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ハナモモとは?その種類や特徴から育て方をご紹介!コツってある?

ハナモモの基本情報をまとめました。花言葉やハナモモの種類、さらには簡単な育て方もご紹介。ハナモモは挿し木などで簡単に増やすことができます。お気に入りのハナモモと出会ったら、上手に育てて花をたくさん咲かせてあげてくださいね。
更新: 2022年4月19日
吉岡てんぱ
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ハナモモとは

ハナモモの学名は「Prunus persica」、バラ科のサクラ属の植物。モモの実が成る果樹をベースに品種改良を重ね、花の鑑賞専用として誕生したのがこのハナモモです。

ハナモモは3月中旬から4月中旬ごろまでが開花時期で、ちょうどサクラの花と同じ時期に八重の花をたくさん咲かせます。花色は濃いピンクやうすピンク、白、赤などパッと目を惹くような鮮やかな色味が特徴です。

ハナモモとモモの違い

モモは『古事記』にも登場することから、かなり古い時代より栽培されていたことがわかっています。日本でひなまつりにモモの花を飾る習慣ができたのは、平安時代と言われており、江戸時代ごろから花の鑑賞に適した樹木にすべく、品種改良が行われていたと伝わっているのです。

ハナモモの実

花の鑑賞用に品種改良されたハナモモですが、夏の終わりごろには500円玉大のモモの実をつけるのです。ちょうどモモの実の旬と重なるでしょう。ただすぐに干からびてしまう品種などもあり、果実として食べられるものは限られています。

そのため、基本的にハナモモの実は食べられないと言われています。ただ、ハナモモの実の中身もモモと同じような黄色い色をしていて、モモの香りもするのです。

味は酸味が強く抜けた感じなのですが、特に体に毒になるものではないので、興味がある方は一度手に取ってかじってみてください。ハナモモが元々モモであることを舌で感じられますよ。

ハナモモの種類

樹形によるハナモモの分類

ハナモモは一般的な樹木のような「立ち性」や、枝がしなやかに垂れ下がる「枝垂れ性」、さらにはシュロほうきが逆立ちしたよう枝が伸びる「ほうき立ち性」といった3つの種類があります。

ハナモモを育てたいとき、見た目で選ぶのもいいですが、植える場所に合わせて選ぶのもいいですよ。狭い場所ではほうき立ち性だと剪定などの手入れがしやすく、広い場所では枝垂れ性のハナモモを植えるといいでしょう。

人気の種類1.矢口(やぐち)

ハナモモの矢口は切り花としてもよく使われる品種です。そのため、ひなまつりに庭で育てたハナモモを飾りたいという方にはぜひおすすめしたい品種となります。花びらの枚数が多くボリュームたっぷりの花を咲かせるので、とてもかわいらしいですよ。

人気の種類2.照手(てりて)

照手はほうき立ち性のハナモモの代表格で、狭い庭でも育てやすいと人気があります。濃いピンク、赤、白の3種類がよく出回っており、いずれも大輪の花を咲かせるので、満開の時期は枝が見えなくなるくらい株全体が花で覆われるのです。

人気の種類3.源平(げんぺい)

源平は「赤」「白」「紅白の絞り」の3色の花が競うように咲く美しいハナモモです。年によって、花の色味の割合が変わったり、2色しか咲かないなどの変化があるので、育てる楽しみも十分に味わえますよ。源平は立ち性と枝垂れ性があるのでお好みに合わせて選んでくださいね。

人気の種類4.菊桃(きくもも)


菊桃は、菊のような細長い花びらが特徴のハナモモです。菊桃にも立ち性と枝垂れ性の2種類があり、いずれもとても人気があります。一般的なハナモモよりもシャープな印象で、洋風の庭にもよくなじむでしょう。

