はじめに
イランはイスラム国家で、アメリカと仲が悪く、テロなどの存在がいて怖いイメージがあるイランですが、実際には治安が大変良く、バックパッカーも含め非常に旅行がしやすく、歴史もあり世界遺産に登録されている遺跡や観光名所が数多くあります。今回はイランのおすすめ観光スポットを、イランの特徴を含めて紹介します。
イランの概要と行き方
イランの概要
イランの正式名称は「イラン・イスラム共和国」で、ペルシャとも呼ばれる地域です。この地域は砂漠地帯ですが、紀元前3000年ごろからの非常長い歴史を持ちます。そのため様々な王朝の遺跡やこの国の重要な存在であるイスラム美術を施した施設などは、非常に美しく、多くの観光スポットが世界遺産に登録されています。厳格なイスラム文化の国なので、異国を体感したい観光客にはおすすめです。
日本からイランへの行き方
日本からイランへの行き方ですが、2018年11月現在は直行便(イラン航空)が運休しています。そのため経由便で行くことになりますが、トルコのイスタンブールやドバイあるいはドーハなどの利用が多いです。ヨーロッパ経由の方法もあります。経由地を含めると最大20時間近くかかります。イランの渡航にはビザが必要ですが、比較的容易に取れ、現地でもとる事ができます。
イランの宗教と治安について
イランの宗教「イスラム教・シーア派」
イランの宗教は、イスラム教ですが、一般的なスンニ派とは違い、シーア派(12イマーム派)が国教となっています。これはイスラムの4代正統カリフ「アリー」とウマイヤ家との抗争により分裂し、アリーの子孫の12代にわたる「イマーム」と呼ばれる宗教指導者を崇敬しています。12代目のイマームはすぐにお隠れになり、そのまま現在でもシーア派ではイマームとして崇敬の対象となっています。
イラン全体の治安について
よく勘違いされるのが、イランの治安です。中東地域は紛争やテロ組織のことが話題になりますが、少なくとも現在のイラン国内ではそのようなこともなく、むしろ安全な地域ともいえます。そのため海外での最低限の注意を怠らなければ、十分イランの観光旅行を楽しむことができます。実際にイランを旅行した旅行者によれば、イラン人は非常にやさしいとの事です。
イラン旅行で注意すべきこと
その他でイラン旅行で注意すべき点ですが、日本と違い宗教に厳格な国としての理解が必要です。たとえばイランでは女性はヒジャーブ(髪を隠す布)をした方が安心です。あとは女性一人旅でも複数で旅をしているとか、恋人がいなくても、いると言った方が後のトラブル防止になります。ちなみイランの通貨はイラン・リヤルで、2018年11月の時点では1円が370から380リヤルの相場になっています。
イラン観光おすすめスポット①
ペルシャの名所ツアー「ボルジェ・ミーラード」
ボルジェ・ミーラードは首都テヘランにあるシンボルタワーです。高さ435mありイランでは一番高く、世界でも有数の高さがあります。国際貿易コンベションセンターの一部で、ホテルなどもあります。展望台の上は窓ガラスがなく金網だけなので、旅慣れたバックパッカーでもスリルが味わえます。
観光地へのルート・注意点など
場所はテヘランの中心よりやや北寄りにあり、国際空港から車で1時間程度です。治安も特に悪くありません。注意点としては窓ガラスがないので、高所恐怖症の人には厳しいところです。ただテヘランの町全体が見渡せるので、イランに来てホテルに荷物を預けたら最初に立ち寄りたい観光スポットです。
イラン観光おすすめスポット②
ペルシャのツアー名所「ゴレスターン宮殿」
首都テヘラン一番の見どころは、世界遺産にも登録されている、ゴレスターン宮殿です。18世紀から20世紀まで始めてテヘランをイランの首都としたガージャール朝の宮殿として建てられました。伝統的なペルシャ様式の工芸で施され、多くの装飾品は近代(19世紀)の技術が施されています。
観光地へのルート・注意点など
場所はテヘランの中心です。テヘラン中央駅からは地下鉄で行くことができます。最低限の注意をすれば治安も安心です。テヘランが都会ゆえ、ついついイランの地方の観光地が気になりがちなバックパッカーもこの世界遺産の鏡の効果で光り輝く大理石の玉座や謁見の間、輝きの間と、おさえどころは数多くあります。
イラン観光おすすめスポット③
ペルシャのツアー名所「ヤズド旧市街」
首都テヘランから南東方向にある都市ヤスドは、ゾロアスター教の聖地として、3000年前から存在している非常に古い歴史があります。見どころは旧市街地で、独特の建築要素が特徴で世界遺産に登録されました。建物の外観は砂漠の砂の色のようになっていて、一つ一つが芸術作品のようです。
