ししとうは栽培できるの?
ガーデニング初心者だけど、家庭菜園や家庭栽培をしてみたいなと思う方も多いのではないでしょうか。せっかくプランターや土、肥料などを揃えて始めるのだから、元気にぐんぐんと育ってくれてかつ手間もかからず、必ず収穫できるものがいいなと思われるかと思います。
その中でも特におすすめなのがししとうです。ししとうをおすすめする理由として、特に難しいことをしなくても、丈夫にすくすくと育ってくれる上に、毎年多くの実をつけてたくさん収穫ができるという優れものです。体にも良いですし、初心者であればまずししとうから挑戦してみるのはいかがでしょう。
ししとうの名産地
日本で多くの都道府県でししとうは栽培されていますが、ししとうの名産地といえばどこになるでしょうか。長年トップを築いているのが高知県です。温暖な気候がししとう栽培に向いているのかもしれません。毎年およそ7,000トンほど収穫されるししとうですが、そのうちの3,000トンほどのししとうが高知県より収穫、出荷されているようです。ついで千葉県、和歌山県と続くようです。
植物を育てる際の大前提
そもそも家庭での野菜の育て方で、大前提になる大事なこととは何でしょうか。ししとう栽培からやや話がそれ、少し上級者向けの内容になるかもしれませんが、土についてまずは触れたいと思います。全ての家庭栽培においてポイントとなるのが土に徹底的にこだわることです。家庭栽培に慣れてきたら、次回は土にこだわってみてみましょう。良質な土のポイントは水がしっかりはけることと水分を保持する力を持つ土です。
土へのこだわり①ふかふかした土を目指す
育てている植物が植わっている一番したの土に注目してみましょう。一番下の土が硬くなっていると水はけが悪くなり、植物の成長に良い影響を及ぼしません。最近水はけなどの調子が悪いなと思ったらスコップなどで一度下まで入れて亀裂を入れ、水はけの良い状態を目指しましょう。これだけでもだいぶ植物の状態が改善されるはずです。
土へのこだわり②肥料を与えすぎない
栽培中の植物の成長があまり良くないなと不安に思うと、ついつい肥料を追加しがちです。肥料も悪くはありませんし必要なことなのですが、過剰に入れすぎると逆に野菜に実がつきにくくなったり、時には病気になってしまうこともあります。まずは土の状態、水はけ状態などを改善してから判断してみるようにしましょう。
ししとうの効果
ししとうを栽培する前にししとうの効果をおさらいしたいと思います。メイン食材として取り上げられることはあまりないししとうですが、大変体に良いとされる効果を持った食材です。ししとうにはダイエット効果に繋がるカプサイシンだけでなく、老化防止にもつながるカリウム、βカロテン、ビタミンK,B6,Cなどたくさんの良い効果を持っており、なかなかに無視できない食材です。
ししとう栽培、育て方のポイントを確認
それではここから、ししとうの育て方のポイントをそれぞれ確認していきたいと思います。ししとうはいつから植えるべきなのか、どんな苗を買うべきなのか、それとも種まきから始めるべきなのか。種まきからだとまたスケジュールが変更するのか。ししとうに合った支柱の最低限の長さはどれくらいなのか?おすすめのプランターは?といったししとうの育て方の基本ポイントをご紹介します。
ししとう栽培のポイント①時期
ししとう栽培におけるスケジュール感や時期をみていきましょう。もし種から栽培した場合は、2月から撒き始めしょう。ただ種からの栽培はししとうの場合非常に稀ですので、苗から植える方法をご覧になった方が良いでしょう。苗から植える場合、スタート時期は4月ごろからです。なので、可能な限り3月ごろには(すでに土などがある状態であれば)土のコンディションを整えておくようにしましょう。
次のししとう栽培においてポイントとなる時期としては6月から10月頃の、枝を立たせたりと成長の過程をキュッと支えるためのワーク時期と収穫時期です。作業の期間でもあり収穫の時期でもあるこの期間は、次のししとう収穫に向けてという作業にもなりますので、この時期がししとうの成長を見守るポイント期間ともなります。この時期での作業ポイントはまた後ほど記載いたします。先ほども少し触れましたが、ししとう収穫の時期は6月7月〜11月です。追肥の時期は7月ごろと思っていて良いでしょう。
ししとう栽培のポイント②苗
家庭栽培の場合、ししとうの苗を買ってそのまま植え付けた方が簡単に収穫までつながるのでおすすめします。購入される際、ししとうの株数ですが、1〜2株程度で十分です。苗を購入する際にみるべきポイントとしては、①苗が大きい、②苗が太い、③苗の葉っぱが結構ついている(理想は10枚前後)、④苗がしょんぼりしておらずツヤツヤしている。普段買う食材と同じような基準ですが、元気なものが一番と覚えておけばわかりやすいでしょう。暖かくなってきた4月頃の春先に苗を見に行ってみましょう。
ししとう栽培のポイント③種まき
先に記述もしましたが、種まきからの育て方は少し難しいです。というのもししとうは寒さに強くないため、種まきからのスタートだと温床やハウスが必要となってくるからです。ですが、種まきからトライしたいという方ももちろんいらっしゃるので、種まきから定植までの方法を簡単にご紹介いたします。