ハナモモの花言葉

ハナモモの花言葉

ハナモモには「気立てのよさ」「恋の虜」「恋の奴隷」「あなたしか見えない」という4つの花言葉があります。

ハナモモの花言葉は恋の言葉

ハナモモは果実を味わうためでなく、花を観賞するためだけに品種改良された植物です。そのため、たくさんの人に愛でられるイメージが強く、恋に関係する花言葉がたくさんついたのではないかと考えられています。

いずれの花言葉も、恋に夢中になる少女の気持ちを現した花言葉ばかり。ハナモモは大切な人に贈るのにもぴったりな花です。

ハナモモが好む環境

ハナモモは広さに余裕のある場所で育てましょう

ハナモモは地植えで育てるのが基本です。ただ、大きく育つと10m程度まで育つことから、広さに余裕がある場所に植えるのがいいでしょう。

日当たりがよい場所でハナモモを育てると、花つきがよくなり樹形も自然と整いやすいです。土の質に対して注意点はありませんが、水はけのよい場所を選ぶとよいでしょう。

ハナモモを鉢植えで育てたい場合

ハナモモはとても魅力的な植物です。そのため、鉢植えでも育ててみたいと考える方もいますよね。ただ、基本的にハナモモは大きく育つ樹木なため、鉢植えで育てるのはなかなか難しいです。

いろいろな事情があり、なんとしてでも鉢植えで育てたいと考えている場合は、苗を購入して数年のみなら何とか育てられるかもしれません。ただ、いずれ窮屈な鉢の中ではうまく育たなくなるので、鉢植えで育てる場合も数年後の植え替え場所について早めに考えておく必要があります。

鉢植えでハナモモを育てた後に植え替える先がない…という場合は、鉢植えではなく盆栽のように育てるのもいいでしょう。盆栽は単純な鉢植えの植物と異なり手入れが大変ですが、コンパクトなハナモモとして育てることが可能なので、ぜひチャレンジしてみてください。

ハナモモの育て方

育て方1.植え付け時期

ハナモモは葉が落ちた10月中旬ごろから12月中旬、また花が咲く前の2月上旬ごろから3月下旬が、植え付けに適した時期です。

苗木は1年中出回っていますが、落葉時期に植え付けを行うことでハナモモの株へのダメージも小さくなるので、苗を購入したとしても植え付けに適した時期になるまで植え付けは待ちましょう。

育て方2.用土

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ハナモモは植え付ける場所の土は基本的にどんな土でも大丈夫です。ただ、水はけがよい土の方がよく根を張ってしっかり育ってくれるので、日中もジメジメしているような場所に植えるのは避けましょう。

どうしてもそのような場所しかない場合は、盛り土をしてから植え付けると、少しは状況がよくなりますよ。


育て方3.肥料・水やり

ハナモモは地植えで根付いてしまえば基本的に水やりは不要です。ただ、梅雨明けから9月ごろまでは土が乾燥しすぎると弱ってしまうこともあります。雨の少ない夏は、朝涼しい時間帯にたっぷりと水やりをしてあげましょう。

肥料は2月ごろに、緩効性化学肥料や油粕を置いてあげると花がよくつきます。ハナモモは育て方がやさしい植物です。肥料を上げなくてもぐんぐん育つので、あまりたくさんの肥料は必要としていません。

育て方4.植え替え

ハナモモは生育が旺盛なので、基本的に植え替えはできません。また何かの事情でいったん株を引き上げ、同じ場所に植えることになった場合は、別の場所から土を入れ込み、根の周りの環境を変えてあげましょう。

そうしないとハナモモの連作障害のような症状が出て、花つきが極端に悪くなったりすることもあるので要注意です。

ハナモモの剪定

剪定の時期

ハナモモは剪定せずに育ててもそれなりに育ちますが、花数を増やしたり、コンパクトに育てたい場合は剪定が必要です。剪定は開花時期が終わったら速やかに行いましょう。新芽が伸びてから剪定すると、生長が鈍くなるので心配な場合は少し花が残っている状態で剪定してもよいですよ。

