セロリのお話
セロリの歴史は大変古く、古代ローマ時代から栽培が始まっています。あの特徴のある香とシャキシャキ感はセロリの好き嫌いが分かれるところですが、その独特の香りゆえエジプトでは葬礼用に、ギリシャやローマでは薬や香料として使われ、食べ方よりはむしろ魔除けとして飾られたり、競技の勝利者の冠などにされていました。
セロリの旬は11月から5月頃までですが、近年はハウス栽培も盛んで、年間を通して出まわるようになっています。セロリにはビタミンやカロチンが多くふくまれていますので、リラックス効果や高血圧対策や精神安定への働きもあり不眠や頭痛などにも効果があります。
セロリの選び方としては、葉っぱは黄ばみがなくつややかで緑色をしていること、茎は肉厚で丸みがあり、筋がデコボコして目立つ物ほど新鮮です。株のものと1枚物とでは、株の方が長持ちしますが、1枚物を買う場合は切り口が変色していないものを。白っぽくスが入ったものは鮮度が落ちていますので注意しましょう。
セロリの葉っぱは生で食べれる?
生のセロリの茎が大好きでマヨネーズをつけてバリバリ食べてしまうという方でも葉っぱとなると、葉脈が太くてかたく、口に入れるとケバケバするし、生で食べれるのか、また加熱しての食べ方もわからないまま結局は捨ててしまうという方もいるようですね。
セロリにはビタミンやカロチンが多く含まれていることもわかっているけれどセロリの葉っぱも生で食べれるの?と疑問をお持ちの方、セロリの葉っぱはもちろん生で美味しく食べれるんです。おまけに葉っぱの方が、栄養が豊富なんですよ。セロリの葉っぱには油(脂)に溶けやすいビタミンKが多く含まれています。
なので、セロリを生のままサラダにしてドレッシングをかける食べ方は吸収率があがりますし、加熱して炒め物の具材としての食べ方もとても美味です。さらにセロリ独特の香りを生かしたお肉の臭みけしや、お料理の香りづけなど、セロリの葉っぱはいろんな使い方が出来て料理には欠かせない優れものなんです。
セロリの葉っぱの栄養は?
セロリにはβカロチンを筆頭に、体の疲れをとるビタミンB1、美肌効果のあるビタミンC、血行を良くし、老化を防止してくれるビタミンE、骨の形成のために必要なビタミンK、そして精神を安定させる香りの成分ピラジンや、血圧を下げてくれるカリウムなどが多く含まれています。
また必須アミノ酸の一つであるメチオニンは肝機能の働きを助けてくれますし、カルシウムや、ナトリウムなどのミネラルも豊富に含んでいます。そしてこのセロリの栄養は実は茎よりも葉の部分の方により多くビタミンやミネラルが含まれていて、特にセロリの代表的な栄養であるβカロチンは茎の2倍あると言われています。
また香り成分ピラジンも茎よりも葉っぱの方により豊富に含まれているので、リラックス効果だけではなく脳梗塞や心筋梗塞の予防にも役立ち、心と体の両方に効果を得ることができます。このようにセロリの葉っぱは捨てるにはもったいない栄養の宝庫なのです。ですからセロリは茎も葉っぱも全部食べることをおすすめします。
セロリの葉っぱの美味しい食べ方
セロリの葉っぱの豊富な栄養が分かったところで、次はその葉っぱの美味しい食べ方のコツをお話ししましょう。セロリの葉っぱが食べにくい理由は、独特の香りと、葉っぱのかたい食感にあると思います。なのでそれを解決していきましょう。まずはそのセロリ独特の香りですが、それを逆に生かしてしまいます。
つまりセロリを香味野菜と捉える料理方法です。セロリの葉っぱを青じそや茗荷に置き換えて考えると美味しい料理のレパートリーがグンとふえてきますよ。例えば青じその天ぷらは大変美味ですが、セロリの葉っぱも天ぷらにすると青じそに負けない美味しさになります。ぜひ一度試してみてください。
次に葉っぱのかたい触感ですが、さっと熱を加えることで解決します。時間をかけて加熱するのではなく、熱したオイルをさっとかけることによってしんなりした触感が得られます。またスープや煮込み料理の材料にしてくたくたに煮込めばやわらかくなり、煮汁に溶けだした栄養も一緒に摂ることが出来ます。
またセロリの葉っぱを細かく刻むことで食べやすくなりますのでスープや炒め物に活用してもいいですし、セロリの葉っぱをさっとゆでて刻み、フライパンでいため、醤油と砂糖で味付けした佃煮は、セロリの葉にぴったりのレシピと言えます。ぜひ調味料を加減しながらご自分好みの佃煮を作ってみてください。
セロリの葉っぱの人気レシピ3選
前述でセロリの葉っぱを美味しく食べれる料理法をお話しましたが、ここからはセロリの葉っぱを使った人気レシピを紹介していきます。まずは気軽に挑戦していただくためにどれも簡単に作れて、しかも美味しい料理を選んでみました。あとは皆さんのアレンジでご自分好みのお料理を作ってみてくださいね。
セロリの葉っぱ:人気レシピ①
セロリの葉っぱのサラダ
セロリの葉はビタミンやミネラルは茎の部分より豊富ですし、特に老化を防ぐβカロチンや血液をサラサラにしてくれるピラジンは茎の2倍含まれています。それらの栄養素を無駄なく摂るためにまずセロリの葉の栄養を丸ごとサラダで食べてみることにしましょう。
セロリの葉のシンプルサラダ
「簡単!くせになる!セロリのグリーンサラダ」のレシピをご紹介します。オリーブオイルを加えるだけの簡単なレシピでしかも美味しいんです。
材料 セロリの葉一株ぶん オリーブオイル 大さじ1くらい 粗挽きコショウがりがりとお好みで 岩塩適量
詳しいサラダレシピはこちら
上記材料を使った、詳しい調理法、作り方は下記で読むことが出来ます。
セロリの葉っぱ:人気レシピ②
セロリの葉っぱは佃煮が最高!
