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イソギンチャクの種類は?
イソギンチャクは種類豊富な生き物ですが、身近でメジャーな生き物ではありませんので、詳しく知っている方はあまりいませんよね。
不思議な見た目をしており、また生態も非常に興味深い生き物で、一度その面白さを知るとどんどんハマっていくこと間違いなしです。今回はそんなイソギンチャクの特徴や豆知識、育てやすい種類、基本的な飼育方法などを解説していきます。
イソギンチャクはどんな生き物?
イソギンチャクとは?
そもそもイソギンチャクとはどういう生き物なのかが気になりますよね。イソギンチャクは、刺胞動物門花虫綱六放サンゴ亜綱イソギンチャク目に分類される、動物の一種です。まるで植物のようですが、触手を沢山持っている無脊椎動物に当たります。
刺胞動物という分類なのですが、クラゲやサンゴも仲間です。サンゴなどは磯などで群れを作って過ごすことが多いのですが、イソギンチャクは単独で行動することがほとんどですね。
イソギンチャクはどこにいるの?
日本の海で遊んでいても、イソギンチャクを見たことが無い方は多いかもしれません。しかし、実は身近な磯などに生息している生き物です。
因みに、磯で見かける際に触手を引っ込めている姿が巾着のように見えるため、「磯巾着」という名前が付けられました。野生個体を見つけたい方は、是非磯場で探してみましょう。暖かい地方の磯場なら見つかる可能性があります。
イソギンチャクは歩く
イソギンチャクを植物だと思っていた方には衝撃かもしれませんが、実は歩く生き物です。磯場にいる時はじっと張り付いていることも多いのですが、場所が合っていないと感じるとゆっくりと移動したり、天敵が来た時に逃げたりします。
基本的に移動速度は遅いのですが、中には素早く移動出来る種類もいて、キタフウセンイソギンチャクは海の中でジャンプすることも可能です。
イソギンチャクにもメスオスがある
海の生き物の中にはオスメスの区別が曖昧な生き物もいますが、イソギンチャクはほとんどの場合、オスメスが分かれています。メス個体は口から卵子を出し、オスが精子をかけて受精させる形式で繫殖するのです。
見た目が植物のようなので、ちゃんと繫殖することも驚かれる方が多いかもしれませんね。また、中にはオスメスの区別が無い種類もいて、分裂して増えていく種類もあります。
イソギンチャクの毒について
イソギンチャクの触手には毒がある
イソギンチャクのひらひらした触手は、見ていると触ってみたくなりますよね。しかし、実は触手には毒があります。触手の先端に刺胞と呼ばれるものが無数にあり、その針と毒で身を守ったりしているのです。
日本に生息している種類ではハタゴイソギンチャクが強めの毒を持っており、沖縄ではウンバチイソギンチャクという危険な種類もいます。ウンバチイソギンチャクの毒は死亡例もあるほどの毒ですので注意しましょう。
クマノミと仲が良い理由
イソギンチャクと言えばクマノミも連想されますよね。クマノミは触手にある毒に耐性がある魚で、イソギンチャクを隠れ場所と出来る魚です。
また、クマノミはイソギンチャクにとっても有益な魚であり、お互いに助け合える関係となっているのです。他の魚だと毒にやられて捕食されてしまうこともありますので、イソギンチャクと海水魚を一緒に飼育する際は多少の注意が必要となります。
イソギンチャクの種類は多い
イソギンチャクは世界で約800種類
気になるイソギンチャクの種類数ですが、全世界で800種類ほどが生息しているとされています。これは正確な数ではなく、おおよその数で、1000種類ほどという声もあります。1000種類となると、凄い数ですよね。
日本にいるイソギンチャクの種類は?
そんな数多いイソギンチャクですが、日本には約50種類ほどが生息していると言われています。50種類であれば、なんとか大体の名前も覚えられる範囲ですよね。
しかし、実はこの50種類というのも正確な数ではなく、未確認のものも含めると150種類以上が日本にいるのではと言われています。150種類では名前を覚えるのがかなり困難になりますね。
飼育しやすいイソギンチャクの種類①
ハタゴイソギンチャク
クマノミと仲良しのイソギンチャクと言えばハタゴイソギンチャクです。イソギンチャクファンであれば必ず知っている名前ですね。画像のような色が一般的ですが、蛍光グリーンやブルー、パープルと言った綺麗な色のものもいて、中にはレッドの珍しいものもいます。
こちらは今回紹介する中でも一番毒性が強い種類で、素手で触ると手が腫れてしまう可能性がありますので、触る時は手袋を付けるなどして対策しましょう。
ハタゴイソギンチャクは飼育しやすい?