剪定のコツ

ハナモモの剪定は、花が咲いた枝の芽を2つくらい残して剪定すると、樹形が整いやすいです。またひこばえ(根元から伸びる枝)や、不要な場所から生えてきた小さな芽は見つけたらすぐに摘み取るようにするといいでしょう。摘み取りは剪定と違って、いつおこなっても大丈夫です。

ハナモモの増やし方

増やし方1.挿し木

ハナモモは挿し木による増やし方が一般的です。挿し木による増やし方をしたい場合は、5月か6月に行うのが最適で、その年に新しく伸びた枝を使って行いましょう。ハナモモの枝を先端から5~10㎝ほど切り取り、根元の葉を落としたら挿し木用の土に挿します。

挿し木による増やし方は成功率が高いですが、挿し木した枝が十分に根を張るまでは、水を切らさないように注意しましょう。また挿し木したら風があまり当たらない明るい日陰で管理すると失敗しにくいですよ。

増やし方2.種まき

ハナモモの実が落ちたら、中から種を取り撒くことで、株を増やすこともできます。ただ、種まきによる増やし方では、どんな花が咲くかわかりません。花の色や形が全く異なる可能性もあります。

それでも構わないという方は、ハナモモの種を取り出したらすぐに土に埋めて、乾燥しないように管理してあげてください。春になると芽が出て、1年くらいで1mくらいまで生長しますよ。

増やし方3.接ぎ木

ハナモモの園芸用の苗木は、接ぎ木による増やし方を採用しています。挿し木よりもさらに成功率が高いので、接ぎ木の知識がある方はぜひ試してみてくださいね。

ハナモモがかかりやすい病気

病気1.モモ縮葉病(しゅくようびょう)


モモ縮葉病とは、その名の通りモモの葉によく発生する病気で、春ごろに葉が縮み始め徐々に赤や黄色に変色し、火ぶくれのような症状を発症します。

感染力があるため、新芽や花や実にも感染することがあり、そうすると新芽や花や実も同じようにふくらんでしまうのです。変色が進むと表面に白い粉をふき、枯れ落ちます。

モモ縮葉病対策

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モモ縮葉病の原因となる菌は、休眠期の間は樹木の表面に張り付いて越冬しています。そのため、休眠期の間にオーソサイド水和剤などをむらなくたっぷり散布すると菌が洗い流され、病気の発生を完全に防ぐことができるでしょう。

病気2.灰星病(はいぼしびょう)

灰星病はモモなどの果樹やマメ科の植物によく発生する病気です。葉に灰白色の斑点がまだらに表れて、徐々に拡大しますが自然に消えることはないため、被害は広がり続けます。新芽などが灰星病に感染するとやにが出て、そのやににより枯れてしまうこともあるので注意が必要です。

灰星病対策

灰星病を発病した葉を見つけたら速やかに処分し、被害の拡大を防ぐことが大切です。また少しでも風通しがよくなるように葉を適宜に落とし、細かい枝を摘み取ることも効果的。

モモ縮葉病と同様に、オーソサイド水和剤などが病気の予防に効果があるので、灰星病を見つけた際にもぜひ使用してみてくださいね。

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ハナモモで春の庭を彩りましょう

ハナモモは多少発生しやすい病気はありますが、比較的育てやすい植物です。生育も旺盛で、植え付けて数年でかなり大きくなるので、庭のシンボルツリーとして植える人もいますよ。

ハナモモは花がボリュームたっぷりで存在感抜群なので、たくさんの花であふれる時期でも行き交う人の目に留まるでしょう。ハナモモを上手に育てて、春の庭を今よりもさらに華やかに彩ってみませんか。

庭木が気になる方はこちらもチェック

ハナモモは落葉樹ですが、庭木として植える場合は常緑樹と一緒に植えると冬の間も寂しい庭になりませんよ。木の特徴を生かしながら、いつでも賑やかな庭づくりができるといいですね。