ダッチオーブン・スキレットのシーズニングとは?
シーズニングとは使い始めのならしのこと
ダッチオーブンやスキレットは初めて使う前にシーズニングというならしをする必要があります。ダッチオーブンやスキレットはいわば鍋やフライパンと同じで、調理器具なので使い方は同じです。ですが使い始めにシーズニングをしないといけないことと、手入れに手間がかかつるところが違います。シーズニングには手順がありますが、難しいことはありません初めてでもできますよ。
シーズニングとは?
シーズニングの意味①
シーズニングは「seasoning」と書いてなじませることとかならすことといった意味があります。季節という意味の「season」も同じつづりですが、他になじませるとかならす、(香辛料などで)味付けする、といった意味があります。「season」にはフランパンなどに油をなじませるという意味もあり、ダッチオーブンやスキレットのシーズニングはこの意味でのシーズニングですね。
慣らすこと。特に、紙や木材などを伸縮防止のため、室内の湿度に慣らすこと。また、鉄製の鍋を使い始める際に、油に慣らすこと。
シーズニングの意味②
「season」といえば季節という意味がまず思い浮かびますね、「season」という言葉には長い期間をかけて成長させる、あるいはならすといったニュアンスを持っています。ダッチオーブンやスキレットも長い間使っていくうちに成長していきますね、やがては油のよく染み込んだ状態になり、食材がくっつかずおいしく調理することができます。そのためにはきちんとした手入れが必要ですね、シーズニングは使い始めだけでなく常に手入れとしてやっていきましょう。
ダッチオーブン・スキレットとは?
ダッチオーブン・スキレットとは鉄製の調理器具
ダッチオーブンとスキレットはキャンプではおなじみですね、最近はIHに対応していて家庭のIHコンロでも使えるものも増えてきました。アメリカの西部開拓時代から焚き火でいろいろな調理ができることでよく使われ、現代での使い方は主にキャンプ料理でよく使われていますね。鉄でできていて重いですが頑丈で長持ちします、手入れをしながら長く使っていきたい道具ですね。
鋳物とは?
ダッチオーブンやスキレットはいわゆる鋳物です、鋳物は鉄を融かして型に流し込んで作ります。他に叩いて作る鍛造や削って形を作る方法がありますが、鋳物は安く大量に生産することができる特徴があり身近な製品に多く使われています。例えば自動車部品は中に空洞があるものがあり、これには鋳物が適しています。鋳物を作ることを鋳造といいますね。
シーズニングをする理由とは?
シーズニングが必要な理由とは
ダッチオーブンやスキレットは鉄製で一般的なフライパンのように表面がコーティングされていません。このために水に濡れるとすぐにサビてしまいます。また買ってきたダッチオーブンやスキレットは保管中にサビないようにサビ止めのワックスが塗ってあります、このワックスは食べられないのできちんと落として油の膜を作ってやるためにシーズニングが必要です。
シーズニング不要とは?
ダッチオーブンやスキレットの中にはシーズニング不要となっているものもありますね。これは①メーカーがすでにシーズニング済みの商品②シーズニング不要なコーティングがしてある③シーズニング不要な素材である、これらの理由でシーズニングが不要になっています。シーズニングは手間のかかる作業ですので、シーズニング不要の商品を選んでも問題ありませんし、普通のダッチオーブンやスキレットと同じように使えます。使い始めのシーズニングが不要とはいっても普段の手入れは必要なので注意してくださいね。
手入れの行き届いた「ブラックポット」
きちんと手入れをして使い込んだダッチオーブンは蓋まで黒光りする「ブラックポット」という状態になります。油が染み込んでサビがなく使いやすくなっています。シーズニングをするときはこの状態を目指して行きましょう。
シーズニングのやり方①
洗剤で洗う
まずは付いているワックスを落とします、方法は家庭用の洗剤でいいのでゴシゴシ洗って落としてやります、蓋にもワックスは付いているので忘れずに洗っておきます。基本的にダッチオーブンやスキレットの手入れには洗剤は使わないので、洗剤を使って洗うのはこのときだけです。
水を沸騰させる
次に水を入れて沸騰させます。水を入れて沸騰させることで洗剤で落としきれなかったワックスを完全に落としてしまいます。蓋には水をためることができないので沸騰した水をかけてやりましょう。水は捨てたら、ふきんでふいて完全に乾かしておきます。
シーズニングのやり方②
焼いてオリーブオイルを塗る
ダッチオーブンを乾燥できたら空焚きしていきます、ここからがシーズニングの本番ですよ。油を塗って空焚きするとまず煙がでてきます、そのまま空焚きを続けていくと煙がなくなり白っぽくなります。全体が白っぽくなるまで空焚きしていきましょう。きちんと焼けているかを見極める方法はこの白っぽくなる色で見分けていきます。
コンロの上で動かして焼く
コンロの火は案外ムラがあるので全体がきちんと焼けて白っぽくなるように動かしながら焼いていきましょう、蓋も忘れずに焼きます。焼けたら自然に冷めるまで待ちます、ここで水をかけたりして急激に冷したりはしないでください。急激な温度変化に耐えられずに割れてしまうこともあります。
同じ方法を何度か繰り返す
ダッチオーブンが冷めたらまた油を塗って焼いていきます。また同じ方法で焼いていくと煙がでるので、まんべんなく煙が出なくなるまで焼いて冷ます、ということを4回から5回ほど繰り返していきます。これで表面の鉄の隙間に油が染み込んでいき、サビないようなコーティングができます。
