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風蘭(フウラン)の育て方!気になる植え替えや増やし方など手入れのコツを解説!

風蘭は日本原産のランなので、ランの種類のなかでも育てやすくラン栽培ビギナーにもおすすめです。耐寒性があり冬越しさせやすいのもう嬉しいところ。多年草なので上手に育てればいつまでも鑑賞することができます。風蘭の育て方やお手入れのコツをご紹介いたします。
更新: 2023年4月10日
Yukari.S
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目次

風蘭ってどんな植物?

風蘭は、ラン科に属する多年草です。ランと聞くと栽培が難しいイメージがありますが、風蘭は日本原産であるため、比較的育てやすいです。野性的で素朴な雰囲気から愛好家も多く、江戸時代にはすでに人々に愛でられてきたのだとか。

枯れる大きな要因とは?

ランは手をかけないと育たない、という思いから過保護にお手入れしすぎて枯れることが多いようです。たとえば水やりや肥料など。どちらも過度に与えすぎると枯れる要因となります。

逆にこまめにお手入れすべきなのは、枯れた葉や咲き終わった花をこまめに取り除くお手入れです。蒸れの要因を減らし病害虫を予防できます。

風蘭の花の特徴

風蘭は初夏にかわいらしい花を咲かせます。花の色は、白もしくは少し赤紫色を帯びた白色です。花びらは5枚。花からはとても優しい甘い香りがして、花の開花を知らせてくれているようです。

風蘭の葉の特徴

風蘭の葉っぱの色は、少しトーンを落としたグリーン色です。葉っぱの形は細長く、2本ずつきれいに並んでつきます。成長するにつれ葉っぱはこんもりと混みあい、ぎゅうぎゅうとした雰囲気になります。

風蘭の基本データ

科名属名

ラン科フウラン属

学名

Neofinetia falcata

和名

風蘭(ふうらん)

別名

富貴欄(ふうきらん)

英名

furan、Japanese Wind Orchid、Samurai’s Orchid

原産国

日本

風蘭の花言葉

風蘭には4つの花言葉が存在します。どの花言葉も風蘭の魅力をあらわすのにふさわしいものばかり。では一つずつ詳しく見ていきましょう。


花言葉1・はかなげ

風蘭の白い花のひとつひとつは小さく、群生して小さな花々が咲き風に吹かれる様子は花言葉のとおり、どこか「はかなげ」な印象です。

花言葉2・優雅な女性

とても甘く優しい、たとえるならバニラのような香りをただよわせる風蘭の花。その香りから、「優雅な女性」という花言葉がイメージされました。

花言葉3・恋の成就

白くて可愛らしい風蘭の花には、甘い香りに導かれるようにミツバチや虫たちがやってきます。花の周りで飛んでいる虫たちが出会い恋を成就させる、またミツバチは風蘭の花粉を新しいところに運びます。生きる喜びにあふれた春の様子から、「恋の成就」という素敵な花言葉が生まれました。

花言葉4・成熟した魅力

風蘭の花姿は、あどけない少女というよりもどちらかと言うと成熟した女性という雰囲気があります。大人の魅力たっぷりの花姿から、「成熟した魅力」という花言葉がつけられました。

風蘭の種類

風蘭にはたくさんの種類があります。もともと山のなかに自生していた風蘭ですが、出回っているのは品種改良された園芸品種がほとんど。人気の高いしるしでしょう。

種類1・轡虫(くつわむし)

白い花びらの端が淡いピンク色に染まる種類です。白からピンク色へのグラデーションが実に美しく、自然の素晴らしさを実感させてくれるようです。花付きがよく育てやすいので初心者さんにもおすすめです。

種類2・春及殿

白と黄緑色の花びら、真ん中のピンク色が印象的です。3色のハーモニーは見事としか言いようがなく、ずっと見ていたくなるような、吸い込まれてしまいそうな美しさです。老若男女問わず人気の品種なので、プレゼントにもおすすめです。

