八ヶ岳の山小屋
八ヶ岳にはたくさんの山小屋があって、設備や食事に定評がある山小屋がたくさんあります。特に、食事に力を入れている山小屋が集中しているのも八ヶ岳です。そんな八ヶ岳に行者小屋はあります。
行者小屋とは
行者小屋は、八ヶ岳の中でも赤岳や横岳、阿弥陀岳へのアクセスルートのベースになる山小屋です。テント泊もおすすめで、テント場からの眺めには定評があります。
標高 | 2,350m |
営業期間 | ゴールデウィーク 夏季 年末年始 1月から3月の毎末土曜日の宿泊 |
連絡先 | 090-4740-3808 |
予約方法 | 電話または公式ホームページから |
個室 | 9部屋あり(別料金) |
行者小屋のある赤岳について
赤岳は八ヶ岳連峰の最高峰です。赤岳からは、阿弥陀岳や権現岳、横岳などへの縦走も楽しめます。
標高 | 2,899m |
所在 | 長野県南牧村、原村、茅野市、山梨県北杜市にまたがる |
山頂からの眺め | 360°の展望 八ヶ岳の山々(権現岳、阿弥陀岳、横岳、硫黄岳、天狗岳、蓼科山など) 南アルプス、中央アルプス、北アルプスの山々 浅間山 奥秩父 富士山 など |
行者小屋からのアクセス | 地蔵尾根経由で約2時間 |
冬山初心者なら八ヶ岳へ
冬山にも行ってみたいけど、難しそうと思っているかたには、行者小屋や赤岳鉱泉がおすすめです。無理のない範囲で、山小屋に泊まって冬山体験ができます。赤岳鉱泉は通年営業していますし、行者小屋は土曜日は宿泊できます。アイスクライミングに打ち込んでいる人たちを見ると、次の目標ができるかもしれません。まずは、経験者に連れていってもらいましょう!
八ヶ岳の魅力について
八ヶ岳は高山植物の宝庫で、シーズンになるときれいな花が咲き誇ります。八ヶ岳は、大きく北八ヶ岳と南八ヶ岳とに分かれます。北八ヶ岳は、原生林に覆われた池や沼が神秘的な風景を作り上げています。南八ヶ岳は、3000m級の標高の山々がそびえ立っています。また、八ヶ岳の人気のひとつに、首都圏や中京地域からのアクセスの良さが挙げられます。
北八ヶ岳
北八ヶ岳には、白駒池周辺に代表されるように、原生林のなかに神秘的な池が点在し、その森には何百種類もの苔が地表を覆い美しい姿を作り上げている風景があります。森林浴を楽しみたいなら、北八ヶ岳はうってつけです。冬には、凍った池が雪原となって白銀の世界を作り上げてくれます。
南八ヶ岳
八ヶ岳の主峰である赤岳を中心に、横岳、阿弥陀岳、権現岳といった山々が連なります。岩礁帯が織りなす山並みは、急登を登ることもあったり、鎖場や梯子などが設置されている場所があったりと、本格的な登山ルートを辿れます。冬には、アイスクライミングにチャレンジできるルートもあります。
行者小屋へのアクセスルート
標高1,500mの美濃戸口が行者小屋へのアクセスルートの起点になります。ここまでは、マイカーや路線バスで入れます。そこから、標高1,760mの美濃戸へ行き、さらに南沢を登って、行者小屋に至ります。行者小屋までは、美濃戸口から約3時間の道のりです。行者小屋の標高が2,350mですから、美濃戸口から標高にすると約850m上がることになります。もちろん北沢を通って赤岳鉱泉を経由するルートからでも行けます。北沢からでも約3時間で行者小屋にたどり着けます。(所要時間には個人差があります。)
行者小屋の入り口美濃戸口へのアクセスルート
八ヶ岳登山の起点となるのが、標高1,500mの美濃戸口です。美濃戸口までは公共交通機関やマイカーを利用してアクセスできます。
公共交通機関を利用する場合のルート | |
JR中央本線茅野駅から美濃戸口までアルピコ交通のバス利用
(登山シーズンには、関東や関西方面からの直通バスの運行あり) |
約40分 |
マイカーを利用する場合のルート | |
中央道諏訪南インターを降り、八ヶ岳ズームラインへ | 約10km |
行者小屋の魅力について探る
八ヶ岳の最高峰赤岳を目指す人にとって、どこの山小屋を利用するのかは悩みどころです。赤岳山荘、赤岳鉱泉、赤岳天望荘、赤岳頂上山荘、行者小屋とそれぞれに個性のある山小屋が登山ルート上に点在しています。その中の行者小屋について、登山客に人気の秘密を3つに絞って探ってみました。
行者小屋はイベントも盛ん
行者小屋では、各種イベントが開催されています。たとえば、行者と餃子をかけて「ギョウジャでギョウザ祭りッ!」なんてのが開催されます。山小屋で餃子を食べながら生ビールを味わうというイベントですが、下界でなく標高2,350mで味わう餃子はひと味もふた味も美味しいはずです。
行者小屋の魅力①:設備
山小屋は、一日の行動の疲れと明日へ向けての休息を取る場所として大切なところです。行者小屋の魅力のひとつに設備の良さが挙げられます。客室は大きく分けて大広間と個室になっています。
