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ポリプテルスとはどんな熱帯魚?種類や飼育方法、混泳について解説!

ポリプテルスとはどのような熱帯魚かご存知でしょうか?ポリプテルスは遥か昔から存在している古代魚で、かつての姿をそのまま残している魅力的な熱帯魚です。今回はそんなポリプテルスの種類や飼育方法、混泳での注意点などを解説していきます!
更新: 2022年3月24日
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ポリプテルスとはどんな熱帯魚?

大型魚や古代魚飼育を検討されている方であれば、その選択肢にはポリプテルスもいるのではないでしょうか。ポリプテルスはまるで恐竜のような見た目をした古代魚で、ロマン溢れる姿が非常に魅力的ですよね。

ポリプテルスは初心者でも育てられる熱帯魚ですが、育てる際はしっかり準備をし、飼育のポイントも覚えておかなければいけません。今回はそんなポリプテルスの種類や飼育方法、混泳での注意点などを解説していきます!

ポリプテルスの特徴①

ポリプテルスとは?

ポリプテルスは、ポリプテルス目ポリプテルス科に分類される熱帯魚。特徴は、長い体に、立派な鱗と沢山の背ビレです。「ポリ」は多いという意味があり、「プテルス」はヒレという意味があり、ヒレの多い魚ということですね。

このヒレの数は個体や種類によって少し違いがあります。大きさは小型のものは30センチ程で、大型になると1mになるものも。育てる際は種類選びが大切になります。

ポリプテルスは古代魚

見た目からも感じる通り、古代魚です。シーラカンスなどの仲間という見方もあります。約4億年前、デボン紀から存在していたと言われており、そのころの化石も発見されています。まさに、生きた化石と言える熱帯魚なのです。

ポリプテルスの特徴②

ポリプテルスは両生類?

ポリプテルスは熱帯魚ですが、稚魚の頃はウーパールーパーのような外鰓が付いており、大きくなるに従って無くなっていきます。また、空気呼吸も出来る為、陸地でも干からびなければ生きられるという特徴があり、魚類から両生類に進化する分岐点にある生き物だと考えられています。とても興味深いですよね。

ポリプテルスは夜に活動する

見ての通り、ポリプテルスは胸ビレが小さく、あまり泳ぎが得意ではありません。普段は大きくて緩やかな場所に生息しており、ゆったり過ごしています。ですので、昼は物陰に潜んで、夜になると泳ぎ、寝ている小魚、昆虫や甲殻類、大きくなるとカエルを食べたりもします。

ポリプテルスの種類

ポリプテルスは17種類

現在、ポリプテルス目には17種類が存在します。この全てが熱帯のアフリカに分布しており、大きく分けると2種類、「ビッチャータイプ」と「パルマスタイプ」があります。ビッチャーはあまり動かない、下顎が突出したタイプ、パルマスは比較的活発に動き、上あごが突出しています。

種類①エンドリケリー・エンドケリー

エンドリケリーは大型種の中でもかなり人気の種類です。60~80センチ程度にまで成長しますので、エンドリケリーを飼育する時は余裕のある水槽を用意する必要があります。

エンドリケリーは大きくて迫力がありますが、実は人に慣れやすく、意外と育てやすい種類。養殖された個体は安く販売されており、設備さえ用意出来ればエンドリケリーは初心者でもチャレンジ出来ます。

ポリプテルス エンドリケリー

出典:楽天
出典:Amazon
出典:楽天
出典:Amazon
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種類②セネガルス

こちらは小型で人気のある種類。画像はアルビノ個体ですので真っ白ですが、本来は色が付いています。アジア圏で養殖されたものが輸入されており、安く販売されていますね。大きくなっても30センチ程度ですので、中型の水槽で育てられるのがメリットです。小型種を育てたい方は検討してみましょう!

種類③レトロピンニス

セネガルスよりも更に小型なのが、レトロピンニスです。レトロピンニスは最も小型の種類で、なんと20センチ程度にしか育ちません。ですので、レトロピンニスは60センチ水槽でも育てられる種類なのです。レトロピンニスはあまり流通量が多くないので少し高価なことが多く、店舗で見当たらない場合はネット購入することになります。

種類④パルマス・ポーリー

こちらは40~50センチに成長する中型の種類。東南アジアで養殖されており、安価に輸入されています。成長は緩やかですので、餌を与えすぎると太りすぎることも。泳ぐのが得意なタイプですので、餌やりをしていると食べにくるのが可愛いのも特徴。人になつきやすい性格をしているので人気があります。