多少の難しい部分はありつつも、多くの方に育てられている種類です。購入した際の状態が悪いとすぐに死んでしまうことが多いので、状態の良い日本国産のものを選びましょう。
水質の悪化に弱いのと、光合成をするのに強い照明がいるのがポイント。メタルハライドランプを使用することをオススメします。餌は必要ありません。
飼育しやすいイソギンチャクの種類②
イボハタゴイソギンチャク
こちらは名前の通り、表面がイボイボとしているのが特徴のイソギンチャクです。外国ではカーペットアネモネという名前で呼ばれることもあり、水槽を華やかにしてくれる素敵な種類ですね。大人気では無いのですが、カラーバリエーションも豊富で、飼育しやすくオススメです。画像のように、クマノミともちゃんと共生してくれます。
イボハタゴイソギンチャクは飼育しやすい?
飼育難易度は低いので、初心者でも挑戦出来ます。購入したての小さなころは移動することがありますが、ある程度大きい個体はライブロックから動かなくなることが多いですね。照明はLEDでも構いませんが、メタルハライドランプを使用した方が元気に育ちます。毒性は比較的低めではありますが、周囲にサンゴを置かないようにしましょう。
飼育しやすいイソギンチャクの種類③
タマイタダキイソギンチャク
こちらは名前にタマと付いている通り、先端が玉のように丸くなっているのが特徴。多くのクマノミが共生しますが、特にハマクマノミが好む種類となっています。色は画像のようなホワイトから、グリーンやレッド個体もあります。
レッドが人気なのですが、人気種は入荷しにくいですね。また、落ち着くと一定の場所にいるのですが、落ち着くまでは水槽内をよく移動しますので、サンゴと一緒に育てるには不向きです。
タマイタダキイソギンチャクは飼育しやすい?
こちらは比較的育てやすい種類で、メタルハライドランプを使用しなくても、LEDライトでも育てることが可能です。水温は25度あたるをキープさせ、水流はそれなりに作ってあげる方が状態が良くなります。
購入時は小さな個体でも、次第にどんどん大きくなっていきますので、ある程度大きな、60センチ以上の水槽で育てた方が良いでしょう。小さな水槽ですと、他の生き物に触手が触れやすくなってしまいます。
飼育しやすいイソギンチャクの種類④
サンゴイソギンチャク
サンゴイソギンチャクも、イソギンチャクファンなら絶対に知っている名前ですよね。よく流通している種類であり、磯だまりでも見つけることが出来ます。
ショップで購入するのがオススメですが、野生個体を採取して育てている方もいます。クマノミとも共生出来ますので、気軽に育ててみましょう。また、こちらは分裂して増えるタイプですので、増える楽しさも味わえます。
サンゴイソギンチャクは飼育しやすい?
こちらは蛍光灯程度の光量でも育てられる種類ですので、初心者にもオススメです。用意出来る方はメタルハライドランプを使用しましょう。
水流は少しあった方が良く、温度は25度が適温。最初は小さくても後々に大きくなっていきますので、ある程度大きな水槽で育てることをオススメします。結構移動するタイプですので、ライブロックをある程度置いて、落ち着くようにしましょう。
飼育しやすいイソギンチャクの種類⑤
センジュイソギンチャク
こちらは画像のように、細長い触手が沢山生えている種類で、クマノミとの可愛い共生が楽しめます。日本にも生息しているのですが、海外にもいるので、世界的に人気がありますね。
画像のような色の他に、グリーンやパープル個体もいます。購入する際は日本国産のものを購入するのがオススメで、価格は1万円くらいで販売されていることが多いですね。毒性はあまり強くありません。
センジュイソギンチャクは飼育しやすい?