種類3・花かんざし

白い花びらに、ビビットな紫色がよいアクセントになっている風蘭です。鮮やかな紫色なので、一鉢あると華やかです。春から夏にかけて風に揺れる花姿が美しいです。

種類4・紀州手毬

白くてやや小さめの花を咲かせます。野性的ですがとても上品で、愛好家から人気のある品種です。小さく仕立てて苔玉にしても素敵ですよ。

種類5・ブルースター

とても珍しい、青紫色の風蘭です。風蘭と言えば白いお花を思い浮かべるものですが、品種改良によりこんな素敵な花色が生み出されました。透き通るような光を帯びたような独特の紫色で、一度見たら釘付けになってしまう、ぜひ手元に置きたい品種はないでしょうか。

風蘭の育て方を徹底解説


1・土作り

ランの種類なので、土ではなく水苔で育てるのが一般的です。専門のお花屋さんやホームセンター、インターネットなどで、ランや観葉植物用の水苔が販売されています。水苔は植え付ける前に、水を含ませて少し水分を絞っておきましょう。

2・肥料

春から秋にかけての成長時期に、液体肥料をほどこします。だいたい2週間に1度の割合で液体肥料を与えるとよいでしょう。ただし肥料の希釈率は通常の植物への量より減らします。あまり強い肥料成分ですと、根っこに当たり枯れることもありますので気を付けてください。

冬の休眠時期は肥料をストップする

冬のあいだは株を休める休眠の時期となります。根っこも休んでいるので、肥料を与えても吸収しません。与えた肥料はいつまでも鉢のなかにたまったままとなり、逆に根っこに当たり枯れることもあります。寒くなってきたら肥料をストップしましょう。

3・水やり

乾燥に強く、逆にじめじめとした多湿の環境が苦手です。植え付けている水苔がよく乾いてきてから水やりをおこないましょう。鉢の下にお皿を敷く場合は、お皿に水やりした水がたまったままにしないよう気を付けます。水分が多すぎると根腐れを起こして枯れることがありますので気を付けてください。

冬の休眠時期は水やりの頻度をさげる

冬は休眠時期となり、根っこから水をあまり吸いません。水を与えすぎると鉢のなかに水がたまって、根腐れを起こし枯れることがあります。冬のあいだは、よほど水苔が乾いてきたなと感じてから少し水やりをする程度にしましょう。

4・場所

日当たりのよい風通しのよい環境を好みます。ただし真夏のジリジリと照り付ける直射日光は苦手で、葉焼けを起こして枯れることがあります。

夏のあいだは直射日光や西日の当たらない半日陰に移動するのがベストです。また、比較的耐寒性のある植物ですが、5度以上のところで冬越しさせたほうがよいでしょう。

春に芽吹くのがスムーズになります。とくに霜が降りる、土が凍るような地域では、冬のあいだあたたかい室内で栽培する方が安心です。

5・植え付け

植え付けに適した時期は、4~5月ごろです。しっかり気温が高くなってきてから植え付けましょう。まず水苔に水を吸わせて軽く水を絞っておきます。

苗の根っこに水苔をくるくると巻き付けます。水苔を入れた鉢に水苔を巻いた苗を植え付けます。植え付けた苗がしっかり根付くまで、直射日光のあたらない風通しのよいところで管理しながら、乾燥しないようこまめに水やりを続けましょう。

素焼きの鉢

地植えでも育てられますが、鉢植えにして季節に応じて環境のよいところに移動させる方法がベストです。鉢植えにする場合は、プラスチック製のものより素焼きのものをチョイスしましょう。

水はけと水もちがよく、風通しがよいからです。ラン専用に工夫された鉢も販売されていますので利用するとよいでしょう。

へご板

樹木や岩肌に直接値を張り付けて着生する性質を利用して、へご板で栽培する方法もあります。へご板とは、植物の根っこを固定する園芸用の板で、ヒノキなど木でできたもののほか、アクリルでできたスタイリッシュなものもあります。

