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「滝子山」登山情報!初心者向き日帰りルートやJR駅からのアクセスなど紹介!

滝子山は、せせらぎが心地よい渓流や小さな滝、山頂からは富士山や南アルプスを一望できるパノラマビューがとても美しい山です。雄大な山容の通りかなりボリュームのある登山が楽しめるとあって、滝子山は登山に慣れてきた初心者の次のステップの場所として人気があります。
2020年8月27日
youmei
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滝子山について

山梨県大月市に位置する標高1,625mの滝子山(たきごやま)は、都心からのアクセスがよく豊かな自然と美しい渓谷が堪能できる秀峰です。「山梨百名山」や大月市の「秀麗富岳十二景」に数えられるなど、その頂上からの眺望は美しく、富士山や南アルプスの山々が一望できます。

滝子山の登山情報①滝子山登山の魅力

あまり知られている山ではないものの、その美しい自然環境と電車でのアクセスのしやすさ、ボリュームのある登山コースが楽しめることからかなりの満足感が得られるため、一度訪れた登山者には大変評判のよい山です。山に慣れて来た初心者が「もう少し高い山に登りたい」と感じ始めた時にぜひチャレンジしたい山のひとつです。

滝子山の雄大な容姿

3つの山頂からなるその容姿は大変魅力的で、中央本線の車窓からも眺められるため登山前の心を盛り上げてくれます。その3つのピークは、別名”三ツ丸”とも呼ばれています。見た目に相応しくかなりボリュームのある山のため、歩行時間も6時間以上必要となるなど日帰りでも目一杯満喫できます。体力を試してみたい方はぜひ一度チャレンジしてみよう。

豊富な水源からなる美しい渓流

大谷が丸を水源としているズミ沢では、水がとてもきれいで水量も多いため、小さな橋を渡りながら沢のせせらぎを感じて登山できる至福の時を感じさせてくれます。道中では湧き水も多くあり、おいしい飲み水が調達できるのもとても助かります。頂上は目指さずとも、このズミ沢や滝を目的に日帰りでハイキングやトレッキングをするだけでも十分に充実した1日が過ごせます。

数々の滝たちがお出迎え

渓谷を勢いよく流れ落ちる小さな滝が随所に見られるのが目にも心にもうれしいポイントです。落差はどれも10m以下程度の小さな滝ながら、様々な表情を見せてくれて癒しの時間を与えてくれます。”滝子山”という名前の印象と大変マッチしていますね。滝めぐりを目的として、日帰りハイキングやトレッキングなどにも大変おすすめの場所です。

滝子山にまつわる歴史

山頂近くにある”鎮西(ちんぜい)ガ池”の周辺に平安時代の武将源為朝(別名鎮西八郎)と白縫姫が住んでいたとされ、白縫神社の祠があります。為朝は身長2mを超える大男で、強弓の使い手として大変有名でした。その反面、手がつけられないほどの乱暴者だったため、父の為義に九州に追放されます。その先で結ばれた美しい白縫姫とこの地に逃げたどり着いたとされたという伝説が残されています。

滝子山の登山情報②おすすめ登山ルート

初心者〜中級者向けに笹子駅を起点とした日帰りルートをいくつかご紹介します。ルートの中には下りでは利用をおすすめしない急坂やクサリ場があるので、下山のルートとしては選ばないように注意しましょう。

笹子駅から南陵入口登山口までのルート(共通)

笹子駅下車後、国道20号を大月方面へ歩き吉久保入口から中央本線の線路をくぐって桜森林公園へ。登山口を過ぎてしまうとお手洗いはありませんので、こちらで済ませることをおすすめします。大鹿川を渡ったすぐ先が南陵入口でここが登山口となり、ここまでで約40分程度となります。

笹子駅→山頂→初狩駅(大鹿川経由)初心者向け

大鹿峠より分岐して沢沿いに登るとズミ沢に出ます。ここでは美しい渓流といくつかの小さな滝が堪能でき、しばしの憩いのポイントとして心洗われる場所です。途中の道証地蔵にもあいさつをしよう。山頂にほど近いカラマツ林を通り鎮西ガ池を過ぎると山頂に到着です。頂上からは富士山や南アルプスだけでなく、八ヶ岳や奥秩父などのパノラマビューに圧倒されるはず。下山は急坂を下り檜平まで。その先も沢沿いの急坂を下り藤沢登山口を経て初狩駅へ。約6時間半の日帰りトレッキングコースとなります。

下りの急坂は滑落に注意しよう

頂上から檜平、檜平から林道の終点までは、急坂が続くポイントが多いです。初心者の方は登山口に到着するまでは特にあせらずしっかりとした足取りで下りましょう。冬期は積雪はないものの凍結などの恐れがあるため、急坂を下る際は滑落などに十分に注意したい。

