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タイツリソウ(ケマンソウ)の育て方と花言葉!栽培・剪定の方法やコツをご紹介!

タイツリソウという、ハート形の花を鈴なりにつける山野草の花言葉や育て方、剪定方法、増やし方についてご紹介しています。初心者の方にも育てやすい植物で、低木の下や日陰でも育つのが魅力です。株分けや挿し芽でのタイツリソウの増やし方、種まきについても解説しています。
2020年8月27日
森川 美月
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タイツリソウ

タイツリソウとは

タイツリソウ出典: https://item.rakuten.co.jp/auc-tudoinosato/h-57/

タイツリソウは、漢字で書くと「鯛釣り草」。茎にたくさんの花がぶらさがっている様子が、釣り竿にぶらさがる鯛のように見えることから命名されました。一つ一つの花はハートの形をしており、英名では“Bleeding heart”(血のしたたる心臓)と呼ばれます。名作「赤毛のアン」にも登場する可憐な花ですが、毒性があるので取り扱いには注意が必要です。

タイツリソウの特徴

多年草

一度植えたら、植えっぱなしで毎年花が咲く多年草です。そのため栽培が比較的容易で、初心者の方にも育てやすい花といえます。いつのまにかこぼれ種で増えることもあるほどです。増やし方としては、種を採取し種まきで育てる方法と、株分けや挿し芽といった方法があります。

花の色

ピンク色のものが多く出回っていますが、鈴なりに咲く様子がどこかスズランを想わせる、白色の花もあります。ピンク色といっても洋風の淡い色ではなく、どちらかといえば紅紫で、和風の風情です。寄せ植えにして、タイツリソウの白とピンクを一緒に植えると、より華やかさが増します。

開花期

暖かくなってくる4~6月が花の時期です。3~10輪の花が穂に垂れ下がるように咲く様子は、まさに花言葉「従順」をイメージさせます。その一つ一つを拡大して見たとき、花言葉「恋心」を表す美しいハートの形の花に、感動されることでしょう。春の花と寄せ植えにすると、開花期は見事な存在感になります。

耐寒性・耐陰性あり

タイツリソウは寒さに強く、日陰でも育ちます。ただ、真冬の厳しい寒風には当てすぎないよう気をつけてください。鉢植えの場合は軒下や、風の当たらない場所に移動させましょう。また、庭植えの場合は、落葉樹の根元など湿った場所を好みます。

毒性について

全草(根、茎、葉のすべて)に有毒成分があります。誤食にはじゅうぶんに気をつけてください。

全草、特に根茎と葉にビククリン、プロトピンなどを含む。誤食した場合、嘔吐・下痢・呼吸不全・心臓麻痺などを引き起こす。

どこで買える?

タイツリソウ

ホームセンターの園芸コーナーなどで販売されています。見つからない場合は、ネットショップでも購入可能です。価格は苗の大きさにもよりますが、小さなポット苗で大体700円前後します。購入後は、株分けや挿し芽で増やすことが可能です。

タイツリソウの生け花

鉢植え栽培や庭植えのタイツリソウの花が咲いたら、剪定を兼ねて切り花として花瓶に生けたり、生け花を楽しんだりすることもできます。ハート型のかわいらしい花びらが、訪れる人の興味を引くことでしょう。

タイツリソウの品種


日本ではあまり知られていない、珍しい品種などもございますが、ここでは日本でも人気の品種についてご紹介いたします。

ゴールド・ハート

美しい黄色い葉を持つことから、「ゴールド・ハート」と名付けられました。寄せ植えなど鉢で育てている場合は、午前中よく日光の当たるところに置くようにすると、黄色が鮮やかになります。

アルバ

清楚な白いタイツリソウは、アルバ、または「スペクタビリスアルバ 」です。枝垂れながら横へ広がるように咲きますので、木陰やロックガーデンなどでも見栄えがします。白い花で統一されたホワイト・ガーデンにもおすすめです。

タイツリソウの花言葉

プラスイメージの花言葉としては、「従順」「恋心」、マイナスイメージの花言葉としては「冷めはじめた恋」「失恋」などがあります。今回は、それぞれの花言葉の由来について簡単に解説していきましょう。

プラスイメージの花言葉の由来とは?