観光地へのルート・注意点など
ヤスドへはテヘランから車で7時間のあたりにあります。注意点としては治安面ではなく、日中の温度管理で、砂漠地帯だけに昼間の長時間外出はバックパッカーも含め熱中症などの要因につながります。また「カナート」とよばれる地下用水網が充実しているのが特徴で、実はそれも世界遺産に登録されました。
イラン観光おすすめスポット④
ペルシャのツアー名所「沈黙の塔・ダフマ」
古代都市ヤスドで、バックパッカーも含め、必ず押さえておきたいのが「沈黙の塔・ダフマ」です。これはゾロアスター教で行われる「鳥葬」の場所です。ここに死体を置き、鶏肉を食べさせるという処理方法で、砂漠地帯という合理的な意味もありますが、ゾロアスター教では鳥に肉体を与えることは人生最後の功徳とされます。
観光地へのルート・注意点など
沈黙の塔はヤスドの郊外の砂漠地帯にあり、中心部から車で20分程度になります。ただ注意点として砂漠地帯なので水分補給などはまめにしたほうが良いでしょう。それから塔に登るのはそれなりに体力が必要です。ちなみに今では鳥葬は行われておらず。観光地なので、突然鳥が襲ってくることはありません。
イラン観光おすすめスポット⑤
ペルシャのツアー名所「ペルセポリス」
イランのサッカーチームの名前にもなっているペルセポリスは、イラン南部にある世界遺産です。古代オリエント紀元前に存在したアケメネス朝ペルシャの王都があった遺跡群です。100年かけて建築されたという記録がある一方政治都市というより新年祭を執り行うために使われました。後にアレクサンドロス大王の攻撃で都市は破壊され、以降は現在まで廃墟として残っています。
観光地へのルート・注意点など
場所はテヘランから車で9時間、シーラーズの町の近くにあります。治安はともかく砂漠地帯なので、バックパッカーも含めてこの遺跡のいにしえの美しい遺跡群に見とれて、水分補給などは怠らないようにしましょう。ちなみに、アケメネス朝ペルシャは旧約聖書でも比較的重要な役どころとして登場します。
イラン観光おすすめスポット⑥
ペルシャのツアー名所「シャー・チェラーグ廟」
イラン南部の都市シーラーズにある「シャーチェラーグ廟」非常に美しいバックパッカーも驚く聖廟です。光の王を意味するこの廟の主はシーア派12イマームの8代目イマーム・レザーの弟です。廟の内部はエメラルドグリーンの光り輝きが洪水のように湧き出ているかのごとく、あたかも万華鏡の中に迷い込んだ錯覚に陥ります。
観光地へのルート・注意点など
場所はシーラーズの町の中心にあります。13世紀以降学問の中心地となったシーラーズで、14世紀の時代の皇太后により、ごく普通の廟だったものを装飾を凝らして絢爛豪華なものにしたとされます。特に治安の問題もないので、旅慣れたバックパッカーも含めてぜひこの美しい廟に立ち寄りましょう。
イラン観光おすすめスポット⑦
ペルシャのツアー名所「イマーム広場」
イラン中部、テヘランとシーラーズの間位なるイスファハーン(エスファハーン)は、イラン観光の見どころが密集しています。その中でも「世界の半分」との異名を持つイマーム広場はバックパッカーも含めてぜひ立ち寄りたいところです。南北512m、東西159mの長方形の巨大な広場は、近代イスラーム建築の傑作として世界さんに登録されています。
観光地へのルート・注意点など
場所はシーラーズの町の中心でもあり、またイランの中心とも言える位置にあります。テヘランからのルートでは車で5時間程度です。治安面ではこの広大な広場に圧倒されて海外に来ていることを忘れなければ大丈夫です。ちなみに正式名は「世界の肖像の広場」で、1598年にこの町を首都としたサファヴィ朝、アッパース一世により、建設されました。
イラン観光おすすめスポット⑧
ペルシャのツアー名所「イスファハーン金曜モスク」
イマーム広場の南側に、広場からもその美しさが見えるのが、イスファハンの金曜モスクです。このモスクは6つの王朝の時期にかけて建築されているので歴史的も貴重な建物で、世界遺産に登録されています。そして貴重なだけでなく美しさも相当なもので、きらびやかさはない者、壁面のデザインがとにかく美しく、思わずバックパッカーも見とれてしまいます。
観光地へのルート・注意点など
場所はイマーム広場の隣にあるので、セットで回れます。特に大きな治安上の問題もなく、ゆっくりと美しいペルシャ様式のモスクを眺めることができます。この美しい建築美は、後の時代にも大きな影響を与えており、オスマントルコやインドのムガール朝の建築物の参考になりました。