種まきをする場合、ポットを使用するなら直径9センチ程度のポットを選び、中心あたりに2〜3粒ほど撒きましょう。土をたくさん被せてあげ、お水をあげながら温かい場所で成長を見守りましょう。生育適温は25度以上です。大体2ヶ月過ぎには苗に成長します。葉っぱが10枚程度になったら鉢やプランターなどに植え替えましょう。
ししとう栽培のポイント④植え付け
次は大事な植え付けです。買ったばかりの苗、あるいは種まきから始めて苗まで成長したししとう苗を次の場所、プランターなどに植え付けしましょう。ししとう植え付けの際の大切なことはまず、苗を深く植え付けないことです。どちらかというと、ししとう苗を少し浮かすぐらいの植え付けで大丈夫です。植え付け時に穴を掘ると思いますが、その際にたっぷりお水をあげましょう。そうしておけば、湿地帯環境な場所であればほとんどお水をあげなくてもししとうが成長するくらいです。
ししとう栽培のポイント⑤プランター
プランターに絶対こうするべき!というまでのポイントはありませんが、新たにプランターを購入されるのであれば容量15lほどあるプランターであれば、問題ありません。十分な大きさですので育て方にも影響を及ぼしません。また、良い土の第一条件である水はけの良い土を作るために、プランター自体水はけが良くなるようなものをそもそも購入しても良いかもしれません。プランターを購入する際、排水システムのあるプランターかどうか確認しましょう。
ししとう栽培のポイント⑥支柱
すくすくとししとうが育つためには支柱が必要です。支柱のさし方は2通りあります。仮支柱の際斜めぎみに差し込み、できるだけ高い位置で優しく止めておきましょう。根付いている間などはししとうが成長していないように見えますが、その後はぐんぐん葉も開き芽が成長していきます。だいたい1mくらいまでししとうは成長します。垂直に支柱を差し込むのも大丈夫です。大事なことは植え付け後は必ず支柱を立てることと、1mくらい支柱の高さがあること、ししとう苗と支柱をゆるく結ぶことです。
ししとう栽培における品種とは
ししとう栽培において、どの品種が栽培に向いているでしょうか。そもそもししとうとはナス科のトウガラシ属に属します。辛みが強い品種から割と甘く感じる品種まで、数百種類も品種があると言われています。家庭栽培では味もよく成長の勢いも良い翠光や翠臣といったししとうの品種、甘みが比較的強いとされる甘とう美人といった品種や、家庭菜園むきのシシトウ改良シシトウなども育てやすい品種であると思われます。
ししとう栽培中の見るべきポイント
ししとうの植え付けも終わり程なくすると、脇芽が出てきます。肥料が十分か心配な方は、最初に咲いたお花の部分とその下の脇芽2つほどを残してあとは取り除いてしまいましょう。栄養が分散しないためです。肥料が十分に行き届いてる状態であれば取り除かなくても大丈夫です。ただし、葉陰で真っ暗という状況は避けた方が無難と言えるでしょう。ししとう栽培中の水やりに関しては、土が乾燥しているようであればたっぷりとあげましょう。夏は朝と夕2回あげても大丈夫です。
栽培したししとうを収穫
ししとうが実ったら早速収穫しましょう。大きさとしては7センチくらいでしょうか。はさみを使ってししとうのヘタの部分をカットします。ポイントとしてはししとうを収穫せず放置すると逆に実がつかなくなってしまいますので、日々ししとうを収穫していきましょう。また、収穫の時期には収穫と合わせて追肥を行いましょう。
ししとう栽培での肥料について
ししとうはお花をたくさん咲かせて実もたくさん実らせます。そのため、肥料がたくさん入った土の状態を好みます。肥料の入れ方やタイミングですが、肥料を切らさないようにこまめに肥料を追加してあげるようにしましょう。肥料は収穫が終えるまで続きます。株の周りに数カ所穴を開けてそこに肥料を注ぎます。2週間に1度くらい入れても良いかもしれません。肥料の量ですが、ししとう1株あたり片手ぶんくらいの肥料を入れましょう。
番外編:海外におけるししとうの食べ方とは
海外でししとうはどのように食べられているのでしょうか?ちなみにししとうはpepperと英語圏ではいわれており、フランスではししとうをそのままshishitoと表記したりします。たくさんししとうを収穫したものの、ししとう料理が思いつかないとなったら、これから紹介する2カ国の味付けをぜひご一考ください。まずは味付けも我々日本人と非常に馴染み深い中国からです。中華料理とししとうの組み合わせはたくさんあります。ししとうとひき肉の炒め物やししとうとナスの炒め物など、たくさん収穫できたししとうを中華風にアレンジして料理してみてはどうでしょうか。
もう1カ国、ご紹介したいのがスペインです。スペインといえば飲み歩く(食べ歩く)バルが有名ですよね。バルのメニューにもししとうを使った料理があります。非常にシンプルな味付けですがとても美味しいです。日本のししとうと同様、大量にあるししとうの中には辛いものも紛れており、その辛いものに当たった者は飲み物を奢らなくてはならない、、などのまことしやかな噂も流れています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。家庭栽培をしたことがない方も、特に気をつけることもなく簡単に栽培できるししとうであれば挑戦してみようかなと思われたのではないでしょうか。体にもいいですし、たくさん取れるので一石二鳥です。ぜひ春先からししとうを育ててみてはいかがでしょうか。
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