かたくて苦手と、セロリの葉っぱを捨てていた方には必見のレシピです。セロリの葉っぱって佃煮向きの味!と思っていただける一品です。好みの食材をいろいろ取り入れて作るのももちろんおいしいのですが、今回はセロリの葉っぱのおいしさを知って頂くためにシンプルな作り方をご紹介します。
セロリの葉っぱの人気レシピ:佃煮
【農家のレシピ】セロリの葉の佃煮をご紹介します。みじん切りしたセロリの葉っぱを調味料と一緒にいためるだけで完成です。ごはんが何杯でも進みますよ、おにぎりにすればお子さんにも喜ばれますし、お弁当にもいいですね。
材料 セロリの葉(細い茎もOK)100g しょうゆ大さじ1 砂糖大さじ1 ゴマ大さじ1
詳しい佃煮レシピはこちら
上記材料を使ったレシピは、下記のサイトから詳しい作り方を見ることが出来ます。
セロリの葉っぱ:人気レシピ③
セロリの葉っぱのスープ
セロリの香気成分ジヒドロフタライドは肉や魚などの臭みも抑えてくれるのでいろんなレシピで利用することが出来ますが、セロリの葉っぱを使ったスープも調味料や食材を変えることでレパートリーが広がり、セロリのコクと風味も加わって美味しく頂くことが出来ます。またスープを丸ごと摂ることで栄養も逃さず、おなかもいっぱいになります。
コンソメで作る
「捨てないで!セロリの葉のスープ」のレシピをご紹介します。わざわざお買い物に行かなくても冷蔵庫の中にあるもので簡単に作れちゃうところが嬉しい一品です。
材料 (3~4人分) セロリの葉1本分 人参1/3本 玉ねぎ1/4コ ウインナー(ベーコンでも)3~4本 コンソメ顆粒 小さじ3~4 塩少々 こしょう少々 水600~650ml
詳しいスープレシピはこちら
上記の材料を使った詳しいセロリの葉っぱのスープの調理法、作り方は下記で読むことが出来ます。
セロリの葉っぱの保存方法
独特の香味と、シャキシャキ感が人気のセロリですが、実は乾燥に弱く日持ちもあまりよくありません。そこでここからは束で買って使いきれなかった場合などの適切な保存方法を紹介いたしましょう。
冷蔵保存
葉と茎を分けて保存する
セロリの葉っぱは茎よりも栄養が豊富と前述しましたが、それはセロリの葉っぱは茎の養分や水分を吸い上げる性質があるからです。ですから保存するときは葉っぱと茎を分けて保存した方が茎にとってもベストな方法と言えます。また冷蔵庫は乾燥しがちな場所ですので水分がしっかり保たれた状態での保存が大切です。
それぞれをキッチンペーパーで包んだらたっぷりの水で濡らし、ビニール袋に入れて保存します。茎は立てた状態の方が長持ちしますが、水を入れたタッパーに入れて保存すればさらに長持ちします。保存期間は6日から1週間くらいが目安と考えてください。
冷凍保存
冷蔵保存同様に、葉と茎は切り離します。葉っぱはみじん切りにしてジップ付きの袋に入れたら空気を抜いて保存します。茎は筋を取り、お料理時に使いやすい大きさにカットしてから同じようにジップ付きの袋に入れて空気を抜いて保存してください。保存期間は約1ヶ月ほどですので1週間以内で使いきれない時はこちらがおすすめです。
冷凍セロリのお料理方法は?
冷凍したセロリを使う場合は解凍せずにそのまま使います。冷凍時にみじん切りやカットをしてありますので火の通りも早いからです。葉は薬味やジュース、餃子の材料に活躍してくれますよ。茎は冷凍したことによりセロリ独特の触感がなくなっているのでサラダの食べ方ではなく、スープや加熱料理に使うことをおすすめします。
ドライセロリ
葉っぱを洗い、水分をしっかり拭き取ります。次にクッキングシートを敷いたオーブンの天板に、セロリの葉を並べ、オーブンの温度100℃にし、40〜50分を目安に完全に乾くまで加熱します。かさかさの状態になったらオーブンから取り出して、指で揉みます。これでドライセロリの完成です。瓶などに入れて保存すればいつでも使えますよ。
ドライセロリは肉や魚にふりかけるだけでも味に深みを与えてくれますし、ドレッシングやソースヴィネグレットに混ぜたり、トマトソースに合わせたりと、まさに万能調味料として食べれるのが魅力です。是非一度作ってみて下さいね。
食べ方を知ってセロリの葉っぱ大好きに!
いかがでしたか、セロリの茎は好きでも葉っぱは食べられるのかどうかもわからず、捨ててしまった方も多かったのではないでしょうか。セロリは栄養も豊富で、しかも茎よりもビタミンやミネラルは多いこともわかりました。また葉っぱの独特の香りを生かすことで他の食材にはない美味しさを味わえる楽しみもわかったことと思います。
そして野菜はすべて無駄なく食べれることをあらためて気づかされたことでしょう。今回お伝えした以外にもセロリとの相性が良い食材として、わかめとの組み合わせは美容と健康効果が倍増しますし、アサリとの組み合わせは貧血予防などの相乗効果がえられることも伝えられています。ぜひ食材選びの参考にしてみてくださいね。
セロリの葉っぱには今回お伝えしきれなかった簡単で美味しいレシピがまだまだたくさんありますので、これを機にいろいろ挑戦してみくださいね、さらにみなさんの食生活が豊かになることと思います。
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