菜の花とは
アブラナ科の総称
菜の花といえば黄色い花が春に咲くイメージが多いですが、実は秋、冬にも咲く種類や白い花もあります。さらに菜の花という花や野菜はなくキャベツや大根、ブロッコリーやチンゲンサイなどのアブラナ科の総称です。
その中で蕾や若芽などを食用にするのが春によく見かけるナバナになります。また菜の花は食用以外にも観賞用として畑などに植えて大きな花畑にしたり、切り花などにも利用されているため春になるとよく見かけます。
食用油にもなる
菜の花の中で特にセイヨウアブラナは身近に使われている野菜になります。菜種油やキャノーラ油と言われる食用油はセイヨウアブラナから作られていて、日本では特に身近な食用油で、調理法はドレッシング以外ほどんどの料理に向き炒めものや揚げ物におすすめです。
菜の花は古くから利用されている
菜の花、アブラナ科の花は古くから春をの野菜、花として俳句の季語として詠まれたり、詩になったりしています。どのアブラナ科でもよく似た黄色い花(一部白や紫もある)を咲かせるためナバナとは限りませんが、あえて収穫せず観賞用として咲かせておくこともあります。
菜の花の主な栄養価1
ナバナは他のアブラナ科よりカロリー高め
いろいろな所で使われている菜の花ですが、野菜として栄養成分を見ていくと、カリウムや鉄、マグネシウムなどのミネラルやビタミンC、βカロテンなどさまざま栄養素をたくさん含んでいて癌の予防にもなると言われています。
栄養価は100gでの計算になるためイメージが湧きにくいかもしれませんが、カロリーは白菜を100g食べた時の計算と比べると2倍以上となっています。
タンパク質も高め
同じように100gでの計算ではタンパク質が4.4gと白菜より高く、カロリーは人参のほうが高いですがタンパク質は人参よりも高くなっていて、同じアブラナ科の野菜より平均して栄養価が高い特徴があります。
同じように炭水化物も高く、畑の牛肉と言われる大豆などの豆類と比べるとタンパク質も炭水化物も低いですが、野菜としては高めです。
菜の花は栄養以外に食物繊維も豊富
ナバナは便秘改善などに効果がある食物繊維も豊富に含んでいて、サラダで食べる野菜の代表としてキャベツ100gで計算すると2倍以上になり、水に溶け出してしまう水溶性食物繊維が少ないのでどんな調理方法でも、どんな食べ方でもあまり失わないので便秘改善に効果的です。
菜の花の主な栄養価2
菜の花よく含まれている成分
元気の源とも言われているビタミン類は種類が10種類以上とたくさんあります。そんな種類の多いビタミン類を菜の花はバランスよく含んで特にビタミンC、ビタミンK、葉酸は多く含まれている特徴がります。
ビタミンCはレモン果汁100g(ml)で計算すると、約3倍近く多く含まれていて菜の花100gあたり130mgも含まれてほうれん草と比べると約3倍となります。このように菜の花にはビタミンだけでも栄養素をが豊富です。
ビタミンCの効果効能
ビタミンCは体を元気にする成分で風邪などの予防に繋がる免疫力アップに効果があります。さらに美容効果もありシミやソバカスの予防やコラーゲンの生成に必要な成分なので、ビタミンCを摂取することで、たるみなども予防できる栄養素です。
現代社会では滅多に発症することはありませんが、ビタミンCが極端に不足してしまうと血管がもろくなって出血しやすくなったり、極端に傷の修復が遅れたり、古傷が再び悪化する壊血病になります。
ビタミンKの効果効能
ビタミンKの主な働きは血液の凝固因子としての働きがあります。さらに骨の維持や血管の維持に関わってくる栄養素で不足してしまうと出血の際に血が止まりにくかったり骨粗しょう症になったりします。骨粗しょう症とは骨の密度が低下してもろくなる病気です。
葉酸の効果効能
ビタミンBに分類され赤血球を作る働きがある栄養素になります。他にも皮膚を結構に保ったり胎児の成長を助けたりといろいろな効果がある成分でほうれん草に多いとされますが、菜の花にはさらに多く含まれていて100gで計算すると約1.5倍以上量が含まれているため妊娠中に有効な野菜です。
