簡単DIY!紅茶染めをしてみよう
フリマアプリやSNSの普及で、趣味のアクセサリー作品や、お洋服・バッグなどを出品することが簡単になりました。ちょっとしたおこづかい稼ぎにDIYやハンドメイドを始めてみたい方も多いと思います。この記事では始めてでも手軽に自分らしさを演出できる、紅茶染めについて紹介します。
紅茶染めの簡単なやり方
紅茶染めは普段から飲料として親しんでいる「紅茶」を利用したものです。藍染めや紅花染めなどよりも簡単に、手軽にできる染物として今じわじわと人気が高まっています。材料も紅茶や塩など普段のキッチンで手に入る物ばかり。さっそく始めてみましょう!
紅茶染めの基本の材料・道具
・紅茶のティーパック(目安1Lの水に対し4~5個)
・水
・布
・耐熱容器(鍋・ボウルなど)
・食塩、またはミョウバン
補足:紅茶染めの材料について
紅茶の茶葉の量は、お好みのできあがりの濃さで調節できます。色止めは行いますが、水でさらしたり、天日で干したりすることで色落ちするので、最初は濃いめにしてみましょう。また、紅茶の茶葉の種類でベージュになったりピンクになったりします。
紅茶染めのやり方1:布を洗う
まず下準備として布を水通ししておきます。とくに新しく購入した布には糊が付着していることがあります。糊が付着した状態は、上手く染められなかったり色むらになったりする原因です。また染めた布で作品を作りたい場合は、布の縮みを予防することもできます。一手間ですがキレイに染めるために、紅茶染めの前には布を水で洗っておきましょう。
紅茶染めのやり方2:紅茶を煮出す
染色液を作ります。方法は簡単です。鍋に水を張り、通常よりも濃いめに紅茶を煮出すだけ。ただし紅茶を飲料として楽しんだ後の出がらしは、液が薄くなりがちです。ちょっともったいない気もしますが新しいものを使用した方が良いでしょう。
紅茶染めのやり方3:塩(またはミョウバン)で色を止める
十分に色が出たら食塩、またはミョウバンを加えます。食塩・ミョウバンは紅茶染めや草木染めなどで、色止めとして使用されます。塩やミョウバンは使用しなくても染められますが、使用すると色止め効果以外に、発色が良くなる効果も期待できます。
補足:塩の代わりに酢でも色止め効果がある
塩の代わりにお酢でも色止め効果があります。お酢に含まれるクエン酸に色止めの効果があり、お洗濯に使用するという方もいます。使い方は塩の代わりにお酢を大さじ1程度いれるだけ。どちらも効果は変わらないので使いやすい方を選んでください。
紅茶染めのやり方4:布を紅茶液で煮る
濃い紅茶の液に布を浸します。均一に色が布に染みるようにときどきかき混ぜてあげましょう。最低でも2時間は浸しておきます。そうすると色がしっかりと布に付きます。
紅茶染めのやり方5:水ですすぐ
自分がイメージする色よりも濃いめに布が染まったら、引き上げて水洗いをします。すすぐ水が透明になり、色が出なくなればすすぎ完了です。直射日光は避けて陰干しをしてください。
ちょっとワンランク上の紅茶染めテクニック
ここからはちょっとした手間と工夫でできる、ちょっとワンランク上の紅茶染めテクニックを紹介します。
発色をより良くしたい場合の方法
藍染めや紅花染めなど、伝統的な染物には色の定着や発色を促すために、媒染(ばいせん)剤を使用してきました。媒染剤は主に金属イオンが用いられています。紅茶染めでより発色を良くしたい場合はミョウバンを使用する方法があります。「紅茶染めのやり方4」で紅茶液に浸したあとの布を、媒染剤に10分ほど浸して水洗いするだけ。この手間でぐっと発色が良くなり、色の定着も良くなります。
媒染剤の作り方
材料
ミョウバン 小さじ1~2
お湯 1L
以上の材料を合わせ、よく混ぜ合わせるだけです。ミョウバンは薬局やスーパーの漬けものの素が置いてあるコーナーで購入することができます。
紅茶染めに適している素材は?