種類⑤デルヘッジ

こちらは最大40センチ程度になる中型種ですが、飼育下では25センチ程度と小型に納まることが多い種類。ワイルドな雰囲気で人気ですが、神経質な面があります。少し飼育難易度が高いので、他の種類を育てて、慣れてからチャレンジするのがおすすめですね。力が強いので、水槽のフタにはしっかり重しを乗せておきましょう。

種類⑥ビキール・ビキール

とにかく大きなポリプテルスを育てたい方はこちらです。最大で1mにもなる種類で、飼育下ではもう少し小さくなりますが、それでも大きな種類ですね。背ビレの数も多く、とても雰囲気があります。大きな熱帯魚は途中で手放してしまう方も多いので、育てる際は長期的な目線で計画しましょう。

ポリプテルス ビキールビキール

出典:楽天

ポリプテルスの寿命

小型は寿命が短く、大型は寿命が長い


飼育する際に気になるのが寿命ですよね。寿命は長めで、10年~20年ほどとされています。寿命の長さは種類によっても違いがあり、小型種の寿命は10年、中型種の寿命は10~15年、大型種は10~20年とされています。20年の寿命となるとかなり長いので、覚悟して育てなければいけませんよね。

寿命を伸ばすには?

大型種でも寿命を20年まで伸ばすのは大変なことです。しかし、なるべくなら長く生きていて欲しいですよね。普通に育てていれば10年程度だったとしても、なるべくストレスを与えず、快適な環境で育てていけば寿命は伸びやすくなります。他の魚との混泳のストレスや水質悪化などに気をつけていきたいですね。

ポリプテルスと他の魚の混泳

口に入るサイズは食べてしまう

ポリプテルスは肉食魚ですので、口に入るサイズの魚であれば何でも食べてしまいます。混泳する魚のサイズには注意しましょう。逆に、食べられないサイズであれば攻撃しませんので安心です。ただし、稚魚の頃は他の魚のヒレをかじってしまうことがありますのでご注意下さい。

混泳におすすめの熱帯魚は?

大型魚の多くと混泳することが出来ます。アロワナやダトニオ、プレコやオスカーなど、色々な魚と混泳させてみましょう。エイとは生息する深さが同じですので、初心者は避けた方が良いですね。混泳させる際は餌に注意が必要です。他の魚に餌をとられてしまってエサ不足にならないよう様子を見ておきましょう。

ポリプテルス同士の混泳

ポリプテルスは同種での混泳が出来る魚です。沢山の個体を入れている方がよくいますね。ただし、相性はありますので、入れてみて喧嘩するようであれば一旦違う水槽に移し、様子を見てまた一緒にしてみたりしましょう。無理矢理混泳させるのではなく、様子を見ながら慎重に増やすのが大切です。

ポリプテルスの値段

ポリプテルスは養殖個体かワイルド個体かで値段が違います。養殖個体の方が安くて安全ですので、初心者の方は養殖個体を選ぶのがオススメです。1500~10000円で販売されていることが多いですね。

ワイルド個体は流通量が少なく価格も高めですが、大きく成長する傾向にあって人気があります。しかし、野生ならではの寄生虫が付いているがデメリット。寄生虫については後述して解説しています。

ポリプテルスの飼育方法①用意

用意するもの①水槽

まずは水槽から用意していきましょう。育てるサイズによって選ぶべき大きさが変わりますので、まずはどのポリプテルスを育てるかを決めましょう。

レトロピンニス等の小型種であれば60㎝水槽で、中型種は90㎝水槽、大型種は120㎝水槽、超大型種は150㎝水槽で育てます。水槽サイズが大きい程水質が安定しやすくなりますが、サイズに合わせて設備の価格も高くなっていきますので、予算とのバランスが大切です。

用意するもの②ヒーター・クーラー

次に、熱帯魚飼育に欠かせないヒーターを準備しましょう。ポリプテルスは若干暖かい水温を好みますので、オートタイプではなく、サーモスタットで調整出来るタイプがオススメです。

適温は26~28度ですので、その温度に合わせましょう。また、夏場に高温になる地域に住まわれている場合は水槽用のクーラーも用意しましょう。オススメの製品は下記記事で紹介しています。

用意するもの③フィルター

水が汚れていきますので、フィルターで濾過をしましょう。水槽に一匹程度なら上部フィルターでも構いませんが、複数匹育てるのであれば、濾過能力の高い外部式フィルターがオススメです。しかし、外部式フィルターは酸素供給量が多くないので、もし沢山育てる場合はエアレーションも考えておきましょう。

用意するもの④照明

熱帯魚を綺麗に見る為、また昼と夜を作るためにも照明が必要です。特にこだわる必要は無いのですが、明るい白い光を当て続けると、ストレスで体色が薄くなってしまうことがあります。出来れば暗めの照明で、かつLEDの方が良いでしょう。