ナメ滝


大きな1枚岩の上をその名の通りナメるように滑り落ちる滝で、滝子山へ行った際にはぜひとも訪れたい場所です。とても涼しげな雰囲気が印象的で、ゆっくりと自然や景観を堪能するトレッキングにも大変おすすめのエリアです。ズミ沢の分岐より難所側に行くルートのため、足元には用心して向かいたい。

三丈の滝

小さな段爆ですが水量があって勢いを感じられます。小学生が手作りしてくれた看板がなんともかわいらしい。

モチが滝

上部で分岐をしつつ段となって落ちる様は、落差はあまりないものの意外にも迫力を感じます。こちらの滝も難所側にありますので、足元には用心して訪れてください。

笹子駅→山頂→初狩駅(寂惝尾根経由)中級者向け

頂上へ一気に突き上げる急坂が多いコースです。左岸に渡って寂惝庵への道に入り急坂を登って行くと鉄塔が見えてきます。そこから林道に入り中尾根(南陵)に出ます。背中に富士山などの景色と美しい樹林帯を堪能しながらひたすら登り続けると、少々難易度の高いクサリ場が現れます。注意して登り浜立尾根へ。もう一踏ん張りで滝小山山頂となります。下山は大鹿川経由と同じルートを辿ります。約6時間の日帰りコースとなります。

クサリ場は下山ルートには選ばないよう注意

こちらのルートは山頂への直登ルートとなっており、中でもかなりハードな急坂やクサリ場があります。こちらのクサリ場は、注意して登れば行きは問題ないですが、下りでは過去に遭難や事故も多発していますので、帰りのルートとしては絶対に選ばないようにしましょう。

笹子駅→山頂→笹子駅 初心者向け

先にご紹介した南陵入口の登山口より寂惝尾根で登り、下山はズミ沢を通る大鹿川経由のルートです。行きと帰りはちがうルートで堪能しながら、同じ笹子駅を利用できます。約6時間の日帰りトレッキングコースとなります。

道証地蔵手前に駐車場あり

6時間以上の歩行に自信のない初心者の方は、道証地蔵手前まで車で来て駅からの道をショートカットすることをおすすめします(約5台駐車可能)。道証地蔵登山口より美しい沢を登ると、途中ザレ場などの危険箇所があるので迂回路もあります。ナメ滝やモチが滝は難所側にあるので、無理はせず自分のレベルに合った道を選択しましょう。

滝子山の登山情報③注意点について

登山道が沢筋を通る箇所が非常に多いため、大雨の後などは水量も多くぬかるみやすいことから、歩行には十分注意が必要です。また、登山道の整備が行き届いていない箇所もあるため、初心者の方は特に無理はせずゆっくりと確実な足取りで進みたい。

ゲイターを活用しよう

ゲイターは、雨天時だけでなく雨の後のぬかるんだ足元の際にも大変重宝します。水の侵入を防ぐゴアテックスがおすすめで、靴やパンツを泥汚れから守ってくれる効果も期待できます。

滝子山の登山情報④登山に適した時期

滝子山の登山は、新緑の5月から紅葉シーズンの11月がおすすめです。ただし、春と秋の間のシーズンは非常に暑くその上きついコースが多いことから、体力的にもかなりきついため覚悟の上挑みたい。滝子山は、山梨県の自然保護地区に指定されており、様々な樹木や植物が見られます。季節ごとの景観や彩りをトレッキングやハイキングで楽しみましょう。

つつじが咲き乱れる新緑の季節

5月下旬からは三つ葉つつじ、6月中旬からは山つつじが堪能できるなど、新緑の時期の登山は見た目にも色鮮やかで大変おすすめです。この頃が滝子山登山のベストシーズンとなります。お花鑑賞のハイキングにもおすすめです。


黄金色に染まる美しい紅葉

滝子山はアカマツやヒノキなどの針葉樹、ブナやカエデなどの広葉樹が見られることが特徴で、特にカラマツは秋になると黄金色に変わり美しい紅葉の景観が楽しめます。山頂付近の紅葉は10月下旬から、山麓から中腹辺りは11月上旬からが紅葉のシーズンに入ります。都心からアクセスしやすい場所で、こんなに紅葉を満喫できるのがうれしいですね。ゆったりとした気持ちで秋の深まりを感じたい時は、紅葉シーズンのハイキングをおすすめします。

冬期の登山は注意しよう

紅葉シーズンが終わり冬期に入ると登山客も極端に減りますので、単独ではなく複数名での登山をおすすめします。本格的な積雪は少ないものの、寒い日の朝は凍結などの恐れがありますので、軽アイゼンなどの装備もあるとよいでしょう。初心者の方は、暖かくなる春先まで待った方が無難です。

滝子山の登山情報⑤交通アクセス

歩行時間6時間とボリュームはありますが、交通の便がよく都内からもアクセスがしやすいため、早朝からスタートすれば日帰りでも十分楽しむことができる山です。駅から登山口までの距離も比較的ありますので、早めの出発を心がけしっかりと事前に計画を立てましょう。