同じように紅茶染めをしても素材によって色の濃さや染めやすさは異なります。同じ紅茶液を使用してもまったく違う染物が出来上がるのが紅茶染めの面白さですよね。ここからは染めやすい・染めにくい素材について解説します。
染めやすい布
染めやすい布は衣服に多く利用されている綿などの植物性繊維や、シルクといった動物性繊維が上げられます。
一般的に植物性の繊維は淡いベージュに、動物性の繊維は濃い茶に染まる傾向にあります。
植物性繊維
・綿、麻など
・淡いベージュに染まることが多い
TシャツやYシャツなどによく使用される植物性の繊維は、生成りやベージュなど淡い上品な色に染まります。綿や麻、パルプなどがその代表例です。肌ざわりがよく、吸水性のよい生地なので衣類やハンカチなどの小物にもお勧めです。
動物性繊維
・シルク、ウールなど
・濃いベージュに染まることが多い
動物の毛を加工した繊維です。蚕(かいこ)の繭をつむいだシルクは最も美しい繊維として有名ですね。ウールの毛糸を紅茶染めにして、マフラーやセーターを編むのも楽しみの一つ。動物性繊維は植物性繊維よりも濃い、ベージュやブラウンに染まりやすいです。
化学繊維
・ナイロン
・濃いベージュに染まることが多い
一般的に紅茶染めに化学繊維は不向きです。しかしナイロンはシルクの構造に似せて作っているため、染めやすい繊維です。日光によって変色しやすいという特徴があるので、染めた後も時間の経過で変色する怖れがあります。
染めにくい布
ポリエステルやレーヨンといった、化学繊維は基本的に染まりにくいです。
ポリエステル100%と表示があるような素材は、染まってもうっすらとした染物になります。ただしポリエステルと綿の混合素材などはこの限りではないので、試してみるといいでしょう。案外キレイに染まったりします。
紅茶染めの色分けの仕方
基本的に色分けはできない
自分の思い通りに色分けがしたい、と誰しも思います。しかし残念ながら紅茶染めで完全な色分けはできません。使用しているものが化学染料ではなく、自然のものから抽出したものだからです。そのため使用する茶葉や、染色液の抽出時間、染色液に漬けている時間などで少しずつ色が変わります。
紅茶染めでピンク色に染めたいとき
紅茶染めでピンク色に染めたい場合はハイビスカスティーを使用します。濃いめに抽出したハイビスカスティーに長めに漬けておくと、ベージュが掛かったようなピンクに染まります。ちなみにローズヒップティーを使用すると、グレーに染まります。
紅茶染めのアレンジ方法1:絞り染め
紅茶染めの基本が分かったところで、より染物が楽しくなるアレンジを紹介します。まずは絞り染めです。布をたこ糸やゴムでしっかりと縛ることで、色の浸透を防ぎ様々な表情を楽しめる染物の代表的なテクニックです。
絞り染めのやり方
染めたい布や服を用意し自由に輪ゴム、またはタコ糸で縛ります。表面を小さくつまんだり、布の端の方をねじって縛ったり、感性の赴くまま自由に絞ります。縛った布を染色液に漬けます。染まるまでおよそ2時間以上漬けておき、あとは水ですすいで渇かします。
紅茶染めのアレンジ方法2:わっか絞り
絞り染めの応用編がわっか絞りです。やり方は簡単。ぜひチャレンジしてみましょう。
わっか染めのやり方
まず大きめのビー玉やスーパーボールなどを用意しましょう。
ボールを布の裏側で包み、根元を輪ゴムでしっかりと縛ります。輪ゴムで縛っている部分が染まらずに残るので強く縛った方がキレイにできます。花びらのようにしてみたり、一列に並べてみたり配置してみましょう。あとは染色液で2時間以上漬け、水ですすぎます。
紅茶染めのアレンジ方法3:板染め
折った布を板の間に挟み、強く締めて模様を作るのが板染めと呼ばれる技法です。折り方を変えると幾何学模様の個性的な染物ができあがります。
板染めをする道具
・輪ゴム またはタコ糸
・板2枚(かまぼこ板のようなものでOK)
板は端材(薄いベニヤ板など)を同じサイズに切ったものでも使えます。ホームセンターに行くと数十円で販売されていることがあるので尋ねてみてください。
板染めのやり方
今回はシンプルな格子柄になる方法を紹介します。
まず布をじゃばらに折り畳んでいきます。端まで折り畳んだら、向きを変えて同じようにじゃばらに折り畳みます。次に用意した板で布を挟みます。輪ゴムやタコ糸でしっかりと布と板を止めましょう。この板で挟んだ部分が白く残ります。
あとは染色液によく浸し、水ですすぎます。慣れたら折り方を工夫してみましょう。様々な模様が楽しめます。
紅茶染めのアレンジ方法4:ろうけつ染め