βカロテンの効果効能
βカロテンは体の中でビタミンAに変わる栄養素で、ビタミンAは粘膜の健康を保つ成分です。他にもβカロテンは抗酸化作用の役割もあるため体の老化防止に役立つ成分になります。菜の花のβカロテンの量はβカロテンが多いイメージがあるかぼちゃと比べると100gのあたりの計算で3倍以上になります。
菜の花の主な栄養価3
ミネラルも豊富
ミネラルは骨に含まれている骨に必要なカルシウムは有名ですが、僅かに必要な亜鉛などのミネラルでも不足すると味覚に障害がでたりするので必ず必要になります。そんな大切なミネラルも菜の花にはたくさん含まれていてビタミン以外や食物繊維以外でもカリウム、カルシウム、リンが豊富です。
リンの効果効能
リンは骨や歯を作るための栄養成分です。現代社会では不足することがない栄養素で、逆に過剰に摂取するケースが多いため菜の花を調理する時は量に気をつける必要があります。また、欠乏すると神経伝達や内臓の機能にも関わってくるので必ず必要な成分です。
菜の花に含まれているリンは100gあたりの量は同じアブラナ科でサラダとしてよく食べるキャベツで計算すると約3倍になります。
カルシウムの効果効能
言わずとしたれ骨に関する成分のカルシウムはミネラルの中で一番に人間の体に含まれていて、殆どが骨や歯にあり骨の維持などに必要です。
カルシウムが多いことで有名な牛乳で計算してみると牛乳は200mlに220mgのカルシウムが含まれていますが、菜の花を同量で計算してみると320mgと非常に多く含まれていて食べやすさや手軽さでは負けていますが、カルシウムの量は牛乳より多い野菜となります。
カリウムの効果効能
ナトリウムのバランスを保ち心機能を含む筋肉の動きなどにも影響する栄養素でスイカやほうれん草に多いことで有名です。菜の花100gに含まれるカリウム量はスイカより多く、ほうれん草より半分ほど少ない量になります。現代社会では不足するこはあまりありませんが、カリウムが不足すると筋力低下や嘔吐などの症状がおきます。
その他の栄養価
特有の風味も大切な栄養成分
紹介した栄養素以外にもビタミンBや亜鉛、銅などの栄養素も微量ですが含まれていて栄養価が一般的な野菜よりも高い緑黄色野菜に分類されています。
また菜の花などのアブラナ科に含まれているイソチオシアネートは細胞が癌になるのを防いでくれる効果があると言われていて、同じように菜の花に含まれているケンペロールもガンの予防に効果があると言われているほか、 抗アレルギー、抗糖尿病などにも効果があると言われています。
菜の花の栄養素の効果効能の早見表
ビタミン類 | ビタミンCが非常に多く、βカロテンなども含まれていて、サプリメントなどを使わずにビタミンを摂取することができる。 |
抗酸化作用、老化防止、アンチエイジングに効果 | |
ミネラル | カルシウム、リン、カリウムが多くマグネシウムなど他のミネラルも含まれている。 |
心肺機能や筋肉、骨の維持に必要 | |
その他 | アブラナ科の独自の風味になるイソチオシアネートなども含まれている。 |
癌やアレルギーなどを予防、血液をさらささにする効果 |
菜の花の食べ方1
菜の花の胡麻和え
菜の花の美味しい食べ方として有名なレシピが和え物です。短時間茹でて適当な大きさに切って調味料と和えるだけなので料理が苦手な方でも手軽に簡単に作れる調理方法です。ビタミンや食物繊維には水に溶け出すタイプがあるので茹でる時は茹ですぎないように注意しましょう。
材料
菜の花と家庭ある調味料だけで簡単に作ることができます。
材料 (2人分) 菜の花100g 人参少々 すり胡麻大匙1と1/2 砂糖小匙1 醤油大匙1/2
調理方法
えぐ味の元になる灰汁はあまり出ないので短時間茹でるだけで大丈夫です。
1 菜の花はさっと茹でて3センチの長さにに切っておく 人参も茹でて千切りに切る 2 すり胡麻、砂糖,醤油を合わせておく 3 ②に①を入れて混ぜれば出来上がり ◎時間がたつと水っぽくなるので、食べる直前に和えるのがベストです!
