洋蘭 素焼き鉢 4.0号
グリーンプラン 培養土 シンビジューム・洋ランの土14L
春蘭の特徴
春蘭は地生蘭
春蘭は地生蘭の代表格です。地生蘭とは、その名の通り地中に根を生やす蘭のことを指し、水をためる器官がほとんどない状態なので、水切れを起こすとすぐに枯れてしまいます。また、新鮮な水を常に必要とするため、育てるのも難しい品種です。
春蘭のふしぎな生態
春蘭は生きるための栄養素を光合成のほか、腐生菌と外生菌根菌から有機物を得ている不思議な植物です。腐生菌とは、生物の遺体や老廃物から栄養素を吸い取りながら生きている菌類で、外生菌根菌とは栄養素や水分が少ない用土の中からでも栄養分や水分が吸収できるように助けてくれる菌です。
春蘭の分布
春蘭は日本各地及び中国に分布しています。最近は日本国内による人工交配苗の流通量が増えてきていますが、中国や韓国で量産されたものも多く紛れています。
食用としての春蘭
春蘭は春の「季節の味覚」として山菜として取り扱われることもあります。春蘭の花は酢の物にすると美味しいですし、塩漬けにしてお茶にして楽しむこともできますよ。
春蘭の種類
並物
春蘭の一般的な品種は「並物」と呼ばれ比較的安価で流通しています。並物という表現は少し失礼では?と思うくらい美しいですよね。
花物
「花物」とは、花の色が黄色やオレンジ系の春蘭のことを言います。人工交配により、最近はかなり赤に近いオレンジ色の品種も登場していますよ。「花物」はそれぞれ固有の名前をつけられて流通しています。
柄物
「柄物」は「葉物」とも呼ばれ、葉に白や黄色の斑が入っている春蘭のことを指します。花は咲く季節が限られている一方で葉は季節を問わず楽しめるので、「柄物」も非常に人気があります。
春蘭が開花する季節
春蘭は3月~4月ごろ、季節で言うと春に開花するため、「春蘭」という名前がつけられました。基本的には1株に1つ花を咲かせますが、まれに2~3個の花を咲かせることもあります。
春蘭の花言葉
春蘭の4つの花言葉
春蘭には「気品」「清純」「控えめな美」「飾らない心」という4つの花言葉があります。植物の花言葉が複数ある場合、1つくらいマイナスイメージの花言葉があるものですが、春蘭の花言葉はどれも美しいですね。
春蘭の花言葉の由来
春蘭の4つの花言葉は、いずれも薄暗い林家森の中で静かに花を咲かせる様子から連想された花言葉と考えられいます。
春蘭の育て方1.環境
地植えの場合
春蘭は、一年を通して半日陰もしくは日陰になるような場所で育てるのが理想的です。そのため、地植えの場合は大きな木の下に植えるのがいいですよ。落葉樹の下なら寒い季節に落ち葉が凍結を防ぎ、常緑樹の下なら暑い季節も含め一年中半日陰になり霜が降りるのを防いでくれます。庭の中をよく観察して春蘭が育つのに最適な場所を探してあげましょう。
鉢植えの場合
鉢植えの場合は季節ごとに置き場所を変えることができるので、地植えより育てやすいです。春蘭は、日射の強い夏は75%以上の遮光をしなければ葉焼けを起こす可能性があるので、棚下や軒下など1日中日陰になるような場所で育てるといいですね。また冬は凍結して枯れることもあるので、無加温のビニルハウスや屋内で育ててあげましょう。
春蘭の育て方2.用土
地植えの場合
元々春蘭は山野草なので、地植えの場合はもともとある土に腐葉土を混ぜ込む程度でも育ちます。そのため特に用土を用意する必要はありません。ただ、以前何かを植えていた場合などは、土のリサイクル用土などを混ぜ込んだ後に春蘭を植え付けたほうがよく育ちますよ。
鉢植えの場合
素焼き鉢
