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防水規格のIP表記って何?防水グッズや携帯で気なる等級や性能を解説!

防滴や生活防水、完全防水という言葉には実は明確な違いがあります。それは防水規格によってどの程度まで水が内部まで入らないようになっているか決まっていて、生活防水などの言葉だけではわかりにくいので、防水規格を簡単に解説します。
更新: 2021年1月15日
揚げ餅
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防水規格とは

生活防水や防滴は実は性能が異なる

携帯電話やスマホに限らずスピーカーや防水イヤホンには「完全防水」や「生活防水」、「防滴仕様」と呼ばれている製品があります。この言葉の違いはそれぞれの水に対する仕様の違いがあるためです。

例えば完全防水は水の中に携帯電話やスマホが浸かっても内部に水がすぐに入って壊れないことを意味していて雨程度では、蓋などが完全にできている状態であればまず壊れることはないという製品になります。逆に防滴仕様の製品が水没すると壊れます。

正確な性能は言葉だけではわかりにくい

生活防水や完全防水だけだと、どれくらいの水に落としたら壊れるのか分かりづらく本当に防水できるのか不安になります。そんな時に防水規格であるIPX○IP○○とちゃんと表示されているか確認してみましょう。

箱などにIP○やIPX○など書かれていると防水のテストをクリアした証になります。同時にどの程度まで水に濡れても保護できるのかわかります。IPX○やIP○○の見方については後述します。

IPX、IPが粉塵、防水規格を表す

このIPX○およびIP○○が防水等級を表していて○に入る数字が高いほどより強い防水ランクになります。

このIPX、IPは日本だけではなく世界各国で使われている国際的な規格になり明確なテスト方法が決められているため表示がまったくないのに、防滴や生活防水と書いている製品より圧倒的に信頼できる規格です。そのため防水性能を有する携帯電話やスマホなどの電子機器などを買うときはIPXを参考にしましょう。

防水規格の見方

IP〇〇の数字が大事

上の画像のようにIPの後にある2つの数字が防水等級を表しています。それぞれのランクについては後述しますが、IPの後にすぐある数字が粉塵(指やゴミやホコリなど)に対する保護の等級になり、最後の数字が水に対する等級です。

防塵にも等級がある

前述したように防水等級は水に対しての保護ではなくIP○○となっている場合は粉塵に対する保護を有していることになります。水と同じように数字が高くなるにつれてより強固な保護になり、細かな粉塵が内部に入らないという意味です。

防塵性能だけがない場合はIPX○となりますが、このIPXやIPが表記されるのは電気機器だけになるので、防水ポーチなどの鞄や電子機器に関係ない他の製品には表記されないので注意しましょう。

防塵しか有していない場合

防水機能しかない場合はIPX○になります。詳しい等級は後述しますが、防水のランクは8(車で使われるIP規格は9)まであり防塵は6までです。

少しわかりにくいですが、整理するとどちらかの保護がないときはIPの後の数字にXが入り、防塵、防水ともにある場合は数字が2つ並ぶということです。そしてIPの表示がない製品はどちらの保護もないということになります。

防塵・防水規格のランク0

IP00・IPXX

これらは特に保護はしていないということになります。Xは厳密に言えば保護をしていないのではなく、粉塵や水に対してのテストをしていないということになるので0とは少し違いがあります。

00はテストした結果それぞれに対しての保護はなくXはテスト自体していないので不明ということになるので、もしかしたら多少の保護があるかもしれませんが基本的には防水機能も防塵機能もないと考えて使いましょう。

IP0X・IPX0

IP0Xは防塵機能をテストした結果保護はしていない状態で防水機能に関してはテストしていないことを表します。同じようにIPX0は防塵機能は調べていない状態で防水機能だけ調べた結果、防水機能はないという状態です。これらのIPは特に記載されることもないので見かけることは珍しいです。

防塵・防水規格のランク1

IP1X


粉塵に対する保護の一番下のランクになるIP1Xは「50mmより大きい固形物」が入らないようにと定められています。携帯やスマホではまずありえない等級ですが「手」などが、機械内部の危険な箇所に入らないように保護ができているということを示している等級です。

IPX1

前述したように最初の数字がXになっているので、粉塵に対する保護にテストをしていないという意味になります。後ろの数字が1なので防水性能は「滴下する水に対する保護」となります。

滴下する水とは水道で水を出すのではなくスポイトで少量の水を出したときのように雫を意味するので最低限の防水機能しかないという意味になります。この状態だと雨や水没からは防げないのでアウトドアで携帯電話やスマホを使うときは注意が必要です。

IP11

IP11は50mmより大きい固形物に対する保護と滴下する水に対する保護がある等級です。

IPX1(IP11)の注意点としては水滴ならどの角度から落ちてきても保護されているわけではなく、携帯電話やスマホの正面、90度から降ってきたときに保護する用になっているので例えば80度などの角度からは保護の対象外になります。なおIPX1(IP11)は日本のJIS規格では防滴I形に相当します。

防塵・防水規格のランク2

IP2X

防塵機能だけ有している状態で下から2番めのランクの「直径12.5mm以上の固形物が中に入らない」状態と定められています。こぶし大から「指先」ぐらいの大きさまでに変わっていてより厳しくなっていますが、携帯電話やスマホではこれも問題なくクリアしています。

IPX2

防塵機能はありませんが、防水機能だけある状態を表していて「鉛直から15度の範囲で落ちてくる降雨による有害な影響がない」に変わっています。

鉛直というのは物体に対して垂直ということですがIPX2では左右15度以内なら保護している状態になります。80度や100度などでも大丈夫です。少し高い防水機能ですが、完全に防滴できるわけではないのでスマホなどの電子機器をアウトドアで使うにはまだ危険なランクになります。

