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ししとうの栽培のコツとは?気になる種まき・植え付け方法から収穫まで詳しくご紹介!

シャキシャキ感と香りがたまらないししとうは正式名称を獅子唐辛子といいます。その中でも辛くない品種がししとうです。病気や害虫にも強いので家庭菜園での栽培にぴったりですね。今回はその栽培方法や育て方のノウハウなどのお話をいたします。
更新: 2022年2月17日
kureko
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ししとうを栽培しよう!

ししとうってどんな野菜?

夏野菜の1つであるトウガラシは、中南米が原産で、品種は「辛み種」と「甘み種」の2種類あります。その中でシシトウは辛みのない品種で、甘み種を代表するトウガラシです。ナス科のトウガラシ属で、栄養成分はピーマンとほぼ同じ、ビタミンCやカロチンを多く含み、免疫機能や疲労回復、抗酸化作用などに効果があります。

その他にもししとうはビタミンEやカリウム、食物繊維なども多く、またししとうの匂いの成分であるピラジンは血液をサラサラにしてくれます。成熟すると赤くなりますが、熟する前に収穫され、緑色の状態のシシトウを私達は食べています。

 

シシトウの正式名はシシトウガラシ(獅子唐辛子)で、名前の由来は、実の先端がでこぼこしていて、獅子の頭のように見えることから来ているという説や、実の先端がくぼみ、獅子の口のように見えることから来ているという説などがあります。

ししとうは夏野菜なので暑さに強くどんどん成長し、長期間収穫できます。また病害虫にも比較的強いので初心者でも手軽に、プランターなどで栽培でき、丈夫で育て方が楽な野菜です。

ししとうはどの品種も基本的な育て方は同じですが、天候、特に降雨の影響や栽培環境などによって辛さが変わることも考えられますので、辛みが苦手な場合は辛みを抑えた品種(甘長など)を選ぶのが良いでしょう。ししとうの代表的な品種に獅子唐、万願寺唐辛子、伏見唐辛子などがあります。

その他の代表的な品種としては、甘トウガラシや地域で品種改良された山科唐辛子や、赤万願寺とうがらし、育てやすい品種として甘とう美人、伏見甘長、翠光などがあります。次の章からはししとうの栽培について詳しく説明していきましょう。

ししとうの栽培その1

ししとうの育て方には種まきと苗の植え付けの2つの方法がありますが、植え付けする前にまず注意しなければならない事をお伝えしますと、ししとうはナス科の野菜ですが、同じ場所で繰り返して栽培すると土の中の養分のバランスが崩れ、野菜の体力が低下したり、病害虫の被害を受けたりと連作障害を起こしやすくなります。

それを避ける為にナス科の野菜(ししとう、ピーマン、茄子、トマト、ジャガイモなど)を3年以上植えていない土壌を選ぶことが大切です。また、酸性の土壌も嫌いますので酸性に傾いた土壌であれば石灰を施しておきましょう。

種まきから始めるししとうの育て方

種まきの場合、3月下旬から4月上旬頃に種まきをします。種まき用の土(小粒の赤玉土)を入れた育苗箱を準備し、種を蒔いていきます。ししとうの種の発芽適温は28~30度と高温なので、種まきしたあとはマルチングを行い、土の温度や湿度を管理します。発芽したらポットに移し替えて一番花が咲く時期まで苗を育てます。

最初から育苗ポットに種を蒔いて育てる時は、直径9cmの3号ポットを選び、中心に3粒ほど種を蒔きます。ししとうは発芽に光が不要な嫌光(けんこう)性種子なので、種を蒔いたら太陽に当てないよう1㎝くらい土を被せ盛り土をします。たっぷり水を与え暖かいところに置き、本葉が2枚~4枚になってきたら徐々に間引きをします。

ししとうの本葉が10枚ほどになったところで、プランターや地面に植え替えて、最終的に1本立ちにします。ししとうは苗になるまでの時期が長く、70~80日ぐらいかかります。そのため初心者の方は良い苗を育てるまでの工程がけっこう大変ですので最初は市販の苗を購入して栽培されることをおすすめします。


ししとうの栽培その2

苗を植え付ける育て方

前述ではししとうの種から苗を作るお話をしましたが、ししとうは苗になるまでの日数が70~80日と長く、苗を育てるまでの工程にも気を使いますので、ここからは苗から栽培する方法をお話します。1~2株で十分な収穫が期待できるので市販の苗を購入することで種まきよりも効率的に栽培することが出来ます。