春蘭は根を深く張り通気性のよい用土を好むので、できるだけ深い素焼きの鉢を用意しましょう。園芸店などでは蘭栽培用の鉢も販売されているので、ぜひ利用してみてくださいね。
洋蘭 素焼き鉢 4.0号
培養土
用土は蘭栽培専用の培養土を使用してもよいです。自分で配合する場合は、「硬質鹿沼壌8:軽石2」の割合で配合した用土を使用しましょう。
グリーンプラン 培養土 シンビジューム・洋ランの土14L
春蘭の育て方3.水やり
地植えの場合
地植えの場合は土の表面を触ってみて、乾いているようであれば随時水をあげましょう。気温が低い日は凍結の原因になるので、水をやるのは日が昇った後にし、落ち葉や敷き藁などで保温するのがポイントです。
鉢植えの場合
蘭栽培用の用土や鹿沼土メインの用土の場合は、春と秋は毎朝たっぷりと水をあげましょう。夏場は蒸れるのを防ぐため、夕方以降に水をたっぷりあげておくのがおすすめです。また、冬の間は土の表面が乾いたら水をあげるようにしましょう。
春蘭の育て方4.肥料
追肥
春蘭は、5月から6月中と10月中に肥料を与えます。肥料は蘭栽培用の液体肥料を与えるのが無難ですが、一般的な液体肥料でも問題ありません。2週間に1回、肥料のパッケージに書かれた容量を与えます。
お礼肥
春蘭の花が咲き終わったら、お礼肥として緩効性肥料を置き肥すると、株の勢いを増させることができます。この際も肥料のパッケージに書かれた容量を守りましょう。
春蘭の育て方5.植え替え
地植えの場合
春蘭を地植えで育てている場合は、基本的に植え替えの必要はありません。
鉢植えの場合
春蘭を鉢植えで育てている場合は、2年に1回のペースで植え替えをしてあげるとよく育ちます。植え替えの際は、一回り大きな鉢を使用するのがおすすめですよ。
植え替えの方法
春蘭の植え替えは、花が咲き終えた後か秋に行いましょう。植え替えの際に変色したり傷ついた根やバルブ(球根のように見える部分)を清潔なはさみやカッターで切り取ると、植え替え後の生長が旺盛になります。蘭栽培用の用土などを用意し、バルブを1cm~2cm程度埋めれば植え替えは完了です。
春蘭の育て方6.増やし方
増やし方1.株分け
春蘭の増やし方で一番簡単な方法が、株分けです。1つの春蘭から2~3株に株分けすることができるので、ぜひ試してみてくださいね。
株分けによる増やし方
春蘭の株分けは、植え替えの際に同時に行うのがおすすめです。株分けする際は、根を傷つけないように春蘭を掘り起こし、バルブ(球根のように見える部分)2個以上と新芽がセットになるように清潔なカッターナイフなどで必要な分だけ切り分けます。その後、株分けしたそれぞれを蘭栽培用の用土などにバルブを1cm~2cm埋めて、水をたっぷりあげれば株分けは完了です。
増やし方2.種まき
春蘭のもう1つの増やし方に「種まき」があります。しかし、種まきによる増やし方は、成功率が1万分の1以下と言われており、非常に難易度が高いためおすすめはできません。ただせっかく種ができてるし種まきによる増やし方も試してみたい!という方は、専用器具をそろえてチャレンジしてみてもいいかもしれませんね。
春蘭の育て方7.手入れ
手入れ1.古葉外し
春蘭の葉は、2年~3年で新しい葉に生まれ変わります。そのため、外側の茶色く傷んだ古い葉は、見つけ次第摘み取りましょう。
手入れ2.花がら摘み
春蘭の花が咲き終えたら、花を摘み取ってあげましょう。ただ、この時ハサミやカッターナイフを使う際は、清潔な状態にして切り口から病原菌が入り込まないように十分注意しましょう。