植え付けたい苗の根っこを水を含ませた水苔で巻いたあと、へご板に針金や細い麻ひもなどで固定します。壁などに吊り下げられるので、インテリアプランツとしての役目を果たせます。

苔玉

苔玉にアレンジするのも素敵です。根っこにどんどん水苔を巻きつけていき、水苔を真ん丸に形づくったら、細い麻ひもなどでゆるめに縛って形を固定します。完成した苔玉はお好みのガラスの器などに置きましょう。とても風情があって和の雰囲気を楽しめます。

6・植え替え

植え替えに適した時期は、4~5月ごろです。太い根っこがどんどん成長しますので、根づまりを起こして枯れるのを防ぐため、定期的な植え替えが必要です。

だいたい2年に一度の割合で植え替えをおこないましょう。植え替えたい株を鉢から取り出します。これまでよりひとまわり大きな鉢に植え替えましょう。

植え替えた株がしっかり根付くまで、直射日光の当たらない風通しのよいところで管理しながら、乾燥しないようこまめに水やりを続けます。


7・剪定

花が咲き終わったら、順次花茎を根元から切り取って剪定のいて入れをします。また、枯れた葉っぱもこまめに切り取って整理するようにしましょう。

葉っぱがどんどん生い茂ってくる植物でその姿がまた美しいのですが、あまり過密になると風通しが悪くなり、病害虫の発生しやすい環境になってしまいます。上手にお手入れしていつまでも風蘭を楽しみましょう。

8・病気

ほとんど病気の心配はありません。

9・害虫

ナメクジ

ナメクジは、じめじめとした環境に発生しやすい害虫です。害虫のなかでも大きくよく食べるので、あっという間に食害にあってしまうことも。ナメクジは、とくにつぼみや新芽など植物のやわらかいところが好きなので注意が必要です。

屋外で育てているときは、ナメクジの発生に気を付けてお手入れのときにいつもチェックするように心掛けましょう。ナメクジを見つけたらただちに駆除しましょう。

カイガラムシ

まれにカイガラムシが発生することがあります。とくにほかの植物の近くで育てているとそこから移ってくることがあるので気を付けましょう。

カイガラムシは小さくてとても硬い殻で覆われた害虫です。葉っぱなどに寄生して、栄養成分を吸い取ります。カイガラムシは群生しやすいので、見つけたらすぐに駆除しましょう。

なお、カイガラムシの殻は相当硬く、市販のスプレーなどを吹きかけてもあまり効果がありません。カイガラムシの駆除には、ブラシを使って直接こそぎ落とす方法がベストです。

風蘭の増やし方・株分け

増やし方としては、株分けが一般的です。種まきという増やし方もなくはないのですが、かなり難しく専門家がおこなう増やし方と言えるでしょう。

株分けによる増やし方に適した時期は、4~5月ごろです。育てている株がこんもりと増えてきたら株分けによる増やし方にチャレンジしてみましょう。株分けしたい株を鉢から抜き取ったら、手や剪定ばさみ、ナイフなどを使って均一に株分けします。

株分けした根っこに湿らせた水苔をまきつけて、それぞれを新しい鉢に植え替えましょう。株分けして植え替えた株が根付くまで、直射日光の当たらない風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。

日本人に愛される風蘭を育ててみよう

風蘭は、日本原産のランでありとても風情があります。日本庭園などに吊り下げられているのを見たことのあるかたもいらっしゃるのではないでしょうか。

ランとは言え、冬越しさせやすく栽培しやすい植物です。一度根付けば、毎年上品な花を咲かせ見るものを楽しませてくれます。またそのお花からはバニラのようなやわらかで甘い香りが漂います。ぜひ日本の風蘭を育ててみませんか。

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