菜の花の食べ方2
菜の花のパスタ
和のイメージがある菜の花ですが、パスタやグラタンなどにも合うためさまざまなレシピがあります。アレルギー予防や風邪予防にもなる料理です。茹でるのではなく炒めるので水に溶け出す食物繊維やビタミンの損失も少ないと言われている調理方法になります。
材料
一般的なパスタと材料はほとんど変わりません。いろいろあるパスタの味付けは使う鶏ガラスープだけではなくコンソメなど自分の好きなようにアレンジても美味しく菜の花の栄養を摂取することができます。
材料 (2人分) パスタ200g 菜の花1束 ベーコン4~5枚 にんにく大きめ1かけ オリーブオイル適量(多め) 鷹のつめお好みで 塩適量 醤油大さじ2 鶏がらスープの素小さじ1
調理方法
菜の花やベーコン適当な大きさに切り、鷹の爪とにんにくを炒めたオリーブオイルで菜の花とベーコンを炒めて味付けをしてから最後にパスタを絡めて完成です。炒めものは菜の花の美味しい食べ方の一つです。
1 パスタは塩を加えたお湯で茹で始める。 菜の花は2~3cm幅に、ベーコンは2cm幅に、にんにくは千切にする。 鷹のつめは小口切りにする。 2 フライパンにオリーブオイルを熱しにんにく、鷹のつめを炒める。にんにくの香りが立ってきたらベーコン、菜の花の茎、菜の花のはなの順に加え炒める。菜の花のはなの部分を入れてすぐにパスタの茹で汁をお玉1杯分加え鶏がらスープ、醤油を加える。 3茹で上がったパスタを手早くフライパンに加えて混ぜ絡めて出来上がり♪
菜の花の食べ方3
菜の花のキッシュ
西洋の料理にも菜の花は合うので普段家庭ではなかなか作らないようなレシピも人気です。例えばパイ生地を使うフランスの家庭料理のキッシュでも菜の花を美味しいいただくことができます。
材料
パイ生地を冷凍パイシートで代用することで大幅に時間を短縮し、工程も少なくなるので作りやすいレシピです。
材料 ■ 直径15cmのケーキ型、もしくは20cmのタルト型1台分 冷凍パイシート18cm×18cmのもの1枚 卵2個 菜の花60g ベーコン(スライス)2枚(40g) とろけるチーズ20g A生クリーム200cc A液体塩こうじ大さじ1と1/2 A黒胡椒ひとつまみ バター適量
調理方法
パイシートを型に敷き込みオーブンを170度で予熱し、予め茹でておいた菜の花の絞って水気を切りクリームチーズ、塩麹、黒胡椒を混ぜてチーズ、ベーコン、菜の花、最後にクリームチーズと塩麹、黒胡椒を混ぜたものを入れて焼いていくだけです。
日本の食べ方とは全然違いますがおすすめの食べ方です。詳しい調理方法はリンクをご確認ください。
菜の花の保存方法
保存しないとすぐに傷む
菜の花には美味しい食べ方がたくさんありますが、アスパラガスと同じように鮮度が大切な野菜です。一回で使い切れない場合は適切に保存しないと冷蔵庫にそのまま入れていてもすぐに傷んでしまいます。
菜の花の保存方法は湿らせた新聞紙で巻いて、冷蔵庫が濡れないようにポリ袋などに入れて冷蔵保存するか、使わない分も茹でておいて密封できる容器や袋に入れ冷凍保存するのがおすすめです。
冷凍保存する時は小分けにすると便利
全部まとめて冷凍保存すると使いたい量だけ取り出すのが難しくなるので小さな容器やラップなどで小分けにしてから冷凍保存すると使う時に便利です。
菜の花のアレルギーについて
時にはアレルギーの原因にも
アレルギー予防に効果があると言われている菜の花ですが中には逆にアレルギーになる方がいます。これは食用菜の花(ナバナ)だけにアレルギー症状が出るわけではなくブロッコリーなどのアブラナ科全体に関するアレルギーです。アブラナ科にアレルギー反応が出る方は珍しいですがほとんどの葉物野菜がアレルゲンになるため大変です。
菜の花と栄養価のまとめ
春におすすめの野菜
菜の花は最近の研究では苦味成分や辛味成分が癌の予防にも効果があると言われている非常に栄養価の高い野菜です。美容と健康に、癌やアレルギーの予防にも効果が期待できるので旬の季節になると美味しく調理して食べたい野菜です。食べ方も基本は炒めたり和えたりするだけなので料理が苦手な方でも簡単に調理できます。
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