こちらは画像のように見た目も良く、とても丈夫な種類なので、初心者にもオススメ出来る人気種です。基本的なイソギンチャクの育て方をおさえて、丁寧に育てていきましょう。
野生個体は深い海にいることが多い為、強い光はあまり必要なく、LEDライトでも育てていけます。その割に餌も必要ないので、飼育は簡単ですね。ライブロックに置いて活着させてあげましょう。
飼育しやすいイソギンチャクの種類⑥
シライトイソギンチャク
こちらは画像・名前の通り白い糸のようなイソギンチャクなのですが、実は本来の色はもっと茶色っぽい色をしています。人気なのは画像のような白い個体ですね。安価に販売されていることが多く、手を出しやすい種類です。クマノミともよく共生してくれるのもポイント。あまり移動もしないので扱いやすくオススメです。
シライトイソギンチャクは飼育しやすい?
こちらは育てやすい種類ですので、基本的に育て方で問題ありません。照明はLEDなどでも構いませんが、メタルハライドランプを使用した方が元気に育ちます。水温は25度をキープしましょう。
職種には多少の毒性がありますので、周囲にはサンゴを置かないようにして下さい。くぼんだライブロックに設置してあげると、すぐに落ち着くことが多いですね。
飼育しやすいイソギンチャクの種類⑦
ロングテンタクルアネモネ
こちらは画像・名前の通り、触手が長いのが特徴のイソギンチャクです。クマノミも共生してくれるので人気がある種類ですね。こちらはライブロックにも活着しますが、砂の中に潜ることも多い種類で、一度落ち着くとあまり移動しなくなります。
画像のような色が一般的ですが、カラーバリエーションは豊富な種類です。3000~6000円程度で販売されていることが多いですね。
ロングテンタクルアネモネは飼育しやすい?
こちらは初心者でも比較的育てやすい種類ですので気軽に挑戦してみて下さい。丈夫な種類ではありますが、水質や水温に気を付けながら育てましょう。
海水魚を多く飼育していると濾過が追い付かなくなって水質が悪化し、体調不良となってしまうことがあります。オーバーフロー水槽など、濾過能力の高いシステムを採用していない場合は、海水魚を少なめにして育てると良いでしょう。
飼育しやすいイソギンチャクの種類⑧
ミドリイソギンチャク
こちらは画像のように綺麗な緑色の体とピンク色の触手を持っているのが特徴の種類です。日本各地の磯や堤防で見かけられますが、知っている方はあまり多くないかもしれませんね。
サイズは5センチほどと小さく、とても可愛らしいイソギンチャクです。クマノミとはあまり共生しません。お見せで購入ももちろん出来ますが、磯の野生個体を採取して育てることも出来ますので、興味がある方は探してみましょう。
ミドリイソギンチャクは飼育しやすい?
こちらも飼育が比較的簡単なイソギンチャクですが、光合成で栄養を補給出来ないタイプですので肉類の餌を与える必要があります。餌を与えると触手で食べますので与えてみましょう。
餌は頻繁に与える必要はなく、二週に1度くらいの頻度で、スポイトで与えます。水温は25度程度が適温で、強い水流は必要ありません、底砂に潜ることがよくあります。
飼育しやすいイソギンチャクの種類⑨
ウメボシイソギンチャク
こちらは名前の通り、ウメボシのような色をしたイソギンチャクです。この名前は色だけではなく、触手を閉じている時の状態がウメボシに似ていたことから付けられたとされています。日本の南部で見かける5㎝程度の小さなイソギンチャクで、安価で販売されているのがポイント。赤色だけではなく、他の色もあります。
ウメボシイソギンチャクは飼育しやすい?