イラン観光おすすめスポット⑨
ペルシャのツアー名所「ハージュ橋」
イマーム広場のあるイスファハーンの南側を雄大に流れる大河ザーヤンデルード川があります。この川に架かる橋の一つ、ハージュ橋が観光名所として地元の人やバックパッカーを含めた観光客で人気があります。この橋は夜が美しく、そのイルミネーションのような光を求めて多くの人がやってきます。
観光地へのルート・注意点など
場所はイマーム広場から車で10分の距離にあります。夜が主な観光の時間なので、昼間よりは治安面を意識した方が良いでしょう。ペルシャ様式の端は2重のアーチ橋で、ダムの役目も果たしているらしく、その内部から火のように光り輝く光は幻想的、エキゾチックなイランに橋が架かっているので、よりその雰囲気が味わえます。
イラン観光おすすめスポット⑩
ペルシャのツアー名所「スィー・オ・セ橋」
イスファハーンを流れるザーヤンデルード川に架かる橋にはもう一つ「スィー・オ・セ橋」と呼ばれる観光名所があります。この橋も2重アーチ橋となっており、長さが300mと川に架かる橋では最も長いもので、少し離れた所から見ると、橋立のように続いているのが見えます。旅慣れたバックパッカーも満足の観光名所です。
観光地へのルート・注意点など
場所はイマーム広場から車で15分の距離です。1600年ごろに建設されたとされ、ファヴィー様式建築橋の参考として建築部門からも注目されています。またこの橋には、橋の下の方もみられるようになっており、撮影スポットとしても人気があります。是非ともハージュ橋とセットで回りましょう。
イラン観光おすすめスポット⑪
ペルシャのツアー名所「イマームレザー廟」
イラン北東部、トルクメニスタンとの国境付近にある、マシュハドの街には、イマームレザー廟という観光名所があります。実はここはイランでは最大の聖地とされているところで、8代目のイマームの廟があります。時の王、「マアムーン」に殺害されたと信じられており、レザーが没した年を開基として年間2000万人の信者が訪れます。
観光地へのルート・注意点など
場所はテヘランから車で10時間ほどかかります。イマーム・レザー廟は町の中心にあります。イマームが没した当時は迫害を受けていたシーア・12イマーム派は、16世紀から18世紀にかけてこの地域を支配した王朝サファヴィー朝により、国教とされてたタイミングより、この場所に絢爛豪華な廟を建設しました。治安面は大丈夫ですが、巡礼者が多いのでマナーは厳守しましょう。
イラン観光おすすめスポット⑫
ペルシャのツアー名所「キャンドヴァーン」
イラン北西部、アゼルバイジャンやアルメニアとの国境付近にある、タブリーズの近くにある、キャンドヴァーンの村は、奇岩の村として知られています。ここには遊牧民の子孫が住んでいるとされ、凝灰岩の山を削って、その場所を住居としています。住居だけでなくホテルもあるので、イラン人観光客に人気があります。
観光地へのルート・注意点など
場所はテヘランから車で8時間ほどの距離です。住居は700年以上の歴史があり、この地域では肝臓病に効くという名水が湧いているとされ、イラン国内から来たイラン人観光客が水をくむそうです。まだまだ外国人には穴場の観光地なので、旅慣れたバックパッカーとしてもぜひ訪れたいところです。
イラン観光おすすめスポット⑬
ペルシャのツアー名所「マランジャブ砂漠」
イランは砂漠地帯も多くありますが、その中でもマランジャブ砂漠は比較的気軽に行ける砂漠として人気があります。日本の砂丘とは違う大陸砂漠体験は、バックパッカーでも納得出来ること間違いなしでしょう。砂漠の奥にはナマック湖という塩湖もあり、こちらも一緒に回ってみたいところです。
観光地へのルート・注意点など
場所はテヘランより、イスファハーンに近く、車で4時間弱で行くことができます。他の観光地と比べて観光客も少ないところなので治安なども問題ありません。ただ水分補給などは注意しておくようにしましょう。セットで回るべきナマック湖まで来ると、砂漠とは全く違う風景が見られるのでその違いも楽しいところです。
まとめ
以上で、イランのおすすめ観光スポットと、イランの特徴や注意すべき点について紹介しました。驚くほど治安が安全なイランは、それでいて見どころが非常に多いのにも関わらず、悪いイメージがあって、まだまだ観光地としてはマイナーなスポット、逆に言えば今行くのが自慢できてチャンスかもしれません。この記事がイラン観光旅行の参考になれば幸いです。
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