「従順」という花言葉はタイツリソウの咲き姿に由来があるといわれています。まるで、頭(こうべ)を下ろして付き従うように可憐な花を咲かせる姿は、まさに従順さを象徴していますね。そして、「恋心」はタイツリソウの花弁の形状に由来があるとされています。ハートの形状をした淡い桃色の花びらは、一途な恋心をストレートに連想させてくれますね。

マイナスイメージの花言葉の由来とは?

ただ、タイツリソウにはそんなプラスイメージの花言葉だけでなく、マイナスイメージの花言葉も存在します。「冷めはじめた恋心」や「失恋」などの花言葉は、皮肉なことに先ほどご紹介した「恋心」と同じくタイツリソウの花弁の形状に由来があるとされています。時間の経過とともにハートの下部から亀裂が入るように花弁が割れるタイツリソウは、「冷めはじめた恋心」や「失恋」といったイメージを見る者に与えます。

タイツリソウの栽培方法

タイツリソウの栽培方法は二通りです。種まきから育てる方法と、苗を買って来て育てる方法について、ご紹介いたします。

種まきからの育て方

タイツリソウの芽が出て、成長し、花が咲くまでの様子がフォトムービーでご覧いただけます。初めて土の上に顔を出す芽は、どちらかといえば褐色で根元は白っぽい色をしているのが特徴です。草丈はわりと高くなりますので、パンジー・ビオラなどと寄せ植えするときは、背景になるように配置しましょう。

種の採取

タイツリソウは、花が終わると種をつけます。花の後に、豆のさやのような緑色の袋ができ、その中に種ができるのです。放っておくと種ははじけて地面に落ちますので、採取して種まき適期まで保存しておきたい場合は、タイミングに気をつけます。

種まき

タイツリソウの種まきの時期は、春か秋が適期です。暑さの厳しい7~9月頃は避けましょう。種は、乾燥させないよう霧吹きなどで湿らせてから、ビニール袋などに入れて冷蔵庫に保管してください。または、花が終わり種を採取した際、そのまま地面に種まきしておくと、次の春には芽を出します。

苗からの育て方

買ってきた苗を庭植えする様子です。植物の影の方向からして、日当たりのよい南面の花壇に植え付けているのでしょう。土に穴を掘り、他の植物などの根を除去してから、苗を植え付けます。花が満開になれば、早めに茎ごと剪定して花瓶などに挿し、株そのものに栄養がいきわたるようにしましょう。


タイツリソウの育て方①:日当たり

タイツリソウは、真夏の直射日光にはやや弱い性質です。鉢植えや寄せ植えの場合、午前中よく日が当たり、午後からは日陰になる半日陰に置きます。庭植えの場合は、木の根元など自然な影が落ちる場所を選ぶとよいでしょう。比較的明るい場所なら、一日中日陰になる場所でもかまいません。

タイツリソウの育て方②:水やり

生育期の3月から、花が終わり地上部が枯れる10月頃までは、鉢植え栽培の場合も庭植えの場合も同様に、土の表面が乾き始めたらたっぷりと水を与えます。冬場の水やりはほとんど必要ありませんが、あまり土が乾きすぎないように気をつけてください。

タイツリソウの育て方③:肥料

肥料の与え方は、鉢植え・庭植えの場合同様です。まず、元肥として緩効性化成肥料を、これから芽が出てくる3月頃と花が終わる9月頃に土の表面に施します。地上部が枯れ、休眠期に入る10月以降は肥料は不要です。それに加え、週1回のペースで液肥を薄めたものを施すのですが、真夏だけ少し液肥の濃度を薄くするようにします。

タイツリソウの育て方④:病害虫

病気はほとんどなく、育てやすいです。タイツリソウにつく害虫は、アブラムシとヨトウムシです。アブラムシは、春の新芽やつぼみなどの柔らかい部分につき、ヨトウムシは暖かい季節に発生し、新芽を食べます。害虫を見つけたら薬剤散布をするか、アブラムシの場合は綿棒でこすり落としたり、ヨトウムシは割り箸で捕殺するのも有効です。