春蘭の育て方8.病気
春蘭がかかりやすい病気1.炭疽病
炭疽(たんそ)病は、春蘭の葉に褐色の病斑をつくる病気で、春から秋にかけて気温や湿度が高い時期に発生しやすい病気です。炭疽病が進行すると、春蘭が枯れてしまうこともあるため、できるだけ風通しの良い場所に植えて高温多湿にならないように管理してあげましょう。また、発病が確認された葉はすぐに摘み取り、ゴミに出しましょう。
春蘭がかかりやすい病気2.灰色カビ病
灰色カビ病は、その名の通り灰色のカビに花や葉がおおわれる病気です。葉の付け根まで灰色カビ病が進行すると、春蘭の地上部がすべて枯れてしまうこともあるので注意しましょう。灰色カビ病を防ぐには、水やりを株の根元にするようにし、枯れた花や葉は早めに摘み取るのが効果的です。
春蘭がかかりやすい病気3.軟腐病・根腐れ
春蘭の葉がふにゃふにゃと柔らかくなってしまったら、「軟腐(なんぷ)病」や「根腐れ」を疑いましょう。軟腐病は最近が原因で、根腐れは多湿な環境が原因ですが、いずれも症状がとてもよく似ています。いずれもあまり有効な薬剤などはないので、枯れた部分を摘み取り、周辺の雑草などを取り除いて、風通しの良い状態にして様子を見ましょう。
春蘭がかかりやすい病気4.ウイルス病
春蘭の葉の色がモザイクのように変色した場合は、ウイルス病が疑われます。そのため、ウイルス病は「モザイク病」とも呼ばれます。ウイルス病は春蘭を吸汁する害虫により媒介されるため、ウイルス病の症状が見られたら発症した部分を速やかに摘み取り、害虫駆除を徹底しましょう。
春蘭の育て方9.害虫・害獣
春蘭につきやすい害虫1.アブラムシ
アブラムシは5月ごろと10月ごろをピークにほぼ1年中発生する害虫です。先にご紹介したウイルス病を媒介することもわかっているため、見つけたら早急に殺虫剤で防除することをおすすめします。アブラムシには羽のあるものもおり、他の植物から飛んできて繁殖することも多いです。春蘭にアブラムシがついた際は、周りの植物に発生源がないか確認するようにしましょう。
春蘭につきやすい害虫2.ハダニ
肌には春蘭の葉の裏側から吸汁するため、歯の表面が透けているように見えます。ハダニは最悪の場合春蘭を枯らしてダメにしてしまうこともあるで、こまめに葉の裏にも水をかけて洗い流したり、大量発生した際は殺虫剤の散布を行いましょう。
春蘭につきやすい害虫3.ナメクジ
春蘭とナメクジは好きな環境が似ているため、どうしても食害にあってしまいます。ナメクジの数が少ない場合は捕殺で対応できますが、ナメクジは急激に増えることもあります。ただ、ナメクジは対策薬も多く出回っていて、かつ安価で手に入れることができるので、あまりにも数が増えすぎたときはそういった薬品を散布して退治しましょう。
春蘭は害獣にも注意
里山が近い場所で春蘭を栽培していると、鉢植えで育てていても、シカやイノシシにより春蘭が食べられてしまうことがあります。里山が近い場合は鉢植えで育て、食べ物の少なくなる冬は屋内やベランダなどに移動させるのがおすすめです。
春蘭の栽培のコツは水の管理の徹底!
春蘭の栽培は、地植え、鉢植えともに水の管理の徹底が最も重要です。春蘭は各地の里山で自生しているので、もし近くに里山があれば一度春蘭を探し、その環境と似た環境を作ることを目標にするのもいいですね。春蘭は株分けによってどんどん増やせます。お気に入りの品種と出会ったら、たくさん増やして楽しんでみてくださいね。
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