IP22

IP2Xの直径12.5mm以上の固形物が中に入らない防塵機能とIPX2の鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴や降雨による有害な影響がない防水機能を有している状態です。JIS規格ではIPX2(IP22)は防滴II形に相当します。

防塵・防水規格のランク3

IP3X

防塵等級が3になると「直径2.5mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない」になります。指先から「ワイヤーや工具」が入らないようにより厳しいテスト内容に変わっています。携帯電話やスマホの場合はこれくらいの大きなら特に保護がない場合はスピーカーなどの穴に入る可能性が出てきます。

IPX3

防水等級が3になるとJIS規格では防雨形と呼ばれるようになります。定義では「鉛直から60度の範囲で落ちてくる降雨による有害な影響がない」となっていて垂直から左右60度の広範囲の水滴や降雨を防いでくれます。

ですがまだ全面をカバーするような保護ではないためキャンプなどのアウトドアで気にせず使えるかというと不安が残るランクです。

IP33

直径2.5mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない状態と鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴や降雨による有害な影響がない状態です。

防塵・防水規格のランク4


IP4X

IP4Xの防塵機能は「直径1.0mmの外来固形物まで保護」となりより細いワイヤーでも入らないような保護になります。携帯電話やスマホもIP4Xと異物が入りにくい作りです。防塵に対するランクは6までしかないので4からは高めになります。

IPX4

IPX4は防塵機能はありませんが「あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない」という状態になります。

これはどのような方向から飛んできた水しぶきでもスマホなどが壊れないことを意味していますが、テストは真水を使用しているため雨や水道水とは少し条件が違うので試さないほうがいいでしょう。JIS規格では 防まつ形になっていてメーカーによりますがIPX4前後までを主に生活防水と言います。

IP44

防塵も防水も4等級ある状態になります。防塵性能については高めのランクに入ってきて防水性能についてはちょうど半分です。IPの表示がなく生活防水とあるだけの製品はメーカーごとに実際のIPが違うので最悪の状態を考えて過信しないようにしましょう。

防塵・防水規格のランク5

IP5X

IP5Xの防塵性能は「有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない」になります。これは一定の時間粉塵が舞っている状態でも機械が故障するほど粉塵が入らない状態を意味し、携帯電話やスマホでもある保護等級になります。定義をわかりやすくすると故障はしないけど入る状態なので注意が必要です。

IPX5

IPX5は「あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない」になります。5より前は水滴だったり、水しぶきでしたが5からは流れている状態でも水が入らないような防水性能になっています。

注意点としては水中に入れていいというわけではなく水道水などのノズルで上や斜めから水がかかっても問題ないということです。つまり水没してしまうと壊れるという意味になります。なおJIS規格では防噴流形となります。

IP55

防塵、防水ともに高いレベルでの保護された状態です。ただし防水に関しては前述したように水没してしまうと壊れます。

防塵・防水規格のランク6

IP6X

粉塵に対する最高の保護等級で定義は「粉塵がはいらない」となっています。粉塵を完全にシャットアウトするため内部の掃除などの必要がいらない状態です。

IPX6

IPX5の保護をより強固にした状態で「あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない」となります。

どれくらい強固になったかというとIPX5が3mの距離から全方向に12.5ℓ/分・30kpaの噴流水、3分間放水してテストいますが、IPX6は3mの距離から全方向に100ℓ/分・100kpaの噴流水、3分間放水してテストしています。このように倍以上の水量でテストをクリアしたものがIPX6です。

IP66

最高ランクの防塵性能でより強い流れでも故障しない状態ですが、まだ水没してしまうと壊れてしまうので注意が必要です。

防水規格のランク7


IPX7

IPX5以降から完全防水とも言われることがありますが、7からはかなり強固な防水性能を意味し7と8は完全防水の中でも別格です。

定義は「一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない」となっていて水たまりや泳げないほどの浅い川に万が一スマホなどを水没させてもすぐに拾えば問題なく使えるランクです。テスト内容は水面下15㎝〜1m、30分間の水没になります。

IP67

最高ランクの防塵性能と誤って浅い川や水たまりに水没してもすぐに拾えば問題がない保護等級のため水辺のアウトドアでも使えます。

防水規格のランク8

IPX8

最高ランクの防水性能でIPX7よりも厳しい条件(テスト内容)をクリアした製品になります。テスト内容に細かな決まりはなくメーカーごとに自由に決めれますが、水面下15㎝〜1m、30分間よりも厳しくないと合格しません。例えば水深2mで30分や1時間、水深20mで30分などになります。

IP68

防塵性能も防水性能もともに最高ランクです。そのまま海やプールで使ってもすぐに問題はでない製品ですが防水規格のテストは真水でしているため必ずしもIP通りの防水性能があるかは不明です。そのためプールなどで落とした場合、早急に拾いましょう。

防水規格のまとめ

防滴とよばれるのは弱い防水能力

出典: https://www.amazon.co.jp/Anker-SoundCore-%E9%98%B2%E6%B0%B4Bluetooth%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC-10%E6%99%82%E9%96%93%E9%80%A3%E7%B6%9A%E5%86%8D%E7%94%9F-%E5%86%85%E8%94%B5%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AF%E6%90%AD%E8%BC%89/dp/B017LH6UCQ/ref=sr_1_8?s=electronics&ie=UTF8&qid=1540797506&sr=1-8&keywords=%E9%98%B2%E6%B0%B4

防滴型と呼ばれるのはIPで考えるとそこまで強い防水性能ではないので使うときは注意が必要です。また生活防水、完全防水だけ表示されている商品は実際の防水等級が見えないのであまりアウトドアで使わないほうがいいでしょう。そのため防水ケースなどはIPが書かれている製品がおすすめです。

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