カセットコンロを使う方法
家庭用のコンロだと温度調整機能が付いていて、ダッチオーブンがしっかり焼ける前に火がよわくなってしまいます。また室内であまり煙をだしたくないというかたもいるでしょう。そこで焼き入れのコツとしてカセットコンロを外で使う方法がおすすめです。カセットコンロなら強火でしっかり焼けますし、外でなら煙も気になりませんね。
シーズニングのやり方③
野菜の端を炒める
ここからはシーズニングの仕上げの作業になります。シーズニングの方法には野菜を炒めるというのが良くかいてありますね、これはダッチオーブンの最初の鉄臭さを野菜でとってしまおうというやり方です。ですので野菜は切れ端や皮で十分です。香味野菜がいいとされているのはより香りが強い野菜の方が鉄臭さが取れるからですね。焼いた野菜は食べられないことはありませんが、かなり鉄臭いのでやめておきましょう。
再度オリーブオイルを塗る
最後にオリーブオイルを薄くぬってシーズニングの作業は終わりです。特に難しいことはなく焼いて油を塗ることを何度か繰り返して、仕上げに野菜をいためるだけです。使い始めのシーズニングとしてはこれだけですが、これからダッチオーブンを使っていきつつ育てていきましょう。むしろ使いながらの手入れの方がダッチオーブンを育てていくには大事です、それが楽しい時間でもあるので一生使えるダッチオーブンを育てていきましょう。
油の選び方
市販されている油の中には塩分がはいっている油もあります、これは料理には使えてもシーズニングには使えません。塩分が含まれていることでサビてしまいます。シーズニングに使う油は裏面表示を見て、塩分が入っていないものを選びましょう。おすすめはオリーブオイルです、サラダ油は熱するといやなにおいがするときがありますが、オリーブオイルはいい香りです、また塩分を含んでいません。シーズニングに使うといっても薄く塗るだけなので、できればオリーブオイルを使いましょう。
スキレットのシーズニングのやり方
基本的にはダッチオーブンと同じ
スキレットのシーズニングのやり方は基本的にはダッチオーブンと同じです、空焚きして油を塗る作業を何回か繰り返します。蓋付きであれば同じようにシーズニングをしておきましょう。スキレットはフライパンと同じ形でダッチオーブンよりは軽いのでやりやすいかもしれません。やはり高温になるのと煙が出るので、カセットコンロで屋外でシーズニングするのがおすすめですね。
スキレットならではのコツ
スキレットにはフタが付いているのはダッチオーブンと一緒ですが、忘れがちなのが取っ手です。ダッチオーブンの取っ手は鉄ではなくステンレスである場合が多く、取っ手にはシーズニングは不要です。ですがスキレットは取っ手まで一体になった鉄です、取っ手もシーズニングとしないとサビてしまいます。やり方は同じなので取っ手にもシーズニングをしておきましょう。
ダッチオーブンの使い方
一台で何役もこなせる
ダッチオーブンは鋳物のただの鍋ではなく万能調理器具です、ダッチオーブン一台で煮る、焼く、蒸す、茹でる、燻すなどの調理ができ、蓋を使って炒めるといった使い方もできます。さらに頑丈なので焚き火や炭火へ食材を入れて加熱しておけば簡単に料理ができる優れものです。この使いやすさと頑丈さはやはりアウトドアで役に立ちますね、ダッチオーブンは長い年月の間荒野を旅する人に使われてきた歴史があるのでアウトドアでの使用によくマッチします。
調理のコツ
ダッチオーブン料理は難しいようでも厚手の鍋だと考えれば使い方は簡単ですね。例えば煮込み料理を作るには土鍋を使うのとあまり変わりません。焼いたり炒めたりするには厚手の鋳物の鍋を十分に熱する必要がありますがこれはフライパンでも同じですね、ダッチオーブンでは温まるのに時間が掛かるだけです。オーブン料理を作るには蓋の上にも炭を乗せて全体を加熱すればうまくいきます、調理中に蓋を開けたっ問題ありません、様子を見ながら加熱していけば失敗も少なくなりますね。
ダッチオーブンの手入れの方法とは
調理後の後片付け
ダッチオーブンは使いながら手入れしておくことが大事です。まず調理が終わったら料理は皿などにすぐ移して、ダッチオーブンにずっと入れたままにしないようにします。この意味は調理後の温まった状態の方が汚れを落としやすいからです。ダッチオーブンを洗うときは洗剤を使いません、せっかくできた油の膜まで落としてしまうからです。たわしを使ってぬるま湯で落としていきます、しっかりシーズニングができていれば簡単に落ちますよ。
ダッチオーブンの手入れの方法
ダッチオーブンは使っていくうちにどうしてもコゲが付いたりしますね。そんなときはへらでこすって落とすか、シーズニングの要領で焼いてやるとおとすことができます。どうしても落ちない頑固な油汚れには洗剤を使ってもいいです、ですが洗剤を使うことで油の膜が落ちますので、洗剤を使ったあとはシーズニングの工程をやり直して油の膜を作っておきます。
ダッチオーブンの保管方法とは
水分が大敵
ダッチオーブンは鋳物の鉄なので鉄の塊と同じです、保管するときは水分が大敵ですね。身近にあるものでは新聞紙がおすすめです。ダッチオーブンの鍋の本体を新聞紙で包んで、蓋をのせてから全体を新聞紙で包みます。新聞紙が湿気を吸ってくれるのでサビが発生するのを防いでくれます。新聞紙を定期的に交換するとさらにいいですね、この時にダッチオーブンがサビていないかチェックもできます。
もしサビてしまったら?