大広間
大広間は、50人程度入れる大きな部屋です。冬には、こたつが登場します。大広間ですが、一定の間隔で仕切られていますので、ある程度の区切りがあります。なかには赤岳の展望抜群のスペースもあります。早めの到着で一等地を確保しましょう。
個室
個室は、別料金が必要ですが、6人ほどで利用できる個室が9部屋あります。ゆっくりされたいかたは、個室を利用するのもおすすめです。冬場は、個室にはこたつが用意されています。山小屋で個室でこたつに入って暖を取りながら過ごせるなんて最高です。
トイレ
女性のかたは特に気になると思いますが、行者小屋のトイレは快適です。水洗で便座カバーまであります。テント泊や一時利用のため外にもトイレがあります。こちらの洋式トイレにも便座カバーがあります。
テント場
行者小屋には、テント場があり、テント泊もできます。テント場には約50張、テントが張れます。テント場は砂地で快適です。テント場からの眺望は良く、早朝には、赤岳のモロゲンロートを見れるかもしれません。自分の空間が確保できるので、テント泊を好む人にとって、赤岳の絶景のそばで一夜を過ごせるのは最高です。
行者小屋の魅力②:食事
山小屋の楽しみといえばなんといっても食事です。食事は今日の疲れを癒すだけでなく、明日への活力にもなります。行者小屋は食事にも定評があります。夕食には、鶏肉の煮込みやビーフシチューなどが提供されます。朝食には、焼き鮭や納豆など朝の定番的な食事が提供されます。昼のメニューには人気の特製ラーメンなど、また、時期が合えば、おでんにビールなんていうのも楽しめます。
食堂について
夕食や朝食の食事のスペースですが、談話室にもなります。行者小屋の食堂は、板の間ではなく、畳敷きです。足を伸ばしてゆっくりでできるだけでなく、横になったりできます。ストーブがあるので、ついついウトウトしてしまうかもしれません。
行者小屋の魅力③:赤岳へのアクセス
行者小屋の魅力のひとつに、赤岳へのアクセスの良さが挙げられます。行者小屋に泊まれば、赤岳まではもうひと頑張りです。
地蔵尾根ルート
行者小屋から地蔵尾根を通って地蔵ノ頭までは、約1時間20分、そこから赤岳の頂上までは約40分です。標高2,600m付近までは樹林帯の中を歩きます。早朝に行者小屋を出発すれば、ご来光を赤岳山頂で眺められます。(所要時間には個人差があります。)
文三郎ルート
行者小屋から一気に赤岳を目指します。こちらも約2時間で赤岳頂上です。行者小屋から約15分ぐらいで階段が出てきます。階段を攻めないといけないので、少々辛いところはありますががんばりましょう。頂上直下に鎖場がありますので、注意して登ってください。(所要時間には個人差があります。)
赤岳付近の山小屋
赤岳界隈にはたくさんの山小屋があります。どの山小屋もそれぞれ人気があります。行者小屋に泊まったあとに、他の山小屋も覗いてみませんか。
赤岳鉱泉
行者小屋から約30分のところに、赤岳鉱泉があります。行者小屋とは兄弟小屋みたいな山小屋です。赤岳鉱泉には、温泉があり、山小屋でなんと温泉に浸かるという贅沢ができます。赤岳鉱泉も、食事が人気で、山小屋でステーキが味わえます。冬季に歯は、人口の氷壁が作られ、アイスクライミングもの体験もできます。
赤岳頂上山荘
赤岳の頂上、標高2899.2mの場所にあります。八ヶ岳連峰の最高峰にある山小屋です。360°の展望が楽しめます。山小屋にいながらにしてご来光を眺められる絶好のポイントです。
赤岳天望荘
赤岳稜線上にあり、標高は2,722mのです。赤岳山頂まではあと260mの標高差です。個室が36室と、さらにはごえもん風呂まであり、こんな山の上で風呂まで入れます。食事はビュッフェスタイルです。
美濃戸山荘
美濃戸山荘は標高 1,760mの場所にあります。この山小屋に宿泊する場合は、ここまでマイカーで入ることができます・ただし、美濃戸口からここまでの道はかなり狭いダートですので、それなりの車で入ることをおすすめします。ここは、赤岳への南沢と北沢の分岐点に当たります。赤岳登山の前泊や、帰りに利用できます。
赤岳下山後は
登山のあとは、汗をかいた身体をさっぱりとしたいものです。美濃戸口にある八ヶ岳山荘では、日帰り入浴もできます。マイカーに乗る前に、また、バスを待つ時間にひと風呂浴びてすっきりしましょう。風呂上がりに生ビールなんてのも最高です。
まとめ
八ヶ岳には素敵な山小屋がたくさんあります。それぞれに個性があって、どこもそれぞれに特徴があって人気の山小屋です。山小屋は冬期には閉めてしまうところがほとんどですが、八ヶ岳の山小屋は通年営業している山小屋もたくさんあります。ぜひ、次の山行は八ヶ岳に行ってみてください。
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