ジェックス クリア LED 90cm用

出典:楽天
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用意するもの⑤カルキ抜き

水道水には熱帯魚にとって危険な塩素が入っていますので、中和する為のカルキ抜きを使いましょう。カルキ抜きを入れればすぐに使える状態になります。オススメのカルキ抜きは下記記事で紹介していますので、参考にしてみて下さい。

コントラコロライン 500ミリリットル

出典:Amazon

用意するもの⑥餌

用意する餌ですが、基本的には人工飼料を与えていくのがオススメです。生き餌の方がもちろん食いつきが良いのですが、生き餌だけでは栄養バランスが悪くなってしまいますので、基本は人工飼料とし、時折生き餌を使うという形が良いでしょう。

用意するもの⑦隠れ家


エンドリケリーは臆病な面があり、野生環境でもいつも潜んで生きていますので、隠れ家を用意してあげましょう。画像のような土管や、流木などでも構いません。身を隠し、安心出来ればどのようなものでも大丈夫です。土管を入れておくと顔だけ出したりしますので、とても可愛いですよね。

用意するもの⑧掃除用具

おそうじラクラク 砂利クリーナー

出典:Amazon

汚れた水を交換し、底に溜まった糞などを掃除する為に、水換え用のホースも購入しましょう。画像のホースは非常に使いやすくてオススメです。

また、ホースで抜いた水を受ける為の大きめのバケツや、コケ掃除たの為のスポンジも用意しましょう。大型水槽になると水換えは非常に大変になりますので、直接排水するなどのシステムを考えることをオススメします。

底砂は必要?

ポリプテルスやアロワナなどの大きな魚は、基本的には底砂を敷かないベアタンク方式が一般的です。ベアタンクであれば底の掃除もしやすいですよね。もし底砂を入れたい場合は、体に傷がつかないような細かいものを選び、掃除しやすいように薄めに敷くのが良いでしょう。ガーネットサンドがよく使われています。

ポリプテルスの飼育方法②準備

水槽の立ち上げ

用意が出来たら水槽を立ち上げていきましょう。一旦水洗いをしてから、水槽、フィルター、ヒーターなどを設置し、カルキを抜いた水を入れて循環させます。底砂を敷いた場合、勢いよく水を入れると水が濁りますので、静かに水を入れましょう。

しばらく放置

水が温まり、循環している状態で2週間ほど放っておきます。この間に水質を維持してくれるバクテリアが増えていき、ポリプテルスを入れた際に問題が起きにくくなるのです。期間に余裕がある方は、1ヵ月放置しておくと更に良くなります。

ポリプテルスの飼育方法③導入

水合わせをして入れる

バクテリアが増えたら、購入したポリプテルスを水槽に入れましょう!水槽に入れる時は水合わせという作業をします。まずは袋ごと水槽に30分浮かべて水温を合わせます。

その後、袋を開けて、水を少し捨てて、水槽の水を袋に入れて30分放置。また捨てて、また入れて30分放置を3回繰り返したら、水槽に移しましょう。袋の水は汚れている可能性があるので、水槽には入れないようにします。

しばらく様子を見る

水槽に入れたら様子見をします。近くでジロジロ見るとストレスになるので、遠くから見守りましょう。水槽に入れたばかりの頃は緊張していますので、隠れ家が大切です。また、餌やりはすぐに行わず、次の日に様子を見て、緊張しなくなっていたら与えて下さい。まだ緊張している様子であれば、もう一日様子を見てみましょう。

ポリプテルスの飼育方法④管理

餌やり

ポリプテルスは絶食してもしばらく生きていられる魚です。餌を与えすぎず、一日一回だけ与えましょう。ただし、幼魚は沢山食べさせてグングン成長させたいですね。たまに金魚やメダカ、鳥のササミをおやつとして与えると喜びます。

水換え

水が汚れていきますので、水換えは定期的に行いましょう。1週間に1度、3分の1程度換えるのがオススメです。水質や水温が急激に変わるとストレスがかかりますので、水温を合わて入れてあげましょう。

ポリプテルスの飼育方法⑤その他

飛び出し事故に注意

ポリプテルスの死因で多いのが、飛び出し事故による死です。いきなり水槽から飛び出そうとすることがありますので、フタに重しを乗せておきましょう。小さな隙間から出てしまうこともありますので注意して下さい。飛び出しても干からびるまでは空気呼吸でギリギリ生きていますので、もし見つけたら水槽に戻してあげましょう。

喧嘩をしていないか見ておく

基本的には穏やかな性格をしていますが、相性が悪くて喧嘩をしてしまうこともあり、体に傷が付くことがあります。その傷から最近が入って衰弱していくこともありますので、喧嘩をしていないかよく見ておきましょう。もし相性が悪そうであれば、違う水槽に移してあげたいですね。

ポリプテルスの繫殖①

ポリプテルスは繫殖を狙える魚

ポリプテルスは自宅で繫殖を狙える魚です。ただし、大型種の繫殖をさせるのは大変ですので、セネガルスやレトロピンニスのような小型種でチャレンジしてみましょう。

繫殖に必要な環境

繫殖させる時は、別で水槽を用意しておきましょう。繫殖させる目的であれば、レトロピンニスなどの小型種でも90センチ水槽は欲しいところです。そこに2組、計4匹のオスメスを入れてペアリングします。

ポリプテルスのオスメスの見分け方は?