コンパニオンプランツを利用

害虫駆除の方法として、コンパニオンプランツの利用が挙げられます。アブラムシやヨトウムシが好む植物を、タイツリソウのそばに植えることで、虫をそちらに集中させ、タイツリソウを虫から守るというわけです。

タイツリソウの育て方⑤:剪定

花の時期(4~6月)に花が満開になり、先端の花が枯れ始めたら、茎ごと剪定します。長い間花をつけたままにしておくと、栄養が花にとられて株が弱ってしまうからです。剪定した花は花瓶などに挿して、生け花として楽しみましょう。

タイツリソウの増やし方

増やし方①:株分け

株分けは春か秋に、植え替えと同時に行います。自然に根が分かれているところで株を分けますが、その際に根を傷つけないよう気をつけましょう。ひとつの株に、芽が三つ以上つくように分けてください。根の切り口は、放置すると雑菌が入る恐れがありますので、癒合促進剤などを塗って保護します。

増やし方②:挿し芽

挿し芽とは、植物の一部を切り取り、発根を促して増やす方法のことをいいます。生育期の元気の良い茎を清潔なハサミで剪定し、1・2時間水を吸わせた後専用度などに植え付けるのが一般的なやり方です。タイツリソウの場合は、新芽が伸びてくる春、3月から4月が挿し芽の適期になります。

タイツリソウの植えつけ、植え替え

タイツリソウは春の花ですので、春に咲く花と一緒に寄せ植えを楽しむことが出来ます。また、単独で鉢植えにしても風情があって素敵です。和風の庭はもちろん、ハート型の鈴なりがかわいらしいので洋風のお庭にもマッチします。


タイツリソウの裸苗

2月頃に裸苗と呼ばれる、根だけのものが売られ始めます。これは、上下の判別が難しい場合もありますので、芽の位置をよく注意して、芽が上にくるように植え付けます。芽は、白っぽい爪のような形をしている部分です。株分けした時のタイツリソウも、このような見た目になります。

裸苗の鉢植え

裸苗は、鉢植えや庭植えの用途で販売されています。おがくずやピートモスと一緒に袋詰めされている状態です。入手したらなるべく早く予定の場所に植えましょう。元肥を施し、水やりは控えめに育てます。3月に入り温暖な気候になってくれば、土の表面も乾きやすくなりますので、そのタイミングで水の量を増やしていきましょう。

タイツリソウのポット苗

タイツリソウ3号ポット出典: https://item.rakuten.co.jp/engei2/13787/

ポット苗は、3月・4月になると園芸店やホームセンターに出回り始めます。晩秋から早春までは休眠期に入るため、この時期にネットショップなどで苗を注文すると、届いた苗には地上部がなく、地下に根のある状態です。この状態でも問題なく育ちます。

ポット苗の鉢植え

鉢植えの場合の用土は、小粒の赤玉土6に対して腐葉土4の割合で植え付けます。腐葉土を加えた方が、水はけがよくなるのでおすすめです。タイツリソウは夏の直射日光を嫌いますので、鉢植えの置き場所は、風通しの良い明るい日陰を選びます。株分けや挿し芽で増やす場合は、ある程度大きく育ってからにしましょう。

寄せ植えでの栽培

タイツリソウの開花期は4~6月ですので、春の花と寄せ植えが可能です。パンジー・ビオラなどの定番花や、プリムラなど草丈の短い植物を手前や縁取りに持ってきて、タイツリソウは背景や中央に配置すると、その鈴なりの花が垂れ下がるさまが絵になり、楽しめます。

タイツリソウの育て方と花言葉!まとめ

タイツリソウは、ひと昔前は山野草愛好家にしか知られていない植物でしたが、今では花の形のかわいらしさから人気が出て、インスタグラムでも多くの画像を見ることができます。鉢植え、寄せ植え、庭植えなどに適しており、栽培が容易です。株分けや挿し芽での増やし方をマスターして、お友だちにプレゼントするのもいいですね。

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