ししとうの苗の選び方

ししとうの苗の選び方は、茎が太く、大きくてしっかりしていること、艶のある本葉が8~10枚くらいついていて節と節の間が詰まっていること、一番花がまもなく咲きそうで苗の先端に勢いがあることなどをポイントに選んで下さい。苗によっては一番花がまだ咲いていない事もあるので咲くまでポットで育ててから畑に植えて下さい。

ししとうの苗の植え付け:プランター

土をプランターの縁から2センチくらい下まで敷き詰めます。土は市販の野菜用培養土を利用するのも手軽でおすすめです。苗を植え付ける時は株と株の間を20センチ以上開けて穴を掘り、根鉢が崩れないように苗の根元を丁寧に持って植え付けます。植え付けたら周りの土を根元に寄せて手で軽く押さえ最後に水をたっぷり与えます。

ししとうの苗の植え付け:地植え

日本の土壌は酸性雨の影響で土が酸性に傾いていますが、ししとうは酸性の土壌を嫌いますのでししとうの苗を植え付ける前に土をアルカリ性に傾けておく必要があります。その役目を果たしてくれるのが苦土石灰(くどせっかい)という肥料です。

ししとうの苗を植える2~3週間前に苦土石灰を土1㎡に対して100g~150gをまいてよく耕し、1週間寝かせたら堆肥や化学肥料を混ぜてさらに1週間寝かせます。土の水はけが気になる場合は高さ10~15㎝の畝を作ります。

次にししとうの苗を植え付けていきますが、根鉢を崩さないようにポットから丁寧に取り出し、株と株の間を40~50㎝あけ植え付けます。植え終わったらたっぷりの水をやります。

ししとうの栽培・支柱立てと芽欠き

植え付けたらすぐの支柱を立てて支えましょう。ししとうは茎が弱く倒れやすいので支柱立ては植え付け後すぐに行います。ししとうはやがては1mぐらいまで成長しますので支柱も1m超のものを苗の横に垂直又は合掌式に深さ30㎝差し込んで立てます。支柱を立てた後は苗と支柱を麻ひもなどで八の字にゆるく結びつけていきます。

ししとうの茎を傷めないために結び目は支柱側にしましょう。ししとうの丈が30㎝ほど伸びてくると葉のつけ根に脇芽がたくさん出てきます。ししとうの実のつきが心配な時は下の方の脇芽は成長の妨げにもなりますので一番花の下の脇芽を2本残し、それより下の脇芽はすべて取り除きます。

ししとうをプランターで栽培している場合は株間がせまいので主枝1本と一番花の上下の枝を2本残し3本立てにします。ししとうの花の部分はどんどん枝分かれしていきますが、たくさん込み合っている葉のみ取り除き、枝は残しても大丈夫です。

ただし、ししとうの一番花が付いた下に出るわき芽はそのまま伸ばしてしまうと害虫が発生しやすくなりますので小さなうちにすべて摘み取ります。

ししとうの栽培・水やり

ししとうは乾燥に弱い野菜ですので土の表面が乾いたらたっぷりの水を与えてください。栽培中の水分不足はししとうにとってストレスになり、実が辛くなるといわれています、ししとうの辛さは見た目ではわかりませんので水分不足には十分注意しましょう。


ししとうの根は地中深くまで張るので、回数を増やすよりは一回の水やりに十分与える方が効果があります。また夏場は気温の高い昼間に水を与えますとししとうの根がダメージを受けてしまいますので、気温が上がる前の朝と、夕方の2回与えてください。

ししとうにはプランターでの栽培にも同様に、土の表面が乾いたらプランターの底から水が出るまでしっかり水を与えてください。夏の暑い時期は、朝と夕方2回与えるのがよいでしょう。

ししとうの栽培・肥料

ししとうは植え付けの時に肥料をしっかり施していれば、追肥の必要度が低いと言われてはいますが、ししとうは収穫期間が6月~10月下旬までと長期にわたるのでその間ししとうが肥料不足になると辛い実が出来てしまいますし、ししとうのにたくさんの実を付けさせるためにも、しっかりと追肥をしましょう。

ししとうに1番最初の実が付いた時に第1回目の追肥をします。次の実がついてからは、2~3週間に1回、1つの株につき化成肥料を5gほど株の周りにパラパラと撒きます。ししとうをプランターで育てる場合は週1くらいのわりで薄めの液肥を与えれば水やりも兼ねて効果的です。

化成肥料は、窒素、リン酸、カリウムのうち2つ以上の無機物含む複合肥料ですが、ししとうに窒素分が多い肥料を追肥するとししとうの株の勢いが強くなりすぎて葉が茂りすぎるので、様子を見ながら窒素分の少ないぼかし肥料を与えるようにしてください。