オスメスの見分け方ですが、尻ビレを見ると分かります。オスは尻ビレの幅が広く、メスは幅が短いのが特徴。ただし、成熟していないと違いが分かりにくいので、2年ほど待ってみましょう。小型種であればオスは1~2年、メスは2~3年で成熟し、大型種はプラス1年かかります。

ポリプテルスの繫殖②

秋時期に少し水温を上げて


水槽には産卵床となる、画像のウィローモスという水草を入れておきます。このウィローモスをセッティングした水槽にペアを入れておいて、秋時期に産卵を狙います。水温は少し高めの28度設定にしましょう。餌を与えすぎると繫殖しにくくなるので、餌を与えすぎないように注意して下さい。

水質変化がキッカケになる

中々繫殖しない場合は、水換えを週に二回行ってみましょう。水質が変わることがキッカケで繫殖行動に出ることがよくあります。

産卵後に卵を隔離

無事に産卵したら、卵を隔離しましょう。そのまま放置しておくと親が食べてしまうことがあります。親を元の水槽に戻しても良いでしょう。この卵は3~7日ほどで孵化します。孵化して2日ほど経つと餌が食べられるようになります。

稚魚の育て方

孵化して二日が経ったら、ブラインシュリンプという餌を与え、大きくなったら少しずつ赤虫や人工飼料に切り替えていきます。稚魚がすくすくと成長するように、十分な量を与えて下さい。また、水換えを頻繫に行って水質が悪化しないように気をつけましょう。

ポリプテルスの病気

ポリプテルスは病気にかかりにくい

病気は育てる上で最も心配な所ですよね。しかし、よく熱帯魚がかかってしまう白点病などの病気にはかかりにくい魚です。というのも、丈夫な鱗で覆われているので、寄生するタイプの病気に強いのです。

病気には色々種類がありますので、症状がもし出たら調べて対策をしなければいけませんが、早期発見が出来れば治ることも多いので、毎日しっかり観察しておきましょう。

病気よりも寄生虫に注意

病気より気をつけておきたいのが寄生虫です。これは養殖個体にはあまりいないのですが、ワイルド個体はほぼ100%、マクロギロダクティルス・ポリプティという寄生虫が付いています。これは白い糸状の寄生虫で、かゆみを発生させて衰弱させる危険性があります。お店で除去してくれているかを確認し、していないような薬を用意して薬浴しましょう。

ポリプテルスに関するTwitter

レトロピンニスではない?

レトロピンニスを先述して紹介しましたが、実は名前が変わったことで少し混乱している部分があります。現在のレトロピンニスは元ザイールグルーンで、現在モケレンベンベと言われているのが元レトロピンニスという、少しややこしい形になっています。豆知識ではありますが、一応覚えておきましょう。

エンドリケリー・エンドリケリーの良さ

ポリプテルスはどの種類も人気ですが、特にエンドリケリー・エンドリケリーは大人気ですよね。上記ツイートに書かれているように、恐竜のようなかっこよさがあります。小型種と比べると少し大きいですが、慣れてきたらエンドリケリーにもチャレンジしてみましょう!

キズは病気?

よく病気と勘違いされがちなのがキズです。確かに表皮がおかしくなる病気は色々ありますが、ツイートのような様子であれば病気よりも擦れたキズである可能性が高いですね。どこにどう擦れて出来たキズなのか、しっかり観察して対策しましょう!

まとめ:ポリプテルスとはどんな熱帯魚?

今回の「ポリプテルスとはどんな熱帯魚?種類や飼育方法、混泳について解説!」はいかがでしたでしょうか?概要から飼育方法まで紹介しましたが、非常に興味深い熱帯魚でしたよね!初心者の方はまず小型のものから初めて、少しずつ大きくしていくのがオススメです。混泳しやすい古代魚ですが、相性も関係しますので気を付けましょう!

ポリプテルスが気になる方はこちらもチェック!

今回はポリプテルスについてご紹介しましたが、他にも熱帯魚に関する記事が沢山あります。気になる方は是非見てみて下さい。