ウメボシイソギンチャクは無性生殖タイプですので、画像のように勝手に増えることがよくある楽しい種類です。強い光も必要ありませんので、気軽に育ててみましょう。お店では1000円程度で販売されていることが多いのですが、日本の磯場で採集出来ますので、気軽に探してみましょう。光を当てていれば、餌を与える必要はありません。
イソギンチャクの基本的な飼育方法①
用意するもの①水槽
これからイソギンチャク飼育を始める方は、まずは水槽を用意しましょう。水槽は大きいほど水質を保ちやすいので、出来れば60センチ以上の水槽を用意したいですね。60センチ水槽は価格も安価で販売されていることが多いのでオススメです。
オーバーフロー水槽と呼ばれるタイプの水槽システムがありますが、初心者の方には敷居が高いので、まずは普通の水槽で始めてみて下さい。
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用意するもの②フィルター
次に必要なのが、強力なフィルターです。海水魚を飼育する以上に水質に気を付ける必要がありますので、画像のような外部フィルターと呼ばれるものを用意した方が良いでしょう。
加えて、プロテインスキマーと呼ばれるタンパク質を処理するものも用意することをオススメします。海水魚を沢山育てていなければ、このセットでイソギンチャクを育てられる水質が保てます。
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用意するもの③ヒーター&クーラー
25度が適温の生き物ですので、ヒーターとクーラーで水温管理をしましょう。夏場に28度以上の水温になると危険ですので、水槽用クーラーも大切です。また、ヒーターの上にイソギンチャクが乗ると大変危険ですので、ヒーターを設置する際はライブロック等で隠すようにして下さい。
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用意するもの④ライブロック
ライブロックはバクテリアが付着した岩です。バクテリアが付着したライブロックを入れることで水質を保つことが出来ます。また、イソギンチャクが活着する場所としても最適ですので、ライブロックも是非一緒に入れましょう。
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用意するもの⑤人工海水
海の生き物ですので、海水で育てる必要があります。画像のような人工海水が販売されていますので、こちらも用意しておきましょう。人工海水を作る際、濃度を間違えると危険ですので注意しましょう。
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用意するもの⑥ライト
イソギンチャクは光合成をする生き物ですので、ライトは必須です。基本的にはメタルハライドランプを使用した方が良いのですが、中には蛍光灯やLEDライトでも元気に育ってくれる種類もいます。そういった種類を育てる場合は、普通のライトでも良いでしょう。色々育てたい方はメタルハライドランプを用意して下さい。
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用意するもの⑦水流ポンプ
サンゴやイソギンチャクといった生き物は、海中でゆらゆらと揺れながら生きているので、その環境を再現した方が元気に育ちます。画像のようなポンプで水流を作ってあげると良いでしょう。水流を直接当てるとストレスになりますので、水流を水面に向けて、勢いを拡散させるのがオススメです。
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イソギンチャクの基本的な飼育方法②
イソギンチャクの購入
購入する際に弱っている個体だと、どうしてもすぐに死んでしまうことが多いので、なるべく元気な個体を買いましょう。日本国産のものは価格が高いことが多いのですが、元気な個体が多いのでオススメです。
磯から採取してくる場合は、張り付いているものを無理矢理剥がすと傷がつきますので、張り付いている石、岩ごと持ってくるという手もあります。
イソギンチャクの導入
イソギンチャクを水槽に入れる際は、水温や水質を合わせる水合わせをしておくと良いでしょう。バケツにイソギンチャクを入れて、少しずつ水槽の水を入れ、水質にゆっくり慣れさせてから水槽に入れます。
設置する際はライブロックに置いてあげましょう。ライブロックのくぼんでいる所に置くのがオススメです。毒がありますので、手袋をつけて触って下さい。
餌について
イソギンチャクは捕食する生き物ですが、しっかり光を当てていれば餌を与え無くても良い種類が多いです。もし光合成しないタイプの場合はスポイトで、二週に1度、生餌を与えて下さい。また、光合成するタイプでも、瘦せている様子なら餌を与えてみても良いでしょう。
イソギンチャクの体調不良について
デリケートな生き物ですので、よく観察して、体調不良になっていないか見ておきましょう。体調不良になると、口が開きっぱなしになったり、ずっと縮んでいたり、何か塊を吐き出したりといった変化が現れます。水質悪化が原因であることが多いので、まずは水換えをして、水質を改善してみましょう。
まとめ:イソギンチャクの種類は?
今回の「イソギンチャクの種類は?種類別の特徴や飼育方法を詳しくご紹介!」はいかがでしたでしょうか?特徴から育てやすい種類、飼育方法までご紹介させて頂きましたが、非常に興味深い生き物でしたよね!
海水魚飼育よりも難易度は高いのですが、育てやすい種類なら初心者でもチャレンジ出来ます。しっかり用意して、イソギンチャク飼育に挑んでみて下さい。
イソギンチャクが気になる方はこちらもチェック!
今回はイソギンチャクの種類をご紹介させて頂きましたが、他にも熱帯魚や海水魚などに関する記事が沢山あります。気になる方は是非見てみて下さい。
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