう。おすすめのカルキ抜きは下記記事で紹介しています。

用意するもの⑤餌


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餌は何でも食べてくれますので、人工飼料をメインに与えながら生き餌をおやつ程度に与えていきましょう。人工飼料は画像のカーニバルがおすすめです。生き餌は金魚やメダカを与えることが多いですね。アロワナも好むコオロギやミルワームなども食べてくれます。

用意するもの⑥掃除道具

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沢山餌を食べるので、水がすぐに汚れていきます。水換え用ホースも用意しておきましょう。画像のホースは非常に使いやすいのでおすすめです。お店に無い場合もありますので、通販サイトもチェックしてみて下さい。150センチ以上の水槽で飼育される場合は、もっと長いホースを使って、排水口と繋いで水換えした方が良いでしょう。

底砂は必要?

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底砂無しで育てるベアタンクのやり方がおすすめです。ベアタンクだと掃除しやすいので管理が楽ですね。底砂を敷きたい方は、画像のガーネットサンドがおすすめです。掃除しやすいよう、薄く敷いて使いましょう。

ガーパイクの飼育方法②準備と導入

水槽の立ち上げ

水槽を強度の台に置いて、照明やフィルターなどをセットします。カルキ抜きで塩素を中和した水を入れたら、ヒーターやフィルターなどを運転状態にしましょう。一定温度が保たれていて、漏れたりすることなくフィルターが動いていれば準備完了です。

パイロットフィッシュを入れてバクテリアを増やす

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ここで、メダカやネオンテトラ等の、安くて丈夫な魚を入れ、バクテリアが増えるのを待ちます。バクテリアは汚れを分解する為に必要で、立ち上げ当初はあまりいませんので、一旦別の魚を入れることでバクテリアを増やしていくのです。90㎝以上の水槽なら50匹ほど入れて、一ヶ月ほど待ちましょう。

ガーパイクの飼育方法③管理

水合わせ

水槽に入れる時や引っ越しをする時には水合わせを行います。画像のようにバケツに入れて、移し変える先の水槽の水を少しずつ入れ、ゆっくりと新しい水に合わせていきましょう。水温と水質が合ったところで新しい水槽に入れてあげます。1.5~2時間くらいかけてじっくりと水合わせしてあげたいですね。

餌やり

餌やりは一日二回、3分くらいで食べきれる量を与えます。金魚やメダカなどの生き餌を与える場合は、一度に100匹程度入れてしまって構いません。自分で食べる量をコントロールしてくれます。アロワナ等の魚と混泳させた時に、他の魚に餌を取られて上手く食べられていない様子であれば、上手く優先的に与えられるよう工夫して下さい。

水換え

水換えは週に一回、3分の1を目安に行います。一度に変えすぎると水質変化によるショックがありますので、3分の1を超えないようにして下さい。週一回行っているのに水が汚れがちであれば週二回にしてあげましょう。幼魚の頃は、水換えを週に二回にすることで元気に成長します。

ガーパイクの飼育方法④病気

飼育する際に心配なのが病気ですよね。しかし、ガーパイクは丈夫な魚ですので、普通に飼育していれば病気になることはあまりありません。病気にならないように、日頃の管理を徹底しましょう。病気になった際は水換えの頻度を増やして様子を見て、治らないようであれば薬を使って治療します。

ガーパイクの繫殖について

ガーパイクは自宅で繫殖させられる魚

小型のガーであれば自宅で繫殖を狙うことが出来ます。180センチ以上の大型水槽の方が成功率が高くなる傾向がありますね。大型種は水槽での繫殖は難しく、プールなどを用意することになるでしょう。小型種であれば2年程度で繫殖可能な状態になり、一度の産卵で5000個ほどの卵を産みます。

オスとメスの割合

産卵期は春から秋で、この間にメスとオスをペアリングします。水槽内にはメス一匹、オス二匹の割合で入れておきましょう。オスがメスに寄り添うようになります。卵が生まれたら別水槽に移して、稚魚を育てていきましょう。

繫殖は規制で禁止されている

繫殖方法を解説しましたが、日本国内では繫殖も禁止です。許可証がある方でも増やしたり譲渡することは出来ませんので、海外在住の方のみ行いましょう。

ガーパイクの釣り方

釣りで狙えるガーパイク


ガーパイクが生態系を壊している為に規制がかかっている現在ですので、川にいくとガーパイクがいる可能性があります。ガーはルアーでも餌釣りでも狙うことが出来ますので、釣りたい方はチャレンジしてみましょう!狙う時期は春から秋です。

ガーパイクは水面に浮上してくる

ガーが生息している場所は誰かが放流した場所ですので、目撃情報を頼りに探しましょう。ガーは空気呼吸をしますので、数分に一回、水面に出てきます。ガーがいないかよく見ておきましょう。アリゲータークラスのガーであればかなりの大きさですので、水面まで来るとかなり目だちます。

ガーパイクの餌釣り

ガーパイクを釣る時はシーバスロッドやショアジギングロッド等を使うと良いでしょう。エサはサバの切り身などを使うのが一般的です。口がかなり硬い魚ですので、ヒットしたらしっかりとアワセて下さい。釣ったガーはリリースしてはいけないので注意しましょう。

ガーパイクの食べ方

ガーパイクの丸焼き

ガーパイクは食べることが出来ます。鱗がとても硬いのですが、丸焼きにすることで鱗が割れて食べられる状態になります。身はパサパサとしており、あまり美味しくないと評判ですが、マヨネーズなどで味付けすることで食べやすくなります。鶏肉に似ているとよく言われていますね。

ガーパイクの卵は有毒

気をつけなければいけないのが卵です。ガーの卵は実は有毒で、食べると寒気や吐き気、下痢などの症状が起きます。更に危険なことが起きる可能性もありますので、卵は絶対に食べてはいけません。

ガーパイクに関するTwitter

通販サイトから消えたガーパイク

こちらのツイートでは、通販サイトからガーパイクが消えて寂しい思いが書かれています。規制がかかったことで、多くのガーパイクファンが悲しみましたよね。通販サイトでも現在は見られませんが、いつか規制が変わることを願って待ちましょう。

釣りキチ三平とアリゲーターガー

こちらのツイートでは、釣りキチ三平がアリゲーターガーを釣るシーンが紹介されています。あまり一般的に知られていなかった頃、釣りキチ三平が釣ったことで知った方が沢山いました。その当時は怪魚という認識で、漫画の説明では体長3.7mに達すると書かれていました。

まとめ:ガーパイクとは?

今回の「ガーパイクとは?特徴や飼育方法、特定外来生物の規制について解説!」はいかがでしたでしょうか?特徴や種類、通販で購入出来るのか、規制の状況、釣りの方法など、色々な点について解説させて頂きましたが、とても興味深い魚でしたよね!現在は規制により飼育を始められなくなりましたので、見たい方は釣りにいくか、育てている方のガーを見せてもらうか、海外に行ってみましょう!

ガーパイクが気になる方はこちらもチェック!

今回はガーパイクについてご紹介させて頂きましたが、他にも古代魚や熱帯魚に関する記事が沢山あります。気になる方は是非見てみて下さい。