布に好きな柄を描く方法として、ろうけつ染めというものがあります。高価な着物に用いられる技法ですが、簡単にできる方法があるのでご紹介します。
ろうけつ染めをする道具
・大豆ワックス または蜜蝋
・絵筆
・小さめのホットプレート(温度を保つための器具)
・ペーパータオル
・アイロン
ろうけつ染めのやり方
準備
① 染めたい布に鉛筆などで好きな絵を描きましょう。
② 次に大豆ワックスの準備をします。大豆ワックスを耐熱容器に入れて電子レンジで加熱し溶かします。大豆ワックスが作業途中で固まらないようにホットプレートの上で保温します。
③ あとは絵筆で大豆ワックスを取り、描いた絵をなぞっていきます。この大豆ワックスを塗った部分が白く残り柄になります。
染める
④ 大豆ワックスが乾いたら染色液につけるのですが、ここで注意点が一つあります。あまり高温の染色液だと、ワックスが溶けてしまいます。常温程度に冷めた染色液に長時間漬けるなどしましょう。
乾燥~仕上げ
⑤ 染めたら乾燥させます。
⑥ 大豆ワックスを落とします。布を挟むようにペーパータオルを敷いて、アイロンを掛けます。
紅茶染めの簡単DIY例1:オリジナルアクセサリー
初めて紅茶染めをするなら、まず小さなレースから染めてみましょう。ブラウンやピンクベージュなど、そのときどきで色が変わる、紅茶染めならではの楽しさを味わってください。
コサージュなどアクセサリー作りに
レースのリボンやハギレなどを染めて、アンティークな雰囲気のコサージュはいかがでしょうか。白やゴールドのビーズをあしらって、インテリアとして飾ってもステキですね。
アンティークドールのアクセサリーに
趣味でアンティークドールを集めている方に、専用のお洋服に紅茶染めをしたレースをあしらってみるのはいかがでしょうか。年代を重ねたような独特の風合いが増して、よりアンティークな魅力が増します。
レースのコースターを紅茶染め
100円均一ショップで購入できるレースのコースターも紅茶染めをするとステキなインテリアに変身します。花瓶の下に敷いてドライフラワーなどを飾るとちょっとしたカントリー風のコーナーに。お友達とのホームパーティーに紅茶染めコースターを使用してももちろんおしゃれです。
紅茶染めの簡単DIY例2:ヴィンテージ風便箋
シンプルな白い便箋をヴィンテージ風にリメイクしてみましょう。紅茶染めは布だけでなく、紙にも染めることができます。
紙への紅茶染めのやり方
平たい容器に染色液を用意して、染めたい紙を浸します。浸している時間が長いほど色が濃くなるので、お好みで調整してください。染まったら引き上げ、クッキングペーパーなどで水分を吸収させます。ある程度水分が抜けたらドライヤーで乾かします。
ペーパータグを染める
シンプルなペーパータグを紅茶染めすることでヴィンテージな雰囲気に変わります。瓶や缶にクッキーやジャムを詰めて、贈り物用のラッピングとして添えてみましょう。また染めたタグにスタンプを押してしおりや、オリジナルブランドロゴとして活用してもいいですね。
年代物の楽譜を演出
布と違って紙は、紙に出るシワも味わいのポイント。半乾きの染めた紙をくしゃくしゃにしてドライヤーを当てると、より年代を重ねたように演出できます。それを利用して、楽譜を紅茶染めに。当時の音楽を感じさせるような雰囲気です。
紅茶染めの簡単DIY例3:衣服のリメイク
少し汚れたTシャツやワイシャツなどの衣服、靴下なども紅茶染めをすると、おしゃれで温かみのある服になります。
汚れた子どもの衣服をリメイク
毎日お洗濯しても、活発に遊びぶ子どもの衣類汚れは段々と気になってしまいます。白い衣服はとくに気になりますね。そんなときに紅茶染めをすると汚れが目立たなくなります。
靴紐を紅茶染めして
おしゃれさんであるほど自分らしい個性を大事にしたいと思うもの。ニュアンスカラーのスニーカーの紐だって、紅茶染めでひと手間加えると統一感のある仕上がりに。
台ふきを染めて使い分け用に
少しくたびれた台ふきを紅茶染めします。真新しい白い台ふきは食器を拭く用に、紅茶染めした台ふきはテーブルを拭いたり台所の清掃に使ったり。染めることで使い分けしやすくなります。
自分らしく紅茶染めを楽しもう
キッチンで簡単にできる紅茶染めは、自分らしいハンドメイドアクセサリーづくりにもピッタリです。用意する材料も紅茶のティーパックと塩だけなので手に入りやすく、万が一口に入っても安心です。ぜひお友達やお子さんを誘っていっしょに楽しんでください。
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