きちんと保管していてもサビてしまうことはありますね。もしサビてしまっても落としてしまえば大丈夫ですよ、ダッチオーブンは鋳物の鉄なのでサビを落としても影響はありません。サビ落としのやり方は程度にもよりますが軽い場合は固めのスポンジやたわし、ひどくなるにしたがって金たわしや場合によってはやすりを使って落とします。サビ落としをしたら表面にコーティングが無くなってしまうので、再度シーズニングをしておきましょう。
スキレットの使い方
使い方のコツ
スキレットは形を見ればわかるように基本的にフライパンと同じ使い方です、食材を焼いたり炒めたりする調理ができます。スキレットは鋳物で厚い鉄が特徴です、予熱をする場合はフライパンよりも時間が掛かります。蓋が付いている場合は蓋を閉めて蒸気が逃げないような使い方ができますね。蓋に突起が付いているモデルでは、蒸気が突起から食材に直接落ちます。これによって煮汁をかけながら調理するベイスティングと同じ効果があります。
ふっくら焼き上げるコツ
スキレットは鋳物の鉄製なので熱伝導がいいとよく言われますね。この意味は食材に熱が伝わりやすいということです、鉄という素材自体が熱を伝えやすいというわけではありません、素材であれば銅の方が熱伝導はいいです。ではどういう意味かというと、スキレットは厚い鉄でできていて一度熱を持つと冷めにくくなります。そこで食材を焼くと食材に均一に熱が伝えることができます、そして冷めにくいので食材に熱を加え続けることができます。
上手な使い方
スキレットは蓄熱性のよさから食材をおいしく焼くことができますね、おいしく焼くコツで大事なのは火加減です。予熱するときにどれぐらいの温度で焼きたいのかを考えて予熱しましょう、一気に焼いてうまみを閉じ込めたいときは高温にして、じっくり熱を加えたいときは低温になるように予熱しておきます。この加減がうまくできればおいしく調理できますよ。
スキレットの手入れの方法とは
速めに片づける
スキレットもダッチオーブンと特徴はおなじなので、調理が終わったら料理は皿に移して早く片付けたいですね。まだ熱を持っていれば少しの水とたわしでこすってやればだいたいの汚れは落とせますよ。蓋も同じです、早めにお湯で洗うことで楽にすますことができます。
汚れを落とすコツ
せっかくのスキレットですからそのままテーブルに出したいですね。冷えて汚れが固まってしまっても大丈夫です、汚れを落とすコツがあります。こびりついた汚れは水を沸騰させると簡単に落ちます、スキレットに水を入れて沸騰させるだけで汚れが剥がれますよ。もしそれでも落ちなかったらたわしやへらでこすって落としましょう。
スキレットの保管方法とは
湿気を避ける
スキレットもやはり湿気が大敵なので、本体と蓋を新聞紙にくるんで重ねて保管しましょう。もしサビてしまった場合の落とし方もダッチオーブンと同じですよ。スキレットを頻繁に使うような使い方をする方はしっかり乾かしてしまっておけば大丈夫です。
まとめ
ダッチオーブンやスキレットのシーズニングといえば難しそうなイメージですが、やり方とコツを覚えておけば誰でもできますよ。シーズニングのやり方を覚えておくことで、手入れをするときにも役立ちます。使うたびに手入れをしていくことでダッチオーブンやスキレットは育っていき、だんだん使いやすくなっていきますよ。
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