都心からアクセスのよいJR中央本線

JR中央本線笹子駅を下車して登山の起点とします。同じ道を引き返して笹子駅を終着駅としてもよし。やはり下りは違うルートを楽しみたいので、初狩駅を終着駅とすることがおすすめです。都心からアクセスしやすいJR中央本線沿いには、高尾山をはじめとするたくさんの低山があり、トレッキングやハイキングが楽しめる大変おすすめのエリアです。

初狩駅の見所

初狩駅の少しレトロで趣のある駅舎にも哀愁漂うものを感じます。初狩駅からは大菩薩嶺から南下してきた滝子山の雄大な姿を一望できるので、ここでは「あんなに高いところに登って来たんだ!」という感動と達成感にぜひ浸りたいもの。

滝子山の登山情報⑥周辺の情報

笹子駅周辺の地元ならではのおいしい情報をお届けします。駅からの何気ない風景にもハイキング気分で目を向けたりしながら、こうした現地ならではの出会いを大切にして、その土地を訪れた記憶をより思い出深いものにしたいですね。

登山のお供に名物の笹子餅

笹子駅近くにある”みどりや”は、甲州名物である笹子餅の製造直売所です。明治38年に「笹子餅」と名付けられ旅客サービスとして販売されて以来、地元の名物として愛されている和菓子です。お店は朝の7時から営業しているので(※)、登山前に調達して休憩時や頂上で地元の味を堪能しよう。
※詳しい営業時間は事前に確認しましょう。

地元の酒蔵でお土産を

終着駅を笹子駅にする場合は、帰りにぜひ地酒をお土産にしたいもの。笹一酒造の直営店”酒遊館”では、限定販売品やお土産物も並びます。数々の賞を受賞した銘酒たちは、笹子の地下を流れる水から作られており、水が豊富なその土地の特徴も伺えますね。

滝子山の登山情報⑦基本の服装と装備

比較的高低差と距離のあるコースとなりますので、春や秋は特にしっかりとした防寒対策をおすすめします。

標高差による寒さ対策

登山の起点となる笹子駅周辺の標高は約600m。標高100m上がるごとに気温は0.6度下がると言われていますので、標高差約1,000mの滝子山頂上は約6度も気温が低い計算になります。頂上は見晴らしが大変よく遮るものもないため、体に直接吹き付ける風によって体感温度はさらに低く感じるはず。レイヤリング(重ね着)ができる服装を心がけ、万が一にもう1枚羽織れるアウターをプラスで用意するとよいでしょう。

滝子山の登山情報⑧上級者の楽しみ方


普段の登山やトレッキングには少し飽きてきたかなという中級者から上級者向けに、滝子山の一味違った楽しみ方をご紹介します。

周辺の山々への縦走が楽しめます

滝子山は、周囲の山々への縦走ルートがいくつも計画できるところも魅力のひとつです。頂上付近からは大谷ケ丸へ、ズミ沢方面からは大鹿山へ。難易度を上げていきたい時には縦走がおすすめです。

沢登りやクライミングに適した場所です

こんなにきれいな水が流れる程よい傾斜の沢は眺めるだけではもったいない!という中級者から上級者には、沢登りやクライミングが大変おすすめの場所です。沢登り初心者の方は、ぜひベテランの方と一緒に始めるか、地元の方に講師を依頼するなど、基礎知識をしっかり身に付けてから始めましょう。

登山の後は温泉で疲れを癒そう

6時間以上も歩いて疲れた体を温泉に入って癒して帰るのも、登山やハイキングの帰りの楽しみのひとつですね。

大月の隠れ家的日帰り温泉”湯立人鉱泉”

国道20号線の猿橋の近くにある一見民家のような日帰り温泉。江戸時代から地元の人たちに親しまれてきた鉱泉で、土日のみの営業です。場所も少々分かりにくいので事前に下調べをおすすめします。登山客が時々利用する隠れ家的な場所です。

秋山温泉

山梨県上野原駅より徒歩2分の所にある秋山温泉は、源泉を引いた屋外プールなども併設されていることから、お子様連れのご家族に大変人気のある温泉です。都心方面への帰路の途中で下車して温泉に入り疲れた体を癒してはいかがでしょう。

まとめ

JR中央本線沿にはバスやタクシーなどを使わなくてもよい距離感で日帰りにちょうど良い低山がひしめき合っています。とりわけ富士山の眺めが素晴らしい山が多いため、初心者におすすめのエリアです。その中でも滝子山は、地元大月市の住民のみなさんに親しまれ、登山道の整備や標識が細かく設置されているなど、初心者にうれしい環境が整っている山です。歩行距離や高低差的にはかなりハードなので、初心者から中級者へのステップアップの山として、ぜひ一度滝子山を訪れてみてはいかがでしょう。

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