ししとうは水分不足もそうですが、肥料が少なくても実が辛くなってしまいます。ししとうの収穫中も追肥のタイミングを常に頭に入れておくことが大切です。

ししとうの栽培・収穫時期

ししとうの収穫時期は、花が開いて最初にできた1番果はまだ小さなうちに収穫して、株の勢いを保っておきます。その後は、実の長さが5~7cmほどの大きさになったら順次収穫します。実を残したまま長く放置しておくと、ししとうの実が曲がってきたり、株が弱ったりしますので、苗を疲れさせない為にも早めに収穫しましょう。

ししとうの収穫は、実の付け根からヘタの部分を手で摘み取るか、ハサミで切り取ります。またししとうを休みなく収穫し続けますと、夏の終わりごろには株に勢いがなくなり、ししとうの収穫数が減ってきます。ししとうの収穫を最後まで長く楽しむためには、ナスの栽培でよく行われる更新剪定という方法があります。

しかし、更新剪定すると回復するまでの期間は収穫が望めませんので、シシトウの株が数本ある場合に、全部ではなく何本かを更新剪定するのがよいでしょう。剪定方法は、8月ごろに株の勢いが弱ってきたら、全部の枝の、咲いている花の先で枝を切り落とし肥料を施しますと、新しい枝が伸びてきますので、10月末まで収穫できます。

ししとうの栽培・病気対策

ししとうは比較的丈夫な野菜なので、ししとうの株が大きくなってからは管理さえ良ければ収穫に影響するような病気が発生する事はあまりありません。しかし、ししとうは極端な多湿と乾燥を嫌い、特に幼苗(ようびょう)期は病気の影響を受けやすいので、のちに成長してから出ることもあるので注意しましょう。

ししとうがよくかかりやすい病気としては、株が日中にしおれて、夜間に回復することを繰り返す青枯れ病や、葉の表面や葉柄(ようへい)、茎などに茶褐色の斑点が出来る斑点細菌病がありますが、これらは薬剤で治療することが出来ます。その他の病気として、疫病、うどんこ病、軟腐病、灰色カビ病、斑点細菌病、モザイク病などがあります。

中でもウイルス病の一種「モザイク病」はししとうに限らずどの野菜もかかる病気ですが、かかってしまうと治療法がありませんので感染しないように予防するしかありません。またモザイク病はアブラムシが菌を運んでくるためアブラムシ類を見つけたらすぐに除去することが大切です。


ししとうの栽培・害虫対策

ししとうに発生しやすい害虫はオオタバコガ、ハスモンヨトウ、カメムシ、アザミウマ、ハダニなどです。オオタバコガは幼虫が植物体内に潜入し、次々と移動して中を食べつくので、幼虫の数が少なくても被害が大きくなりがちです。

ハダニはししとうの葉の裏に住み着き、針に似た口を刺し込んで汁を吸うのでししとうの葉に白色や褐色などの斑点が現れ、放っておくと繁殖して全体に広がってしまいます。

カメムシの成虫はあらゆる植物の果実、茎・葉の汁を好み、普段は折りたたんであるストローのような器官をを伸ばして刺し込み、果汁や樹液を吸い出しますので吸汁部分はでこぼこになったりと変形します。

ししとうの害虫対策は、苗の植え付け時期に駆除粒剤を撒くか、発生初期に薬剤を散布して駆除しますが、オオタバコガの幼虫などはししとうの実の中に潜入してしまうので薬剤のかかりが悪いことや抵抗性発達の心配もあるので、防虫ネットを張ったりマルチシートなどを設置して飛来を防ぐ事も対策になります。

ししとうの栽培・まとめ

ここまでししとうについてお話してきましたがいかがでしたか。ししとうは高温に強く寒さに弱い野菜です。種からでも育てられますが、苗からの育て方の方が効率が良いので、市販の、一番花が咲きそうな苗を購入して育ててください。

茎が弱いので植え付けの時は支柱を立てます。また水や肥料が不足すると実が辛くなるので水やりや追肥の管理をきちんとしましょう。土壌の養分を逃がさず、害虫の予防するためにもマルチシートを張ることをおすすめします。またししとうはナス科の野菜で連作障害を起こしますので1度栽培した土壌は3年間は空けましょう。

収穫の時期には一番花を取り除き、株が弱るのを防ぎます。そのあとは実の大きさが5~7㎝になったら収穫します。ししとうは比較的害虫や病気に強く、最盛期には次々と収穫できる野菜ですので、家庭菜園での収穫の喜びと、天ぷらや煮びたしなど、食べる楽しみ、の2つの喜びをぜひ味わって頂けたらと思います。

ししとうのレシピが知りたい方はこちらもチェック!

家庭菜園で収穫したししとうをぜひ 下記を参考に作ってみてください。